オバケイドロ!

【おばけいどろ】

ジャンル 非対称型対戦ゲーム
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売・開発元 フリースタイル
発売日 【Switch】
ダウンロード版:2019年8月1日
パッケージ版:2019年12月19日
【Win】
ダウンロード版:2022年7月21日
定価 【Switch】
ダウンロード版:1,980円(税込)
パッケージ版:3,278円(税込)
【Win】
ダウンロード版:1,980円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント オバケとケイドロ
愛らしい世界観
ライト層向けの作り


概要

タイトル通り「ケイドロ」をモチーフとした非対称型対戦ゲーム。
開発のフリースタイルはコンシューマー機に自社パブリッシングタイトルを出すのはこれが初となる。(詳しくは余談にて後述)


特徴

  • 原則的に3人のニンゲンvs1人のオバケで行う「ケイドロ」で、ニンゲン側は試合時間3分経過時に誰か一人でも牢屋の外にいれば勝利で、オバケ側はそれまでにニンゲンを全員捕まえきれば勝利となる。
    • オバケに捕まったニンゲンはマップ中央の牢屋に入れられてしまうが、牢屋に付いているスイッチを他のニンゲンが押して解放してくれれば再び牢屋の外に出られる…と説明するまでもないが「ケイドロ」とほぼ同様のルールとなっている。
      • ただし牢屋解放後、檻が閉じる際に牢屋の中にいると再び閉じ込められてしまい、再度救助を待たなければならなくなる。*1
      • 牢屋の解放後30秒間は見張りがつくため再び牢屋を開けることはできない。この残り時間は画面下にゲージが表示される。
+ マップ一覧

これらのマップは通常版の他、一定時間ごとにニンゲンの行動範囲が変化したり*2、牢屋のスイッチの数が異なる「マヨナカの~」「タソガレの~」の3つのバリエーションが存在する(わいわいマッチが開催されたマップはマンゲツが加わって4つ、イタズ~ラ広場はタソガレが存在せず2つ、ヨクバリ~ノ館は1つだけでバリエーションが存在しない)。

  • デル~ゾ墓地
    • 地形が平坦で広さも中程度の、スタンダードなマップ。
    • 有利なオバケは「ツギタシ」。ツギタシのスキルはこのマップでのみ発動する。
    • タイトル画面に映るマップおよびチュートリアルで遊ぶマップはこのマップである*3
  • オバケロ沼
    • 移動速度が低下する沼地がある森のマップ。
    • 有利なオバケは「ケロキング」「ケロエンペラー」。
    • わいわいマッチ限定マップであるマンゲツには、ニンゲンが近づくと様々な効果が発動する「キマグレきのこ」が点在している。
    • 冬模様マップでは沼が凍り付き、その上をニンゲンや足で移動するオバケが歩くと慣性が働いて滑る。しかし、直線で移動すると何故か通常より足が速くなる。また、ケロキング系のスキルは通常通り発動する。
  • マボローシ街
    • 建物が沢山ある街のマップ。時々霧が出て視界が遮られる。ニンゲン側に有利な構造となっている。
    • 有利なオバケは「キリサキ」「センギリ」「タチキリ」。キリサキ系のスキルはこのマップでのみ発動する。
    • このマップのみ、マヨナカのエリア制限が「ニンゲンの行動範囲縮小」ではなく、「行動範囲拡張」となっている。これは一定時間経過で建物が幻として消えてしまうためである。
    • 冬模様マップではT字型の水路に氷が張るため、牢屋スイッチが少々押しづらい。
  • ブットビ倉庫
    • 2019年12月12日のアップデートで追加。木箱や吊り下げられた足場が至る所にある高低差が激しいマップ。
    • 乗ると大ジャンプする仕掛け「ジャンプ台」が存在する。オバケはこの仕掛けで大ジャンプからの強襲ができる上、マンゲツを除くいずれのマップもエリア制限が存在するため、「危険度」が通常版の時点で高め。
    • 有利なオバケは「ワルウルフ」「ボスウルフ」だが、詳しくは「問題点」の項を参照。
    • わいわいマッチ限定マップであるマンゲツには、壁抜け可能オバケ専用のジャンプ台や破壊可能かつ障害物判定の無い黄色い木箱が存在する。また、試合時間が半分を切ると倉庫のヌシが現れ、空中通路の出現と同時にマップ構造が変化する。
  • バッタン図書館
    • 2020年2月28日のアップデートで追加。本棚が沢山ある薄暗いマップで、ニンゲンが近づいたり一定時間経過で倒れる本棚が至る所にある。
    • 倒れてくる本棚に当たったニンゲンは気絶して無防備になり、オバケに捕まりやすくなってしまう。ただ、中には本だけが落ちる本棚もあり、その場合は本棚の中に隠れることができる。
    • 有利なオバケは特になし。
  • イタズ~ラ広場
    • 第1回フェス期間中にフリーマッチに出現したフェスマップ。現在はNintendo Switch版でのみ、有料DLCを購入することでフリーマッチ以外のモードで任意に選択可能。
    • 賑やかに飾り付けられた町が舞台のマップで、ニンゲンがしばらく隠れていると光って居場所がバレる緑カボチャやカボチャのカカシ、オバケが壊すことが出来るお菓子箱が存在する。
    • 有利なオバケは「ハナッチャ」「メェータン」「タフウルフ」。これらのオバケの能力「オカシナダッシュ」はこのマップでのみ発動する。
    • このマップに関わるスタンプカードが存在する。
  • ヨクバリ~ノ館
    • 第2回フェス期間中にフリーマッチに出現したフェスマップ。唯一バリエーションが存在しないが、危険度は高い。
    • 様々な珍しい物が展示されている豪華な館で、パトロールちびオバケが各所を巡回しており、ニンゲンが探知範囲内に入るとオバケ側に「パトロールダッシュ」が発動する。ニンゲンの足が遅くなり、ケロキング系のスキルが発動する浅瀬もある。
    • 時間経過でパトロールちびオバケが増備される他、残り1分になるとパトロールちびオバケ増備かエリア制限発生のどちらかが発生する。
    • ニンゲン側は各所にあるジャンプマークの上でしゃがみボタンを押すと、決まった方向に高速ジャンプ移動する「怪盗アクション」を行える。中には1度だけ行える場所も存在する。
    • このマップには「グリ(怪盗)NPC」が必ずどこかに出現する。勝敗には関わらないが、オバケで捕まえたり、ニンゲンで救出することがスタンプ条件の一つになっている。
    • 有利なオバケは「ツギハギ(警察)」「キリサキ(警察)」「ワルウルフ(警察)」。これらのオバケの能力「ヨクバリ~ノダッシュ」「ヨクバリ~ノサーチ」はこのマップでのみ発動する。
    • このマップに関わるスタンプカードが存在する。
  • ニンゲン
    • ニンゲン側はオバケに対する反撃手段として、Yボタンで一度だけランタンを使うことが出来る。
      • ランタンを使った時に周囲にオバケがいると一定時間スタンさせることができる。効果範囲やスタンする時間はランタンによって異なる。
      • ランタンは檻に閉じ込められた後仲間に救出して貰った時のみ復活する。(ランタン使用後に解錠スイッチを押して他のニンゲンを助けたプレイヤーのランタンは復活しない。)
      • ランタンが使える状態だと手元が光っているため遠くからでも発見されやすい。しゃがむことでランタンの光を一旦消すことはできるが、立ち上がると再び火が灯り発見されやすい状況に戻る。
    • ニンゲンがしばらくの間動かずに隠れていると、ちびオバケがやって来てオバケに隠れている方向がバレてしまう。
      • あまり索敵範囲は広くないので多少動けば回避可能。*4
    • ニンゲン側は他のプレイヤーの居場所もマップに表示され、遠くからでも障害物を透過して確認できる。
    • ランタンのタイプは全部で4種類で、平均的な性能を持ち扱いやすい「バランス」、範囲が狭いがスタン時間が長い「スタン」、スタン時間が短いが範囲が広い「はんい」、他のタイプには無いスキルが搭載されている「ユニーク」が存在する。
      • どのタイプに属するかは光の色で判別可能。
  • オバケ
    • Yボタンで近くにいる人間を捕獲できる。
      • ニンゲンとは違いオバケごとにスピードやジャンプ力、捕獲の判定の範囲などが異なる。
      • ニンゲンを捕獲した後は数秒間のクールタイムが発生し(手が消滅する等)、その間は連続でニンゲンを捕まえることが出来ない。*5
    • 各オバケは固有のスキルを持っており、その内容はランタンを食らったり避けたりするとニンゲンを壁越しに視認出来たり、ニンゲンの足跡が赤く光ったり、マボローシ街の霧を薄くしたり、発動から一定時間の間だけ壁抜けが出来たり、所定時間になると最も遠くにいるニンゲンの場所を特定したり、二段ジャンプができたり、近くにニンゲンがいると移動速度が上がったりと多種多様。
      • フェスに関わるオバケはスキルを2つ持っている場合がある。例としてイタズ~ラ広場で有利なオバケは各自が持つスキル以外にも固有スキル「オカシナダッシュ」を所持している。
      • 例外的にツギハギ、ゴールデンツギハギ、ツギハリはスキルを持っていないが、ツギハギでプレイすると対戦終了時に特別ボーナスが貰える。
  • いわゆる実績要素として、条件を満たせば押してもらえるスタンプカードが存在する。*6
    • スタンプを獲得すると対応した称号が貰える*7ほか、集めた数に応じてステータス(主に移動速度)アップ、追加キャラ、ランタンが貰える。
      • 移動速度アップの上昇値は微々たる程度で、習得しているか否かかで極端な差はつかないようになっている。
      • 称号はオンラインプレイ時に自身の名前と同時に表示できるもので、ゲームバランスに影響を及ぼす要素ではない。
    • 集めた総スタンプ数が一定以上になったプレイヤーはオンラインプレイ時に名前の横に星マークが表示される(最大3個)。
  • また、ニンゲン・ランタン・オバケはスタンプカード以外にもゲーム内通貨を消費したり期間限定イベントに参加することで解禁できる。
  • ゲームモードは本体一台を使った画面分割プレイの他、ローカル通信によるプレイ、オンライン対戦およびフレンドマッチが存在する。
    • 2021年8月12日には、史上初の期間限定で変則ルールのケイドロを行う「わいわいマッチ」が開催された。「マンゲツの夜に開かれる」という設定があり、それに沿って「マンゲツの~」と付くマップでのみニンゲン6人、オバケ2人でケイドロを行う。
      • 2023年2月18日より、土日限定で対象マップがわいわいマッチ同様のニンゲン6人、オバケ2人になる常設ルール「わいわいタイム」が実装された。フリーマッチの特定の時間帯に開催され、対象マップは週ごとにデル~ゾ墓地→マボローシ街→バッタン図書館→デル~ゾ墓地…のローテーションを繰り返す。

評価点

  • かわいらしいグラフィックと世界観
    • 本作と同ジャンルの非対称型対戦ゲームはホラー要素があったり、海外メーカー故のデザイン上の日本人とのセンスの違いから人によっては手の取りにくさがあるが、本作は2~3頭身程度にディフォルメされた日本人好みのデザインに仕上がっている。
    • オバケがニンゲンを捕まえた時のムービーもコミカルで面白く、マップやオバケはなるべく直線的なデザインを廃することで「触っても痛くなさそう」な雰囲気を醸し出しており、低年齢層の子供にも安心して遊ばせやすいゲームとなっている。
    • ニンゲン側にてオバケに追われている時も緊迫感を煽りながらもどこかいい意味で気が抜けるBGMが流れるため、幽霊をメインの敵役としつつも全体的にコミカルな印象を受ける。
    • オバケ側の場合はニンゲンが近くにいると、おどろおどろしくもどこか勇ましいBGMが流れ、如何にも追い詰めている気分にさせてくれる。
      • ちなみにシナリオモードがあるわけではないがオバケたちがニンゲンを捕まえる理由は「遊んで怖がらせるのが好き」「ショップの店主が流行らせた遊び」という微笑ましい理由付けがなされており、恐怖感を感じさせないゆるいノリ。
  • シンプルな設計
    • 若干の独自要素を抜けば「子供の頃に遊んだケイドロ」そのものなので極めてルールが分かりやすい。
    • 操作は移動・ジャンプ・Yボタンのアクション・(ニンゲンのみ)しゃがみや仲間の救出及びエモート…と単純で初プレイ時やオフラインでの接待用のゲームとしても遊びやすい。
      • できることが限られるのは即ち煽りプレイや意図的に味方に大きな負担をかけるプレイがやりにくく*8他の非対称型ゲームに比べ余計なストレスが溜まらないという利点にもなっている。
    • 一試合3分なので気楽にプレイしやすく、負けてもすぐに次に行こうと気持ちを切り替えてプレイしやすいのもポイント。
  • 豊富なプレイスタイル
    • オンライン対戦に限らず携帯モードを使ったローカル戦や画面を4分割した多人数プレイも行えるため、パーティゲームとしても活用できる。
    • 特に1台でも4人プレイ可能なゲームは近年ではなかなか珍しいため特筆点。
      • 画面4分割した上で遅延のない多人数プレイは技術的にハードルがあり、(フレームレートがやや落ちるものの)CS機での開発経験が無い小規模な開発チームで実現できたのは開発者視点で言えばなかなかの評価点と言える。

賛否両論点

  • オバケ側が不利だと言われやすい
    • とりわけ牢屋の開錠スイッチが2つしかないマップはニンゲンが一人捕まってもニンゲン側が二人同時で突っ込んでくればオバケのクールタイム中に解放できてしまう上、上手いニンゲンは四隅に誘導させてからの二人同時解放を狙ってくるため、セオリーを理解している相手だと勝つのが非常に難しい。
      • ただしスタッフインタビューによると開発陣はニンゲン側の協力プレイの楽しさに重点を置いた設計にしているらしく「オバケは上級者向け」と公言している。
      • また、確かに初心者同士の対戦ではニンゲンの方が扱いやすく感じるものの、公式Twitterの発表(2020年8月1日)によると、1年間の総対戦回数1,513,070回においての勝率は57%対43%とオバケ側が上回っており、ゲームバランスが未調整であるとは言えない*9
    • 一応なんとか2人捕まえればオバケにも勝機はあり、オバケとマップの組み合わせによってはかなり強くなるケースも存在する。
  • オバケ・ニンゲン問わずお世辞にも強いとは言えないCPU
    • アップデートで多少は強化されているとはいえ、マップによってはちょっとした段差や同じ道をぐるぐる回るだけで完封できる場合があったりと弱いにも程があり、歯ごたえが無い。
      • オバケのCPUがあまり強くないのは上述の「ニンゲンの協力プレイの楽しさ」に重点を置いているためと言えるかもしれないが、ニンゲン側にCPUが混じった場合は足手まといもいいとこである。
      • ただ、これはゲームが上手いプレイヤーから見た話であって、ライトユーザーや初心者から見れば丁度いい強さなので、練習にはうってつけと言える。
  • 上述の通り余計な要素が無い分、人によっては飽きるのが早いかもしれない
    • これに関しては下記の通りアップデートの乏しさも影響していると言える。

問題点

  • アプデでオバケが追加されても「有利なオバケ」の表記が更新されない
    • アップデートによってオバケが追加されることがあるが、一見そのオバケが有利そうなマップであっても「有利なオバケ」の表記はほぼ更新されていない*10
    • 「ブットビ倉庫」はワルウルフとボスウルフが有利とゲーム内で記されているが、このマップでしか発動しないスキルはなく、ワルウルフ系に似たステータスのオバケは現在数多く存在している。この事から、「ワルウルフ系に似たステータスのオバケ」即ち「(壁抜けが出来ない代わりに)ジャンプ力が高いオバケ全般」が有利といえる。
      • わいわいマッチ限定の「マンゲツのブットビ倉庫」には壁抜けが出来るオバケしか利用できないジャンプ台があり、オバケ毎の格差が小さめ。
  • パッケージ版でしか手に入らないDLCが存在する
    • 「はじめてのオバケイドロ!セット」は、その名の通り初心者でも扱いやすいキャラやランタンのセットが入ったDLCなのだが、これは現時点ではパッケージ版に同梱されているダウンロード番号を入力して引き換えることでしか入手できない。なのでダウンロード版のユーザーが手に入れたい場合は基本的に後でパッケージ版を買う他にない。
      • 一応、引き換えさえできればダウンロード版でもちゃんと使えるのはせめてもの救い。
  • アップデート・ゲーム内イベントの乏しさ
    • 本作は明確にストーリー・ゲームの終わりが存在するRPG等とは違い対戦がメインのゲームである。こうした対戦型ゲームは発売後も開発側が中~長期のサポートをして随時新たなコンテンツの提供やゲームバランスの調整が行われなければゲーム性が硬直し早期にプレイヤー離れが起こってしまうが、
      本作は発売後の二年間でマップの追加や期間限定イベントの開催が行われたのはごく数回程度で、十分な新要素の追加が行われているとは言い難い。時間帯によっては明らかにマッチングが成立しにくかったりと実際にアクティブプレイヤーの減少を招いてしまっている。
    • アクティブプレイヤーの減少は副次的にランク差のあるプレイヤー同士の格差マッチも招いてしまっており、始めたばかりのプレイヤーが上級者同士のマッチに一人放り込まれやすい事態を引き起こしている。
      • 近年のオンライン対戦ゲームはいわゆる「上級者のサブ垢」を素早く昇格させ初心者狩りを防ぐ機能が搭載されているタイトルも存在するが、本作はこの機能が存在しない模様。
    • また、期間限定イベントに関してはここでしか入手できないニンゲンおよび特別な能力を持つオバケとランタンが存在するのだが、短期間中にかなりやりこまないと入手条件が満たしにくい上に第1回フェス以外はイベント終了後も再入手できる救済措置が未だ存在しないため、参加したプレイヤーとしていないプレイヤー間で格差が生じてしまっている。
      • 一応、第1回フェスの報酬やフェスマップは現在は有料DLCとして配信されている。取り逃したキャラがある方、あるいはフェスマップで遊びたい方は購入してみてはいかがだろうか。
    • 特に第1回わいわいマッチの本開催時は期間が1か月にも満たない上に、前イベントから約1年のブランクが開いていたため、スタンプをコンプ済みのプレイヤーは参加を逃している事が多いだろう。もちろん報酬も存在していたため参加できなかった場合は煩わしいことこの上ない。
    • 一応開発スタッフはインタビューにて「大まかな作りそのものは変更することはないが、若干のカスタマイズ性等は導入したい」と抱負を述べている。
  • 通信環境が悪いプレイヤーを排除する機能が存在しない
    • お察しの通り通信のラグを悪用した戦法がまかり通るため、言うまでもないが不評。
    • 上述の通りオバケ側がやや不利なのはある程度意図したゲームデザインだが、これに関しては明らかにスタッフが対処すべき問題点であると言える。

総評

とてもキュートな世界観が魅力な作品。
児童の遊びをモチーフにしつつも上手くゲームらしい要素を加えたアレンジを施し、同ジャンルの先駆者から複雑性・スプラッター要素を排したことでより幅広い層が楽しめるゲームに仕上がっていると言える。

一方ライト・キッズ層をメインユーザーに想定しているためか、コアゲーマーや他の非対称型ゲームをやりこんだ層からすると底が浅いように感じてしまう部分も存在する。
新興メーカーのCS機参入一作目としては一定程度以上の完成度に到達できているとも言えるが、やはり大手メーカーと違ってノウハウ不足が祟っている問題点があること自体は否定しきれない。

とはいえ、ゲームの根幹のアイデア自体には光るものがあり、スタッフインタビューでは新コンテンツの追加や継続的なサポートについて前向きなコメントをしているため、今後のより一層のクオリティアップに期待したいところである。


余談

  • 元々本作は岐阜で2018年に開催された「第2回全国エンタメまつり」*11というイベント専用の完全オリジナルゲームとして開発されたものである。
    • 開発会社であるフリースタイルがITソリューション事業などいわば裏方業務がメインの会社だったこともあって、当時は製品化の予定もなかった。
    • ところがなんと、フリースタイルのブースのすぐ近くに偶然にも任天堂が出展していたことで任天堂社員の目に留まり、同イベント内でも特に人気が高かった作品だったこともあって直々に製品化をもちかけられたという開発経緯を持つ。参考サイト(スタッフへのインタビュー)
    • その後も同社では初となるCS機でのソフト開発ということもあって苦戦したが、任天堂から直々にアイデアやサポートを貰いつつ、最終的になんとか現在の形にこぎつけられたとのこと。
    • ちなみにイベント出展当時はオバケ側の勝率が圧倒的に高かったようである
  • こういった経緯もあってか2020年8月10日~同年8月16日のNintendo Switch Onlineの加入者限定コンテンツである「いっせいトライアル」にて国内メーカー製インディーゲームとしては初の対象タイトル*12として選ばれた。また同時期に、8月23日まで製品版のセールも行われていた。
  • 2022年にはSteam版が年内に発売されることが発表され、7月21日に発売された。
    • Steam版ではフルHD画質に対応している他、虫のさざめきや水の跳ねる音、ツギハギが牢屋にニンゲンを放り込む音などの環境音も追加され、より臨場感が増している。Switch版とのクロスセーブやクロスプレイには非対応のため注意。
      • Steam版発売直前には先行体験版にてイベント「プレオープンフェス」が開催され、期間中にイタズ~ラ広場をプレイしてスタンプを集めると追加ランタンやオバケが使えたほか、最大6つの限定称号を手に入れることが出来た。称号のみ製品版に引き継ぐことが出来る。
  • 2022年10月26日に、『悪魔城ドラキュラシリーズ』とのゲーム内コラボが行われた。Nintendo Switch版、Steam版共に無料DLCとして配信され、導入するとニンゲン側としてアルカードが、オバケ側としてレオン・ベルモンドが使用できる。アルカードのランタンはアルカードソードで固定で、アルカードソードは他のニンゲンでは使えない。

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最終更新:2023年05月12日 22:07

*1 意図的にやらなければまず起きないが、これで3人いっぺんに閉じ込められた場合、オバケの勝利となる。

*2 マボローシ街以外のマップでは範囲縮小15秒前に予告が入り、縮小した時点で制限範囲内にいたニンゲンはちびオバケに捕まってしまう。

*3 よく見てみるとチュートリアルで遊ぶ場合とそれ以外ではマップの構造が異なっている

*4 ただしリジー及びデル~ゾ墓地のツギタシには特殊能力で強制的に方向を特定される等の例外あり。

*5 ただし例外的にワルウルフ系はクールダウンが極端に短く、連続でニンゲンを捕まえることができる。

*6 1台でケイドロ!はスタンプの条件の対象外なため注意。

*7 例外的に「わいわいタイムスタンプ」では星マークの付いたスタンプには何故か対応する称号が存在しない。

*8 厳密には不可能ではないが、やっても一見して煽られているとは分かりにくく「遊びの範疇」と解されたり、チームとしては勝利したため負け惜しみ染みた行動でしかない物になる

*9 ニンゲン側が初めて勝率で上回ったのは発売から3年6ヶ月弱経った冬模様マップでの集計である(ニンゲン側が52.7%、オバケ側が47.1%)。

*10 唯一の例外はマボローシ街にて、アップデートで追加された「タチキリ」のみ。

*11 2017年からほぼ毎年岐阜で開催されている、ゲームを中心とするエンターテインメントイベント。

*12 国外製タイトルは『Dead Cells』と『Celeste』の前例がある