ポラーラ -Polara-
【ぽらーら】
ジャンル
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スピードランアクション
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対応機種
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プレイステーション・ヴィータ ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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フライハイワークス |
開発元
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Hope This Works Games
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配信開始日
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【PSV】2015年7月31日 【3DS】2016年4月13日
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定価
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【PSV】509円 【3DS】400円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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近未来が舞台のランニングアクション 生死を分けるカラー切り替え 簡単操作ながらシビアな難易度
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概要
Hope This Works Gamesの開発によるサイドスクロールランニングアクション。
元はAndroid/iOS用ソフトとして配信されていたもので、PSV版と3DS版はそれの移植に当たる。
ジャンルとしてはサイドビューによるランニングアクションに該当するが、本作ならではの特有操作が含まれている。
コミカル路線になりがちなこのジャンルとしては珍しく、全編通して近未来のサイバーパンクを舞台としたリアル路線のデザインで描かれる。
防護服を身に付けた女性主人公「ラーラ」を操作し、追手の攻撃をかわしながら事の真相へと目指していくというストーリー設定。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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本作には「ストーリーモード」と「アザーモード」の各モードが用意されている。
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モードの詳細に関しては下記のゲームモードを参照されたし。ストーリーモードの開始時ではゲームのチュートリアルもプレイできる。
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操作体系
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ボタン側とタッチ側(3DS版のみ)の両操作に対応。メイン操作はジャンプとカラーチェンジの2つのみ。
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ラーラは常に前方へと走行しており、ゲーム中に止まる術はない。唯一の移動操作はジャンプのみで、ジャンプ力の調整はできるが移動制御は行えない。
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ラーラの陸地走行及びジャンプ中を問わず、赤と青の「カラーチェンジ」が行える。ジャンプと並び本作における最重要操作となるのは間違いない。
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カラーの組み合わせについて
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操作体系でも述べた通り、ラーラには赤と青のカラーチェンジが行え、カラーの状態によって生死の分かれ目が決まる。
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仕掛けにも赤と青のカラーがあり、ラーラとのカラーの組み合わせが「赤・赤」「青・青」は同色、「赤・青」「青・赤」は対色の関係になる。
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原則としてラーラと仕掛けが同色であれば相性が良く、対色であれば相性が悪い組み合わせとなる。ただし、必ずしも良い相性が正解の組み合わせとは限らない。
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仕掛け・アイテムについて
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本作には以下の仕掛けやアイテムが登場し、これらをどう利用するかが攻略の課題となる。
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多くのものはカラーチェンジの仕方によって意味合いが変わるが、カラーとは無関係な仕掛けも多々ある。なお、自機強化的なアイテムは一切存在しない。
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仕掛け・アイテム一覧
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カラーが絡む仕掛け
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レーザー 通常弾
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【同色】接触しても無傷。 【対色】接触するとミス。
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丸い弾
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【同色】接触しても無傷の状態で弾を反射して跳ね返す。ボスがいる場合は反射ダメージをあたえる。 【対色】接触するとミス。
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コンベア
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【同色】上に乗ると高速(低速)化し、ジャンプの距離にも影響が出る。 【対色】普通の地形として利用できる。
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ジャンプ台
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【同色】上から乗ると強制大ジャンプ。下から接触すると強制急下降。 【対色】普通の地形として利用できる。
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カラーバー
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【同色】地形として利用できる一方で、通行の妨害になる場合もある。 【対色】素通りするのみ。
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砲台
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【同色】接触すると砲台の方向へとジャンプする。 【対色】素通りするのみ。
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重力フィールド
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【カラーチェンジ赤】重力フィールドにいる間は重力が下に働く。 【カラーチェンジ青】重力フィールドにいる間は重力が上に働く。
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カラーが絡まない仕掛け
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レーザー発射装置 弾発射装置
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レーザーや弾を発射する装置。破壊する手段はない。
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ボス
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ストーリーモードのステージ10・20・40・50の奥に登場。丸い弾の反射でダメージをあたえられる。
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チェックポイント
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ストーリーモードのステージにおいて頻繁に出現。ミス後はここからの再開となる。
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落とし穴
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落ちるとミス。重力が上へと働いているいる間は上方向が落とし穴になる。
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アイテム
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パネル
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ストーリーモードの各ステージに登場。赤と青に分かれた6種類のパネルがあり、同色接触でないと獲得できない。
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エンブレム
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ストーリーモードの各ステージに登場。獲得すると強制的にチェックポイントへと戻される。
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コイン
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アザーモードの一部ステージに登場。いわゆるスコアアイテムでステージ内に大量出現する。
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ミス条件について
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各モード共通でラーラが「対色のレーザーや弾に触れる」「落とし穴に転落する」のいずれかでミス。ミス後のペナルティはモードによって異なる。
ゲームモード
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ストーリーモード
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全50のステージ(レベル)を順に攻略していくモード。一度プレイしたものであればステージセレクトができる。
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大方のステージは奥まで到達すればクリア。ステージ10・20・40・50は奥にいるボスを倒せばクリア。ステージ50クリアでエンディングとなる。
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各ステージには定期的に「チェックポイント」が配置されており、ミス後は最後に触れたチェックポイントからの再開となる。
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各ステージにおける残機は無限であり、プレイを止めない限りはステージが中断される心配はない。ただし、ステージクリアまでのミスカウントがされる。
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一度クリアしたステージは前にはなかった、「6種類のパネル」と「エンブレム」の各アイテムが配置されている。
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アザーモードの選択ステージの解禁は、アイテムの総獲得数が絡んでくる。一度獲得した各アイテムは、次回プレイ時において二度と登場しない。
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ステージクリア後は「最小のミスカウント」「アイテムの獲得状況」がステージ別で記録される。
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アザーモード
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全6ステージ(レベル)を選び、ミスするまでの成績を競うモード。ゲーム初回では選べるステージに限りあり。
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各ステージの仕掛けはプレイするたびに一新される。チェックポイントやクリアの概念はなく、ミスをした時点で即ステージ終了となる。
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ステージ終了後は「到達した距離」もしくは「獲得コインの総数」がベスト5まで記録される。ネームエントリーには非対応。
評価点
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カラーチェンジが斬新なランニングアクション
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有名なゲームで例えるならば『チャリ走シリーズ』と『斑鳩』をミックスしたようなゲーム性といえる。
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一見ではバラバラなシステムではあるが、「ジャンプとカラーチェンジの組み合わせで仕掛けを超えていく」というゲーム性が違和感なくかみ合っている。
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ジャンプとカラーチェンジのみの簡単操作でありながら、ラーラと仕掛けとのカラー相性を組み込んだパズル的な要素も含まれており、プレイが単調になりにくい。
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いわゆる死にゲーとしての趣旨が強く、そう易々とは先に進めない手強き難易度でもある。
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全体的にスクロールスピードが速い上に、仕掛けの前兆を知らせてくれる目印もほとんどないので、何もできないままに即ミスとなるのはお約束となる。
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とはいえストーリーモードの各ステージは頻繁にチェックポイントが配置されているため、何度もミスして攻略を覚えていく快適死に仕様となっている。
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ステージボリュームの多彩さ
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価格を考慮すればストーリーモードは50、アザーモードは6ものステージがあり、遊べるボリュームはそこそこ多い。
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仕掛けそのものの種類はさほど多くはないものの、ステージごとに絶妙な配置がなされているためワンパターンさは感じにくい。ステージの長さも丁度いい位。
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ストーリーモードのステージは単にクリアする以外にも、最小ミス狙いやアイテム獲得といった二次目的もあり、ある程度の周回に耐えうる作りとなっている。
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赤と青のサイバーパンク空間
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ゲームの舞台は近未来のサイバーパンクそのものであり、そのテイストはひたすらに渋くてかっこいいものになっている。
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無機質な背景の中で赤と青のコントラストが目立つ外観となっており、その中でラーラが追手の攻撃をかわしながら孤独に走り抜ける様に哀愁を感じさせる。
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BGMに関してもサイバーパンク感が詰まった楽曲が流され、ゲームを大いに盛り上げてくれる。楽曲数も価格の割には多めに収録されている。
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映画を見ているかのようなストーリーイベントの壮大さがあり、先の展開が気になる内容である。
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ネタバレなのでここでは語らないが、ラーラ自身も知らなかったストーリーの真実や逃避行の行き着く先といったイベントが、手短ながらも上手く表現されている。
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イベントはすべてスキップ可能で、ゲームに集中したいプレイヤーに対する配慮がなされている。また、一度見たイベントの再鑑賞も行える。
問題点
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アザーモードの運依存性
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快適に死にながら覚えるストーリーモードとは違い、ランダム性の絡むアザーモードでは理不尽な一発終了ミスに遭遇しやすい。
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特に後発のステージにおいては何の前置きもなくいきなりミスとなる局面が多く、腕前よりも運に結果が左右されやすいゲームバランスとなっている。
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本作に限らず、この手のランニングアクションにおけるエンドレス的なステージは運が絡みやすい傾向にあるが、本作は本当に一瞬でミスとなるので対処が困難。
賛否両論点
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融通の利かないジャンプ関連
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今作におけるプレイヤーの操作方法はジャンプとカラーチェンジと2ボタンしかない事から、操作自体は非常に簡単という事で取っつきやすい一方で、今作のプレイヤーは十字キーでの操作が存在していない事から、ほぼひたすらにカラーチェンジとジャンプを駆使して進むしかないのは否めず、ジャンプの際の調整が非常に難しい。
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特に小ジャンプについては調整を行う事が困難で、連続して小ジャンプを行っていくエリアに入った途端、ゲーム自体の難易度が急上昇してしまう様な状況へと至りやすい。
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これに該当するエリアはゲーム前半から度々挿入されるのだが、中盤辺りのステージまではともかく、ゲーム後半になると「小ジャンプがひたすら続くエリアにもかかわらず、チェックポイントまで非常に遠い」というシチュエーションが生じて来るようになる。苦手なプレイヤーの場合は、最悪ここで積んでしまう可能性もあり得る。
総評
ランニングアクションと、カラーチェンジによるパズル性の融合が面白い一作。難易度は高いものの、死にゲーとしての快適さも併せ持っているので遊びやすい。
一部のゲームバランスに多々粗はあるものの、総合的にいえばそつなく作られた佳作の出来といえるだろう。
最終更新:2023年06月17日 22:44