本ページでは『Shutter』およびその続編の『Shutter 2』を併せて記述しています。判定は共に"なし"です。
Shutter
【しゃったー】
ジャンル
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ホラーAADV
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対応機種
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Windows XP以降
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開発・発売元
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Cosmic Logic
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発売日
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2015年4月2日
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定価
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198 円
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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ポイント
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日本語なし
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概要
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カメラ搭載のラジコンカー(以下、RC)を操作して、心霊写真ゲットだぜ!
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Cosmic Logicは2008年にカナダで設立された会社で、過去には『Cosmic Lacrosse』というラクロスゲームをリリースしている。
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Cosmic LogicのCEOは自社のゲームをXBLAで販売したいとマイクロソフトに何度も掛け合ったが、マイクロソフトはXBLAでのインディーズゲームの取扱を増やしたくないようで、断られ続けているとのこと。
ストーリー
幽霊が出ると噂の一軒家に昼間のうちに多数の固定カメラを設置した。
そして夜となり、新米のプレイヤーにカメラ搭載のRCの操作が託された。
dispatcher(命令連絡係)のBarryからのmailに従い、心霊写真をゲットせよ!
システム
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PC画面とカメラ画面がある。
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[E]キーで画面を切り替える
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PC画面
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mailを読む
Barryからのmailを読む。RCのカメラのソフトウエアアップデートバッチが添付される事があり、添付ファイルをクリックでアップデートされる。
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写真のプレビュー
撮影した写真は最後の1枚しか保存できない。その最後に撮った写真が表示される。
なお頻繁にバグによって表示がおかしくなる。(問題点で詳述)
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写真を送付
最後に撮影した写真をBarryへ送付する。意味のない写真だと「俺は何を見せられているんだ!?(意訳)」と言われる。
意味のある写真だとBarryからmailが届いてストーリーが進行する。
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カメラ画面
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デフォルトは固定カメラからの映像である。
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スペースキー押下でRC搭載のカメラによる撮影が行える。反応が遅く、スペースキーを押し始めてから5秒程度押し続ける必要があり、このためシャッターシャンスを逃しやすい。
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マウス右ボタン押下中はRCのカメラ(撮影用とは異なる)画面が表示されるが、電気消費量が大きいため10秒程度しか連続して表示できない。なお、バッテリーはなぜか時間経過で回復する。そっちのほうがホラーである。
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[W][A][S][D]キーでRCを操縦できる。なお、操作はカメラと関係なくラジコン操作である。
評価点
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設定はしっかりしている
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ご都合主義ではあるが、被害者の日記のページが目につくところに落ちているため、そこで何が起こったかがおぼろげながら分かる環境ストーリーテリングとなっている。
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なお、どう見てもバッドエンドな終わり方をするがストーリー分岐はない。
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建物の入り口付近の建物の壁にあるドット絵風のペインティングがなぜシャベルを持っているのかなど、伏線もあったりする。
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心霊写真を撮っても、「
滲
みのようなものが写っているが、おそらくカメラのソフトのバグだ」とオカルト否定派が言いそうな理由で却下されるなど、変なリアリティがある。
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撮っている側からすると、「絶対に心霊写真なのに…」となる。
賛否両論点
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方向感覚が狂いやすい
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デフォルトの映像は固定カメラの映像であるが、操作はラジコン操作であるため、思っている方向にRCを操縦するには慣れが必要である。
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だがしかし、RCを操作するゲームなのだから、ラジコン操作なのは当然ではないだろうか。
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『バイオハザードシリーズ』も固定カメラでラジコン操作であるが、このほうが先を見通せない怖さがあるためホラーAADVに向いているという意見もある。
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マップはスタート地点に貼られているだけで、迷った場合はスタート地点に戻って確認する必要がある。PC画面から確認できても良かったのではないか。
問題点
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バグが放置されている
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撮影した写真をPC画面で確認すると、写真のプレビュー表示が無関係の特定の画像(なぜか色調は変わる)になる。
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メーカーより、このバグは既知のバグで、ゲームを再起動するかWindowsの他のアプリに一旦切り替えれば直ると言われている。
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システム設定項目がランチャーにしか無い
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音量の設定はランチャーにも全く無い。
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キーの割当はランチャーでのみ変更可能で、ゲーム内にはオプション設定画面はなく、一旦終了してランチャーで設定する必要がある。
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なお、RCの操作方法はスタート地点の壁に貼られているが、RCを操作しないとその貼り紙を見ることはできない。ので、ランチャーのコントロール設定画面を見てキー割り当てを覚えておく必要がある。
総評
価格通りの小品で、PS2レベルの画質であり、初回普通にプレイして2時間半程度のボリュームである。なお、「9分30秒以内にクリアする」と実績「Left-Shift To Victory」が得られる。
チープな品質ではあるが、内容は意外にしっかりと作り込まれている。
操作やストーリーに対する説明のなさは製品としては致命的であり、本作がデビュー作の同人ゲームならまだしも、数本の制作実績のあるれっきとした会社の作品とは思えない不親切さである。
Shutter 2
【しゃったー つー】
ジャンル
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ホラーAADV
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対応機種
|
Windows XP以降
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開発・発売元
|
Cosmic Logic
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発売日
|
2020年10月24日
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定価
|
520 円
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プレイ人数
|
1人
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判定
|
なし
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ポイント
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日本語なし
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概要(2)
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なんとRCにレーザービームが搭載され、敵との戦闘要素が加わった。
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ただし、難易度設定で戦闘なしにも設定が可能、なのだが…。
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今回のミッションは刑務所跡地となっている。
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ボルチモア沖のKent Islandにある実在した刑務所である。決して釈放されることのない重無期刑者のみを集めた刑務所だったとのこと。
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建物自体は現実の刑務所とは全く異なっており、ゲーム内ではいつでもスナイパーが監視塔から脱獄者を狙っていたとあるが、実際は十分な柵もなかったとされている。
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ただし、受刑者が首吊死したり、看守の暴力によって"事故死"したのは実話らしい。
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リリースから約半年後に地下マップが追加された。
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今回はプレイヤーは刑務所跡地の所有者から刑務所跡地の調査を請け負った民間警備会社の社員となり、刑務所跡地の調査を行う。
変更点
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RCにアームが装備され、[F]キー押下でアームが操作できるようになった。
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アームは重さが軽い障害物を除去したり、電源パネルなどのボタン操作に使う。
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PC画面とカメラ画面の切り替えは[Tab]キーに変更されている。
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カメラ画面でRC搭載カメラ画像に切り替えてもバッテリーを消費しなくなった。
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dispatcher(命令連絡係)からの命令はmailではなくメッセンジャー経由となっており、ボイスが付く。カメラ画面で[X]キー押下でメッセンジャーウインドウが開閉できる。
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心霊写真をuploadしたり、noteを入手すると報奨金が得られるようになった。
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そのお金でRCのバッテリー容量を増やしたり、武器を搭載したり出来るようになった。
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英語は日常会話では使われないような単語が多くあり、難しくなっている。
評価点(2)
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ユーザーフレンドリーになった
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チュートリアルが付いた
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というか、前作があまりにも不親切だっただけで、当たり前といえば当たり前の機能ではある。
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ゲーム内に設定画面が付いた
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音量も設定可能となった。
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キーバインドやグラフィック設定は依然としてランチャーで設定が必要である。
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撮影した写真は3枚まで取り置かれるようになった
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前回はuploadするまで写真の評価が判らなかったが、PC画面でプレビュー時に「誰にとっても価値のない写真だと思う(意訳)」というコメントがupload前に付くようになった。
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初期バージョンにはなかったが、アップデートによりカメラ画面でも[M]キー押下でミニマップが表示されるようになった。
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PC画面からマップが確認可能となった。こちらは初期バージョンから存在。
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PC画面のマップには、探索すべき場所やインタラクトすべき場所にドライバーのアイコンなどのマーカーが表示されることがあるなど、親切設計となっている。
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写真はスペースキー押下後のリリースですぐに撮影され、タイムラグが無くなった。
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難易度変更が可能である
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ゲーム開始時に「Normal Mode」「Casual Mode」「Classic Mode」が選べる。
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Normal Mode
敵との戦闘がある。
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Casual Mode
敵との戦闘があるが、敵の攻撃力は低く、HPも少ない。
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Classic Mode
敵は出現するけれども、敵との戦闘は必要なく、"Just Puzzle"であるとされているが、本モードのみに出現する敵の攻撃を受けてRCのバッテリーが減る。今作ではバッテリーは自動回復せず、メンテナンスステーションで充電可能だが、各メンテナンスステーションごとに使用回数の上限がある。バッテリーが無くなると前作同様に自分でRCを回収する必要がある。
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オプション設定でゲームスピードを 1 - 0.5 まで変更可能である。0.5倍速でも敵が止まって見えるほどではないが。
問題点(2)
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メッセンジャーのログが流れる
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各所で拾うnoteは割と長文であり、時間を掛けて読んでいるとメッセンジャーに「まさか寝たんじゃないだろうな(意訳)」「成果が挙げられなければクビだぞ(意訳)」というフレーバーテキストのメッセージが送られてきて、肝心なログが流れてしまう。
総評(2)
価格は2.5倍強となっているが、内容はさすがに2.5倍とは言えないものの、元が安すぎるだけで本作も十分お値段以上である。
重厚な雰囲気を出そうとしたのか、使われている英単語が難しくなっている。設定も前回の軽いノリから一変しており、やっていることは同じだが、雰囲気は本格的なホラーに変わっている。
マップは広くなったがイベントのある場所の密度は低く、むしろ前作がコンパクトにまとめられていた事に逆に感心することになる。
最終更新:2022年02月20日 17:46