ヤムヤム
【やむやむ】
ジャンル
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3Dシューティング
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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バンダイ
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開発元
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パンドラボックス
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発売日
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1995年2月17日
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定価
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9,800円(税抜)
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プレイ人数
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1人
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判定
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バカゲー
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ゲームバランスが不安定
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記録
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セーブファイル4個
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ポイント
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難易度は平和じゃない 夢オチがデフォ
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WELCOME TO YAM YAM WORLD!!
ようこそヤムヤムの世界へ!!
概要
ヤムヤムとは地底帝国アサルト・ランドの不思議な生物である。飼い主のマグマグとともに地上に平和をもたらすため各地を冒険するというもの。
魅力的な要素と致命的な欠陥により総合的に激しく人を選ぶゲームとなっている。
特徴
登場人物
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マグマグ
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地底帝国の王子。
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ある日、父のハグハグから地上に平和をもたらす使命を告げられて地上で頑張る事を決意する。
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作中では何度も、ポギと口にするが、それは一人称であり、僕、私、俺という意味であり地底世界では標準語となっている。
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好物はミミズだが流石に食べる描写までは出てこない。
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ヤムヤム
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大きな鳥の姿の生物。マグマグを乗せて3Dフィールドを舞台に戦う。
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コンビは、ジャンプする事は勿論、空を飛び回る事も出来る。
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人間を簡単に取り入れたり、色々なキャラが住んでいたり、予想もつかない能力も有する。
世界観
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6つの町で構成されている
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主人公コンビが"地上の平和"を求めて行く先々では個性的な人物が多数登場しており、彼らの求める平和を実現していくのが本作の柱である。
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オープニングで地上が平和じゃない旨を言われたが、至って平和そのもので町の人たちもマグマグ達よろしく頭が緩い人たちばかり……しかいない。
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町の人と世間話
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まずは町にいる人から話を聞くところから始まる。一口に平和と言っても、人によって価値観は様々でありシナリオの内容もガラリと違ってくる。
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尚、一度シナリオを発生させたらクリアするしかなく、放棄したり他のシナリオに移行する事は出来ない。
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冒険
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シナリオに応じて、愛犬の病気を治す薬草の入手、平和を買うための資金稼ぎ、悪者退治、護衛などのシナリオが30近く用意されている。
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終了
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夕日の丘で冒険を振り返ってからの夢オチがデフォルト。
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シナリオは全て独立しており他のシナリオに影響を及ぼす仕様はない。
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夢オチでパラメータは初期化されると言っても決して徒労という事ではなくセーブデータには平和にした数もしっかり記録される。
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伏せる
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北にあるノーテンコ城のお姫様関連のイベントが発生するようになる。城の人達も、ノーテンコというよりも能天気という感じの緩さである。
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6つの町に向かって姫様の喜びそうなプレゼントを手に入れてくる話になる。ここからは宇宙が主戦場になっている。
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+
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伏せる
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いつもどおりの夢オチをしてたら友人から地底の危機を知らされる。それは巨大ミミズに襲撃され、王様が危険に晒されているらしい…
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地底の平和も守るため、正真正銘、最後の戦いが始まる。
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感動のエンディング
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伏せる
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これまでに出てきた女性キャラ達がマグマグに会いに地底国を訪れてからの三角関係ならぬ四角関係になるが、そこは本作。
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あっというまに大団円の流れになりエンディングが始まる。
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ゲーム内容
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3Dシューティング
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ヤムヤムに乗って、3Dフィールドを奥に進んで行く。
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攻撃手段は大きく通常弾とボム
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通常弾は無制限の遠距離ショットであり、ボムはHPを削って雑魚敵の全滅。
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RPG要素
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RPG要素もあり敵を倒すと経験値などが得られる。通貨はGOLDであり店で買い物が行える。
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店では装備品が売っており、HP回復やセーブも行える。
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レベルアップの際は全回復するがHP0は即ゲームオーバーで厳しい。
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目的地
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移動の際は毎回3Dシューティングが行われており、シナリオによっては、色々なクリア条件があったりする。ボス戦も用意されている。
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尚、シナリオクリア後はレベル所持金ともに初期化される。
評価点
充実したシナリオ
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シナリオは河西貴則氏によるものである。
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「新しいタイプのコミックR.P.G.」
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1シナリオ毎にイベント発生~夢オチという仕様であり、最初から多くのシナリオにアクセス出来るという自由度の高さを実現して新しい軸を打ち出したと言っても過言ではない。
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バリエーションも豊富で、各地で繰り広げられる、地底人の常識離れした斜め上の行動は、笑いのツボを刺激した。
ゲーム性
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多彩なクリア条件
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敵を倒していくばかりと思いきや、愛犬の病気を治すために薬草を取って来る、ゴミの回収、誰も傷つけずに通過など目的は多岐にわたる。
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見た目は良いもので川や橋が表示されているのは確か。
素材も作り込まれている
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多彩な動作
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ヤムヤム達のドット絵は非常に多くの動作が用意されている。例えばサクラをやれと言われた際は桜の恰好をしたグラフィックやあらゆるシナリオでは色々な踊りも実演。ここだけは本当に見事であり本作の練り込み方次第では名作になりえた可能性が非常に大きかったことが伝わってくる。
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フォントの品質も良い
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文章にはは漢字が使われており、吹き出しも雲形やトゲ形などがでかでかと併用される。
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アイテムも装備品で種類が少ないながらも解説が用意されている。
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メッセージの操作性も良好でRボタンで早送りできるなどこのあたりは快適と取れる。
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画面表示
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棒グラフ
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画面下にはHP、EXPが視覚化されている。右の方にはSとGでステージ内部の進行具合も即座につかめるようになっている。
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レベルMAX表記
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最大で10まであるがその際はMAXで表示されている。
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ボス戦のBGMは複数用意されている。
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深都のボスは穏やかな曲だったりするのは好みが分かれる。
その他
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パッケージデザイン
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イラストレーターは『ドッジ弾平』や『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』で知られるこしたてつひろ氏によるものである。
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本作のパッケージも外箱、カセットラベラまで賑やかで楽しそうなイラストに仕上がっており、作中の素材も作り込まれている。
賛否両論点
強烈なバカゲー要素
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パンチの効いた作風
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マグマグ達が行く先々でやる事は一般常識とはあまりにもかけ離れており、地上の人達も基本的に平和だが、おかしな人たちも多い。
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シナリオによっては、ゴミの不法投棄、乱獲、商売敵への妨害、嘘情報をうのみにして無関係な人に襲い掛かるなど悪事に加担しているものも多い。
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これらは、登場人物たちの頭の悪さからくるものであり、平和をもたらすどころか逆に乱していると言える。他にも、マイクが彼女にしたい女性を彼女にしたり、天使が輪を失くした際は助けるどころか斜め上の行動で更に追い打ちをかけている。
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人が死にかけている際も平然とふざけており、老人は見殺しにしたり、深都の人物が打ち上げられている際は、すぐに助けずに魚屋へたらい回しなど、人によってはかなりイラつく事だろう。
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シナリオクリアの際には夕日のとこで反省するどころか上手く行ったような言い方までしている。
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これらを面白く取るか不快と取るかが大きく分かれる。難易度以前に人を選ぶ。
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後述するゲームバランスも相まってクソゲーと言うプレーヤーもいた。
問題点
ゲームバランスが非常に悪い
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3Dスクロールの回数が嵩む
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本作では目的地への移動もさることながら、町と町の移動でもシューティングが発生する。目的地も1度で行けずに別な町を経由しなくてはならないこともしばしば。このため何度も往来させれられる事になり無駄に回数が伸びる。
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フィールドの移動が不便
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一度3Dフィールドに入ったら、途中で切り上げたり引き返したりは出来ない。
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行先を間違えて選んだらかなり面倒である。
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GOLDを稼いでくるシナリオもあるが、あと少し足りない際は少しだけ出てくる事は出来ず、別な町へ、それからもう一回移動と2回こなすことになる。
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スクロールの種類が少ない
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通常は前方に進む。ボス戦では後退しながら戦う、以上。
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回転視差の類は一切なく、加減速も出来ずに通り過ぎてもバックは出来ないのでストレスがたまりやすい
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難所もある
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ゴミ拾いや敵を倒さずに進むステージもあるが、求められるのは気遣いではなくゲームの腕前である。ゴミ集めは1個でも取り逃すと失敗で通り過ぎても引き返すことは出来ない、
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ヒカラビリヤ・ピョンピョンムシの回避
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触っただけでも死んでしまうか弱い生き物なので1回も当たらずに進めと言われるのだが、トリッキーな動きをしてくるので回避が難しい。
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この際には、装備品を充実させた方が良いと言われるが町まで行くには4回ほど3Dシューティングをこなすので非常に面倒。
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これらをやり直すたびに時間がかかる。
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シナリオ上では面倒ならまだしも、難易度を凶悪にする理由はないところである。実際はストーリーとゲームの難易度が上手くかみ合っておらず、流れがおかしいと言える。
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戦闘面でも、回復アイテムの購入は出来ないので、レベルと装備で乗り切るしかない。
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RPG要素はあると言ったが、レベルで楽にごり押し出来るようにはならない。
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3Dは一定の品質があるので最初は良いが、本作を完全クリアするならば、シューティングパートは軽く100回は下らないだろう。やっているうちに必ず飽きる。
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ボス戦がgdgd
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ボス戦闘でやることはラスボスを含め全て、後退スクロールしながら弾の撃ち合いのみであり会話の類は一切ない。
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使い回しもひどく、グラフィッグの色と名前だけ変えただけのボスも多い。しかもそれが同じシナリオで何度も出てくるのだからたまらない。このあたりを捻架するだけでもマシになったものを。
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負けた際はフィールドに戻されて再戦したら固有の文章があると思いきや、ゲームオーバーになるというものがあったりする。
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シナリオ選択の扱い
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最初の会話でシナリオ発生の際は、クリア済みかどうかのアウナスは一切出てこない。このため、クリア済みのシナリオを知らずに選んでしまっている事もある。
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分岐
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シナリオには選択肢が用意されており選択に応じて結末が用意されているが、それを全てやるにはその分岐まで再度来なければならない。本作では夢オチでレベルなども初期化されており楽になったりはしない。
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そして、分岐した際もクリア済みを選ぶと二度手間になりやすい。
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イベントのスキップはできない
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目的地もシナリオによって重複していたりするので更に飽きやすい。
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最終シナリオから戻ってこれない
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地上のシナリオを全てクリアすると、最終シナリオへ放り込まれラスボスを倒しに行くしかなくなる。
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そのラスボスもひどいもので、長い道中を越えてからの戦いでありBGMが道中ボスの使いまわし、難易度だけは厳しく、レベル最大値と30,000Gの鎧を持っていたとしても危険であり、負けた際は長い道中からのやり直しという有様である。
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エンディングも2人で3Dフィールドを歩いていくが最後は停止、フリーズみたいな恰好である。
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パッケージ裏には「漫画を読むように楽しめる」とあるが実際のところは、ストーリーを楽しみたくとも、プレーヤー対し劣悪なゲームバランスが大きな障壁となっている。
総評
独特な世界観、魅力的な登場人物達、背景が細部まで作り込まれており本当なら良質なゲームに仕上がる可能性は十分に持ち合わせていた。
しかしながら、悲惨なゲームバランスが地獄へ引きずり込むような感じで大きく足を引っ張ってしまった。
常人が楽しそうなゲームだと思って手を出すと間違いなく心を折られるだろう。
ただその欠陥に目をつぶれる人なら大いにハマれる余地のある作品ではある。
余談
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本作とは無関係だが1989年9月にファミコンで発売されたパズルゲーム『落っことしパズル とんじゃん!?』が韓国ではグラのみを変えて本作と同じ呼称のタイトル『YAM!YAM!?』(ヤムヤム)としてリリースされている。
最終更新:2023年02月08日 13:59