ここではN64用ソフト『Conker's Bad Fur Day』と、Xb用ソフト『コンカー Live & Reloaded』について紹介する(判定はどちらとも「良作」)。


Conker's Bad Fur Day

【こんかーず ばっど ふぁー でい】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 512MbitROMカートリッジ
発売・開発元 レア
発売日 2001年3月4日
レーティング ESRB:M(17歳以上対象)
備考 日本未発売
判定 良作
ポイント グロ&お下劣全開の大人向け作品
コンカーシリーズリンク
Conker's Pocket Tales / Conker's Bad Fur Day / コンカー Live & Reloaded


概要

スーパードンキーコング』シリーズと『バンジョーとカズーイの大冒険』に続くレア社が開発したニンテンドウ64最後の3Dアクションゲーム。
元々は『Conker's Quest』及び『Twelve Tales Conker 64』という子供向けのマリオ64タイプの3Dアクションゲームとして開発されていたが、レア社側の路線変更により大人向け(いろんな意味で)のゲームとして改変を施された上で発売された。

コンカーは以前に『ディディーコングレーシング』に出演しており、設定も本作とは程遠いキャラクターであった。

元は子供向けを想定されていたという経緯からは想像もつかないほどの「下ネタ、汚物、ブラックジョーク、残酷・暴力表現」のオンパレードで、これをきっかけに成年向けのレーティングがされている。


あらすじ

コンカーは世界の王となっていた。
なぜ王となったか、それは昨日の出来事が原因だという。

事の始まりは一昨日の夜、コンカーは同棲中の彼女ベリーに飲み屋から電話をするが、彼女は電話に出ることはなく、酒を飲んで泥酔状態になり家とは逆方向に歩いていってしまった。

その頃とある大きな城に住むパンサー大王は兵士の注いだミルクを飲み、コップを置くと片足の欠けたテーブルからコップが落ちて割れてしまい、大王は怒り狂うのであった。

その翌朝、コンカーが目を覚めるとまったく見知らぬ場所で二日酔いを起こしていた。


特徴

  • 1人用のストーリーモードでは大きく分けて9つのチャプターを攻略していく。
    + チャプターごとの特徴
    • チャプター1「Hungover」(二日酔いの朝)
      • コンカーが二日酔いするところから物語が始まる。 初めはほとんどまともに操作ができないが、カカシの「バーディ」の協力もあって二日酔いが治り、本格的に冒険が始まる。
    • チャプター2「Windy」(風車の丘)
      • 大きな風車が立っている野原にたどり着き、穏やかな雰囲気だが「ウンコ山」という場所もあり、どこかおかしな世界といえる。
        • 「女王ハチ」などの様々なキャラクターの頼みを聞きながら各所を探索していく。
    • チャプター3「Barn Boys」(納屋でも大冒険)
      • 納屋にたどり着くとネズミの「マービン」に悩まされる鉄コンテナの「ジャック」やペンキ缶の「ロン」とブラシの「レグ」にいじめられるクマデの「フランキー」など様々なキャラクターが登場する。納屋の中の干し草を倒すとボスが出現し、クマデのフランキーと協力して戦う。
    • チャプター4「Bats Tower」(ニャン魚のお宝)
      • 川に棲むニャン魚から、ブル魚が守る金庫の中にある彼女達の財産を取り戻すよう言われるコンカー。
      • また、歯車の「カール/クエンティン」(ひっくり返すと人格が変わる)の頼みを聞いたり、炎を纏った敵キャラの「ファイアーインプ」と戦ったりするといった活躍も見せる。
    • チャプター5「Sloprano」(恐怖の大王)
      • 巨大なウンコ山の内部に侵入し、ボス「ウンチ大王」が歌を歌いながらコンカーと戦う。
    • チャプター6「Uga Buga」(ウーガブーガ)
      • ウンチ大王を倒した後に出る通路を抜けるとそこは原始人や恐竜の国になっていた。
      • その国は岩人間によって支配され、原始人が勢力を上げている中コンカーは原始人の信頼を得て岩人間と戦い、ダンスパーティでベリーと再開する。
        • その後、コンカーは原始人とジェットボードでレースを繰り広げたり、コロシアムで原始人のボスと戦うことになる。
    • チャプター7「Spooky」(スプーキー)
      • コンカーは風車のある野原に戻るが、とある事で気絶をしてしまい、目が覚めると夜になっていた。
      • 死神「グレッグ」から先祖の話を聞き、館に向かうコンカーだが、その先には数々のゾンビが待ち構えていた。
      • 屋敷にたどり着くと吸血鬼となった先祖と出会い、その者の計略によってコウモリに変身させられ、村人を捕らえさせられた。
        • その後、何とか打開するものの殺された村人がゾンビとなりコンカーに牙を向ける。
    • チャプター8「It's War」(クマリス戦争)
      • オープニングでコンカーが言っていた「戦争の壮行会を理由に帰りが遅くなる」という言い訳が皮肉にも現実になり、コンカーは戦争に巻き込まれてしまう。
        • テディベア軍の様々な罠を切り抜け、親友「ロデント」との協力でテディベア軍と戦う。
    • チャプター9「Heist」(銀行強盗、そして…
      • 戦争から戻ったコンカーはチャプター6で出会ったマフィアのボスに任務を依頼され、再開したベリーと共に銀行強盗をやることになる。そして2人は任務を果たし、大金持ちになるが…。
  • 各チャプターのとあるストーリーをクリアすると「現金」を入手することができる。
    • この現金はショップでアイテムを購入できるようになる訳ではなく、『スーパーマリオ64』のパワースターや『バンジョーとカズーイの大冒険』のジグソーにあたる役割を持っており、入手することで進める箇所が出てくる。
  • Bと書かれた足場に乗ることで「状況対応ボタン」というBボタンを押すことで使えるアクションが出てくる。
    • これによって繰り出せるアクションが多彩でストーリーを盛り上げる要素にもなっている。
  • コンカーの体力は「板チョコ」で表示され、敵の攻撃を受けたり高所から落下したりすることで減り、0になるとミスになる。また、ステージに落ちている板チョコの欠片を取ると体力を回復できる。
    • 初めは残機が表示されないが、初めてミスをすると専用イベントが入り残機の概念が出てくるようになる。コンカーの残機はステージに落ちている「リスの尻尾」を取ることで残機を1つ増やせる。
  • N64の3Dアクションではお馴染みになっているCボタンの視点操作ができる。 また、Rボタンを押している間は主観視点で見渡せ、銃器を持っている場合は狙い撃ちをすることもできる。
    • 狙い撃ちの最中にCボタンの上下左右をすることで向きを変えずに指定した方向に移動することも可能。
  • 対戦モードもあり、バトルロイヤル形式の「DEATH MATCH」・戦車で戦える「TANK」・ジェットボードに乗るレースを競える「RACE」・チームを組んで対戦ができる「WAR」・原始人と恐竜による食料調達戦を繰り広げる「RAPTOR」・脱走戦が主体の「BEACH」・現金争奪戦を繰り広げる「HEIST」の7つのルールで遊べる。

評価点

  • N64最高峰のグラフィック
    • かなりカラフルなステージから、泥臭く色が渋いステージなど様々な世界観が魅力的。
      • ドンキーコング64』とは異なり、メモリー拡張パックなしでも遊ぶことができるが、それを感じさせない程の美麗なグラフィックは圧倒されるだろう。
    • 遠景であっても細部まで見渡すことのできる描画。銃器類を使った超遠ズームの狙撃が必要な場面にもきちんと対応してくれる。
  • 状況対応ボタンでのアクション
    • 随所に使われることになる状況対応ボタンはステージによって様々な効果を発揮する。
    • 謎の仕掛けを解いたり、ボスの弱点を突いたり、イベントに変化を起こしたりなど飽きを感じさせない。
  • サウンド関連も高品質
    • ストーリーを攻略していくごとにムービーが流れるのだが、なんと全編フルボイス。
    • また、ムービー以外でもコンカーの待機モーションや敵キャラクターなどボイスも豊富。
    • しかも演じているのは(後述のウンチ大王を除いて)たった二人のレア社員である。
  • 音楽も評価が高く、「Windy & Co.」「The Old Chap」「Rock Solid」「Great Mighty Poo」などが特に人気も高い。
    • 音楽は『キラーインスティンクト』シリーズなどの作曲を手掛けたRobin Beanland氏。
      • ちなみに、「The Old Chap」はプロトタイプ版にあたる「Conker's Quest」から存在していたBGMでもあったりする。
  • 個性豊かなキャラクター
    • コンカーを初めとした、ストーリーに登場するキャラクターもバラエティ溢れるものになっている。
      • 序盤のチュートリアル担当のカカシのバーディや残機の説明をしてくれる死神のグレッグなどユーモア溢れるキャラクターが登場する。
    • 特に人気のキャラクターは本作の象徴ともいえるチャプター5のボス「ウンチ大王」である。
      • 歌を歌いながら戦う巨大なウンチという構図があまりにもシュールで多くのプレイヤーの度肝を抜いた。なお歌っている最中は字幕が表示され、歌に合わせてウンチの塊が字幕の上を跳ねるミュージカル仕様となっている。
      • しかも歌声が美しく、歌も非常に上手い。ウンチなのに。声を担当しているのはChris Marlow氏(本作スタッフの1人で元声楽家であるらしい)。
      • なお、ウンチ大王は『バンジョー&カズーイ』に続いて2023年にスタチュー化が発表された。
  • 秀逸な演出面
    • ムービーで動くキャラクターのアニメーションにかなり表情が出ており、生き生きとした物語を楽しめる。
    • 『プライベート・ライアン』『マトリックス』『ターミネーター』『スター・ウォーズ』『エイリアン』と言った映画のちょっとマズいパロディもところどころに挟まれる。
      • 特にストーリーのオープニング演出は『時計仕掛けのオレンジ』のほぼそのまんま。BGMまでほぼ一致するレベルのパロディである。

賛否両論点

  • 非常にぶっ飛んだオープニング
    • 内容はコンカーがN64のロゴをチェーンソーで真っ二つにぶった切り、最後はレア社のロゴを置いて「やっぱこれだね」と言いながらドヤ顔するというもの*1しかも、N64の電源を入れた直後にこれである。
      • 演出的に任天堂に喧嘩を売っている(と思しきブラックジョーク混じりな)内容だが、本作が発売された時点で恐らく公認しているだろうと思われる。
      • ネット上で「任天堂はこれにブチ切れてレア社との関係を切った」といった話が転がっているがもちろんデマである(そもそもレア社製の任天堂パブリッシングタイトルはGC時代にもリリースされている)*2
  • コンカーという主人公そのもの
    • 『ディディーコングレーシング』の頃の面影がなくなり、変わり果てた彼だが、本作の彼はとんでもなくクズ。
    • 彼女ベリーに戦争の送別会などと嘘の言い訳をして酒で酔っぱらう、他人の前で平気で立ちションや嘔吐をする、物語進行のためなら平気で登場人物を殺す、都合が良い相手なら現金を巻き上げようとする、といった酷い有様。
      • そんなコンカーだが、それが本作の魅力に繋がっていたのか今でもファンは多い。
      • ここまで見れば間違いなくクズだが、チャプター8の時や後述のエンディングの時の彼の心理を見ると、完全なサイコパスとは言えない。
      • エンディングで周囲を「大嫌いな奴ら」と吐き捨てているので上記の暴挙で周囲に被害を与えるのはコンカーにとってどうでもよく大嫌いな存在だから(=思い入れのある人物はその限りではない)と解釈もできる。だからって、上記の暴挙をやっていい理由にはならないが・・。
  • 非常にクセの強いストーリー及びキャラクター
    • 本作は個性豊かなキャラクターが多く存在するが、イロモノキャラもかなり多い。
      • 前述したウンチ大王の他に顔が猫になっている魚のニャン魚やテディベア軍などのデザインはかなり人を選ぶ。
    • 道中で出会うキャラクターもガラが悪いのも多く、口が悪かったり、下ネタを平気でやったりする。
  • 成人向け要素関連
    • どうせ大人向けに作るんだから…という事で下品なシーンやグロテスクなシーンが多い。
    • 電源を入れた直後に英語で「成年の方のみお遊びください」(意訳)と注意喚起がされるほどなので、いかに力を入れているかがわかるだろう。
    • チャプター1で酒場を出た直後にコンカーが思いっきり生々しく嘔吐するのは序の口。
    • チャプター2で登場する「ウンチ山」は名前の通り、非常に汚らしいステージで音楽も無駄にリアルな効果音が流れるので苦手な人は下手したら進めなくなる。
    • 流血描写は挨拶レベルで、割と頻繁に欠損や爆散して飛び散る肉片(と骨)を見る事になる。
    • コンカーのミス時のアニメーションの一部もそこそこグロい。
      • 高度から落下死でバラバラになったり、水中のディスポーザーに当たって真っ二つにされたり、テディベア軍に射殺されて頭部欠損したり…など無駄にバリエーションが多い。
    • 『バンジョーとカズーイの大冒険』も割とグロい描写はあったが、本作と比べれば子供でも平気で見られるくらいである。
  • 本作のキャラクターはフルボイスで喋るが、Fワード以外は基本的に無修正。
    • コンカーが一部シーンで放送禁止用語を言い放つシーンは見た目とのギャップが激しく、『ディディーコングレーシング』を遊んでいた人なら唖然とする事間違いなし。
  • 衝撃のエンディング
    + ネタバレ注意!! チャプター9でコンカーとベリーの銀行強盗により、億万長者を果たした2人。
    しかし、実はこの任務はマフィアのボスがパンサー大王と裏で結託されていたもので騙されたベリーはマフィアのボスに射殺されてしまう。
    ベリーの死後、パンサー大王の様子が変化する。
    それはパンサー大王の部下である科学者がパンサー大王の身体にエイリアンを寄生させ、エイリアンを誕生させることでパンサー大王を殺害する。
    そしてコンカーはエアロックを外し、パワードスーツでエイリアンを宇宙空間へと放り出す。 ところが、エイリアンは最後の力を振り絞ってコンカーを襲うが、ここでゲームがハングアップしてしまう。
    そこでコンカーはこれを利用して本作の開発者とコンタクトを取り、エイリアンを殺すための武器を要求する。 そして場所を王室に移動するよう要求し、最終的に手に入れた武器でエイリアンを葬り去った。

    その後に現れたのはチャプター3に登場したクマデのフランキーだった。
    そしてパンサー大王の部下も現れ、実は彼らはパンサー大王を憎んでおり、死んだことで喜んでいた。 他にも以前コンカーに出会った様々なキャラクターも集合し、コンカーを新たな王として迎え入れ、めでたく物語は終了する。

    …のはずがなく、コンカーの彼女のベリーは死んだままである。
    コンカーはベリーを生き返らせるよう開発者に要求するが、時すでに遅く、その願いを叶えることがないまま物語は終わってしまう。
    コンカーは内心嫌っているキャラクター達の中で大金持ちとなり、王座を手に入れたことで実質世界を手に入れたに等しいコンカーはここでベリーの存在意義がいかに大切だったかを思い知る。
    王の座など大切なベリーと比べたら、どうでもいいことだとコンカーは感じる。

    そして翌朝、いつものように酒場で飲んだくれるコンカーだったが、最も大切なものを失った彼の足取りはあまりにも重かった。
    そしてここで物語の幕が閉じることになる。

    • 結論をいうとご都合主義で敵を倒しておきながら、ベリーを同じご都合主義で生き返らせない。つまり、ご都合主義をもってしても彼は永遠に救われることはない、まさに上げて落とすの極みである。
      • 今まで下品ネタやパロディネタ、そしてメタを繰り広げておきながら、一気に鬱ムードになる展開のギャップがあまりにも激しく、プレイヤーの笑顔は哀愁に満ちていくであろう。
      • しかもこのエピローグは、プロローグにおける一人語りの続きであり、すなわち本編の冒険活劇はすべてこの語りにおける回想であることが明示される。
      • つまり、結末はこうなるという伏線は物語の最初に張られており、急転直下の展開を見せられつつも妙に納得させられてしまう巧さがある。
      • また、コンカーはエンディングに至るまで自分勝手な理由で何の罪もない周囲に暴挙を働いているので、今までのツケがそっくりそのまま帰ってきた形になっている。容赦なく言ってしまうと完全な自業自得であるし、筋は通っている。それで受け入れられるかと言われると困るが・・。

問題点

  • 1人用モードが全体的に難易度が高い。
    • コンカー自身はマリオやバンジョーと比べて非常にデリケートな設定らしく、ちょっとした高所から落ちると即死してしまう事がよく起きる。
  • チャプター4では水中を探索するパートがあるが潜水時間が短めでステージも迷いやすい。
  • チャプター6のダンスステージで立ちションをすることで岩人間を穴に落とすことで仕掛けを解く場面があるが、立ちションの操作の癖が強く、思うように狙いにくい。
    • また、同チャプターで爆弾をとある箇所まで運ぶパートがあるが壁や障害物に少し触れるだけで爆発してしまい、即死。 さらに、制限時間もかなりギリギリで慎重に行き過ぎると確実に間に合わない。
    • そのパートの後に原始人に現金を奪われ、ジェットボードでレースをするのだがコースの構造がかなり意地悪で操作になれていないと障害物にぶつかって即死してしまう。
  • チャプター7ではゾンビが彷徨う中、鍵を持って館を脱出するのだが、鍵を持っている間は銃器を使うことができず、ゾンビを倒すことができない。
    • また、ゾンビを事前に倒してもしばらくして戻ると復活してしまうため、ゾンビの位置を覚えて避けて進むしかない。
  • チャプター8ではレーザーが設置されている箇所があるが、レーザーの判定が割とシビアで高度なアクションが要求される。
    • 同パートでテディベア軍が突然現れるので銃器装備 → 装備を外す → 銃器装備 → 装備を外す、と繰り返しやらされる。
  • どのチャプターにも共通するものでミスをすると謎解き部分が初めからやり直しになってしまう。
  • 演出面を特化した分、1人用モードのボリュームは控えめ。
    • 確かにムービーは豊富だが、他の3Dアクションと比べると探索要素はほとんどなく、基本的にほぼ一本道である。
    • 収集要素も現金のみであり、ストーリー中で必ず全て入手する事になるのでクリア後のやり込み要素などもない。
    • 状況対応ボタン以外にできるアクションはかなり少なく、アクション面の自由度は少し低めである。
  • 残機の意味がない。
    • ミスをすると残機が減り、0になるとゲームオーバーになるのだが、その後でもチェックポイントから再開することができる。
    • チェックポイントは基本的にストーリーのイベント後に更新されるのですぐにやり直すこともできるため、残機どころかゲームオーバーがゲーム性において実質機能していない。
      • 完全にそれ用のイベント演出を入れたかっただけの要素と化している。
      • ゲームオーバー内容も「コンカーが指名手配される」「コンカーがパンサー大王のテーブルの足として扱われる」「コンカーがバラバラ死体の状態で袋詰めで回収される」「溺死したコンカーが袋詰めにされる」「焼死したコンカーが袋詰めにされる」といった具合で無駄に豊富。
  • チャプター7で死神グレッグに「またお前か」と言われるシーンがあるが、ノーミスでもムービーが変わらない。
    • 前述した一度ミスをすることで出会うことになるグレッグだが、ノーミスで攻略してもいつの間にか知り合っていたということになってしまう。
      • 恐らく開発者側がイベントを入れ忘れたのだろうか…と思いきや、リメイク版でも追加されていないのでそもそも作られていなかったのだろう。

総評

可愛らしいリスが主人公という見た目に反してこれでもかと繰り広げられる汚物系の下ネタ、血が飛び散るほどのグロテスク、色々な所から訴えられかねない映画のパロディ、そしてお得意のブラックジョーク入りといった具合に大人向け要素を詰め込んだまさにレア社ご乱心の一品。
それでいてグラフィック面やサウンド面もさることながらN64最高クラスの演出を誇る(それだけに余計にタチが悪いのだが)。
演出面特化ゆえに3Dアクションゲームとしてはマリオ64やバンカズに比べるとややボリュームが物足りないが、それらとは違う3Dアクションを遊びたいならお勧めできるだろう。
ただし、遊ぶなら少なくとも17歳以上になってから。


コンカー Live & Reloaded

【こんかー らいぶ あんど りろーでっど】

ジャンル アクション
対応機種 Xbox
発売元 Microsoft Game Studios
開発元 レア
発売日 2005年6月30日
定価 6,380円
レーティング CERO:18歳以上対象*3
備考 360/One/XSXの後方互換に対応
判定 良作
コンカーシリーズリンク
Conker's Pocket Tales / Conker's Bad Fur Day / コンカー Live & Reloaded

概要(L&R)

前作から4年後に発売された『コンカー』シリーズの新作。
今作はXbox Liveを使った新たなネット対戦モードや前作N64版のリメイクにあたる1人用モードの2種類が楽しめる。
これによって海外でしか遊べなかった前作のストーリーが実質日本でも遊べるようになった。


前作からの変更点

  • 攻撃方法の変更
    • 前作ではBボタンでフライパン攻撃ができたが、今作では武器がフライパンから釘バットに変更された。
      • また、操作方法も変更されており、Bボタンを押すことで武器を構え、カメラが三人称視点になり、背面のトリガーボタンで武器を振るようになった。
      • また、前作ではフライパンを1回振るだけだったが、ボタンを連打することで連続攻撃を繰り出すように変更された。
  • 敵キャラの増加
    • 今作ではほぼ全チャプターに敵キャラが配置されるようになり、より手ごたえのあるゲーム性になった。
  • 一部キャラデザインの変更
    • 主人公コンカーの服装のデザインが新しくなった。
    • テディベア軍もデザインが変更され、より厳つい雰囲気を出している。
      • ちなみに、前作N64版デザインのテディベア軍は今作では失敗作という設定が追加された。
  • 対戦モードの大幅な変更
    • 恐らく今作の最大の特徴。
    • 当時Xboxの売りだったXbox Liveというネットサービスを活かした、『Halo』シリーズを彷彿とさせた対戦型TPSになっている。
      • 今作では「クラス」の概念が登場し、それぞれ違った個性を持ったキャラを使ってミッションを遂行していく。
      • 前作における「DEATH MATCH」と「WAR」をより主軸に置いたモードとも言える。

評価点(L&R)

  • Xbox最高クラスのグラフィック
    • 本作のグラフィックはXbとは思えないほど美麗なグラフィックで、次世代機の360にも匹敵するレベル。
    • コンカーをはじめとした様々なキャラもデザインが変わっていたり、細部の書き込みも細かくなった。
      • 特にコンカーの体毛の描写はとてもリアルになりつつもカートゥーンな雰囲気も残している。
      • また、一部チャプターでコンカーの服装が新たに追加され、雰囲気もより増した。
  • 1人用モードの難易度がやや抑えられた
    • 前作ではやや使いにくかった攻撃も硬直が短くなり、ストレスも感じなくなった。
    • コンカーの潜水時間が長くなったことで水中での探索が楽になった。
    • チャプター4と6で使う立ちションアクションを移動しながらできるようになり、チャプター6の岩人間落としも楽になった。
    • 同じくチャプター6で爆弾を運ぶミッションで制限時間が可視化されるようになり、ある程度慎重に進めるようになった。
    • 特にチャプター8の難易度がグッと楽になった。
      • 銃器装備時の移動速度が速くなり、戦闘もスピーディーになった。
      • 前作にあった銃器発射時のブレがなくなり、敵をより狙いやすくなった。
      • 銃器を装備したままジャンプもできるようになり、リスキーではあるが、銃器を装備したままレーザー地帯を飛び越したりも可能。

賛否両論点(L&R)

  • 1人用モードのテキストの規制大幅増加
    • 前作ではFワードやSワード以外は基本的に無修正だったのが、本作ではそれらの単語がほとんど規制音が入るようになった。
      • 海外ではこの点が特に不評だったらしく、これだけで本作の評価を大きく下げる人もいたとか。
    • GTA:SA』とは違って、規制がテキストのみに留まっているのでバランスに影響されないのが救いか。
    • ちなみに、本作の初公開PVでは「Conker Live & Uncut」というタイトルで基本無修正で発売される予定だったこともあり、皮肉な結果になってしまった。
  • 対戦モードの大幅な変更
    • 前作における「DEATH MATCH」と「WAR」を強化したものになっているが、前作にあった他のモードはまるごと削除された。
      • ネット対戦がメインのモードだが、現在はXbのネットサービスが終了してしまっているので、ほとんどのモードは遊べなくなっている。

問題点(L&R)

  • ロードの追加
    • 本作では随所にロードが挟むようになり、テンポが若干悪くなった。
      • 一回のロードは5秒とそこまで長くはないが、頻度は高い。
  • 一人用モードのボイスは前作のほぼ使いまわし
    • 唯一チャプター1だけは新録のボイスはあるのだが、内容は「前作でガーゴイルが落ちるはずが落ちなくなっている理由を話す」というもの。
      • メタ発言を入れるあたりはいつものレア社だが、そもそも前作は日本で発売されていないので、前作未経験者のプレイヤーはネタがわからず置いてけぼりを食らう。
  • 一部演出の劣化
    • チャプター9で前作ではサブマシンガン二丁で装備していたのが、一丁だけになった。
      • 元ネタである映画「マトリックス」ではきちんと二丁で撃ってたので、コンセプトが崩壊してしまっている。

総評(L&R)

前作N64版がより美麗なグラフィックでリメイクされ、新たな対戦モードを加えた意欲作。
一人用モードのゲーム性が強化され、遊びやすくなったことでゲーム性で見るならN64版よりもお勧めしやすくなった。
ストーリーも日本語になり、日本人でもプレイに困らなくなったのもポイント。
ただ、演出面では一部変更があったりテキストの規制などもあるため、N64版の完全上位互換とは言えない。

余談

  • N64版は2001年というまさにN64末期に発売されたゲームに加え、上記の通り大人向けの内容となっているため、話題作りには成功したが、売上は散々な結果に終わった。
  • 2002年にレア社がマイクロソフトに買収されたことを受け、現在はバンジョーと同様にレア社が版権を所有している。
  • 元々、N64版は日本でも任天堂から発売される予定だったがキャンセルされたため、日本での発売はなかった。
  • しかし、2015年にレア社が開発したゲームが30作品収録されている『Rare Replay』が発売され、N64版が収録されているため、日本でも64版をプレイ可能になった。
    • ただし、『Rare Replay』に収録されている本作は英語表記のみ*4
    • なお、(当然のことながら)権利関係によりN64ロゴをぶった切る演出は丸ごとカットされている。
  • 『ディディーコングレーシング』の頃のコンカーを主人公とした『Conker's Quest』だが、その世界観を引き継いだGBC用ソフト『Conker's Pocket Tales』が1999年に発売された(本作同様日本未発売)。
  • 『Conker's Quest』及び『Twelve Tales Conker 64』から本作への大幅な路線変更がされた理由としては、発表当時と同時期に発表された『バンジョーとカズーイの大冒険』をはじめとした3Dアクションゲームが多く出ていたことから独自性に欠けていたため差別化が図りにくくなったこと、レア社は子供向けゲームを作りすぎてマンネリ感が出てきているといったユーザーの批評もあったことから、当時レア社で務めていたChris Seavor氏が出した案で上層部に持ち掛けたところOKをもらえ、本作への路線変更が正式に決まったとのこと。
  • 『Conker's Quest』の闘技場ステージのBGMは後に『スターツインズ』のタイトル画面に流用された。
  • 本作の続編になる『Conker's Other Bad Day』が企画されていたが、レア社の都合によりお蔵入りになってしまった。
    • また、同じく続編として企画されていた『Conker Gettin' Medieval』も公開されているが、こちらもお蔵入りになった模様。
  • One用ソフト『Project Spark』の追加エピソードでコンカーを主役にした『Conker's Big Reunion』が全5章構成で配信される予定だったが、売り上げ不振のせいか第1章の配信後に第2章以降の配信がキャンセルされてしまった。
    • また、同年に発表されたMicrosoft Hololens用ソフト『Young Conker』が発表され、こちらは発売されたが、コンカーのデザインなどが本作の原型をとどめておらず、発表当時は大不評だった。
  • 本作でバンジョーとカズーイがカメオ出演しているが、バンジョーは酒場の背景で生首の剥製にされ、カズーイは頭を笠の持ち手にされて立てかけてあるというなんとも妙な扱われ方である。
  • バンジョーとカズーイの大冒険の方でも同作のステージ「サビサビみなと」で特定の部屋に入ると背景に「Conker's Quest」時代のコンカーの彼女ベリーがポスターでカメオ出演している。
    • ちなみに、XBLA版の方では本作仕様のコンカーのポスターに差し替えられている。
  • レア社は現在マイクロソフトの傘下にあり、本作の版権もレア社が所有していることから、以前はバーチャルコンソールなどでの配信は絶望的であると考えられていた。
    • だが、同様の経緯を持つ『バンジョーとカズーイの大冒険』『スターツインズ』などが次々と『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』で配信されるようになり、そして『ゴールデンアイ 007』も数多の権利問題を乗り越えついに配信が決定され、本作の配信の可能性もあるのではないのかと一部のファンが期待するようになった。
    • しかし、全編英語のゲームが日本のNintendo Switch Onlineで配信された前例がないことや、ブラックジョーク全開の作品であるため本作がSwitchで配信される可能性はさすがに低いと思われる。
  • 2012年、YouTubeにて『Twelve Tales Conker 64』の30分プレイ映像が突如公開された。
    • さらに2023年3月29日にレア社の元創設者Tim Stamper氏が自身のX(旧Twitter)にて、『Twelve Tales Conker 64』のromデータが入っているカセットを実機で起動させている動画が突如投稿された。
      • 動画で映っていたのはオープニングのみだが、E3で展示されているものや以前YouTubeで投稿されたものよりも若干変更が加えられている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 2001年
  • ニンテンドウ64
  • ACT
  • レア

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最終更新:2024年04月27日 02:00

*1 おまけにぶった切ったN64のロゴに対し「だっせーロゴだな。ありゃ駄目だろ。」とコンカーが吐き捨てる台詞もある。

*2 実際は、レア社のソフト開発が遅れ、ゲームキューブ発表時にも数が揃わなくなった事が理由。

*3 改定後のレーティングはCERO:D(17歳以上対象)となっている。

*4 One/XSXで配信されている『Live & Reloaded』は日本語対応。