Just Cause 2

【じゃすと こーず つー】

※ この記事は無規制の海外版に基づいて記述しています。

ジャンル TPS
対応機種 Windows Vista/7
発売元 Square Enix
開発元 Avalanche Studios
発売日 2010年3月23日(北米)
定価 $ 39.99
プレイ人数 1人
セーブデータ 10個
レーティング PEGI:18(18歳以上対象)
BBFC:15(15歳未満非推奨)
廉価版(配信) GOG :2021年10月/ $ 19.99(Complete Edition)*1
備考 日本語なし
判定 良作
ポイント 多数の武器やビークルを駆使する爽快オープンワールド
Just Causeシリーズ : 1 - 2 - 3 - 4

概要

2006年発売のオープンワールドアドベンチャー『Just Cause』の続編。
本作の発売決定後かつ発売前にEidos InteractiveがSquare Enixに買収された。
そのため、Square EnixからEidos Interactiveブランドで発売されている。

PS3/360版も同時発売されている。2010年6月にPS3/360の日本語版が発売されているが、規制が多くバグも増えている。


ストーリー

東南アジアの島国Panauにて独裁者の代替わりが起き、Baby Panayが権力の座についた。
CIAはPanauにて消息を絶ったトム・シェルドンの捜索と場合によっては抹殺することをリコ・ロドリゲスに命令した。
リコは飲んだくれのCIAスリーパー(現地潜入工作員)カール・ブレインと接触した。
カール・ブレインはリコに、とりあえずゲリラ勢力を支援してその見返りとして彼らから情報を得るように助言する。

世界観補足

  • Panauはブルネイの近くで石油を産出するとされている。
    • にもかかわらず、雪が積もっている山岳地帯がある。なお、砂漠地帯もある。
      • 雪原は吹雪いて視界が悪い。また、砂漠は遠くの視界が揺らいで見える。
        これらの処理のため、GPUへの負担が大きい。GPUへの負荷が限度を超えるとグリッチやコマ落ちするのではなくゲーム自体が異常終了する。
    • 高山地帯にはチベットのポタラ宮のような建物があったり、熱帯の漁村にはバタック人(インドネシア)の高床式住居のような建物があったり、砂漠地帯には土レンガ造りの住居があったり、瓦葺きの平屋の日本家屋風の住居もあり、インド風の寺院や、ボロブドール遺跡っぽい廃墟もある。アジアごちゃまぜの世界観である。
      • 住民の会話はタイ語で、街の看板の文字はシャム文字である。
    • Panauは第二次大戦中に旧日本軍による攻撃を受け、現在においても、とある島を日本兵に実効支配されている(!)
  • Panauには3つのゲリラ勢力が有る
    • Ular Boys
      • パナウ原住民族ユーラの族長スリ・イラワンが率いる、やや宗教性の強い排外主義のゲリラ組織。
        なお、"Ular"はマレー語で"蛇"を意味する。
      • 部族の宗教的アイテム"Skull"の収集を欲している。
      • Ular Boysのゲリラ兵が使用する機銃付き車両は強力で、路上でUlar Boys勢と軍の治安部隊が遭遇すると、高確率でUlar Boys側が勝つ。
    • Reapers
      • 共産主義革命を目指す女性カリスマ指導者ボロ・サントシ率いるゲリラ勢力。
      • "Black Box"という正体不明なアイテムの収集を欲している。
      • 勢力ミッションを完遂することによってReapersのゲリラ兵も機銃付き車両に乗るようになり、将校の暗殺が可能なレベルまでになるため、プレイヤーと手柄の奪い合いとなる。
    • Roaches
      • ゲリラというよりはマフィアである。首領はラザク・ラズマン。自分たちを"Roach(ゴキブリ)"と呼ぶ自虐。シンボルマークはなぜかハングル文字。
      • "Drug Box"の収集を欲している。
      • Roachesのゲリラ兵の乗る車両には機銃がなく、戦力としては弱い。しかし、政府の街宣車やガソリンスタンドに自爆アタックして手柄を奪う事がある。

システム

  • オープンワールドのTPS
    • ミッションを受ける場合は、ミッション開始地点に赴いて、ミッションを開始する。
    • マップは約1,000km 2 あり、最大級の部類に入る。
      + 他ゲームとの比較画像
    • 時間経過のシステムも存在。ゲリラ活動は夜闇に隠れてやったほうが良い。
  • リコ・ロドリゲスの能力
    • グラップリングフックを射出して射程範囲へ移動が可能。
      • 上へも水平でも、そして下方向へも移動できる。
        本来であれば落下ダメージが有る高低差で落下中でも地面にグラップリングフックを当てて移動すれば落下ダメージはない。
    • ちゃんと固定されていないもの(ドラム缶、人間など)をグラップリングフックで引き寄せることが出来る。
      • ドラム缶を隠れている敵の近くに移動させて爆破、見張り台にいる敵を引き落とすなどの戦術的な幅が生まれている。
    • グラップリングフックでオブジェクト同士をつなげることができる。
      • 各所に有るBaby Panayの像とトラックなどの車両をつないで像を引き倒すことが出来る。
    • ピストル、リボルバー、サブマシンガンを両手持ち可能。
      • マシンガン、機銃、ライフル類、ロケット弾は両手持ちである。
    • パラシュート
      • ある程度の速度で移動中にはパラシュートを開くことが出来る。
      • グラップリングフックを射出後にパラシュートを開くと数メートル浮上できる。敵陣でやると敵からすれば良い(まと)になる。
    • 水中を泳げる。
      • 収集アイテムのうちBlack Boxはすべて水中にあるため、泳いで収集する必要がある。
      • 十分な深さに潜水し続けていると、Heatレベルが解除される。ただし、窒息に注意。Heatレベル2が限度か。
    • HP制である
      • 各地に散らばっている"アーマー パーツ"を収集することでHPが上昇する。
      • なお、本作には"経験値"は存在しない。カオスレベルがその代替と考えられる。
  • ミッションの種類
    • ストーリーミッション
      • カオスレベル(後述)に応じて順次開示されていく。
    • 拠点乗っ取りミッション
      • ストーリーミッションAct.2完遂後に最初の拠点乗っ取りミッションが3つ同時に開放される。
      • 拠点乗っ取りミッションを完遂すると、ゲリラ勢力の勢力範囲が広がる。
    • 勢力ミッション
      • ゲリラ勢力のその勢力圏下にて受けられるゲリラ勢力からの依頼。
  • カオスレベル
    • 政府軍施設を破壊する、もしくはミッションを完遂する、勢力の欲している収集アイテムを集めることでカオスポイントが貯まる。
    • ストーリーミッションはカオスレベルに応じて順次開示されるため、ある程度意識してカオスレベルを上げる必要がある。
      • とはいえ、ストーリーミッションと拠点乗っ取りミッションとある程度の収集アイテムを集めることでクリアに必要十分なカオスポイントを貯めることが出来るため、実はむやみに破壊活動をする必要はない。
    • Black Marketで購入できる物品もカオスレベルに応じて解禁されていくのでカオスレベルを上げる意義がある。
    • 一方で、カオスレベルの上昇に伴って敵の警備も強化される。
      • 各集落に配備されている人数が増えるだけでなく、防弾チョッキを着た兵が多くなる他、アラート状態になった時に駆けつける増援が増える。さらに上位のHeatレベルが解禁され、武装ヘリが応援に来たりするようになる。
  • ゲリラ勢力
    • ストーリーミッションAct.2完遂後に接触可能となる。どの勢力も最初のミッションは拠点乗っ取りミッションである。
      • 拠点乗っ取りミッションは勢力ごとに3つずつある。
    • 拠点乗っ取りミッションを行うことで、当該ゲリラ勢力の勢力圏が拡大する。
      • ゲリラの勢力圏下になったとはいうものの、各集落や集落に属さないガソリンスタンドにも政府軍が駐留しており、バイクやジープによるパトロールも頻繁に行われている。
      • 勢力圏下にのみ、その勢力の勢力ミッションが解禁される。
      • 勢力圏と言いつつも、野良ゲリラはそれとは無関係に移動する。例えば、乗っ取りミッション直後のパナウ市港湾地区で既にUlar Boysの野良ゲリラが活動している。また、乗っ取りミッションを完遂していない政府軍管轄下の地域にも野良ゲリラは存在して戦闘を行っている。
    • 勢力ミッションを行うと、野良ゲリラが強化される
      • まず、野良ゲリラの発生数が増える。次に、1台の車両に乗っている人員が1人から2人へ増える。Ular Boysの車両には初期から機銃がついているため、この変化は非常に大きな影響を与える。
        次にReapersのゲリラ兵が乗る車両が機銃付きになる。さらに、ゲリラ兵がグレネードを携行するようになる。次に、ゲリラ兵の装備がピストルからサブマシンガンになる。この時点でゲリラ兵と政府軍の路上での偶発的な邂逅による戦闘においてはゲリラ側が勝つことが多くなる。そうなると、リコがHeatレベルを上げたことで政府の治安部隊がバイクやジープを派遣しても、野良ゲリラに遭遇して戦闘に負けて全滅し、現地にたどり着かない場面も発生する。なお、野良ゲリラが倒した政府軍の兵の数はプレイヤーの記録に合算される。このため、プレイ中に身に覚えのない「エリート兵を倒した」という通知があったりする。
      • 倒した敵の数は合算されるが、野良ゲリラの破壊活動によって政府設備が破壊された場合は本来得られるはずのカオスポイントおよび報奨金はプレイヤーに加算されず、永遠に失われる。
    • 前述通りどの勢力も収集アイテムがあり、収集アイテムを入手すると、その都度カオスレベルが上がり、報酬が払われる。どの勢力の収集アイテムも100個ずつある。
      • ゲリラ勢の勢力範囲下にある収集アイテムはその位置がマップ上に表示されるが、勢力範囲外のものは表示されない。この一点のために、拠点乗っ取りミッションを行う意義が生じる。
  • Black Market
    • ストーリーミッションAct.2完遂後にカール・ブレインの仲介で利用可能となる。
      • 武器と車両が購入できるが、最初はピストルや四輪バギーぐらいしか購入できないが、カオスポイントを貯めることでロケット弾や戦闘ヘリを購入可能となる。
      • 各地に散らばっている武器パーツ、車両パーツを収集し、それを消費しすることで、購入可能な武器や車両の性能を向上させることが出来る。
        余談となるが、MODで武器の性能を上げると、敵の武器も共通なので敵の攻撃力も上がってしまう諸刃の剣となる。
    • ある程度カオスポイントが貯まると、過去にプレイヤーが訪れたことのあるsettlement(軍事基地、都市、村落)へ無料で輸送してくれる。ただし、空から落とされる。

評価点

  • 自由度が非常に高い
    • ミッション外では敵の基地はどこからどう攻めても良い。
      • 勢力ミッションでも、攻め方が細かく規定されていないものがある。
    • 戦術的な自由度
      • グラップリングフックでドラム缶を隠れている敵の近くに移動させて爆破させたり、グラップリングフックで見張り台にいる敵を引き落とすなどの戦術的な幅がある。
      • グラップリングフックで敵と車両をつないで引きずり殺すことも出来る。
      • 敵の兵器を鹵獲可能。
        一部の機銃は取り外し可能であり、機銃無双が可能。装甲車や戦闘ヘリも乗っ取り可能。
  • 広大なマップ
    • 宝探し感覚の収集アイテム集め
      • サブマシンガンなどがBlack Marketで買えるまでは収集アイテムを集めてカオスレベルを上げる必要があり、また、HP上限を上げるためにアーマーパーツを集める必要もある。これらは広大なマップ中に散らばっている。
      • 100種以上の乗り物があり、移動そのものが楽しいという人もいる。
    • 制圧できる拠点は360箇所以上
      • 拠点にカウントされていないガソリンスタンドや移動式レーダー、パイプライン施設もある。パイプライン施設の爆破は見応えがある。
        なお、本作では橋は破壊できない。

賛否両論点

  • 破壊活動の是非
    • 村落の変圧器や給水塔などのインフラを破壊することで村人のその後の生活が不便になるのではないかと考えて気が引けるという人が海外においても存在する。
      • この点は後の作品でも変わらず、3では発電所や港といった重要インフラ、4では民生用も含む自動車工場といった基幹産業を平気で破壊していく。
  • 野良ゲリラの存在
    • 野良ゲリラも破壊活動を行う。勢力ミッションを完遂することで野良ゲリラが強化されると、プレイヤーの破壊活動の目標を野良ゲリラが先に破壊してしまい、カオスポイントや報奨金を得るチャンスが失われてしまう場面がある。
      • 集落の制圧に必要なポイントを稼いでくれると考えると、仲間とも言えなくもないが。
    • 野良ゲリラのとばっちりを受けることがある
      • 野良ゲリラの一番の攻撃目標は街宣車であるようなのだが、その本来の目的遂行の前に治安部隊に遭遇すると攻撃を開始するのと、治安部隊もゲリラを見つけると攻撃するため各所で頻繁に銃撃戦が起こる。この時、プレイヤー以外の各戦闘においても個別にHeatレベルが設定されているようであり、2回程度の勢力ミッションによってほんの少しだけ強化されたUlar Boysの野良ゲリラが一方的に政府軍に勝ち続けることがあり、最終的には政府軍の攻撃ヘリが応援に来る場合もある。
        そんな時にリコが戦闘中の政府軍兵の視界に入ると仲間と認識され、いきなりHeatレベルがMaxになるというとばっちりを受けることがある。
    • 野良ゲリラが増援を足止めする
      • プレイヤーが破壊活動を行うことで政府軍の増援が駆けつけようとした際に、その途上で野良ゲリラに遭遇するとその場で野良ゲリラとの戦闘となり、現場に駆けつけるのが遅くなるか最悪全滅することもあり、プレイヤーが逃げやすくなる。

問題点

  • 序盤のゲームバランスがおかしい
    • カオスレベルがBlack Marketにてサブマシンガンが購入可能となるレベルに至る前に、同じくカオスレベルによってHeatレベルが3まで解禁されてしまう。このため、ピストルのみ攻撃ヘリと戦うハメになる。
      • ヘリを呼ばれても到着前に基地を制圧すればヘリは帰還してゆく。しかし手早く敵基地を制圧するためにはやはりサブマシンガンが無いと難しい。
      • 敵兵にはサブマシンガンを装備している者もいるため、鹵獲するという方法も無いわけではないが、それにはやはりピストルかリボルバーでサブマシンガン兵を倒す必要がある。
      • なお、ヘリだけはHeatレベルが解除されても執拗にリコを探し続ける場合があるため、ロケット弾が買えるようになるまでは全く安全とは言えない。
    • Black Marketにてサブマシンガンが購入可能となるカオスレベルまでは破壊活動を行わずに、ひたすら収集アイテムを集めるというプレイスタイルが無難だが、それはそれで退屈。
      • パナウ市内のビルの屋上で給水タンクをピストルで破壊して隠れるという方法でも稼げる。数発のピストルの弾を消費して給水タンク1つあたり$1,250の報奨金が得られるため、経済的にも非常に効率の良い稼ぎである。
        なお、郊外の給水塔は耐久力が段違いに高いのでピストルで破壊するのは序盤では困難である。
  • どこからが立ち入り禁止区域なのかわかりにくい
    • 軍事基地の前の公道が立入禁止区域に設定されている場合があり、普通にドライブしていたら攻撃されたという場面も少なくない。
  • オートセーブのみ。
    • 複数のセーブデータを用意して検証、といったことはできない。

総評

おそろしく自由度の高いゲリラシミュレーションTPS。非常に広いマップは、車、バイク、パラシュートやヘリなどで移動出来、移動そのものが楽しいという人もいる。
戦闘はグラップリングフックの使い方次第で局面を打開できる場合があり戦術の幅が広いものの、装備の整いにくい序盤は苦戦を強いられる。
へんてこな殺し方で政府軍をコケにしたり、警備の裏をかいて破壊活動を行う痛快さがある反面、村落の変圧器や給水塔などのインフラを破壊することに対して村人が可哀想だと言う人もいる。


余談

  • 公式にはMODに対応していないが、パッチ機能を利用した非公式な方法によるMODが配布されている。
    • 有志が開発した「Multiplayer Mod」は後に公式から無料DLCとして配布されている。
    • 有志が開発した日本語化MODがある。本稿は一部当該MODの訳語に基づいて記述している。

その後の展開

  • 2010年6月にPS3/360の日本語版が発売されている。
    • 現在における有料DLC「Black Market Aerial Packs」と「Black Market Boom Packs」のセットにあたるDLC「Black Market Chaos Pack」(本作の予約特典)が日本語版では最初から組み込まれている。
    • 日本語版は出血表現が削除されている。
    • 日本語版は一般人を殺せない。これに伴い、一般人の殺害が含まれる勢力ミッションが4個削除されている。
    • 日本語版は特定ミッション以外で他のゲリラ勢の兵士が出現しないひとり一揆状態となる。
      • 勢力ミッションをこなしてもゲリラ兵が増強されないため、勢力ミッションの存在意義が薄れることになる。
    • 日本語版は何故か一部の地形にテクスチャが上手く貼れずに禿山だらけになる。さすがにこれは後に修正。
    • 本作は元々2階建てバスが出ないというバグがあったが、海外版はバグフィックスされたものの日本語版は未だ修正されておらず、全ての乗り物に乗るというトロフィー・実績が取得できない。

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最終更新:2023年06月27日 17:27

*1 DLC全部付き