マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック

【まりおあんどそにっく あっと とうきょうにーぜろにーぜろおりんぴっく】

ジャンル スポーツアクション
対応機種 Nintendo Switch
発売元 セガゲームス
開発元 セガ
任天堂
発売日 2019年11月1日
定価 6,589円(税込)
※DL版は2021年11月1日より3,980円
プレイ人数 1〜4人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 2020と1964を一手に
ラウンド戦・パーティーモード一切なし
ストーリーモードは高評価
自国開催のオリンピックで最高傑作にできず
マリオ&ソニックシリーズ


概要

その名の通り、2020年開催予定の(新型コロナの影響で実際は2021年に開催された)東京オリンピックを題材にした、マリソニシリーズ第6作(夏季に限れば第4作)。
なお、これまでのマリソニシリーズは日本国内版のみ任天堂発売、海外版はセガ発売と分かれていたが、本作は日本版も含めてセガからのリリースとなっている。
ついにマリオが生み出された日本におけるオリンピックであり、またリオの閉会式では東京オリンピックへの布石としてマリオが登場したこともあって、とても期待が高い作品であった。
反面、シリーズファンからは前作で大幅なゲームモードの縮小が行われたことから本作についても危惧する声が上がっていた。


キャラクター

参戦競技が限定されているキャラは全て隠し(ストーリーモードで勝つことで解放)。また、☆のついたキャラクターは1964オリンピックで使用可能。なおMiiは参戦していない。

  • マリオシリーズ
    • マリオ ☆
    • ルイージ ☆
    • ピーチ ☆
    • デイジー
    • ヨッシー
    • クッパ ☆
    • クッパJr.
    • ワリオ
    • ワルイージ
    • ドンキーコング
    • キノピコ(110mハードル)
    • ロゼッタ(サーフィン)
    • ディディーコング(ラグビー)
    • ラリー(馬術)
    • ウェンディ(水泳)
    • ルドウィッグ(フェンシング)
  • ソニックシリーズ
    • ソニック ☆
    • ナックルズ ☆
    • エミー
    • シャドウ
    • シルバー
    • ブレイズ
    • エッグマン ☆
    • テイルス ☆
    • ベクター
    • メダルソニック
    • ルージュ(ロッククライミング)
    • ジェット(サッカー)
    • エスピオ(三段跳び)
    • ザボック(ボクシング)
    • ザズ(卓球)
    • エッグマンネガ(空手)

システム

  • 本作ではいつも通りの2020オリンピック21競技、ドット絵で展開される1964オリンピック10競技、ドリーム3競技が収録されている。なお遊び方はワンマッチのみ。
    • 1964オリンピック競技は「アナログTVモード」でプレイすることもでき、ONにすると文字通り昔のテレビのような画面表示になる。
  • 2020オリンピック競技とドリーム競技には体感型操作とボタン操作の2種類があるが、以下はボタン操作での操作方法をもとに記述する。
+ 2020オリンピック競技一覧
  • 100m
    • とにかくボタン連打で走る。
  • 110mハードル
    • 走りながらタイミングよく跳ぶ。
  • 4×100mリレー
    • 走りながらタイミングよくバトンパスする。
  • やり投
    • パワーをため、さらに丁度良い角度で槍を投げる。
  • 三段跳
    • 走りながらタイミングよくホップ・ステップ・ジャンプする。
  • 円盤投
    • 勢いと方向をよく考えて円盤を投げる。
  • スポーツクライミング
    • 手をつく方向を決めてできるだけ高く登ることを目指す。
  • サーフィン
    • ウェーブでバランスを取ったりエアトリックを決めたりして得点を稼ぐ。
  • スケートボード
    • ひたすらトリックを決めて得点を稼ぐ。
  • ボクシング
    • ガードや様々な攻撃法を使い、相手にダメージを与えていく。
  • 空手
    • ボクシングとおおむね同様。
  • サッカー
    • ボールを奪いつつゴールにシュート。前作とほぼ同じ。
  • ラグビー
    • ボールを奪いつつトライ&キック。前作とほぼ同じだが、スクラムが簡略化されてテンポが良くなった。
  • カヌー
    • 2人漕ぎのカナディアンカヌー。相方と調子を合わせてパドルで漕ぎ、1位を目指す。
  • 水泳
    • 自由形100m。キャラクターごと違う泳ぎ方で操作し、1位を目指す。
  • 体操床
    • コマンド入力で様々な技をこなし、点を稼ぐ。
  • 障害馬術
    • 速度を出しつつタイミングよく障害を飛び越える。前作とほぼ同じ。
    • 個人戦と団体戦がある。
  • バドミントン
    • 落下点に移動しつつ方向を合わせて打ち返していく。
    • シングルスとダブルスがある。
  • 卓球
    • 返球される点に移動しつつ方向を合わせて打ち返していく。
    • シングルスとダブルスがある。
  • フェンシング
    • ガードを駆使しつつ、相手に剣を当てて点を稼いでいく。
    • 個人戦と団体戦がある。
  • アーチェリー
    • よく狙って的の中心を狙う。前作とほぼ同じ。
    • 個人戦と団体戦がある。
+ 1964オリンピック競技一覧
  • 100m
    • とにかくボタン連打で走る。
  • 400mハードル
    • 走りながらタイミングよく跳ぶ。
  • 走幅跳
    • 走りながらパワーを決め、角度を合わせつつタイミングよく跳ぶ。
  • マラソン
    • 68人走っている中を、他の走者や地形にぶつからないようにかわしつつゴールを目指す。スタミナを使って加速し、途中に設けられた給水所で回復しながら走ることになる。
  • 10m高飛込
    • 画面に表示されるコマンド通りにボタンを入力し、技を決める。
  • 跳馬
    • 力と角度を合わせ、コマンド入力で技を決める。
  • カヌー
    • 適切なパワーゾーンに合わせるようにスティックを回してパドルで漕ぎ、早くゴールすることを目指す。
  • 柔道
    • 相手を掴み、投げる。投げる側は相手のバランスを崩すように、投げられる側は体幹を保ち続けるようにスティックを倒して操作する。
  • バレーボール
    • タイミングよくトスやアタックを行い得点する。基本的に移動は自動のためとにかくタイミングが重要。
  • 射撃
    • クレー射撃。1皿につき2発の玉が割り当てられているので外さないように撃つ。回数を重ねるほど撃つべき範囲が広がり、難しくなる。
  • + ドリーム競技一覧
  • ドリームレーシング
    • スケボーのような板に乗ってレース。ジャンプ台やレールを駆使して1位でゴールすることを目指す。
  • ドリームシューティング
    • 和風の屋敷のあちこちに設置された的を撃って点を稼ぐ。
    • 個人戦とチーム戦がある。
  • ドリーム空手
    • 9×9のマスが書かれたフィールドに4人で乗り、空手技を繰り出す。衝撃波や吹き飛ばした相手が当たったマスは自分の色になり、自分の色のマスを最も多く増やした人が勝ち。
    • 個人戦とチーム戦がある。
    • 競技やストーリーモードで記録を残すことでチャレンジを達成させるトロフィー要素がある。
    • 対戦は4人まで可能。ただし2020オリンピックのボクシングと空手、1964オリンピックの全競技は2人対戦まで。
    • ローカル通信およびインターネット接続によるオンライン対戦が可能。

    ストーリーモード

    + あらすじ

    2020年、オリンピックに沸く東京。マリオとソニックの元に、差出人不明のレトロゲーム「TOKYOオリンピック64」が到着する。その正体はクッパとエッグマンがマリオとソニックをゲームの世界に閉じ込めようとするトラップだった。警戒して手を触れようとしないマリオたちだったが、ルイージのミスによってマリオ・ソニック・キノピオ、さらにはクッパとエッグマンまでゲームに吸い込まれてしまう。
    ゲームの中は1964年の東京オリンピックを再現した世界。エッグマンは金メダルを集めて秘密の鍵穴に差し込むことがゲームの世界から出る唯一の方法だという。金メダルをめぐり、マリオ・ソニックとクッパ・エッグマンの争いが始まった。
    一方2020年でもエッグマンネガによって「TOKYOオリンピック64」の解析が行われ、金メダルが救出に必要なことが判明。遺されたルイージたちとクッパJr.の間でこれまたメダル争いが幕を開けることに。

    • これまでの携帯機作品にあったストーリーモードと同様、キャラクターを操作して競技をこなしていく。2020年の東京ではルイージ、1964年の東京ではマリオを操作する(これらは自由に切り替えられない)。
      • 2020・1964どちらも東京をモチーフにしており、マップからスポットを選んで移動する形式。
        スポットには国立競技場や馬事公苑などの競技場と、東京駅や東京スカイツリーなどの観光地の2種類がある。競技場ではそこで行われるオリンピック競技を遊ぶことができ、観光地では一部を除きミニゲーム(後述)がプレイできる。
    • ストーリー中にはミッションが課されることがあり、内容は「指定の競技で勝て」「ミニゲームをクリアしろ」の2種類。これをクリアすることでストーリーが先に進む。
      • 3回ミスすると「おたすけクリア」が選べるようになり、これを使うとそのミッションをクリアしたことにできる。
    • ミニゲームは、競技をアレンジした簡易的なゲーム。しかしその内容は「東京タワーの外側をクライミングで登る」「東京都庁の2本の展望台の間に向けてラグビーのゴールキックをする」などぶっ飛んだものばかり。
      • クリアしたものはトップメニューの「ゆうぎじょう」に追加され、いつでも遊べるようになる。
    • キノピオなどNPCに話しかけたり、アイテムを取ったりするとトリビアが手に入ることがある。オリンピック競技に関すること、東京の観光地に関すること、マリオ・ソニックファミリーに関することの3種類があり、閲覧したものはトップメニューの「トリビア」に追加され、一覧で見られるようになる。

    評価点

    • 全体的なボリュームの増加
      • その数34競技。前作が少なすぎるのもあるが、スポーツゲームとしては一定以上の量は確保されている。
      • 東京五輪の新種目が全て収録されている。現実において日本人選手の大活躍で大きな話題を呼んだ競技も多く、ある意味先見の明があったといえよう。
      • 1964オリンピックはできるだけ2020オリンピックと被らないように収録しており好感が持てる。
    • 1964オリンピックの演出の凄さ
      • 現実のTV中継を意識した実況付きだが、FC時代の取り込み音声を意識した音質でレトロゲーム感は最高。背景もしっかりドットで描かれており、観客のキノピオやクリボーなどは『スーパーマリオブラザーズ』のグラフィックとなっているこだわり様。
      • そしてアナログTVモードが凄すぎる。本体のTVモードはもちろんだが、携帯モードでプレイすると本当にブラウン管が入っているかのように見えてくる。
      • BGMはFC風で、これまたレトロゲームにありがちなちょっと控えめなもので雰囲気が良い。
    • ストーリーモードは好評
      • 過去作と違い、現実の東京が舞台となっているところが魅力。スカイツリーや都庁などがリアルに再現されていてテンションが上がる。
      • シナリオは王道的なもので、下手にオリキャラを登場させなかったため納得しやすい内容。序盤にやや引き延ばしが目立つものの、後半では今までになかったショッキングな演出や意外な伏線回収もあって『バンクーバー』並みに質が高い。
      • 2020年の東京ではルイージが主人公となるのも新しい。道中ではテイルスがルイージをサポートすることになり、マリオ&ソニックに対するルイージ&テイルスというカップリングを提示した。

    賛否両論点

    • スケートボードなどの個人競技でも同時プレイ
      • 以前の個人競技で長い待ち時間が発生していたことの反省かもしれないが、見づらいうえにやかましいためあまり評判が良いとは言えない。

    問題点

    • パーティーモードが完全消滅
      • プレイ幅を狭めている本作最大の問題点。多人数プレイできるのはワンマッチのみになってしまった。携帯機版の機能を吸収したとはいえさすがにこれはひどい。
      • ひとつひとつ選んで遊ぶしかやり方がなく、また完全な実力勝負を要求される。
      • 3DS版『ロンドン』では本作より多い57の競技を収録していながらストーリーモード+ラウンドマッチ+バラエティモードにあたるゲームモードを全て確保していた。
        3DSやWiiの時代に普通にできていたことが、何故時代が進むたびに縮小されてしまうのかは理解に苦しまれる。
    • ハチャメチャさに欠けるドリーム競技
      • 前作で削除されたため復活自体は喜ばれたものの、競技数が僅かに3つのみのうえに演出は全体的に控えめ。競技している場所も屋敷や野原などあまり意外性がなく、『北京』時代に逆戻りしたかのようなクオリティである。
      • ミニゲームがその役割を引き継いでいるといえるかもしれないが、1人プレイ専用かつ小規模である。
    • プレイアブルキャラの大幅なリストラ
      • 前作で一部競技限定参戦していたキャラクターが計10人*1リストラされている。
      • 唯一の新規参戦はマリオシリーズのキノピコであるが、キノピオを差し置いて参戦させるキャラクターかと言われるととても微妙である。

    総評

    競技数が(1964オリンピックを含めば)『ロンドン』並みの水準にまで増加し、話題になった新種目もバッチリ収録していることから、東京オリンピックの競技をライトに楽しむにはとても良い作品である。ストーリーモードも評価が高く、東京を舞台にしたこれまでにない戦いを体験できる。

    しかしながらラウンドマッチやパーティーモードといった過去作の人気要素が再び消えてしまったのは残念というほかない。1人プレイを重視した作品であるとはいえ、流石にワンマッチのみでは少なすぎる。

    結果として、東京オリンピックを楽しみたいという新規層からは一定の評価は得られたものの、自国開催のオリンピックということもあり、過去作に並ぶ傑作を期待していたプレイヤーには応えることはできなかった。


    関連作品(参考)

    • 『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック アーケード』(アーケード)
      • 2020年1月23日稼働。前作同様の体感型アクションゲーム。
      • Aime非対応だが、定期的なアップデートでプレイアブルキャラが次々と追加された。
    • 『ソニック AT 東京2020オリンピック』(iOS・Android)
      • スマートフォンアプリ。マリオキャラクター不在でソニックキャラクターのみ登場。
      • 当初は2020年5月7日より基本無料+課金として配信されたが2021年12月15日サービス終了。
        その後、2022年1月24日より買い切りの完全オフラインゲームとして生まれ変わって再配信された。

    余談

    • 現実のリオオリンピックの閉会式で流された東京オリンピックの予告映像では、ドラえもんが取り出した特別な土管にマリオが入って地球の裏側のリオに向かうという、とても期待度の高い内容が流された。
      • なお本作のマリオ達は飛行機と新幹線で東京に来た模様
      • 実際に2021年に開催された東京オリンピックの開会式および閉会式では、諸々の事情により任天堂が関わることは一切無かった。
    • ワンマッチでは既存キャラにランダムで国籍が割り振られるため、「キューバ国籍のクッパJr.」「中国籍のワリオ」といった荒唐無稽な組み合わせが生じることも。「ナイジェリア国籍のベクター」は何故か納得がいく。
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    最終更新:2024年03月21日 19:42

    *1 マリオシリーズではカロン・キノピオ・キャサリン・トッテン・ロイ・ほねクッパ。ソニックシリーズではウェーブ・オメガ・クリーム・スティックス。