勇気の推理123
【ゆうきのすいり わんつーすりー】
ジャンル
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ノベルゲーム
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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HERO GAME
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発売日
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2022年11月17日
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定価
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150円
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レーティング
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IARC:3+
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セーブデータ
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作成不可
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判定
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なし
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ポイント
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いくらかマシになったストーリー 粗も無いわけではないが150円相応の出来
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勇気の推理シリーズ
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概要
『勇気の推理 海苔』(以後『海苔』と表記)をリリースしたHERO GAMEからNintendo Switchでリリースされたノベルゲーム。
HERO GAMEが開発した3部作を原作とし、その内『1』のみWindowsとAndroidでフリーウェアとして公開されていた。
先行して発売された『海苔』と設定や登場人物の名前など共通している部分もあるが、『海苔』とは話は繋がっていない。
特徴
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基本的なシステムは『海苔』と同様。
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セーブデータ作成不可、バックログ・スキップ機能非搭載などもそのまま。
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なお、ゲーム開始時に「このゲームには選択肢がありますがどのボタンを押しても進行します。」と、どの選択肢を選んでも変わりない旨の
開き直り注意文が書かれている。
評価点
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ミステリーとしていくらかマシになった。
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完全に電波だった『海苔』と比較すると、推理モノらしい作品になっている。あくまで
比較の問題
であり、強引な展開が目立つことに変わりはないが。
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第1話では、「シールを貼らずにコレクションしている友人が壁にシールを貼っていること」に主人公が疑問を抱くなど、ちゃんと筋の通った推理を見せてくれる。
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笑えるシーンもいくつかある。
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第2話のヒーローショーでは「ヌードルハラスメント」といったパワーワードが出たり、戦闘員を倒すのにスタンガンを使用したりと、ギャグとして見れば中々センスがある。
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背景画像が増えた。
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本作は12枚あるため、『海苔』のように背景画像とテキストが合わないという状況が少なくなった。
賛否両論点
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選択肢に意味がない。
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『海苔』と同じ問題点。選択肢が提示されるのだが、どちらを選んでも正解の選択肢を選んだかのように進む。
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とはいえ、前述したように推理やストーリーが電波塗れだった『海苔』と異なり、本作は推理モノとして多少マシになっているので、真面目に答えようとすると、どちらが正解かわからないこともある。
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また、原作のフリーウェア版では選択肢を間違えるとゲームオーバーとなり、最初からやり直しになる仕様だった。そのため、間違えても話が進むようになったのは、(直し方はやや雑とはいえ)改良点とも言えなくもない。
問題点
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相変わらずストーリーが超展開気味。
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『海苔』と比べるとマシになったとはいえ、ストーリー展開は相変わらずツッコミどころ満載。
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上記で「筋の通った推理もある」と書いたが、それは極一部。基本的には根拠のない言いがかり(がたまたま正解している)か、犯人の勝手な自供のどちらかで事件解決である。
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ツッコミどころの一例(一応ネタバレ注意)
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第1話は、主人公の勇気が友人「相原」の死体を発見するところから始まるのだが…
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通報もしてないのに突然警察が現れ、
何故か殺人現場を放置
して勇気を爆弾解除に向かわせる。
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相原の通夜で、勇気は「寿司を食べることに専念」し、女刑事は「ビールの飲みすぎで変なテンションになっている」らしい。人の死を軽く扱い過ぎである。
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勇気が公園に行くと
何故か失踪した父親がいる
。連絡手段があったなどの説明は無い。
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真相もツッコミどころが多すぎる。
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勇気の父親は
詐欺師の脅しから逃げるために息子を爆弾で殺そうとした
。しかし後ろめたさがあったので、
何故か相原と組んで
勇気にヒント(相原の家に貼られたシール)を残した。それに
何故か気付いた
詐欺師はヒントを探そうとしたができなかったたので相原を殺した。
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以上の真相を勇気の父親が自供して事件は解決する。クライマックスなのに推理要素は皆無。
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第2・3話はかなり短く、「旅先で楽しんでたら殺人が発生→いきなり犯人を特定→犯人自供→解決」という第1話以上の超展開を見せる。
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第2話で勇気は「犯人は被害者を刺した後、ステージから観覧車まで死体を運んで隠し、2時間後またステージに戻した」と推理しているが、そんなことをしたらさすがにバレるであろう。
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誤字や誤表現が多い。
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「心当たりはありあますか?」「両法」(両方の誤字)などの誤字がある。
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「皆様!頂いてください!」などおかしな表現も。
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『海苔』から引き継いだ問題点。
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物語が終わると最初にループする点も変わりなし。
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『海苔』ほど酷くはないが、背景と文章が噛み合ってないシーンが一部ある。背景の切り替えタイミングも所々ズレており、場所が移動してから10クリック程でようやく切り替わることもある。
総評
ツッコミどころも全くないわけではないが、電波だった『海苔』と比べると、筋の通った推理を見せてくれるなど、ちゃんとしたストーリーが描かれているのは評価できる。
『海苔』が赤点レベルの出来であったのに対し、本作『123』は150円のノベルゲームとしては価格相応の内容になったと言えよう。
というか、本作程度にはまともなストーリーが書けるのであれば、本来後発である『海苔』が電波ストーリーになってしまったことが、一番の謎かもしれない。
最終更新:2024年02月27日 10:49