ワインディングヒート
【わいんでぃんぐひーと】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード(ZR107)
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発売・開発元
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コナミ
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プレー人数
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1〜4人
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稼働開始日
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1996年
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判定
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スルメゲー
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ポイント
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舞台は日本の峠道へ 豊富な収録マシーン ワインディングなコース 緊張感溢れるアザーカー
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概要
コナミのレースゲーム『ロードファイターシリーズ』初の3D化タイトル『ミッドナイトラン:ロードファイター2』の改良版(新作)にあたり、本作は同じ公道が舞台でありながらも打って変わって「カーブの連続している峠」を舞台としている。
登場するマシーンは実在する車種をモチーフにした架空のものでありながらも、三栄書房(当時)から出版されている自動車雑誌『Option』ならびに姉妹誌とのタイアップがなされている。
筐体説明
ツイン筐体
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当時のコナミが複数のレースゲームで採用されていた汎用コクピット型ツイン筐体を採用している。
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ペダルはアクセルとブレーキの2ペダルであり、それぞれの間隔は狭くペダルそのものの大きさも小さい。
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シフトレバーはハンドル左側。さながらジョイスティックを思わせる形状と操作性となっており、シフトを入れる度にカチッと音が鳴るため、おおよそ実車とかけ離れたものとなっている。
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ボタンはシフト切替と視点切替の2つ。シフト切替はレース中でも切り替えることが出来る。
デラックス筐体
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前作『ミッドナイトラン』と同じ筐体を採用しているが、塗装が黄色から白色に変わっている。
アップライト筐体
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海外向け筐体。ハンドルなどの部品は通常の筐体と同じものを使用している。
シングル筐体
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海外向け筐体。2台以上繋げて通信対戦ができるようにすることも可能。
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日本で出回っている筐体との決定的な差異は「座席の形状・位置調整が可能」である。
海外向けツイン筐体
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海外向け筐体。
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最大の特徴は「シフトレバーが右側座席前面寄りの側面」に装備されているところである。
ゲーム内容
モード
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【TIME ATTACKモード】コース選択時にブレーキを踏むとアイコンが光るため、その状態を保ちながらアクセルでコースを決定すると選択される。通常のレースとの違いは「アザーカー出現の有無」だけとなっている。
コース
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【初級コース】丘上の観光地を舞台としており、スタート地点は本線と側道の間に分離帯のついたレストランの駐車場となっている。
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【中級コース】温泉街を舞台としており、スタート地点は分離帯のついたホテル正面の入り口となっている。
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【上級コース】峠道を舞台としたコースであり、スタート地点は駐車場兼休憩所となっており、分離帯は設置されていない。
マシーン
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以下の14車種についてはタイトル画面に全て表示されている(当記事基本情報欄参照)。
モデルになった車種
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ボディカラー
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過給方式
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日産・スカイラインGT-R(BCNR33)
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白
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ターボ
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トヨタ・スプリンタートレノ(AE86)
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白黒ツートン
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自然吸気
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ホンダ・ビート(PP1)
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黄
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自然吸気
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トヨタ・MR2(SW20)
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赤
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ターボ
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マツダ・ユーノスロードスター(NA6CE)
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緑
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自然吸気
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ホンダ・シビック(EG6)
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青
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自然吸気
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フェラーリ・F40
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赤
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ターボ
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ポルシェ・911 Turbo
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黒
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ターボ
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メルセデスベンツ・C-Klasse(W202)
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銀
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ターボ
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トヨタ・スープラ(JZA80)
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銀
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ターボ
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マツダ・RX-7(FD3S)
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赤
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ターボ
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マツダ・RX-7(FC3S)
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青
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ターボ
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日産・180SX(RPS13)
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黒
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ターボ
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日産・シルビア(S13)
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銀
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ターボ
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チューンアップタイプ
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【NORMAL】純正状態。バランスの取れた性能となる。
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【GRIP】グリップ力重視のセッティング。最高速がやや考慮された性能となる。
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【ACCELERATION】加速力重視のセッティング。グリップ力やハンドリングも考慮した性能となるが、最高速は完全に犠牲となる。
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【MAX SPEED】最高速重視セッティング。基本的には最高速に特化した上で加速力を犠牲にした性能となり、約191km/hまで出せるようになる。
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【HANDLING】ハンドリング重視のセッティング。加速もやや考慮された性能となる。
隠し要素
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コース選択時にマシーン選択画面に切り替わるまでアクセル踏みっぱなし、その後シフトレバーをUP側に倒すと…?
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出現内容
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隠しマシーン3車種が出現する。
モデルになった車種
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ボディカラー
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過給方式
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日産・スカイラインGT-R(BCNR33)
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青
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ターボ
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マツダ・RX-7(FC3S)
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白
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ターボ
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シルエイティ
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青
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ターボ
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評価点
ワインディングな日本式峠道
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本作では当時連載して間もなかったカーバトル漫画『頭文字D』を意識したのか、従来のハイウェイから打って変わって日本の峠道が舞台になった。コース中のレイアウトや小物にとどまらず、収録車種の傾向からもやはり『頭文字D』から影響された点が散見されるなど、全体的に当時の情勢を反映した内容と言える。
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以後のシリーズタイトルでもアップダウンの激しいコースや正真正銘の「ワインディングな」峠道コースが実装されるようになったため、名実共にゲームコンセプトの方向性を確立した。
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アザーカーにあたる一般車も多彩なものとなっており、普通のセダンをはじめ、族車風のカスタムを施された「スズキ・ワゴンR」や工事現場から土砂などを輸送するタイプの「トラック」を意識している車種が走行しており、見た目のバリエーションが豊富である。
多彩なマシーン
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本作では改造車を積極的に取り扱った雑誌とのタイアップを図っている点からも、登場するマシーンは全て改造車であることがわかるものとなっている。その数は実に14車種であり、ライトウェイスポーツやスポーツタイプの軽自動車をモチーフとした車種から、当時話題になっていたハイパワーマシーンをモチーフとした車種も実装されておいる。
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ただしアザーカーが登場することに加えてアザーカーの対向車と衝突した際に吹っ飛ぶ描写が実装されているせいで、マシーンは全て
見た目で一目瞭然だが企業から許諾を取っていない架空のものとなっている。これを逆手に取り、許諾の下りる見込みの希薄な「ホンダ車」「メルセデスベンツ」「ポルシェ911」「フェラーリF40」をモチーフとしたマシーンも登場している点も魅力ある特筆点と言える。
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このうち「ポルシェ911」「フェラーリF40」のスーパーカーや「メルセデスベンツ」といった高級セダンは峠道を主題としたアーケードレースゲームでは中々見る事のない面子であり、視覚的なインパクトは大。普段からレースゲームを嗜んでいるプレイヤーにも新鮮に映るだろう。
コミカルな挙動と操作性
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当時のコナミ製レースゲームらしく、マシーンの挙動はカジュアル性を前面に押し出した軽快な操作性となっている。ハンドルを切った際の動作もクイックレスポンスであり、小難しいことを考えずともカーブでしっかり減速さえ心掛ければハイトルクなマシーンを操ることも容易いだろう。
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壁やライバルカーとぶつかればリアが持ち上がるように激しく揺れ、対向車と追突すればその場で360度回転しながら大袈裟に吹っ飛ぶなど、あえてリアルを誇張したケレン味を活かした視覚的表現も抜かりなく、見ているだけでも面白い仕上がりと言える。
いつでもシフト切替可能
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本作はレース中にボタン操作でトランスミッションの切り替えが可能となっており、臨機応変なシフト操作を実現している。
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そうした仕様もあるため、トランスミッション選択はレース中にしか変更できないようになっている。
音のこだわり
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アトラクトで流れるサンプリングを駆使したBGMがプレイヤーをお出迎え。コインを入れてコースセレクトに入った際のBGMはクラブミュージックを意識したような低音を強調したサウンドがレース開始前のプレイヤーの感情を程よく刺激する。カーソル移動する際の効果音も相まって、アンダーグラウンドな雰囲気を醸し出す。BGMを手掛けているのはコナミのベテランコンポーザーである泉陸奥彦氏。
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前作に引き続き、本作にはDesper Products社による「SPATIALIZER 3D STEREO」なる立体音響を採用している。特にセレクト画面で流れるBGMの低音がしっかりと聴こえるため、そこだけでも耳に残るほど印象に残ったプレイヤーは相当数いたのではないだろうか。
賛否両論点
対向車による高難易度化
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順位と無関係な一般車、もといアザーカーの密度が中々に濃い。しかも今作は全体的に道幅が狭めな割には前作のように中央分離帯が用意されておらず片側1車線分の対面通行であるため、なんと対向車が当たり前のようにやってくる。しかも初級ほどアザーカーの密度が高くなり、必然的に「壁やアザーカーの間との擦り抜け」と言った上級テクニックを駆使しなければならない事態にあっさり陥ってしまう。
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ただし道路端に車がなんとか1台分通れるスペースが確保されており、アザーカーのせいで先に進めなくなる、いわゆる詰み状態に陥らないようにはなっている。一部道幅が広くなる箇所も各コースの急カーブに設けられているため、そうした点を味方に付けたライン取りや回避動作、アザーカーの擦り抜けを駆使したテクニックを駆使しすれば、完走までの道のりは短くなるだろう。
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無論アザーカーが多めに走行しつつ対向車がやって来ることは、一般道を舞台としたレースゲームとして見ればリアリティのある表現でもあるため、そうした意味では立派な評価点になる。また、コースの練習をしたい「だけ」であれば、アザーカーが全く出現しないタイムアタックを選べば良い話であるため、少なくとも練習する機会やコース全景を見る機会が潰されてしまう、ということにならないようには考慮されている。
ほとんど感じ取れない車種間性能
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車種間同士の性能差が設定されているのだが、体感的な性能差はテクニックで差を埋められる程度であり、個性を感じ取れない。
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これを「好きな車でタイムアタックを極められる」「公平的」と好意的に見ることもできるため、一概に問題点とは言えないだろう。
セッティング
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前作では単に「ノーマル」「チューニング」のどちらかしか選択できなかったが、今作では「ノーマル」以外に「ハンドリング」「コーナリング」「加速」「最高速」と言った形で複数選択できるようになり、プレイヤーの腕や好みに合わせて運転できるようになった。
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…と書けば響きは良いのだが、実際にはライバルカーのインチキブーストのせいで逃げ切りはコーナーリングスピードで稼いだり最高速で逃げ切ることも(ブロックを駆使しない限りは)実質不可能であり、操作性も腕でカバーできる程度の際異しかない。そのためタイムアタックをしている場合でもない限りは「操作性以外では」まるで違いを感じ取れない。
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結局、実力さえあれば最終的にランキングに載るタイムこそは出せる「MAX SPEED」一択となってしまうため、腕に慣れてしまえば選択肢の幅は無きに等しくなり、セッティングと言う概念そのものが形骸化していく。コンティニュー無しの仕様も相まって次第にセッティング選択も図々しくなってくること請け合いだろう。
一部表現
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「チューンアップタイプ」なる表現があるが、見るからにノーマル状態とされているマシーンすらカスタムされたもの「しかない」のは明白であるため、これではどう考えても「セッティングタイプ」である。逆にノーマル以外を選択しても「さらに見た目がに変化する」と言ったこともないため、紛らわしい表現となってしまっている。
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「NORMAL」は「標準」と言う意味があるため、改造車に対して「純正状態」と呼称するのは語弊のある表現である。よって、この場合は「BALANCED(バランスタイプ)」とするのが自然だろう。
問題点
良いとは言えないグラフィックの質
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前作『ミッドナイトラン』よりは煌びやかで多彩な演出がなされるようになったとは言え、やはり1996年のゲーム全体で見ればビジュアル面はタイトー製JCシステム基板よりマシな程度と微妙なところであり、当時の競合機種であるアーケードゲーム『レイブレーサー』『デイトナUSA』と比べてみれば一目瞭然。
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単体で見ても、30fpsのフレームレートをはじめ、マシーンの判別が付かないほどではないにせよ、テクスチャの雑さ加減のせいでまるで潰れ掛かった見た目ゆえにチープさが漂ってしまっており、総じてよろしくない完成度である。
エンジン音はどれも一緒
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収録車種こそ多いものの、肝心のエンジン音はターボ車で過給音が鳴る程度の差異くらいしかない。
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当時競合していた『サイドバイサイド』ならばせめてエンジン形式で音を分けると言った措置が採られること、分けらる操作性以外の点での差別化が図られていない点は(ビジュアル面の観点から見て)惜しい点と言える。
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また、ライバルカーやアザーカーが接近した際にも相手側のエンジン音が鳴る演出があるが、フェードインフェードアウトすることもないままいきなり途切れ途切れで再生されてしまうため、無い方がマシなレベル。対向車のクラクションはきちんとフェードアウトするのになぜかこの処理である。この点も競合していたアーケードゲームより劣っている点と言える。
レース中BGMが小さ過ぎる
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レース中BGMの音量が他の効果音にかき消されてしまうほどにあまり聴こえない。セレクト画面の音楽は迫力があって良いのだが、それとはまるで対照的でさながら設定を間違えたのではと勘繰ってしまうほどである。
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一方で効果音は特にこれと言って小さくなるわけではなく、相対的に大きく聴こえてしまい、結果としてエンジン音ばかりが否応なしに聴こえる状態となってしまっている。せっかくのレース中BGMの聴く機会が実質なくなってしまと言うことでもあるため、あまりにもったいない点と言える。
ライバルカーの露骨な走り方
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一部のライバルカーは追い抜かれてしばらく離れると、突然猛烈な勢いでブーストを掛けてくることがあるため、たとえ最高速セッティングにしてもどのみち追い抜かれやすい。そのため最終的にはライバルカーをブロックしきって無理矢理にでも逃げ切る技術が必要となる。
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一方でライバルカーは「2位→3位→4位」と等間隔になるよう走る模様で、且つ自車が後ろを走っている場合は前を走っているライバルカーはある程度手加減したかのようにスローペースで走行するため、総じて「手応えがある」と言うより「インチキをしている」と受け取られかねない走りと言える。
名ばかりタイムアタック
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「タイムアタック」が実装されているが、通常のレースとの違いはあくまで「アザーカーが出現しなくなった」だけでタイムアタックの体を成していない。そのためなんと普通にライバルカー4台が出走すると言うことであり、プレイヤーが前に出るといつもの通りブーストが掛かったような勢いで猛進するため、とてもではないがプラクティス走行どころかタイムアタックにも集中できないレベルである。
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こればかりは『リッジレーサー』など他のゲームにも当てはまるものであるが、そちらはライバルカーに対して露骨なブーストが掛かりプレイヤーを妨害してくる訳ではないため、タイムを競うレベルの実力を有するプレイヤーならまだ集中できなくはない程度である。
車種選択画面の短い制限時間
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収録マシーンの多さとそれぞれで性能が異なる仕様に反して制限時間は15秒と短く、スペックの確認どころか選んでいるだけで時間切れになりやすい。
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一方でその後のチューンアップスタイルの制限時間は10秒と余裕があり、さらにネームエントリーの制限時間も45秒とデバイスの操作性を考慮したものとなっているため、総じて制限時間配分がアンバランスである。
一部隠し要素など
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ネタバレ注意
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プレイアブル手段一切無しの一般車
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残念なことに一般車は全てアザーカーとしての登場だけにとどまっており、隠し車種を含めてプレイアブル化されていないため、プレイヤーが使う手段は一切存在しない。
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また、肝心の隠し車種の選定にも疑問符がつくものとなっており、どれも最初から選択できる車種と一緒に並んでも違和感のないラインナップである。せいぜい「高橋涼介仕様風FC3S」「佐藤真子・紗雪仕様風シルエイティ」と言った『頭文字D』を意識していることが一眼でわかるラインナップと言う規則性がわかる程度であるものの、全て最初から選べる車種のバージョン違いであるため、やはり水増し感が強い。
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総評
当時のレースゲームの例に漏れず、あからさまに『頭文字D』から影響されたゲームの中では「多数の対向車付き一般車」「ド派手な改造車をモチーフとしたマシーン」を筆頭にアンダーグラウンド色を強めた内容となっており、実在する改造車を取り扱った雑誌とのタイアップもさることながらも他のカーバトル漫画に影響されたゲームの中でも本作の方向性は中々にして異質と言える。
インチキブーストなどのバランス面での問題や、潰れ掛かっている3Dグラフィックと言った視覚的な違和感は確かに目立ってしまうものの、一般車を避けるスリリングな爽快感はレースゲームに慣れたプレイヤーからすれば爽快そのものであるため、ゲームとしての面白さは(実力さえあれば)十分折り紙付きである。
次回作はあの『レーシングジャム』となるが、そちらでも本格的に峠道をモチーフとしたコースが収録されており、以後のシリーズタイトルやコナミ製レースゲームにもそうした要素が受け継がれたため、やや目立ちにくいとはいえ『ロードファイターシリーズ』の方向性を決めたことに疑いの余地はないと言って良いだろう。
最終更新:2024年01月13日 09:06