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Tkの設定

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Tcl/Tkって


Tcl/Tkはスクリプト言語の一種である。Tclは拡張性が取り柄の言語であり、もともとTkはTclの代表的な拡張の一つであった。Tkは簡便にGUIアプリケーションを実装するのに適しており、その有用性からいつの間にやら「TkのためにTclは存在する」と言わんばかりになってきた。Tcl 7.6、Tk4.2までは別々にリリースされていた両者であったが、その次の世代からは一括りでリリースされるようになった。それがTcl/Tkのバージョン8.0である(というわけで、Tkはバージョンが4から8に飛んでいる)。

という大昔の話はこのくらいにしよう。

現在では、gtk、qt、javaなどなど、UNIX/Linux界隈でGUIアプリケーションを作成するにはいろいろな選択肢がある。そんななかでスクリプト言語であるTcl/Tkをあえて使う人は多くはないであろう。見てくれがいまいちよくないGUIしか作成できないのがTcl/Tkの欠点の一つであるからだ。

しかし、今の時代でもその簡便性は特筆に値するものがある。また、基本的にはスクリプトでちょちょいと書いておき、高速性が必要となったらC言語などでその部分を実装すればよいというのも開発の敷居を下げるメリットの一つだ。スクリプト部分だけなら、そのままWindowsでも実行できるのは大きな利点でもあるだろう。

ここでは、Tcl/Tkを使う日曜プログラマ(管理人)のための設定をまとめておく。

インストール


基本的に、Gentooなら emerge を使えば充分である。

emerge tcl tk

ただ、emergeでインストールする欠点もいくつかある。たとえば下記のようなものだ。

  • htmlドキュメントを作成してくれない
  • portageに入っていない拡張がある
  • 最新版への追随が遅い(特に拡張)

プログラマにとって html ドキュメントがないことは結構大きな影響があるだろう。man で読むより、ブラウザでリンクを辿りながらマニュアルを読む方がよい場合も多いのだ。

html ドキュメントのインストール


Tcl/Tkのソースには man データが含まれている。さらに、このmanデータから html ドキュメントを生成するための Tclスクリプトも附属している。そして Makefile にそれ専用のエントリまで用意してある。ただ、 通常のコンパイル、インストール手順では html マニュアルは生成されないのがポイントだ。

作成方法は簡単である。まず、tclとtkのソースを同じ場所で展開する。

tar xvzf tcl8.4.13-src.tar.gz
tar xvzf tk8.4.13-src.tar.gz

次に tcl の unix ディレクトリに移動する。

cd tcl8.4.13/unix

そして html マニュアルをmakeする。

make DISTDIR=. html

これでカレントディレクトリ(tcl8.4.13/unix)の中に html というディレクトリが作成され、その中に Tcl と Tk の両者の html ドキュメント(マニュアル)が生成される。これを適当な場所に移してブラウザのブックマークにでも登録しておけばいつでも簡単にマニュアルが html で閲覧できるようになる。
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