鶴の舞 第4幕
会話もそれなりに盛り上がったころ、そろそろ食事は終わりに近づいたようだ。俺は一生味わうこともないようなデザートを食べ、さて帰ろうか、と今日放送されるドラマの内容を考えていた。なあに、俺みたいなのが合格するわけがないさ、と敬語モードから今解き放たれるその瞬間、「入浴のお時間です」と使用人が当主に言った。「おお、そうか。すっかり時間のたつのを忘れていたわ。」全員が食事の挨拶をして、(なんだ、終わったのか)となぜか俺は残念がっていた。まあ、他にすることもないだろうに。ただ、もう少し、この空気を味わっていたかったな・・・「風呂場はこちらです」と使用人が案内をしているのを見かけた。なんだ、他の客もいたのか。しかし風呂か・・・さぞかし豪華だろうねえ。「あら、お風呂にはいらないの?」だれだよ、風呂に入らないと言っている奴は。もったいない。鶴屋さんが残念な声しているじゃない・・・ってえ?「あなたのことよ、キョン君」
あらなに、第一関門突破したのかよ俺!あんな変なサークル入っている事を知りつつも?ずいぶんと寛大な父上様だなあ、おい。まあ、この鶴屋さんの親だからな、SOS団をただの変なサークルととしては見ていないだろうとは思っていた。俺にだってプライドはあるからな。俺がSOS団のことをいって、もし笑い転げるようだったら即刻帰る予定だったが、まさかOKとは。そして使用人に案内されてやってきたのは、なんとも見事な露天風呂。そこらの温泉とは別格だな。すぐさま服を脱ぎ、タオル一枚姿で外に出た。こいつはすごいぜ、なんせ風呂見ながらお月さまが見られるんだぜ?屋敷っつうのはすごいもんなのだな。というか俺が一番風呂ですか。これまた俺が許婚候補であるゆえにか。温泉に入って、そしてしばらくこの風景を楽しむとするか。「あーっ、キョン君先に体洗ったにょろ?!」ああ、そうだった。風呂場での常識、入る前に体を洗う!そうですよね、・・・にょろ?「にっひひー、キョン君顔が赤いにょろー。」謀ったな、シャア! それは君が、坊やだからさ。というわけで、たった今、鶴屋さんに背中を洗ってもらっています・・・キョンですどうも。うん、どうしようか、この展開。なに、この夢のシチュエーシヨン。女の子が俺の背中を洗っている。そしてその女の子は、今俺と同じくタオル一丁。想像してごらん・・・今自分の背中に裸同然の女の子が一生懸命自分の背中を洗っているのを・・・はっ、しまった息子が、とうとう耐えられなくなったか!落ち着いてくれ!あとでコンビニに行ってお前の望む物を買ってやるから!絶えろ!いいか、間違っても出すな!いろいろとやばい!我慢してくれ!キョン君、わたしになにか聞きたいことあるんじゃないの~?」はっ、そうだ。重大なことを忘れていた。んじゃ一番気になる・・・「あの口調、どうしたんですか?」というと、鶴屋さんは大きな声で気持ちよさそうに笑った。「あっはっはっは~、びっくりしちゃったにょろ?」ええ、そりゃあもう。「キョン君の驚いた顔、とてつもなく面白かったにょろー!」はい、俺の負けです。白旗白旗。「なんであんな口調なんですか」「そりゃあ、家の中では唯一の鶴屋家の一人娘だもんっ。こういうときにはしっかりしないとねっ」「それにしては、かなり役に入っていましたが」「えっへへ~、ありがとさんっ」結局、今のこの状態がニュートラルか。おそろしい子・・・。「というより、なんで混浴なんですかね」いや、まあいいんだけどね。けどその・・・性別の差という越えられない壁があるはずなんですが。「だって・・・今・・・」今度は鶴屋さんが顔を赤くして、「カップルさんなんだもんっ」と笑って言った。いやそりゃあまあそうですが、何もここまで・・・いや、OKとしておこう。「背中、終わったにょろー」「あ、ありがとうごさいます。」んじゃ、タオル返してください。「?前はいいの?」・・・前っ!?
と、ここからは筆舌しがたい体験をしたわけだが(ちょ・・胸!)(む・・・息子がみるみるうちに成長・・・いや性長している?!)(ああっ、息子が・・・鶴屋さんに衝突する!逃げてー!)、そんなこんなで何とか事なき事を得た俺は、次は鶴屋さんの背中を洗うことになった。しかし・・・白いな、女の人の体って・・・。男の体は何度もみたこともあるが(アッーとかいうな!更衣室ではよくみるだろ!?)、女性とは、お袋と一緒にはいったのは小さい頃だけだったからな。 妹は、さすがに今は入らんし、記憶がない。そりゃあお前、息子の幾度ない欲求の為に・・・は見たことはあるがな、さすがに実物となると・・・これはやば しまった!また俺の息子が!今度は覚醒だ!フュージョンだ!半端ねえ、すぐに風呂に入って沈めなければ!「終わりました!」「あっ、ありがとにょろ~」このまますぐ風呂へ!「あれ・・・前はしてくれないの?」思考停止。作動開始を要請する。・・・不可能?なぜ?・・・これは・・・人間でいう・・・理性やばいやばいやばい!なんだ今のせりふは!というか何で俺長門ごっこしてたんだ?!てか前?フロント?フロントオブボディ?WHY,なぜ?!いや前って・・・その・・・むn「あっはっはは~、もしかして本気になったにょろ?」・・・そうきますか。
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