ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「ふたりがここにいる不思議」で検索した結果

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  • ふたりがここにいる不思議
    ...に。 ふたりがここにいる不思議 I Suppose You Are Wondering Why We Are Here?
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...日 Nowhere ふたりがここにいる不思議 同窓会の日にて ヰタ・セクスアリス/雨宿り 夏氷(なつごおり)の日 ゲリラ雷雨 フェバリット・メモリー 虫愛づる姫君のためのパヴァーヌ 夏の自転車 ドラキョン:あるヴァンパイヤの憂鬱 終電車 ハルキョン童話:しかめっ面の女の子 彼を知る彼女達の対話 アーカイブ ふたりだけにひろがる空 白みかける空 年越し その次の日 あいつについてあたしが話せる2、3の事項 +その他のSS ある意味青春系 明日のお弁当 涼宮ハルヒの格闘 涼宮ハルヒの格闘2 ツンデロイド 受験当日の二人 ネーミング・ライツ 輪になってマッサージ 涼宮ハルヒの創作 よくあるデートの誘い方 自転を逆に回して 近距離レンアイ 寒い日が好きだった 涼宮ハルヒの正夢 ともコレ マジで恋する5秒前 かなしいうた 夢魔が降る夜 +その他のSS かなりばか系 その男、...
  • クイズ大会
    団 長 クイズ大会に出るわよ! 団員1 やめとけ。カタギの人に迷惑かけるな。 団 長 何よ、あんた反対する気? 団員1 どうせ優勝するのが分かり切ってるものに出ても張り合いがなかろう。こっちは、出版されているすべての本を絶賛読破中の長門、やたらと知人が多い上に妙に健康情報に強い古泉、お茶とかわいらしいものについては追随を許さない朝比奈さん、それにスレンダーなくせに出るとこ出ている不思議団長のおまえまでいるんだぞ。他の連中に勝ち目はない。 団 長 それはそうね。インターネット上のコンテンツを全部見てるんじゃないかっていう有希に、役に立つ親戚が多くて主婦が喜ぶ節約情報に詳しい古泉君、バイクとケンカの仲裁ならまかせてっていうゴトゥーザ様、加えてやる気なさそうなくせして、なにげに歴史ヲタのあんたまでいるんだもんね。 団員1 ただでさえ物が多くて手狭な部室なのに、これ以上トロフ...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その28)?
    あいつについてあたしが話せる2、3の事項  二人は暮らし始めました−--わるいゆめ  「あいつについて、あたしが話せる2,3の事項」のきっかけになった、ポクロウタさんの1枚絵から連作の4コママンガに生まれていたので、それに更にインスパイアーされて、「二人は暮らし始めました−わるいゆめ」はできました。  なので、この二つは基本的にはと同じ話(消失トラウマのキョン)です。   キョンの受けは同じ「ありがとな」ですし。  ただ時間を経て、二人の関係が「いまいち辺りをはばかる男女交際」から「同棲」へと移っているので、シチュエーションが違う、受け返しも違う、互いの理解の深さが違うものになってます。  頭を叩(はた)いても腕に抱かれても目を覚まさないキョンが、ハルヒのティア・ドロップには目が覚めたり、「泣いてなんかいない」というハルヒにt対するキョンの受け返しが妙に「男前...
  • 背中合わせ
    ハルヒ ねえ、キョン。 キョン なんだ、ハルヒ? ハルヒ こうやって背中合わせで座ってるとさ、思い出さない? キョン 何をだ? ハルヒ 北京オリンピック! キョン って、レスリングかよ! ハルヒ そう!ちなみにグレコ・ローマン・スタイルよ! キョン 女子はフリー・スタイルだけのはずだろ! ハルヒ あんた、スカート履いてる相手の下半身狙う気? ヘンタイ! キョン つうか、そもそも制服で中庭でやることか! ハルヒ 甘いわね!あたしはいつも不思議に対して臨戦状態よ! キョン 俺に言わせりゃ、おまえこそ不思議だよ! ハルヒ あら、青い鳥ってほんとに身近にいたのね。 キョン そういうことじゃない! ハルヒ さあ、背中をとったわよ、キョン。観念しなさい! キョン 誰がするか! ハルヒ あたし渾身のリフトよお! キョン のあああ! ...
  • ロール・プレイング その3
    ロール・プレイング その2から オヤジ あいつらは? キョン ええ、火に当たって濡れた体を乾かしてます。親父さんそれは? オヤジ ん?ああ、タロットだ。おれたちの世界で言うと、マルセイユ版って奴だ。酒場でやたら絡んでくる奴がいてな、ちょっとした賭けをして巻き上げた。 キョン 大丈夫ですか? 占い師なら、商売あがったりじゃ? オヤジ 残念だが、タロットは占いもカバラも無関係のあとからのこじつけ、って結論が出てる。ダメットって学者が分厚い本を書いててな。今度貸してやる。 キョン は、はい。 オヤジ で、どう思う? キョン 何がです? オヤジ とぼけるな。おまえが気付いてないはずがない。 キョン ……。 オヤジ じゃあ聞くが、さっき斬り方が分かったとか言ってたが、その時「あいつ」の声はしたか? キョン ……親父さん、実は……。 オヤジ ちょっと待て。「実は」ってんなら、おれの方が先に話...
  • ハルヒ先輩7
    ハルヒ先輩6から  「随分、成績も上がってきたな。これだと外の学校を受験しても十分勝算があると思うが」 「外の大学なんか行かないわ」 「……この進路志望調査票なんだが、第1志望から第3志望まで『ハルヒの嫁』っていうのは?」 「あ、それ、あたしが書いたの」 「……涼宮、なんでお前がここにいるんだ? なんで一昨年と同じ会話を、おれとお前はやってるんだ?」 「だって、これ、キョンの三者面談でしょ? あたしの時と事情は同じじゃないの」 「三者ってのは、本人と親と教師のことだ。おまえは何だ?」 「キョンの嫁よ。英語で言えばベター・ハーフよ。こいつの成績に関しては、あたしも責任があるし。あと、これ、キョンのお母さんからの委任状。ちゃんと話はつけてあるわ」 「あの、先生。ハルヒにはあとでよく言っておきますんで。とりあえず内部進学を希望するということで」 「すまんな、キョン」 ...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その2
    涼宮ハルヒのリフォーム その1から  元々は善良な街角の不動産屋であったのが、ひょんなことからSOS団熱に感染してしまい、不思議探索だけでは開き足らず、不思議物件を手に入れ、それをハルヒと俺に貸してくれるという。  ハルヒが断定するところの、その「お化け屋敷」の間取り図をつくるために、俺はハルヒの親父さんとともに、あの不動産屋がある駅へと電車で向かっていた。  「相談があるんだ」 家を出てから数分を待たずに親父さんは言った。 「はい」 なんだろう? 「さぼろう」 「はい?」 いきなりですか? 「大の男が雁首そろえて、かび臭い古屋で巻尺ふりまわしてるってのも、様にならん」 まあ、それはそうかもしれませんが。 「しかし、なんの策もなしに、たださぼるというのは、どうも……」 「しっかり尻に敷かれてるな」 周囲からすると、そう見えるかもしれんが、おれに言わせる...
  • 明日のお弁当
    明日のお弁当 ーーー重要なのは、何を食べるかではなく、誰と食べるかである (セネカ) 「ハルヒ、明日は弁当作って来なくていいぞ」  え、今日の、何か失敗してた? キョンの嫌いなものでも入ってた? おいしそうに食べてるように見えたんだけど。 「そうじゃない。おまえの分も必要ないって言ったんだ。ちょっと食べさせたいものがあってな」 って、あんたがお弁当作ってくるってこと? 大丈夫なの? 「ああ。何度か挑戦してたんだが、夕べようやく成功したんだ。ちょっと期待していいぞ」 というか、あんたそんなに朝早くに起きられるの? 「そっちかよ。まあ、大丈夫だと思うが、心配ならモーニング・コールでもしてくれ」 んー、そうね。もっと確実な方法があるわ。 「いや、待て。言うな」 なによ、言わせなさい! 「言ったら最後、その通りにしちまうだろうが!」 言わなくても、いつでもあたし...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その5
    涼宮ハルヒのリフォーム その4から  「で、どうすんの?」 と尋ねるハルヒの眼の中に、往年の某野球マンガにまで遡れるメラメラと燃える炎が見えたのは気のせいか? いずれにしろ、今やこいつの気分は絶好調に高揚し、アドレナリンが分泌され、「オラ、わくわくしてきたぞ」状態になっているのは間違いない。 「マグライト振り回して、相手の侵入経路を調べて回るのが手堅いが、そんなことでもすれば、相手が人間であれ物の怪の類いであれ、間違いなく勘付かれる」 「そうね」  ハルヒは頷いた。 「とっと逃げられて、ほんとに居たのか居なかったのかも、よくわからない、ってのが最悪のケースね」  そういうと思ったぞ。二手に分かれるのはリスクがある。かといって一方から追い込んでも、窓から外に飛ばれでもしたら、それでおしまいだ。  「手、貸そうか?」  後ろから、聞き覚えのありすぎる声。そして予想がつ...
  • 涼宮ハルヒの格闘
     その日もいつもの不思議探索。  めずらしく組になった俺とハルヒは一通りの探索を終えて、いつもの公園のベンチにいた。正確にはベンチにどかっと座り込んだのはハルヒだけで、おれはいつもの通り二人分の飲み物を買いに、最寄りの自動販売機に向かった。  自販機からベンチに戻る途中、公園の中を横切っていた俺は、最近では少年誌でもお目にかかれないような、それはそれは古風な格好をしたレッド・データ的不良数人が、ベンチに座っている少女二人に「ちょっかい」をかけているところに出くわしてしまった。消極的平和主義者を自認する俺はもちろん、そのまま通りすぎようと思ったが、お人よし的良心回路がおそらく誤作動したんだろう、意識を介することなく、俺の口を勝手に操って、こんなことを口走らせた。 「取り込み中のところすまないが」 「だれだ、てめえ?」 「通りすがりの雑用係だ。どうせ聞いちゃくれない...
  • ハルキョン版アリとキリギリス
    (虫成分が含まれます。苦手な方は回避願います)  その夏、キリギリスのハルヒは、山で海で、全力で遊んでいました。  そうこうしていた、ひときわ暑い日、知り合いのアリが荷物を運んでいるのに出くわしました。 「なによ、キョン、あんた汗だくじゃないの! 真夏の炎天下に力仕事なんかして、熱射病で倒れても知らないからね!」 「なんだ、ハルヒか。おまえこそ、大丈夫なのか?」 「なによ、夏休みの宿題なら最初の3日で終わらせたわ。後の憂いなく、思う存分遊ぶためにね!」 「そうじゃなくて、冬の食料のことだ。夏のうちに食べ物を蓄えておかないと、あとで大変だぞ」 「そんなの、なんとかなるわ。あたしは今の瞬間を思いっきり生きるの!宵越しの金を持たない江戸っ子よ!」 「おいおい」 「だいたいね、この不景気に貯蓄なんてしてどうすんのよ! 世の中にお金が回らなくなって、ますます不況にな...
  • 涼宮家の一族(前編)
    0: (16年前) 「まだいるのか、あいつは?」 「もう丸二日になります。口に何も入れないで、ずっと立ったまま眠りもしないで」 「どこへ行く?」 「どこって、せめて何かお飲みにならないと」 「私が行く」 「あなた?」 「あいつに、お前と会う資格は無い」 「資格なんて。……あなたの弟さんじゃありませんか」 「あいつはもう涼宮家とは何の関係も無い人間だ。……なにより私が、お前たちを会わせたくない」 「なにしに来た?」 「報告が3つある。日本に帰ってきた」 「見ればわかる」 「結婚した。もうすぐ子供が生まれる。以上だ」 「あいつに、……清(きよ)に、会って行かないのか?」 「どの面下げて、というところだな。今のを伝えてくれれば十分だ」 1:  「ハルヒ、1週間ほど留守にするが、キョンとあんまりハメはずすなよ。気分良く帰って来れた...
  • バカップル度チェック
    ハルヒ なによ、これ? バカップル度チェック? あ、あんたって奴は…… キョン 試しにやってみるか? ハルヒ そ、そこまで言うなら、いいわ、受けて立ってあげる! キョン いや「そこまで」は言ってないが。 その1 外を歩く時は手を繋いで、または腕を組んで歩く。 ハルヒ あたりまえよね。 キョン あたりまえだな。 その2 向こうだって当然自分のことが好きだ。 ハルヒ ……。 キョン どうした、ハルヒ? ハルヒ どうしよう、あたし、あんたがあたしのことを好きな以上に、あんたのこと好きかもしれない。 キョン バカ言うな。それを言うなら、俺だってな! ハルヒ なによ、こっちにだって! …(略)… その3 どちらがより相手を好きかで言い合いになったことがある。 キョン ハアハア。いまやったな。 ハルヒ ハアハア。初めてじゃない...
  • 8月10日 健康ハートの日
    ○8月10日 健康ハートの日  「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから日本心臓財団と厚生省(厚生労働省)が1985(昭和60)年のこの日に同財団の設立15周年を記念して制定しました。  夏の間に心と体をチェックして、心臓病の多発する冬に備える日とされており、健康チェックなどさまざまなイベントが行われます。 記念日童話 王子の心臓 むかしむかし、ある町に「しあわせものの王子」の像がありました。 ピカピカと、金色にかがやく体。 青いサファイアのひとみ。 腰の剣には、大きいルビー などで装飾されているので、人々はときどき「金ぴか王子の像」などと呼んでいました。  町の人たちは、この王子のように、うらやまれるようなバカップルに生まれ変わりたいなどと、途方もない野望を描いたりしていました。  冬が近づいてきた、ある寒いタ方のことです。  町にツバメが一羽飛んで...
  • 涼宮ハルヒの中継
     新聞部・放送部の合同企画、後援北高生徒会でお送りしております「北高、あの人に聞け」。  今回は第50回を記念し、何人もなしえなかった危険極まりない暴挙、見た目はスレンダーなくせに出るとこ出たどえらい美少女、中身は修羅か般若か阿鼻叫喚奇天烈魔人と称されるSOS団団長に単独独占インタビューを試みんばかりのラグナレク神々のたそがれだあ! 部室棟の廊下を一歩、また一歩と近づく先には、おおっと、北高七不思議をすでに五つも塗り替えた、あのSOS団に、占拠占領された、これが文芸部部室かあ!  さあ、今まさにドアノブに手をかけようとしているしているところだあ! ん、固い、開かないぞ、これはどうしたことだ!? さっそく唯我独尊平成の金剛曼陀羅卍固め涼宮ハルヒの逆鱗にふれたのか、部室のドアまで金しばりだ! おっと、ドアが今ものすごい勢いで、蹴り開けられた!中からは、成層圏を突き破らんばかりに...
  • 新落語シリーズ「松山鏡」
     越後の国は松山(まつのやま)村に、キョンという、へんな名前の、まことに素朴で孝行者がおったそうでございます。  さて、その評判が領主にも聞こえ、褒美を与えようという話になりました。  「松山村のキョン、ならびに村役人一同、ばっちり付き添ってるねっ!」 領主役はいうまでもなく鶴屋さんでありまして。 「ははあ、一同、付き添いましてございます」 「キョン、面(おもて)をちょいと、上げてくれないかなー」 「はい」 「なるほど、なるほど。キョン、って顔してるねえ。なんでも、めがっさ親孝行なんだってねえ?」 「いえ、両親とも、十分な孝行をしないうちに、亡くなりました。何分、貧乏暮らし故、うまい酒を飲ませたことを、うまい魚を食べさせたこともありません」 「ふーん、随分早いうちに親を亡くしたんだねえ。で、それ以来、墓参りを欠かせたことがないって言うじゃないかぁ! まったく領...
  • できちゃった その3
    できちゃった その2から  母子手帳がいつからもらえるか、ご存知だろうか。  正解は「妊娠がわかったら」すぐにでももらえる、である。 「そんなことも知らないで、父親になろうなんて、うかつすぎるわよ、バカキョン!」  うかつなことは認めるが、そういう「うっかり」ではないような気がするぞ、ハルヒ。 「どういうことよ?」  だいたい、母子手帳が妊娠がわかったらすぐにもらえる、なんてことを知ってる高校生なんていないと思うぞ。ハルヒ、お前は知ってたのか? 「あたりまえでしょ!」  うぐ。 「子供ができたらどうなるか、どんな準備をして何をしなきゃならないのか、知らないのはまだしも、知らないでも良いと思ってるのは許し難いわね。だったら、ちゃんと避妊しなさい!」  いや、それは、あれだろ、おまえが「生」の方が良いって言って……。 「あたしは知ってるからいいのよ」  ぐう。...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その4
    涼宮ハルヒのリフォーム その3から リフォーム4  涼宮夫妻合作のツナキャベツ・サンドを食べ終えた後も、ハルヒと俺は、ひなたぼっこともおしゃべりともつかぬ何かをしつつ、庭の隅にあったベンチに腰かけていた。  ハルヒが会話を切って横を向き、俺もハルヒの顔から視線を外してそっちを見ると、気配を消してきた親父さんがすぐそこまで来ていた。 「おまえら、ほんとに仲良いな。離れ離れになったら、ダメダメになっちまうんじゃないか?」 「なるわけないでしょ」  いつものオヤジ・トークだ。声にもからかいの色が乗ってるし、口元もニヤリとしてる。ハルヒが適当に受け流して、それでいつものように終わるものだと思っていた。  ところが、今日に限って、親父さんは食い下がった。多分、ハルヒの返事の些細な違い、たとえば「おおきなお世話よ」と無視を決めこむのか、それとも今日のように明確な否定を...
  • ハカセくんの初恋
     涼宮ハルヒ先生は、近所に住む高校生で、ぼくの家庭教師をしてくれている。そして、少しおおげさに言うなら、僕の命の恩人だ。この人に出会えてなかったら、ぼくは退屈な毎日に絶えかねて、どうにかなっていたと思う。  この人の星団をいくつも従えたように輝く目は、一目見るなり僕の憂鬱とその原因を見ぬいたらしかった。母親への挨拶もそこそこに、僕の部屋に入り(乗り込み)二人になったなりに、こう切り出した、いや宣言したのだ。 「平凡な日常に飽き飽きして、毎日つまんないと思ってる目ね。それも死にたくなるくらいに、ね。重症だと言っていいと思うわ。でもね、これだけは言っておくわよ。死のうなんてしたら、ただじゃおかないからね! 安心しなさい、半年、ううん、3ヶ月だっていらないわ。今に「死にたい」って思ったことを絶対に後悔させてあげる。その時がきたら、ちゃんとごめんなさいって言いなさい。さあ、ノーベル...
  • I wish you were here.(アナタガココニイテホシイ)
    「ねえ、こなたが言ってたんだけど」 「『こなた』って、『らき☆すた』のか?」 「うん。ギャルゲーの主人公って何の取り柄もないのに、出てくる女の子という女の子がみんな、なんでそんなのに惚れるわけ?」 「じゃないとギャルゲーにならんだろ。『何の取り柄もないから、まったくもてません』では、現実と区別がつかん」 「あんた、区別ついてる?」 「どういう意味だ?」 「あんたも、無意味に全方位的にもててるじゃない」 「自慢じゃないが、俺はもてた試しなど一度もないぞ」 「……自覚ないんだ。どうりで」 「どうりで、何だ?」 「……なんでもない」 「いいか、ハルヒ。『外の人』にとってはラノベかもしれんが、俺たちにとっては、いや少なくとも俺にとっては、これが不二にして唯一の現実だ」 「あんたさ、夢見たことある?」 「夢って、どんな夢だ?」 「質問に質問で返さない! 夢っていったら、夜...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その13)?
    I wish you were here.(アナタガココニイテホシイ) タイトルは、ピンクフロイドの曲名と、その新井素子訳から。 いわゆる仮定法なんで、「あなたにここにいてほしいのに、でもあなたはいない」という意味になります。 ハルヒの問いかけと不安は、いわゆる胡蝶の夢です。 これに対するキョンの解答は実は2パターン考えていて、使わなかったもうひとつは、 「鰥(クワン)は決して眠らない魚だ。世界は、こいつが見ている夢だそうだ」 「眠らない鰥の夢は、決して覚めることがない。だからこの世界は果てなく続く。……『鰥』は「魚」偏に「眔」(とう)と書く。「眔」は目から涙が落ちている形、涙の象形文字で、「魚」の方はこの場合は女を表す。古代中国では、妻が死ぬと魚を捧げる儀式があったんじゃないかって学者もいるが、とにかく『鰥』の文字は、普通は「連れ合いをなくした男」のことを指すんだ。そし...
  • ふたりだけにひろがる空
    ハルヒ 夏来たときは、ごったがえしてたけどね。季節はずれだと、こうも人がいないものかしら?  キョン こんなもんだろ。冬の海水浴場なんて。……寒くないか? ハルヒ 寒いのと人気(ひとけ)がないのが、好きになったの。誰かさんのおかげでね。 キョン ……。 ハルヒ いい天気ね、キョン! キョン ……。 ハルヒ い・い・お・て・ん・き・ね、キョン? キョン ……そうだな。 ハルヒ こら、キョン、こっち向きなさい。 キョン ……ああ。 ハルヒ ちゃんと目を見て。 キョン ……。 ハルヒ 何、ぼうっとしてんのよ? キョン ぼうっとしてるのは、いつもだ。 ハルヒ そうだけど……そうじゃなくて! キョン 実感が……わかなくて、な。 ハルヒ 何の? キョン おまえがいなくなること。 ハルヒ 別にいなくならないわよ。 キョン それはそうだが……。 ハルヒ 一年なんて、あっという間よ。 キョン ……そうだな。...
  • 親父の英会話 Lesson 10
    親父の英会話 Lesson 9から 英会話が生まれる/世界の分割と移動 会話をするとしよう。 最低2人の人間が要る。 You and I(おまえとおれ)だ。 おれが要る場所とお前が要る場所は異なっている。 I am here. おれはここ居る。おれが居るのはここだ。 You are there. おまえはそこにいる。おまえがいるのはそこだ。 here/ thereの区別が生じると、空間に向きが生まれる。 向きが生まれて、移動が言い表せるようになる。go and comeだ。 これは前に、「動詞の分解」でやったな。 "Go" means "move from here to there".  "Come" means "move from there to here"...
  • 二人は暮らし始めました−--わるいゆめ
    「あいつについてあたしが話せる2、3の事項」のきっかけになった、ポクロウタさんの1枚絵http //pokurouta.blog99.fc2.com/blog-entry-219.htmlから連作の4コママンガhttp //pokurouta.blog99.fc2.com/blog-entry-223.htmlが生まれていたので、それに更にインスパイアーされて、このSSはできました。ポクロウタさんに多謝。  夜の最中、名前を呼ばれて、目が覚めた。  何か大切なものでも失ったみたいな悲しい声で。  あたしは確認する。ここはどこ?今は何時で、何をしているの?  安らぎを与えてくれるぬくもりの中に、あたしはいた。  大丈夫、何があったって、そう言える力を与えてくれるもの。  問題は、その熱源と、今の声の発生源が、同じだってこと!  ちょっと、何、寝ぼ...
  • 辞書シリーズ/和英辞典:ただいま/おかえり
    キョン なあ、ハルヒ。英語で「ただいま」ってなんていうんだ? ハルヒ とくにないわね。I m back.とかI m home.とかいうけど。 キョン それだと、ただ「家にいます」ってことじゃないのか。 ハルヒ 出かけてたのは家族なら知ってるから「家につきました」って感じね。「ただいま」だってその後に「つきました」「もどりました」が省略されているようなものでしょ。それ以外だと普通にGood eveningって言っちゃうけど。旦那さんが帰って来て、"Good evening, wife."とかね。 キョン 普通に「こんばんは」だな。「こんばんは、奥さん」。 ハルヒ 普通に「こんばんは」よ。 キョン じゃあ、「おかえり」は? ハルヒ Helloよ。 キョン 普通に「こんにちは」じゃないか。 ハルヒ 普通に「こんにちは」よりも意味は広いけど...
  • ハルキョン家を探す その3
     次の日の放課後、俺とハルヒは、約束の通り、あの不動産屋を訪れた。  「そうか、君たちの部屋を探してたのかい。それでいいのは見つかったかい?」 「それが、どれもいまいちピンと来ないのよねえ」  かいつまんで話した「事の顛末」をニコニコ顔で聞いてくれる店主と、そんなのはそっちのけで物件リストの中にサイコ・ダイビングしてしまうハルヒ。 「すいません。目標を追い出すと周りが見えなくなる肉食獣な奴で」 「いいよいいよ、気にしないで。住むことは生きることなり、だ。真剣に探すのは当然だよ」 「住むことは生きることなり、ですか」 「実感が湧かないかな。若いうちは元気で外を飛び回っていて、家なんか帰って寝るだけ、ということも多いからね」  ハルヒが部屋探しに打込む様子を目の前にしても、どこか違和感を感じるのは、「外を飛び回ってる」ハルヒのイメージがどうしたって強烈すぎて、「帰って寝るだけ」...
  • ヰタ・セクスアリス/雨宿り
     梅雨入りが宣言されて以来カラカラの晴天が数日続いた次の日。  どうやらそれも昨日までの気まぐれらしく、ようやく空に暗雲が立ちこめ、こりゃ一雨どころか雷様だってやって来そうな放課後、俺はまだ教室に居て、窓からおどろおどろしい灰色の渦巻き模様を眺めていた。  「おい、キョン。帰らないのか? こりゃ一雨どころか雷だって来るぜ」 だったら俺になんぞ声をかけずにさっさと帰りゃいいのに、谷口はへそを手で隠しながら、気が早すぎて鞄をアタマの上に乗っけている。 「谷口、おまえ、傘忘れたのか?」 「な、なんで分かった?」 「ほらよ」 置き傘を谷口に放ってやる。折りたたみだが、雨が激しくならないうちに帰れば、十分役に立つだろう。 「ほらよ、って。ありがたく借りてやるが、おまえはどうすんだ? 涼宮が休みだから、SOS団だって休業だろ?」 ああ、なんで俺は帰らないんだろうね。 「雨...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その8
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7から  シャワーの音が止まった。  少し経って浴室のドアがゆっくりと開く。  俺はベッドの端に、そっちには背を向けて座っていた。 「スケベなこと考えてる顔ね」 「そんなことはない」 「だとしたら失礼な話よね」 こっちに近づいてきた奴が、後ろから俺の首に両手を回してくる。 「だいたい、うしろからじゃ見えないはずだろ」 「あんた、背中までポーカーフェイスのつもり?」 「ただの仏頂面だ」 「ホテルの最上階。二人っきり。邪魔が入る恐れなし。タオル一枚の美女が背中に体重をかけてくる。これで何が不足か、聞こうじゃないの?」  俺はゆっくりと口を開いた。 「子供の名前を考えてた」 「うっ。……なかなかやるわね」 「うそだ。最悪のタイミングで、ムードぶち壊しのことを言うことになるかもしれんが、この旅行ももうすぐ終わりだ。だから率...
  • 同じ夢の中
     親父とケンカした。  ケンカ自体はいつものことだったけど、テーマが最悪だった。  親父は、大抵のことは適当にやってしまうくせに、ケンカだけは手を抜かない。  相手が子供だろうが、自分の娘だろうが、とことんやる。  今日のケンカは、あたしが今一番触れて欲しくないと思っていることを巡って行われた。もちろん手加減なしで。  あたしは自分としては最悪の選択を、敵前逃亡を選び、自分の部屋に駆け上がった。  そして、あたしは最悪な気分でとにかく眠ろうとした。  いつもとどこか違う目覚め。  夜中に目が覚めてしまうのは、よくあることだ。  時には、夜中の街を誰にも邪魔されずに、闊歩する。今のあたしに、心安らぐ時があるとしたら、このときだった。  でも、『今夜』は違っていた。  今夜? 確かに窓から光は入ってこない。外は暗い。  あたしはただならぬ予感がして、カーテンを一気...
  • 6月の桜
    (ハルヒスレ「91-193 無題(季節外れの花見)」にインスパイアされました)。  時間の矢が逆さに向くことが(普通は)ないように、気付いてしまったことを「なかったこと」にするのは難しい。自分のアタマの中でさえ、消そうとすればするほど、いよいよ消えなくなる。ましてや、それが誰か他の人間なら。  最初に気付いてしまったのは、ハルヒだった。 「ねえ、キョン」 「何だ?」  また、「楽しいこと」でも思いついちまったのか。……と、そういう顔じゃないな。 「あんた覚えてる? 来年こそはお花見! って言ってたわよね?」  ああ、そうか。おまえ、そいつに気付いちまったか。  去年の6月頃だった。ハルヒは、季節ものイベントはすべからく実施するSOS団が、花見をしていないことに気付いて言った。 「あたしたち、お花見って、してないわ」  無理を言うな、と思ったが、どこ...
  • ハルヒと親父2 ー おとまり
    「あのね、母さん。明日、映画見に行ってくるから」 「そうなの。じゃあ、シャンペン抜きましょう」 「な、なに言ってんの!?」 「あら、和風がよかった?お赤飯にする?」 「そんなんじゃないわよ!」 「そんなのじゃないって何が?」 「あう」 「ただ映画行くだけなら、わざわざ前日に言って行かないでしょ」 「それはその、5本立てオールナイトだから、帰るの次の日の朝になるし……」 「ゆっくりでいいわよ。朝帰りはかえって『お泊りしてきました』って言ってるようなものだし」 「……////」 「合宿のときは、平気で泊まってきたじゃない」 「あの時とは、ちょっと、事情が違うというか……」 「それだけ聞けば十分。あまり聞いても話したくなるだけだから聞かないわ」 「……うん。そ、それとね」 「お父さんでしょ? 明日、明後日と珍しく家にいるから」 「う、うん」 「心配いらないわ。母...
  • フェバリット・メモリー
    (*not happy end/微鬱注意) あんた、だれ? ううん。あたし、あんたを知ってるわ。 たぶん。 あんたは、あたしを知ってるのよね? ハルヒ? あたし、ハルヒっていうの? すずみや はるひ ふーん。で、あんたは? キョン? へんな名前。でもあんたに合ってるわ。うん、キョンって感じがするもの。 ……そうらしいわね。覚えてないわ。 思いだせないっていうより、最初からそんなものはなかった、というのが実感ね。 ええ、ここに来てから随分になるわね。……正確には、そう思うというだけ。 いかれてるのは、記憶。長い方も、短い方もね。 たぶん、あんたがこの部屋を出ていったら、あんたのことも覚えていられないわ。 明日、あんたがやってきても、また同じことを言うのよ。 「あんた、だれ?」って。「キョンって感じがするもの」って。 昨日もあんたに、そういったかもしれ...
  • 司書は休日、魔女になる
     「有希だわ」  ある晴れた日曜日、おれたちは市立図書館の前を通りかかった。  おれたち? ああ、ハルヒとおれだ。  何故、おれとハルヒなのかといえば、 「あんまり天気が良いんで、どうせ休みだからって昼過ぎまで寝てるにちがいないあんたを、団長自らがわざわざ出向いて起こしに来てあげたわ」 と、朝っぱらから失礼なことをわざわざ言いに来た誰かさんに、何故だか『罰ゲーム』を課せられたからだ。とても気持ちがいい日曜の街を、こいつと歩き回るのがどのような罰ゲームになるのかといえば……察してくれ。  「おかしいな。月末は蔵書の整理をするとかで、図書館は休みのはずだ」 「どうして、あんた、そんなこと知ってるの?」  じと目でにらむな。 「図書館を利用したことのある市民なら誰だって知ってるだろ。……多分」 「あ、そ」  ハルヒは目をそらし、顔を長門がいた方に向けた。 ...
  • スポンサーから一言 その5
    スポンサーから一言 その4から  警察署を出ると、黒塗りの車が止まっていた。 「大使館ナンバーの車だな」 「絵描きは物知りだな。叔父が大使館員なんだ」 「まるっきり私用じゃねえか」 「邦人を助けるのが大使館の仕事だ。大まかには間違ったことはしてない」 「なにが法律で助けてやる、だ」 「司法研修生なのはほんとだ。いまは病気療養中ってことになってるが」 「何かやったのか?」 「ケンカだ。売った相手が悪かった。で、ほとぼり覚めるまで国外に放りだされた」 「ブルジョワ(おぼっちゃん)め」 「フランスじゃ、誉め言葉だぞ」 「言いなおそう。キャピタリスト(資本家)め!コロニアリスト(植民地主義者)もつけてやろうか?」 「よしてくれ。勲章が重くて前に倒れそうだ」  後ろに乗れと言って、自分もあとから乗り込んできた。 「パリで一番うまい店でおごってやる」 「どうせマ...
  • 親父抜きの大晦日
     「……ねえ、母さん、親父は?」 「やっぱりダメみたいね。向こうもすごい雪で、とても飛行機飛びそうにないって」 「まったく。年越しを何だと思ってるのかしら」 「お父さんも残念そうだったわ」 「あ、あたしは別に……」 「そうそう。ハルヒには謝っといてくれって、お父さんが」 「たまには殊勝なこと、言うわね」 「それから、『手は打っておいた』って。心当たりある、ハル?」 「……ない。……でも、すごく嫌な予感がする」 「母さんも、嫌な感じはしないけど、そろそろ誰かやって来そうね。お湯を沸かすわ」 「ハルヒっ!!」 「な、なによ、今の? って、キョン!?」 「息切れしてる声、走ってきたみたいね。ハル、早く行ってあげなさい」 「キョン!……あんた、いつから雪だるまと縁続きになったのよ!?」 「は、ハルヒ、無事か?」 「無事も何も……って、親父の奴ね!」 「ああ、親父さん...
  • スポンサーから一言 その3
    スポンサーから一言 その2から  親父さんは、その後ずっと無言だった。弁護士先生の事務所に立ち寄り、資料をものすごい速さで捲っているときも、その後も。  帰り際、弁護士先生は、弁解がましく、こう言った。 「悪く思わんでくれよな、キョン君。おれは金が好きだし、負けるのは嫌いだが、そっちは俺の人生(しゅみ)だ。おれの力の及ぶ限り自分の汗を流せばいいと思ってる。だが、負けること以上に、冤罪って奴が嫌いでね。誰がどう考えても、いけすかない野郎だが、だからといって、罪をそいつに背負わせればいいって考えに虫酸が走る。親友と呼ぶのはおこがましいが、それでも親父は、大事な友人だし恩人だ。巻き込むのは本意じゃないが、この事件は俺の手に負えないと、俺の中の何かが言ってる。親父の手を借りなきゃいかん、とな。トラウマに手を出すようなやり方はしたくなかったが、これ以上の手が思いつけなかった」 「トラ...
  • ハルヒ番長
    ハルヒ わがSOS団も、本日より番長制を導入するわ。 キョン なんだ、番長制ってのは? ハルヒ そして東京23区計画に打って出るわ! キョン クロス慣れしてないのは分かるが、向こうの話はもっと先に進んじまっているぞ。 ハルヒ というわけでキョン、あんたは「おつかれ番長」ね。 キョン おまえなりに、ねぎらってくれてるのかもしれんが、全然うれしくない! ハルヒ で、古泉君は「きくばり番長」にしようかと思ったけれど、それじゃあんまり面白くないから、期待通り「腹黒番長」よ。 キョン だから、誰の期待だよ? ハルヒ そして、みくるちゃん、あなたは「巨乳番長」よ。いまさら言うまでもないけれど。 キョン こっちも今更だがな、会社でそれを言ったら、ど真ん中ストレートのセクハラだぞ! ハルヒ 最後は有希ね、悩んだけど「微乳番長」で行きましょう。 キョン もっと長...
  • 雪洞の親父
     「あ、キョンか? 親父だ。しくじっちまった。ああ、俺の方はピンピンしてるが、バカが一人、足首をひねってな。おれの見立てじゃ骨まではいってない。今夜は腫れるだろうが、周りは雪だらけで冷やすものには事欠かん。今か? スキー板ででっかい雪胴を掘った。その中にいる。雪は断熱性も遮音性も抜群だからな、中は静かなもんだ。天井もちゃんと滑らかにしたし、壁の下には溝を掘ったから、溶けた雪が垂れて来て悩まされる心配もない。で、用件だ。ついさっき、母さんの携帯にGPSのデータを送った。だが、おれのカンだと、2、3日、低気圧が居座りそうだ。となると、母さんの能力は半減だ。すまんがサポートしてやってくれ。バカと話すか?」 「早く貸しなさい! ……キョン? 親父が大げさなこと言ってたけど、あたしは全然平気だから、あんたはつまんない心配はしないように。この通り、ピンピンしてるわ。この歳で親父とビバークするとは思わ...
  • 彼と彼女と彼女のメール
    To:キョン  4月に入って1週間も経ったわ。なのにキョン、あんたから一通もメールがないって、どういうこと!?   あたしだって入学式だの単位登録だの、その他で忙しいかったわよ!  このアホキョン、なんとか言いなさい!! To:ハルヒ  すまん  大学が始まって早々事故っちまった。  相手も俺も大した怪我じゃないから心配すんな。 To:キョン  ちょっと事故ってどう言うこと?相手って、誰かに怪我させたの?人身事故じゃないの?なんで、そんな大事なことを。 To:ハルヒ  相手は同じ大学の学生だ。怪我も、もう大丈夫だから。 To:キョン  そう。無事なら無事で、それでいいわ。  それより、G.W.には帰ってくるんでしょうね? To:ハルヒ  ああ。 To:キョン  わかったわ。詳しくはその...
  • ハルキョン家を探す その4
     父親が帰宅し両親が揃ってから話をした方がいいだろうと、俺とハルヒはファミレスで時間をつぶし、それから俺の家へと向かった。  予想していたことではあったが、うちの家の反応は、鷹揚にして寛容な涼宮家のそれにほど遠く、当惑と難詰とからなる、よくもわるくも、ごく常識的のものだった。 「仲がいいのは結構な話だが、正面切って『同棲』したいんだと言われても、反対だとしか言えないな」  俺の父親がついたため息を引きとって、今度は母親が口を開く。 「ふたりはまだ高校生なんだし、その歳にふさわしいお付きあいの仕方があるとおもうわ。それにハルヒちゃんのご両親だって心配なさると思うし」  ハルヒは顔を上げて、いつもの二割増で目に力をこめて言う。 「あの、うちの両親には話しました、ふたりで」 「そう、どうおっしゃっていらしたの?」 「するなら自分たちの甲斐性と責任で、と言われました」 「そ...
  • ホワイトデー
    母さん あ、ハル、おかえりなさい。 ハルヒ ただいま。……母さん、あれ何? 母さん ん?お父さん? ハルヒ おやじ、何してるの? 母さん さあ。よくわからないけど、ホワイト・デーの準備かしら? ハルヒ 毎年、不思議で仕方がないわ。義理でも、あれにチョコを渡す人の気が知れない。世の中、よっぽど変わり者好きが多いのね。 母さん 手近に不思議が見つかってよかったわね。 ハルヒ よくない! あれは不思議というより、ただの不気味よ。 母さん あれだけの量だもの、返すのも大変ね。 ハルヒ どこの新人王よ?アイドルよ?……母さん、聞き飽きたと思うけど、あんなののどこがいいの? 母さん どこといわれても……全部、かしら? ハルヒ 母さん、しっかりして! 母さん 飽きっぽい母さんが、これだけ一緒に居ても飽きないのだもの。それだけで、替わりは見つからないと思わない? ハルヒ 珍しいだけなら、ガラパゴスにいけば...
  • 手錠
     今、ハルヒと俺は、断ち切り難い一本の鎖でつながっている。  言っとくが、ロマンティックな妄想の余地は微塵もないぞ。ハルヒと俺を結びつけているのは、冷たい金属の色をした、手錠だ。  といっても、俺たちは、一時休戦して逃亡中のルパンと銭形のとっつあんでも、なつかしい脱獄コントを練習中の若手コメディアンでも、ない。  どうして、こんなことになったかって? かいつまんで言えば、ハルヒにとっては暴走的悪ふざけによる自業自得、俺にとっては悲しいほど定番になった巻き込まれ的不慮の事故、要するに「いつものこと」なんだが、詳しくは時間を少し巻き戻して語ろう。  放課後、部室の前までくると、聞くものを身悶えさせえるような愛らしくもかわいらしい悲鳴と、活字におこすと「ぐひひひ」とどこのスケベ親父だと思えるようなサディスティック・ボイスが、耳に飛び込んで来た。時々こいつは女子高生の皮をかぶった中年...
  • 一人旅に必要な事 その後
    「あ、キョン君、おひさしぶり。え、ハル? んー、あ、お父さんがちょっとしゃべりたいって、かまわない?」 「よお、キョン、元気か? ああ、ハルヒは、絶賛一人旅中だ。ん、バイクだ。雪国で役立つ、スーパーカブ(ポストマン仕様)だ。心配? ああ、心配だ。親のできることは、いつだって心配することぐらいしかない」  何年も経つというのに、電話の向こうの親父さんは、あの時のままの親父さんだった。  そのことが余計に胸を締め付けた。 「で、どうした? 電話してくれたのはうれしいが」 「親父さん、おれ……」 「ああ、聞かない方がいいか」 「いや、俺の方が聞きたい事が。……ハルヒに会ってもかまいませんか?」 「やれやれ。『これ以上あいつを傷つけるな』とか言った方がいいか? おまえさんは何もやっちゃいない。バカ娘がひとりで派手に転んだだけさ。大手を振って会えばいい。それに親父的には、...
  • 朝食の情景
    オヤジ よう、キョン。早いな。 キョン あ、親父さん。おはようございます。 オヤジ なんか、おまえがうちで朝飯食ってても、不思議ともなんとも思わなくなったな。 ハルヒ 何がどう不思議なのよ? オヤジ おまえには父親の気持ちなんぞ一生分からん。 ハルヒ 当たり前でしょ! って、キョン、あんた何、胸に手をあてて考えてんの? オヤジ 朝食後のスピーチか? どうせなら聖書に手を置いてやれ。 ハルヒ つっこみどころが多過ぎて、一行に収まんないでしょ! 母さん ハル、ご飯食べて行くんでしょ。すわったら? ハルヒ ……はーい。……親父、覚えてなさい! オヤジ おれが何かしたか? ……キョン、真剣に答えなくていいぞ。 ハルヒ 母さん、おかわり! オヤジ おまえは芸人か!? もっと味わって食え。 ハルヒ 事は一刻を争うの! 一秒一秒を真剣に生きてたら、そんな悠長なこと言ってられないわ! オヤジ ずーっと、ふ...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その3
    その2から  バカップル的ひきこもり生活も10日を越えると、さながらル・マン24時間耐久レース(あるいは1万円で1ヶ月生活)の様相を呈してきた。  本家のバイオスフィア実験−水も空気も出入りしない人工閉鎖系で、植物や家畜を持ちこみ、究極のショート・レンジリサイクルを行いつつ人がどこまで生きていけるかという過酷な実験も、予想外の、しかしシステム的な要因による慢性的な酸素不足、収穫不足、家畜の全滅に加えて、実験期間後半には、メンバー間のいさかいが耐えなかったという。  おれたち二人の間でも、いつものように、いさかいは耐えなかったが、これもおそらく谷口あたりに言わせれば、痴話ケンカの域にも達しない「いちゃつき」と判定されるレベルであり、ここに国木田、阪中を加えても、満場一致にして判定は覆らなかったであろう。  おっとハルヒが呼んでいる。後世に書き残し、何かの教訓にしてもらおうとい...
  • 司書はなにゆえ魔女になる?
     「三日間ほど、部活に来れない? どうして、また?」 「図書室の整理を手伝うことになった」 「学校のか?」  長門が手伝う必要があるほどの規模とも思えん、ちっちゃな図書室のはずだが。  怪訝な顔をしたおれに答えるように、長門は付け加えた。 「司書教諭は入院した。図書委員の誤操作及び誤った修復作業により図書貸出管理システムがダウンした。入院前に司書が発注した図書が書店の都合で搬入が重なった。これらにより、このままいくと約10日間、図書室は使用不能となる」 「それってただの偶然なのか?」 「普通の偶然」 「じゃ、普通じゃ起こりえない『ものすごい偶然』って、どれくらいなんだ?」 「有機生命体の平均寿命からすれば、一個体あたり10のマイナス6乗程度の確率、この惑星レベルでは10のマイナス15乗程度の確率、現有宇宙全体では10のマイナス50乗程度の確率」 「よくわからんが……そう...
  • 子犬の恋
    ハルヒ ねえ、母さん。初恋って実らないのかな? ハル母 そうでもないわ。 ハルヒ そう? ハル母 お父さん、母さんが初恋だったそうよ。 ハルヒ 悪いけど、あいつの言うことは信用できない。 ハル母 いつもふざけてるし、たちの悪い冗談も言うけど、基本的にはいい人よ。 ハルヒ たちが悪い、と分かってるなら、少しは止めて。 ハル母 母さんも嫌いじゃないもの、たちの悪い冗談。 ハルヒ 母さん! ハル母 そうそう、初恋の話だったわね。 ハルヒ うん。 ハル母 むかしむかし付き合った人にね、ぼくらの恋愛はpuppy loveだと言われたことがあったわ。 ハルヒ puppy love? 子犬(puppy)の恋(love)ってこと? ハル母 “intense but relatively short-lived love, typically associated withadolescents”、若い人た...
  • ツンデロイド
     このどうみても人間にしか見えない、いやもうはっきり言ってしまおう、あの涼宮ハルヒにしか見えないロボットが、俺の部屋で今、目を閉じて床に横たわっている。何故かは分からん。とりあえずマニュアルを読むぞ。 「これはツンデロイドよ。そこ、間違ってもロボットなんて呼ばないように。呼んだら死刑だからね!  新型のアンドロイドと考えてもらって間違えじゃないわ。従来型とは、人間っぽさが段違いだけどね。入手したら、まずリセットボタンを押してちょうだい。これで再起動するわ。  再起動して間なしのツンデロイドは、簡単に言うとツン成分が100%の状態ね。愛情を注いでやさしく接してあげると、次第にデレ成分の割合が増えていくというわけ。デレ100%までいくと、地上に一組バカップルが誕生することになるわ。  とにかくやさしく接すること。わかりにくいのはダメよ。ストレートでないと通じないんだからね。あと...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その2
    その1から 「というわけで、痛いエロカップルが部屋つき露天風呂でどんなことするか、リサーチしたわ。といっても、半分以上が盗撮ネタだったけど」 「……ハルヒ、聞こうと思ってたんだがな。俺でさえ毎日3時間しか寝てないのに、いつそんなこと調べてるんだ?」 「あんたが寝静まってからに決まってんでしょ、エロキョン」 「だから、お前、毎日ちゃんと寝てんのか?」 「むう」 「ちなみに夕べか明け方か知らんが、直近の睡眠時間は、何時間、いや何分だ?」 「15分ほど、うとうと……したかしら?」 「俺たちがここに来て11日になるが、その間の、のべ時間だと?」 「あーえー、全部足せば5、いいえ、6時間にはなるはずよ!」 「ハ・ル・ヒ」 「な、なによお?」 「ちょっと来い」 「こら、耳ひっぱるな! って、どこ触ってんのよ!」 「いいから、ここ座れ」 「す、座ったわよ」 「人...
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