ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「技術の長門」で検索した結果

検索 :
  • 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走
    技術の長門より  時間も、空間すらも定かでない場所を、おれは走っていた。  宇宙規模の危機は、何度か体験し、その都度なんとかやり過ごしてきた。  だが、今度という今度ばかりは、話は違う。  宇宙はおそらく無事だろう。太陽も紫外線をまき散らしながら自重を支え切れず崩壊することもないだろう。  だが、俺たちは? そう、危機に陥っているのは、世界ではなく、俺たちの方だった。  「メタの視点からいえば、我々の存在は言語によって構築されている」 長門は言った。 「作者が死んだとしても、言語構築体が残れば、再生は無論、続編を続けることも、無数の変種を創造することも可能」 「その、すべての大本がヤバいっていうんだな」 「こうした危険は当然予見されるべきだった。すべて私のミス」 「誰もおまえを責めたりせん。だが、まだ何か手があるはずだ。そうだろ、長門?」 「破壊して...
  • 技術の長門
    ガジェット 1:「相合い傘」 ガジェット2:ワッフル・デコーダー ガジェット3:ひみつ道具「シナリオライター」 ガジェット3:ひみつ道具「シナリオライター」その後 ガジェット4:僕らの夢「KFディアクティベイター」 ガジェット4:僕らの夢「KFディアクティベイター」つづき ガジェット 1:「相合い傘」 「あ、くそ。降ってきやがった」 「梅雨に雨が降るのは当たり前でしょ。はい、これ」 「なんだ、この傘?」 「雑用係が濡れねずみになって風邪でも引かれたら、団長のあたしが困るの! どうせ、どっかからかっぱらってきた奴だから、返さなくてもいいわよ」 「じゃあ、ハルヒ、おまえはどうすんだ?」 「あ、あたしはちゃんとこのとおり……あれ?」 「やれやれ。……これは、おまえが使え。じゃあな」 「ちょっと、キョン、待ちなさい! これじゃ全然、この傘の意味がないじゃない!」 「『こ...
  • 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走2
    技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走より  「古泉、『ワッフル・デコーダー』を壊せないか、という話をしてたろう。長門の答えは『近づくのは危ない』ってことだったが、いずれにせよ、危険は伴うんじゃないのか?」 「長門さんが言いたかったのは恐らく……、失礼ですが『クレタ人のバラドクス』をご存知ですか?」 「『クレタ人は嘘つきだ、とクレタ人が言った』って奴だろ。『おまえもクレタ人だろ!』と突っ込めばいいんじゃないのか?」 「違います。それこそがかえって我々をパラドクスに落とし込む罠ですよ。クレタ人が嘘つきだとしたら、『クレタ人は嘘つきだ』と言っているクレタ人もまた嘘をついている。となれば、『クレタ人は嘘つきだ』は嘘なのですから、『クレタ人は嘘つきでない』ことになります。ですが、『クレタ人は嘘つきでない』以上、『クレタ人は嘘つきだ』と言っているクレタ人もまた本当のことを言っている訳...
  • 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走3
    技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走2より 「では、完成したのですね? わかりました」 「古泉、長門からか?」 「ええ。対ワッフル・デコーダーの新兵器が完成したそうです」 「そうか。早速投入できるのか?」 「はい。ですが、有効範囲が狭いため、ワッフル・デコーダーを引き込む必要があるそうです」 「ますます特撮怪獣めいてきたな」 「いま長門さんが、あらゆるまとめwikiから「わっふる」の字句を削除しています。大丈夫です、wikiには履歴機能がありますから、復元は容易です」 「ワッフル・デコーダーの行く先を限定しようっていうんだな?」 「そして『餌』を用意します。つまり、わっふるの煮こごりのようなSSを」 「……誰が書くんだ、それ?」 「あたしよ!」 「うわ、ハルヒ!」 「ご挨拶ね。団長が現れて何がまずいことでもあるのかしら?」 「おまえが何を書くって?」 ...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...史改変阻止シリーズ 技術の長門 おれがあいつであいつがおれで 背中合わせ 逆チョコ バカップル度チェック 7月20日 Tシャツの日 一言違いシリーズー伝染病 一言違いシリーズークラークの法則 長門有希の解答ーおっぱい 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走 ミルク搾りの女の子 青少年愛護条例 ハルキョン版アリとキリギリス 銀河の中心で愛を叫ぶ バカップル度チェック(初心者篇) ならんでる +その他のSS カオス系 涼宮ハルヒの禁欲 涼宮ハルヒのいちゃつき 涼宮ハルヒの中継 かつてなく積極的な ツンデレエンザ キス銀行 6月6日 かえるの日 クイズ大会 アルプスの少女ハルヒ ハルヒ番長 こちら七曲署SOS課 字マンガぬこハルにゃん 資本戦隊キャピタル・ファイブ 資本戦隊キャピタル・ファイブ2 資本戦隊キャピタル・ファイブ3 +企画室 企画室 親父語録保管庫 親父の英...
  • 閲覧回数上位SS
    ...篇 (10850) 技術の長門 (10755) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3 (10736) できちゃった その4 (10713) ハルキョン家を探す その1 (10677) できちゃった その3 (10669) できちゃった その1 (10658) 涼宮ハルヒのリフォーム その1 (10537) あるSS書きの個人的七つ道具(アイデア篇) (10307) 涼宮家の一族(前編) (10100) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その1 (10048) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7 (10038) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その8 (10028) ダンス・ダンス・ダンス (10025) 涼宮ハルヒの禁欲 (9979) バカップル度チェック (9964) ハルキョン家を探す その4 (9963) そのとき親父書きは何を思ったか? (9925) できちゃった...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その13)?
    ...した。(今見たら、「技術の長門」が掲載されていましたが(笑))。 ハカセくんの初恋  タイムマシンもの、ただし未発の。だからやっぱり、リリカルです(笑)。  VIPの方に「ハカセ君の愛妻」というSSがあって、そこではハカセ君はキョンの妹ちゃんと結婚していて(どこで出会ったんだろう?)、とある研究所に勤めているのだけれど、そこには「生物学から、理論物理学、航空宇宙工学その他もろもろまでを一人でこなすバイタリティにあふれる天才的な研究者」、旧姓涼宮先輩がいる、という話なんですが、基本路線はその方向で考えました。 二人でドライブ  こういうのを書くのはすごく好きなんですが、こういうのを受け入れてくれるハルヒスレの人たちも好きです。個別キャラ・スレなのに、いいのか、おい、と思ってないわけじゃないんですよ。 二人は何故レスリングなんかしてたのか?  元のタ...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー2
    ...のでうれしい。あと「技術の長門」がすごい勢いで上昇中、何故? あと「涼宮ハルヒの中継」、これはいったい? -- 親父書き (2009-07-13 22 10 20) 少し遅れてしまいましたが、大作SSの完結おめでとうございます。高校生カップル妊娠という波乱コンボのなか、適切で具体的な助言(あらまほしきもの)と、(言い方は変ですが)適切な愛情を向けてくれる人たちに囲まれているという、ささやかに見えて、ものすごく貴重な幸せが芯を通っているのが素敵に見えました。 -- nov (2009-07-15 06 44 09) >novさん: いつも暖かいコメント、ありがとうございます。いろいろ壁に突き当たりましたが(多分、自分の実力以上の題材だったのでしょう)、その分得るところも多いものになりました。 -- 親父書き (2009-07-15 21 33 47) -2009...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー4
    ...め発見! 親父さん、技術の長門などいつも楽しく拝読させて頂いております。もっと早くにここの事を教えておいて下さいよぉ、マジで。「この作者さん個人サイトで自作まとめしてくれてないかなぁ」と考えて検索掛けたら早速ヒットって……無いっスわww それまで毎日ハルヒスレまとめを見に行っていた時間を(本当に親父の活躍を見る為だけに日参してました)返して下さい。リフォームの続編という形で。うん、本気でお願いします。気になって夜も熟睡羽根広タイプ……っていかんな。ここを見付けたのが嬉し過ぎてハイになってる。最高にハイってヤツだ。俺は人間を辞めるぞ、ってやかましい。では、まだ読んでないSSを一通り巡ってきます。貴方に才能を無駄遣いして頂けるお陰で、色々有るけど私、この街が好きです。by魔女宅 以上、親父を好きが行き過ぎて信仰というか崇拝というかの域まで両足どっぷり浸かっている某書き手でした。好きなシー...
  • 長門有希の満腹
    長門有希の空腹から  「長門、立ち入ったことを聞くようで悪いが、こづかいというか仕送りみたいなものは、どういうことになってるんだ?こないだ、その、生活費が足りないとか言ってただろ?」 「必要な生活資金が定期的に銀行口座等に振り込まれる訳ではない。それでは継続的な経済システムへの介入となり、際限のない支出が行われれば広範囲に影響を及ぼす恐れがある」 確かに額にもよるだろうが、偽札を刷り続けるよりは、まずいことが起こりそうだ。 「私がつくられた際に、設けられた基金からの利子及び配当収入で必要な資金はまかなわれている。しかし、2007年 8月17日 サブプライムローン問題を発端とした株価急落以降、生じた世界的な信用収縮(クレジット・クランチ)の影響を受け、収入は激減した。基金は分散されていたが、世界規模のシステミック・リスクには対応できなかった」  まさか、こんな身近に、そんな...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その27)?
    司書はある朝、魔女になる 司書はなにゆえ魔女になる? 司書は休日、魔女になる  「司書は××魔女になる」というタイトルのシリーズ。こっちは親父抜きの長門さんもの。どれもなんていうことのない話なんですが、雰囲気を楽しんでもらえれば(っていうのは、あまりにも手あかのついた言い訳か?)。  さらに「中身は結局ハルキョンじゃねえか」というつっこみもあるにはあるんですが。  すまん、これが親父書きの長門愛(なんか女優さんの芸名みたいですが)の限界です。  でも、これは、もっと書きたいっす。広げられるモチーフなのかどうか、いまいち分からないけれども。「図書館映画」があるなら、「図書館小説」だって! 『図書館戦争』? あれは別に(商業的に成立するかどうかはともかく)図書館でなくてもいい話だし。  先日、オリジナル小説の話をしましたが、残存する4つのうち1つに図書館...
  • クイズ大会
    団 長 クイズ大会に出るわよ! 団員1 やめとけ。カタギの人に迷惑かけるな。 団 長 何よ、あんた反対する気? 団員1 どうせ優勝するのが分かり切ってるものに出ても張り合いがなかろう。こっちは、出版されているすべての本を絶賛読破中の長門、やたらと知人が多い上に妙に健康情報に強い古泉、お茶とかわいらしいものについては追随を許さない朝比奈さん、それにスレンダーなくせに出るとこ出ている不思議団長のおまえまでいるんだぞ。他の連中に勝ち目はない。 団 長 それはそうね。インターネット上のコンテンツを全部見てるんじゃないかっていう有希に、役に立つ親戚が多くて主婦が喜ぶ節約情報に詳しい古泉君、バイクとケンカの仲裁ならまかせてっていうゴトゥーザ様、加えてやる気なさそうなくせして、なにげに歴史ヲタのあんたまでいるんだもんね。 団員1 ただでさえ物が多くて手狭な部室なのに、これ以上トロフ...
  • 長門有希の空腹
    ハルヒ 親父! 味付けはともかく、あんたはいつになったら量の調整ができるようになるのよ!? オヤジ 母さんが精魂込めて育てたゴーヤだ。大事に使おうと思ってたら、他の食材が増えた。 ハルヒ 意味がわかんない! このゴーヤチャンプルー、5人前はあるわよ! まあ、とりあえずキョンを呼ぶとして……。あ、キョン?あんた暇でしょ、今すぐうちに……。 オヤジ おい、ハルヒ、ちょっと玄関先を見て来い。誰か倒れた音がした。 ハルヒ 何を言って……。 オヤジ 親父イヤーは、地獄耳だ。いいから見てこい。 ハルヒ まったく、なんだって……。ち、ちょっと! 有希? なに、どうしたの!? 長門 おなか……すいた。 オヤジ ほう、いい食いっぷりだ。長門、もっと食っていいぞ。 ハルヒ 親父、おかわり! オヤジ おまえは単なる食い過ぎだ。自重しろ。 ピンポーン ハルヒ 誰か、来たわよ。 オヤジ 来たわよ、...
  • 新落語シリーズ「金明竹」
    ハルヒ ねえ、キョン。有希のことなんだけど。 キョン どうしたんだ、ハルヒ? ハルヒ 素直なのはよいことだけど、もう少し断るってことを覚えた方がいいと思うわ。昨日なんか、自分の持ってる傘を知らない人に貸しちゃって、自分はずぶぬれで帰ってきたのよ。 キョン 長門、ハルヒに聞いたんだがな。自分の持ってる傘を知らない人に貸して、自分はずぶぬれで帰ってきたってのは本当か? 長 門 事実。 キョン なあ、長門。時には断った方がいいと思うぞ。 長 門 どうやって? キョン そうだな。落語なんかだと、『貸し傘も何本かありましたが、この長雨でどれも使い過ぎまして、骨は骨、紙は紙、とばらばらになりましたから、使い物になりませんので、風呂の焚き付けにでもしようかと、物置に放り込んであります』とか言うんだが。ははは。 長 門 わかった。 キョン おいおい、今のは落語の...
  • 長門有希の解答ーおっぱい
    「だいたい、なんで、おっぱいなんてものがあんのよ?」 「知らん。哺乳類だからだろ、きっと」 「まったくあてになんないわね。イヌとかブタとかはどうなるの? 乳房なんかなくて、乳首がおなかにならんでるだけじゃないの?」  おっぱいの起源なんてものについて、あてにされても困るぞ。と思いながら、「ほんとのとこ、どうなんだ?」とでも言う風に、おれは長門の方を見た。 「発達した乳房は、ホモ・サピエンスが直立歩行することと言語コミュニケーションをとることになった両方に原因を求めることができる」 「そうなの、有希?」 「(こくり)」  長門は頷いて、俺の方を見た。説明を続けていいのか、と問うような目で。構わん、やっちまえ。 「四足歩行する哺乳類のメスの生殖器は、後ろに回ることで容易に観察できるが、直立歩行によってこれが不可能になった。かわりに類人猿のメスは、頭を下げ腰を高く上げたり、臀部を...
  • 司書は休日、魔女になる
     「有希だわ」  ある晴れた日曜日、おれたちは市立図書館の前を通りかかった。  おれたち? ああ、ハルヒとおれだ。  何故、おれとハルヒなのかといえば、 「あんまり天気が良いんで、どうせ休みだからって昼過ぎまで寝てるにちがいないあんたを、団長自らがわざわざ出向いて起こしに来てあげたわ」 と、朝っぱらから失礼なことをわざわざ言いに来た誰かさんに、何故だか『罰ゲーム』を課せられたからだ。とても気持ちがいい日曜の街を、こいつと歩き回るのがどのような罰ゲームになるのかといえば……察してくれ。  「おかしいな。月末は蔵書の整理をするとかで、図書館は休みのはずだ」 「どうして、あんた、そんなこと知ってるの?」  じと目でにらむな。 「図書館を利用したことのある市民なら誰だって知ってるだろ。……多分」 「あ、そ」  ハルヒは目をそらし、顔を長門がいた方に向けた。 ...
  • オヤジ野球7
    オヤジ野球6から  4回裏の親父チームの攻撃は、 「ふやああ!」 という絹を割くような(?)悲鳴と共にしゃがみこみ頭をかばったはずのグローブに、ショート強襲のライナーが偶然(?)にも自ら飛びこんでくれることで終わりとなった。  よくできた科学は魔術と、できすぎた科学はご都合主義と、それぞれ見分けがつかないと言ったのは誰だったか。  誰も不幸にならないこの程度のご都合主義なら歓迎すべきだろう。  だが、打者一巡して、ハルヒの投球に、親父チームの打線はタイミングが合ってきたのも、逃れようのない事実だ。  そして、5回表のおれたちの攻撃。  「少しお話が。いえ、世界的な危機と言うより、我々の打線、つまり攻撃についてです」 「おきまりだが、顔が近い。あと言うまでもないが、今日はズルはなしだぞ」 「ええ、涼宮さんも入れて相談できる内容です。提案者...
  • オヤジラジオ その2
    オヤジラジオ その1から オヤジ 周波数不明、発信地不定、一日限りのオヤジ・ラジオだ。 バチカン市国、サン・ピエトロ寺院前広場から絶賛生中継でお送りする。 じゃあ、まず最初のハガキを読むか。匿名希望、西宮市の谷口君からのメッセージ。 「どうしたら、モテるようになりますか?」 って、おまえ、こればっかりだな。もっと人が読まないような難しげな本でも読んだ方が、将来後悔しないぞ。 ああ、モテる方法だったな。とりあえず大枚はたいて、等身大の熊のぬいぐるみを買え。そして毎日そいつを連れて登校するんだ。教師やクラスメイトからは引かれるだろうが、2週間もすれば痛いウワサが行き渡って、周囲の学校から女生徒のみが見物に来るぞ。サインしてやるときに、メアドくらい聞けるだろ。まあ、がんばれ。 じゃあ、最初の曲。我が相棒、長門有希のリクエストで、ムソルグスキー作曲、編曲と演奏はうちの母さんで「禿山の一夜...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その6
    涼宮ハルヒのリフォーム その5から  それでも、この大掛かりで、ひょっとするとものすごくばかばかしいかもしれないミッションに、俺も参加しない訳にはいかないようだった。  おれは開けっぱなしの窓から恐る恐る手鏡を出して下を見た。続いて、今度は首を出してノクト・ビジョンをしたまま真下を見た。  さっきまで影にしか見えなかったやつが、こちらを見上げていた。つまり目があった。 「なにしてるんだ、おまえ?」  いや、わかってる。こっちの方こそ、何してるんだってことはな。 「下見」  相手が答えた。 「下見って、何の?」 「一緒に住むこと」 「キョン、今おまえ、女の子と喋ってるみたいに聞こえるんだが、知り合いか」 「長門です」  親父さんにそう答えて、俺はノクト・ビジョンをひっぺがし、長門に言った。 「銃なんか向けてすまなかった。どこか痛めてたり、すりむいてないか?」...
  • オヤジラジオ その3
    オヤジラジオ その2から ハルヒ なによ、このヘタクソなピアノは!? オヤジの奴ね! キョン 確かにがんがんぶっ叩き系だが、ノリノリだな。お、グリッセント。 ハルヒ これくらい、あたしにだって弾けるわよ! キョン そりゃ、おまえは弾けるだろうがな。あ、長門のボーカル。 古泉 お取り込み中のところ、申し訳ありません。 キョン 別に取り込んじゃいないぞ。 ハルヒ いないわ。 古泉 ……送信機の奪取に一応の目処が着きましたので、ご報告を。 キョン 随分、速いな。 古泉 探すべき場所が無線LANスポットに限定されたので、捜索に当たる人員を増員しました。市内の公衆LANスポットを手分けして一斉に当たらせてます。あ、ご心配なく。突然駆りだされたボランティアのみなさんですので。 キョン 駆りだされたら、ボランティアじゃないだろ。 鶴屋 と、言う訳なのさ。目処もついたみたいだしさ、ハルニャンた...
  • その男、文系につき
    その男、文系につき その1 その男、文系につき その2 その男、文系につき その2 アフター その男、文系につき その1 「ねえ、有希。この『すがるおとめ』ってどう言う意味?」  辞書を引くのがめんどうくさいのか、近頃、ハルヒは長門にこうした質問をする。ユキペディアと、こっそり俺は名づけているのだが、さすがに長門の回答は正確無比で速い。一時の集中力は何ものをも上回る感があるハルヒだが、その分飽きっぽく面倒くさがりだ。しかし、団員を辞書代わりにするなど、あんまり感心しないな。  なんてことを考えていたので、長門が顔をあげてこちらを見ているのに気づくのが遅れた。この手の質問は迷うまでもないから、いつもなら瞬時に答えるのだが、今日はどうした? 俺に許可を求めるような、微妙な問題ではないと思うぞ。 「その質問なら彼に」  長門は目を俺からハルヒに移し、それから再び自分の本に視線を...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー1
    ...あいつがおれで」と「技術の長門」とが、じりじり上位に食い込んで来ている不思議。 -- 親父書き (2009-06-19 21 11 00) 乙でした。改めて、親父書きさんいろんな意味ですごいっす。ちなみに谷口の話は個人的には逆にいいな、と思いました。読み手も千差万別 -- Taku (2009-06-19 23 30 39) >Takuさん: ありがとうございます。やっぱりこうやってコメントをいただけるというのは大きいですね。迷い迷いながら書いてますんで。その割にはアレなものが多いんですが。多いと言うか連発し過ぎだ、と脳内ツッコミが来ました。 -- 親父書き (2009-06-20 01 24 29) 親父シリーズ以外の更新お疲れ様でした! 捕捉させて頂いていた身としては寂しいような少しホッとしているようなw 本当はもっとじっくり読んでちゃんと感想書きたかったんです...
  • 図書館で−オヤジラジオ・プロローグ
    親父 今日は、スピノザに、トゥキディデスに、聖ヒルデガルト、ディラックに、鈴木邦夫かよ。 長門 ……? 親父 俺だ、ハルヒんとこの親父だ。 長門 ……オヤジ。 親父 そう、親父。……借りた本、重そうだな。半分持とうか? 長門 大丈夫。問題ない。 親父 そうか。それじゃあ、何か飲まないか? 長門 飲む? 親父 図書館の下に学食みたいな喫茶室があったろ。おごってやるからつきあえ。 長門 ……わかった。 親父 日曜は大抵来てるのか? 長門 そう。 親父 一言多い司書がいてな、ちょっと顔なじみなんで、教えてくれたんだ。さっき目の端にお前さんが映ってな、そっちを見てたら「毎週日曜日、セーラー服で一日中本を読んでる娘がいるんだが、知り合いか?」ってな。 長門 ……そう。 親父 俺は借りてたDVDを返しにきた。休みがいい加減でな、2週間ばかり延滞だ。俺の見る映画なんて見る奴は少ないけどな。 長...
  • 掲示板/足跡帳
    ...含むSSを再読する。技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走シリーズ、ひどすぎるw。まさに自分のために書かれたようなバカさ加減。書いたのも自分だというのが悲しい。 -- 親父書き (2010-01-10 19 59 13) お礼SS、4つまで書いた。/うわ、サドキョンだよ。やりすぎたかな(まだまだ、という声も聞こえるが)。ちょっと、にやにや微温的なのも混ぜました。どれが吉なんだか「当たり」なんだか、よくわからないwww。 -- 親父書き (2010-01-11 18 42 24) web拍手のお礼SS、脱衣編開始! Haruphilic SSの911さんが書かれた「脱がすSS」のリメイク版です。最初は「脱衣オセロ」。寝不足のせいかもしれませんが、自分で傑作だと思いましたwww。明日起きたら首つりてえ、と言ってるかもしれませんが。読むのは今のうちだ!!www。とりあえずここを...
  • よくあるデートの誘い方
    古泉 デートの誘い方……ですか? キョン ……まあ、有り体に言えばそうだ。 古泉 なるほど。では場所を移しませんか? 長門さん、僕たち二人は、お茶菓子の買い出しに出たと、涼宮さんにお伝えください。デートうんぬんはご内密に願います。 長門 わかった。 古泉 あなたが《普通》に、というのはNGワードでしたか、《真面目》に誘えば、十中十は了解が得られると思いますが。 キョン 真面目にか。 古泉 いつもはふざけているとか、そういうことではありません。ただお二方とも、うやむやにするのに慣れていらっしゃるので。 キョン ……まあな。 古泉 あえてひとつ付け加えるなら、企画には具体性があったほうがよろしいかと。例えば、ただ『飲みに行かないか』よりも『外人しか来ない秘密のバーに行ってライム入りのコロナビールをストローで飲みながらSMショーを見よう』といった方が、...
  • 通り魔
     血のにおいがした。  そのとき、あたしたちは、人ごみの中にいた。  雑踏のざわめきの中で聞こえたのは、あいつの鼓動だった。  はじめて抱きしめられた。はじめて耳元で、あいつがあたしの名前を呼んだ。  次の瞬間、あいつは砂山のように崩れ落ちた。背中に刃物が刺さっていた。  血を浴びた男は、自分が何をしたのか分からないという顔をしていた。  それでも、あいつの背中に刺さった刃物に手を伸ばし、たった今、自分がやったことを、他の誰か相手に繰り返そうとしていた。  「さわるな!」  あたしの中で血が沸騰した。何かが目覚めたみたいに体が動いた。  あたしはその男に向かって跳び、その勢いすべてを右の掌底で相手のあごに叩きこんだ。そのまま、あごをつぶすくらいににぎりしめ、崩れる男の体を、アスファルトにぶちまけてやろうと思って、叩きつけようとした。  「ハルヒ!」 ...
  • 銀河の中心で愛を叫ぶ
    ハルヒ 大声コンテストに出るわよ! キョン また、はじまったか。いいか、ハルヒ、おまえはいつもいつも、思いつきで話を持ってくるが…… ハルヒ なによ、何ヶ月も前から根回しして、その上みんなのハンコをもらわなきゃならないわけ? どこの役所よ!?官僚制よ!? 特別な準備も特訓も要らない、体ひとつあれば参加できる企画なのに、そんなのナンセンスでしょう! うちみたいな小規模組織は、意思決定の迅速さと機動力が売りなの! さあ、わかったら、早速出かけるわよ! キョン 今から? ハルヒ エントリーは5人ともすでにしてあるわ。もちろん、個人および団体の両方で優勝を狙うから、そのつもりでね。さあ、気合いれていくわよ!! キョン しかし、ハルヒ。準備が要らない、体一つでOK、というのはそのとおりだが、うちが得意とする種目とは思えんぞ。 ハルヒ どうしてよ? キョン おまえの大声については何もいわん。勝手...
  • オヤジのバスケ
     誰と、どうした訳で、こういう事態になったかを説明し始めると、『オデッセイア』を上回る大叙事詩になる恐れがあるので割愛したい。  「3on3? って誰が? あいつらと?」 「おれが出よう。キョンを出すよりはマシだろう」 「ちょっと、キョン、こんなこと言われてるわよ!」 「今は勝つ事に集中しろ。作戦だ。長門は3ポイント・シュートを打ちまくれ。お前なら、コートのどこからでも狙えるだろ?」 「わかった」 「だが、得点源が誰だかすぐにばれる。長門が狙われるぞ」 「親父さんは、長門がシュートを打ち終えるまで、敵と長門の間に入ってガードしてください。バスケでは相手にぶつかっていくとファールを取られますから」 「なるほど。先に体を間に入れちまえば、こっちのものって訳か」 「あたしは何をすればいいの?」 「ハルヒ、おまえは指令塔だ。基本的にお前からボールが出て、こっちの攻撃が始ま...
  • 司書はある朝、魔女になる
    司書はなにゆえ魔女になる?から  ある日の放課後。  いつものようにSOS団部室(本当は文芸部部室)の前まで来ると、ひょっとすると文芸部の方に入りたくてやってきたような、文学少女オーラを放つ小さな女子生徒が、その人外魔境と化している(とうわさされる)部屋の中へ、入ろうか入るまいかと逡巡(しゅんじゅう)を続けていた。 「もしかして、長門に用か? 多分、中にいると思うから入っても構わないぞ」 とおれが声をかけると、すがるような助けを求めるような目でこっちを見た。やれやれ。  おれはドアを開け、そいつが中にいるのを確認して言った。 「長門、図書委員がまた来てるぞ」 「そう」 と言って長門は本を閉じて立ち上がり、おれは長門とすれ違うように部室の中に入った。  二、三言だろうか、この距離でも聞き取れないような小さな声で、図書委員と言葉を交わした長門は、 「図書室へ行って...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その26)?
    長門有希の空腹、満腹、オヤジラジオ 911さんをして「とうとう会わせてしまいましたね、この二人を」と言わしめた長門‐親父シリーズ。 原作で、反則的なまでに圧倒的なスペックを誇る長門さんと、親父シリーズ自体が反則なんだけど、その中でも破格に反則な親父さんのタッグ。 というか、この二人、なんか気が合いそうというか、話が通じそうなんだもん、と思うのは、親父書きの贔屓目ですか?イエス? ならば言おう。書きたかったんだもん。 しかし、小説の処理的には、ちょっと難しかったです。一応、キョンの一人称で追えないものは、登場人物のセリフだけ、というのが方針なんですが(ハルヒの一人称は少しあるけれど)、長門‐親父となるとセリフ回しだけで可能なのか、喋ってくれるの、長門さん?という懸念が一部にはありました。まあ、実際は、親父さんが長門さんの分まで喋ってるんですが。 あと、ラジ...
  • 司書はなにゆえ魔女になる?
     「三日間ほど、部活に来れない? どうして、また?」 「図書室の整理を手伝うことになった」 「学校のか?」  長門が手伝う必要があるほどの規模とも思えん、ちっちゃな図書室のはずだが。  怪訝な顔をしたおれに答えるように、長門は付け加えた。 「司書教諭は入院した。図書委員の誤操作及び誤った修復作業により図書貸出管理システムがダウンした。入院前に司書が発注した図書が書店の都合で搬入が重なった。これらにより、このままいくと約10日間、図書室は使用不能となる」 「それってただの偶然なのか?」 「普通の偶然」 「じゃ、普通じゃ起こりえない『ものすごい偶然』って、どれくらいなんだ?」 「有機生命体の平均寿命からすれば、一個体あたり10のマイナス6乗程度の確率、この惑星レベルでは10のマイナス15乗程度の確率、現有宇宙全体では10のマイナス50乗程度の確率」 「よくわからんが……そう...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー5
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳バックナンバー5 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 2009-08-01〜2009-08-31の分(別ページ) -2009-09-01〜2009-09-30の分 2009-09-01〜2009-09-31の分(別ページ) -2009-10-01〜2009-10-15の分 恐らく最速(28日)で、閲覧回数ベスト100に「親父さんと谷口くん4」が上がってきました。世評(?)の高かった夏の自転車です...
  • 涼宮ハルヒの創作
    キョン 気のせいか、妙に本格的だな。 ハルヒ じゃあ、いくわよ。古泉君、スモークと照明お願い。 古泉 おまかせください、閣下。 ハルヒ さあ、よみがえれ、アイアン・ライター! キョン って長門かよ! 長門 調査結果を報告する。許可を。 キョン あ、ああ。やっちまえ。 長門 現在、日本国で流通するうち、発行部数が上位32000作品のあらすじについて分析を行い、よく読まれる物語に要求される傾向を抽出した。 キョン おう。すごいな。 長門 ストーリーに求められる得性の共通因子を、25文字以内の現代日本語で述べると次の通りとなる。すなわち「予想を裏切りつつも、期待を満たすストーリー」。 キョン なんだって?もう一度、言ってくれ。 長門 予想を裏切りつつも、期待を満たすストーリー。 キョン わかるような気もするが、もう少し長くていいから、説明してくれ...
  • オヤジラジオ その4
    オヤジラジオ その3から ハルヒ それ、どういうこと? じゃあ、発信機を探しだせても、何にもならないの? キョン そういうことだ。 ハルヒ ちょっと、キョン、どうすんのよ!? キョン ハルヒ、落ち着け。 ハルヒ って、あんたは何でそんなに落ち着いてんのよ!? キョン ハルヒ、これって、いろいろ周囲を巻きこんで多少傍迷惑ではあるが、要するに、お前と親父さんの親子ゲンカだろ。 ハルヒ う、うぐ。た、確かに、そう言えなくもないけど。 キョン だから、だ。俺たちが背負ってるのは世界の破滅でも、誰かの不幸でもない。相手は超常現象でも不条理でもない。いくらか常軌を逸しているが、親父さんの悪知恵と悪戯心に勝てばいいんだろ。 ハルヒ ぶっちゃけ、そうよ!  キョン だったらな、ハルヒ、おれたちは多分、答えの鍵をすでに手にしてると思うぞ。 ハルヒ どういうこと? キョン それも、後でなんで気付かなか...
  • ロール・プレイング その9
    ロール・プレイング その8から 西の国の王女 西の塔に出した軍から、飛竜が戻りました。 ??? 連絡用に連れていった奴ね。それで? 西の国の王女 司令官からの書簡が届きました。「外の力を持つたった一人の男が、我が軍勢を圧し帰した」とあります。……あなたの言うとおりになりましたね。 ??? やる気が、傍目にはものすごく分かりにくいけど、やる時はやる奴だって言ったでしょ。さあ、今度はあんたの番よ! 西の国の王女 約束したことは守ります。……でも、私に本当にできるのでしょうか? ??? できるできないじゃなくて、や・る・の! ここまで来たら、腹を決めるしかないわ。 西の国の王女 ……ここまでやってきたことも、あなたが来なければ、どれもできないことでした。 ??? そうね。あんたには不可能に思えた。でも、あんたはそれをやったのよ。 西の国の王女 ……。 ??? あんたが思いを固めてやり抜...
  • オヤジラジオ その1
    (ある日の涼宮家) ハルヒ ミニFM局?だれがすんのよ、そんなもの? オヤジ おれがDJ、そのほかのめんどいことはすべて長門のサポートだ。 ハルヒ こら、前途ある女子高生を悪の道に誘いこむんじゃない! だいたい、あんた、娘の友人を呼び捨てにするって、えらく不評なんだからね。 オヤジ 言いたい奴には言わせておけ。「ちゃん付け」「さん付け」が入り用なら、のび太のオヤジでも連れて来い。それとも何か? いまさら「キョン君」なんて呼んで欲しいのか? ハルヒ うぐ、き、キョンは別腹よ。 オヤジ 食うのか? ハルヒ 食わない! オヤジ ああ、もう食ったのか。 ハルヒ 話が進まないでしょ! オヤジ 悪の道うんぬんは濡れ衣だ。そもそも今回の話は長門からだ。ほれ、これが企画書。 ハルヒ あいかわらず印刷したみたいな明朝体ね。有希の字だわ。 オヤジ 昔作った鉱石ラジオの話をしたらな、興味が湧いたそうだ。...
  • オヤジ野球2
    オヤジ野球から キョン 親父さんの方のチームって、…… オヤジ うむ。見事におやじだらけだ。映画の影響もあって、ハルキョン・ファンが増えた。 (親父チーム選手) ながとー、メガネかけてくれー。 キョン あれも映画の影響ですか。 オヤジ あいつらから見ると、さしずめ、おまえらはドリーム・チームに見えてるんだろうな。どうだ、西宮市のために一肌ぬいだら? ハルヒ 願い下げよ!! オヤジ ほとんどの奴の意識は、終わった後の合同打ち上げに行っちまってる。あ、ちなみに負けたチームの払いだぞ。 キョン どこが練習試合ですか!? ハルヒ みんな、エロい親父たちをギッタンギッタンにして、いいお肉食べるわよ!!みくるちゃん、今日はサービスショットはいらないから、秘めたる実力を発揮しなさい! キョン ハルヒ、中の人というのは、本当は「中」にいるんじゃなくて、別の次元にいるんだ。 キョンの妹 はるにゃー...
  • その次の日
     ハルヒの力が無くなったという知らせを、あの3人が三様に告げに来た日の翌朝。  夢にしがみつくように頑固に眠っていたおれを起こしたのは、いつもの妹のボディ・プレスだった。  いつも通りの、いつもの朝。  違っていたのは、それに続くセリフがなくて、妹がそのままベッドの脇に立ち尽していたことだった。 「……」 「ん、どうした?」 「あ、うん、古泉君が来てるよ。……キョン君を呼んで欲しいって」 「そうか……」  用件は分かってる。 「キョン君!」 「ん?」 「あ……な、なんでもない。ごめんなさい」  おれはぽんぽんと、手のひらで妹の頭を軽く叩いた。 「ちょっと、出掛けて来る。昼飯には帰るから」 「うん。……いってらっしゃい」  そうとも、用件なら分かってる。  「悪い。待たせたな」 「いえ、こちらこそ早朝に押しかけて申し訳ありません。あまり……」 ...
  • オヤジサンタ
     コンコンと部屋の窓ガラスを叩く音がして、何か赤いものが外を横切った。 「よお、キョン。今日は冷えるな。しかし、あまり時間がない。急いでくれ」 「親父さん、これはいったい?」 「見て分からんか? サンタだ」 「いや、それは、わかるんですが」 「おれもこの歳でやるとは思わなかった。老後の楽しみに取っておこうと思ってたんだが、この御時世に人手不足らしい。誰か首相に教えてやれ」 「おれも行くんですか?」 「そうだ。オチも考えてあるから心配するな。一通り配り終えたら、おまえさんにストッキングをかぶせて、バカ娘の部屋に窓から放り込む。悪く思わんでくれ」  自分の「行く末」の方は無視して、おれは今聞いておかないと、この先きっと質問する機会が永遠に失われるであろう事項について尋ねた。 「このトナカイとそり、宙に浮いてるように見えるんですが?」 「だからサンタだ。原理はいまいち分からん...
  • ハルヒ番長
    ハルヒ わがSOS団も、本日より番長制を導入するわ。 キョン なんだ、番長制ってのは? ハルヒ そして東京23区計画に打って出るわ! キョン クロス慣れしてないのは分かるが、向こうの話はもっと先に進んじまっているぞ。 ハルヒ というわけでキョン、あんたは「おつかれ番長」ね。 キョン おまえなりに、ねぎらってくれてるのかもしれんが、全然うれしくない! ハルヒ で、古泉君は「きくばり番長」にしようかと思ったけれど、それじゃあんまり面白くないから、期待通り「腹黒番長」よ。 キョン だから、誰の期待だよ? ハルヒ そして、みくるちゃん、あなたは「巨乳番長」よ。いまさら言うまでもないけれど。 キョン こっちも今更だがな、会社でそれを言ったら、ど真ん中ストレートのセクハラだぞ! ハルヒ 最後は有希ね、悩んだけど「微乳番長」で行きましょう。 キョン もっと長...
  • 輪になってマッサージ
     今、SOS団の面々は、円陣をつくっている。  といっても9回裏の最後の攻撃の前に気合を入れ直そうとする高校球児のそれではなく、大人数家族の背中の流しっこに、あるいは毛ずくろいするニホンザルのそれに似ていた。  すなわちとなりの者の肩を揉むべく、横を向いて座っているのだが、それがぐるりと一周して輪となっている訳だ。  まずおれの前に古泉。  古泉のまえに何故か朝比奈さん。  朝比奈さんはおっかなびっくり長門の肩をなでたり、かるくぺしりと叩いたり、自分の行為におののいたりしており、長門は黙々とハルヒの肩を揉んでいる。 「有希、うまいわねえ。もっとも有希の苦手なことを探す方が大変そうだけど」  ハルヒの発言内容には、おれも全面的に同意しよう。  しかし、ハルヒ、おまえ揉まれるままになって、手がお留守になってるぞ。  おまえ自ら決めた配置で、おまえはおれの肩を...
  • SOS団がカラオケへ行く
     いと気高きSOS団団長が、自ら団員の「福利厚生」に頭をしぼって考えつかれたのが、本日のSOS団主催第一回超慰安カラオケ大会だ。 「組織のパフォーマンスには、何よりメンバーのモチベーションが大事だしね! この機会に、団長自らが各団員とデュエットして、士気を鼓舞するのよ!」  団長自らが、って、この女ノリノリである。 1.みくる&団長  「恋のバカンス」—ハモリとと踊り  萌え効果倍増、朝比奈さんが調子はずれでなく歌い切る、ハモる。二人の踊りも完璧。練習したんじゃないか、と思うぐらい。歌い終えて、ハイタッチで喜びあう二人。こんなに息があっているのをみるのははじめて。いつもは一方的に朝比奈さんがいじられているのだが。練習したのかと尋ねると息を切らせながらも、答えない。反則な笑顔でまたハモる。「禁則事項です♪」 2.長門&団長  「God knows」ーいつかの再現、長...
  • オヤジ野球4
    オヤジ野球3から オヤジ お、次の打者はキョンか? いきなり魔球でいくぞ。 キョン いや、まだ1回の2番打者だし、お願いですから、もう少し温存してください。 オヤジ じゃあ、すごく速くて痛い親父ストレートと、すごく曲がって痛い親父シンカーとじゃ、どっちがいい? キョン ……選べるのは、球種だけなんですね。 ハルヒ ちょっと、親父! ぶつけでもしたら、ただじゃおかないからね!! オヤジ ほう、どうするつもりだ? ハルヒ 野球以外で勝負を決するに決まってるでしょ! オヤジ おもしろい。受けて立つぞ。 キョン あー、ハルヒ、落ちつけ。多分、ボールに当たることはないから。親父さん、試合を続けましょう。 オヤジ お、おう。 ハルヒ あ、あんたがそこまで言うなら。 古泉 両者引きましたが、今ので親父チームは、また盛り上がってますね。 みくる な、長門さん、そのメガネは? 長門 ……自己主張。...
  • オヤジ野球5
    オヤジ野球4から  ここで打順と守備位置を確認しておこう。  1番、ピッチャー、ハルヒ。  2番、キャッチャー、おれ。  3番、ファースト、古泉。  4番、セカンド、長門。  5番、サード、鶴屋さん。  6番、ショート、朝比奈さん。  7番、レフト、谷口。  8番、センター、国木田。  9番、ライト、妹。  はっきり言って、今回のは、打席順がそのまま守備位置の対応するのだが、ハルヒ曰く、 「みくるちゃんに守備は期待してないわ。大丈夫、いかに鬼畜なオヤジたちでも、みくるちゃんにボールをぶつけたりはしないはずよ。三遊間には、見えない萌えバリアーが築かれたのも同然ね。サードには、「ハルヒちゃん」スペックの鶴屋さんがいるし、運動能力と予測力には折り紙付きの有希がセカンドに入るわ。という訳で、有希、わるいけどショートからライトまでのエリアはあんたに任せるか...
  • できちゃった その3
    できちゃった その2から  母子手帳がいつからもらえるか、ご存知だろうか。  正解は「妊娠がわかったら」すぐにでももらえる、である。 「そんなことも知らないで、父親になろうなんて、うかつすぎるわよ、バカキョン!」  うかつなことは認めるが、そういう「うっかり」ではないような気がするぞ、ハルヒ。 「どういうことよ?」  だいたい、母子手帳が妊娠がわかったらすぐにもらえる、なんてことを知ってる高校生なんていないと思うぞ。ハルヒ、お前は知ってたのか? 「あたりまえでしょ!」  うぐ。 「子供ができたらどうなるか、どんな準備をして何をしなきゃならないのか、知らないのはまだしも、知らないでも良いと思ってるのは許し難いわね。だったら、ちゃんと避妊しなさい!」  いや、それは、あれだろ、おまえが「生」の方が良いって言って……。 「あたしは知ってるからいいのよ」  ぐう。...
  • ハルキョン家を探す その5
     「あ、母さん。うん、合格したわ! もちろん、キョンも一緒よ! じゃあ、これからキョンと不動産屋さんに行くから。うん、帰りにまた電話する。じゃ」  「あ、俺だ。なんだ、おまえか。母さんは? 買い物か。ああ、受かったぞ。ハルヒも一緒だ。帰って来たら、そう伝えてといてくれ。帰りに不動産屋に寄ってくから。ああ、ありがとよ。じゃな」  ほとんど同時に携帯電話をしまうと、俺たちは顔を見合わせた。 「キョン、電話は済んだの?」 「ああ。出たのは妹だったが」 「妹ちゃんなら代わってくれたらよかったのに」 「どうせ今晩、会えるさ」 「そうね。不動産屋が終わったら両方の家に報告アンド挨拶に行くわよ!」 「はあ。ダブル晩餐になりそうだな」 「なによ、うれしくないの?」 「もちろんうれしいが、……正直、実感が沸かん」 「じゃあ、その実感ってやつを沸かせてあげるわ(にじり)」 ...
  • 新落語シリーズ「松山鏡」
     越後の国は松山(まつのやま)村に、キョンという、へんな名前の、まことに素朴で孝行者がおったそうでございます。  さて、その評判が領主にも聞こえ、褒美を与えようという話になりました。  「松山村のキョン、ならびに村役人一同、ばっちり付き添ってるねっ!」 領主役はいうまでもなく鶴屋さんでありまして。 「ははあ、一同、付き添いましてございます」 「キョン、面(おもて)をちょいと、上げてくれないかなー」 「はい」 「なるほど、なるほど。キョン、って顔してるねえ。なんでも、めがっさ親孝行なんだってねえ?」 「いえ、両親とも、十分な孝行をしないうちに、亡くなりました。何分、貧乏暮らし故、うまい酒を飲ませたことを、うまい魚を食べさせたこともありません」 「ふーん、随分早いうちに親を亡くしたんだねえ。で、それ以来、墓参りを欠かせたことがないって言うじゃないかぁ! まったく領...
  • 手錠
     今、ハルヒと俺は、断ち切り難い一本の鎖でつながっている。  言っとくが、ロマンティックな妄想の余地は微塵もないぞ。ハルヒと俺を結びつけているのは、冷たい金属の色をした、手錠だ。  といっても、俺たちは、一時休戦して逃亡中のルパンと銭形のとっつあんでも、なつかしい脱獄コントを練習中の若手コメディアンでも、ない。  どうして、こんなことになったかって? かいつまんで言えば、ハルヒにとっては暴走的悪ふざけによる自業自得、俺にとっては悲しいほど定番になった巻き込まれ的不慮の事故、要するに「いつものこと」なんだが、詳しくは時間を少し巻き戻して語ろう。  放課後、部室の前までくると、聞くものを身悶えさせえるような愛らしくもかわいらしい悲鳴と、活字におこすと「ぐひひひ」とどこのスケベ親父だと思えるようなサディスティック・ボイスが、耳に飛び込んで来た。時々こいつは女子高生の皮をかぶった中年...
  • ともコレ
     「みくるちゃん、お茶」 「はーい」 「みくるちゃん、あなた『ともコレ』って知ってる?」 「と、も、こ、れ、ですか?」 「そう『ともコレ』。某携帯ゲーム機でやるゲームなんだけどね」 「はあ」 「近所の小学生が、あ、みくるちゃんも知ってる、あの子よ、あのメガネの。その子がね、やってるのを見せてくれたの」 「どういうゲームなんですか?」 「『ともだちコレクション』、略して『ともコレ』ね。あたしが見たところ、とっても危険なゲームよ。今に殺人事件が起きるわね」 「ふええ。そ、そんなに怖いゲームなんですか?」 「別にホラー系って訳じゃないけどね。まあ、名前通り、友達をゲームの中につくるのよ。最初に姿カタチだけでなく、声や性格的なものまで入力するわけ。細かく設定するから、大抵は本当の友達とか、周囲の知ってる人になることが多いわね。そうやって、ゲームの中に、キャラクターが増えていくと...
  • 逆チョコ
    キョン おい、ハルヒ。 ハルヒ なによ? キョン ほら。 ハルヒ なに、これ? キョン ……いわゆる、逆チョコってやつだ。 ハルヒ は? キョン いらないなら返せ。 ハルヒ 嫌! 泣いたって返さないわよ! キョン そうか。 ハルヒ ……開けてもいい? キョン ああ。それはおまえのもんだ。好きにすればいい。 ハルヒ チョコの他に何か入ってるわ。カードみたいだけど(って、まさか)。 キョン ……。 ハルヒ 肩たたき券!? あんたは、どこの磯野よ!? キョン すまんな。そんなベタものしか思いつかなくて。 ハルヒ ……じゃあ、今、肩もんで。でも、これは団長命令よ。だから、この券は使わないわ。 キョン ハルヒ? ハルヒ だいたいあんたは雑用係なんだから、いちいち言わなくても気をきかせて肩ぐらい揉みなさい!とにかく、この券は使わない...
  • @wiki全体から「技術の長門」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

記事メニュー
目安箱バナー