ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「雪洞の親父」で検索した結果

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  • 雪洞の親父
     「あ、キョンか? 親父だ。しくじっちまった。ああ、俺の方はピンピンしてるが、バカが一人、足首をひねってな。おれの見立てじゃ骨まではいってない。今夜は腫れるだろうが、周りは雪だらけで冷やすものには事欠かん。今か? スキー板ででっかい雪胴を掘った。その中にいる。雪は断熱性も遮音性も抜群だからな、中は静かなもんだ。天井もちゃんと滑らかにしたし、壁の下には溝を掘ったから、溶けた雪が垂れて来て悩まされる心配もない。で、用件だ。ついさっき、母さんの携帯にGPSのデータを送った。だが、おれのカンだと、2、3日、低気圧が居座りそうだ。となると、母さんの能力は半減だ。すまんがサポートしてやってくれ。バカと話すか?」 「早く貸しなさい! ……キョン? 親父が大げさなこと言ってたけど、あたしは全然平気だから、あんたはつまんない心配はしないように。この通り、ピンピンしてるわ。この歳で親父とビバークするとは思わ...
  • しもやけ
    雪洞の親父から  「あんた、その手」 「ん? ああ、しもやけだ。たいしたことない」 「あんたねえ、手と足の指はよーくマッサージしなさいって言ったでしょ!吹雪の中にいるより雪胴の方がずっとましだけど、温度は冷蔵庫以下なのよ! 凍傷にでもなったらどうすんのよ!? 指切り落とす気?」 「凍傷としもやけ(凍瘡)は違う。おまえの方は大丈夫みたいだな」 「ええい、気やすく触るな!」 「あ、すまん。冷たかったか? 小さい頃から血行が悪くてな。だから、しもやけもなれっこだ」 「んなもん、なれるな! あとでビタミンE入りの軟膏あげるから、よおく塗っときなさい! ったく、体はヒヨコみたいにホカホカのくせに、手先だけ冷たいし。血の巡りが悪いんじゃないの?」 「わるかったな。おまえみたいに血の気が多くないんだよ」 「ちょっと、手かしなさい!」 「いてて。もむのはいいが、妙に痛いぞ」 ...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...走の親父 通り魔2 雪洞の親父 しもやけ オヤジ野球 ホワイトデー ちかんにあった 朝食の情景 親父の臨終 ハルヒと親父シリーズ以外:主としてハルキョンもの +異年齢シリーズ 異年齢シリーズ ハルヒ>キョン   ハルヒ先輩 ハルヒ先輩2 ハルヒ先輩3 ハルヒ先輩4   ハルヒ先輩5 ハルヒ先輩6 ハルヒ先輩7 ハルヒ先輩8 ハルヒ<キョン   保健室へ行こう 保健室へ行こう2 保健室へ行こう3 保健室へ行こう4   保健室へ行こう5 保健室へ行こう6 +「二人は暮らし始めました」シリーズ 二人は暮らし始めました   1日目  2日目  3日目  4日目  5日目  6日目  7日目   8日目  9日目  10日目 二人は暮らし始めましたー外伝   ハルキョン温泉旅行 その1  その2  その3  その4(最終回)   二人はひきこ...
  • 師走の親父
     「お父さんが今度の仕事で点数稼いだから、多少の無理はきくそうよ」 とハルヒのお母さんは言った。  以下は、後で親父さんに聞いた話である。  「んー、仕事か? いつものモメゴト・シューティングだ。町村合併でな、もともと仲が悪かった町がひとつになった。片方は古くからの温泉を中心にした町で、向こう側にあるスキー場が生業の町だ。水と油ならぬ、湯と雪の間柄って訳だ。元々地熱のせいで、ここのスキー場は雪解けが早くて営業できる期間がよそより短い。そういうところに人間様が後からやってきた訳だが、自然に怒りをぶつけてもしょうがないから、地熱憎けりゃ温泉旅館まで憎い、ってことらしくてな」  「涼宮さん、すぐオヤジが参りやす。しばらく遊んでってくだせえ」 「なるほど。おれは、うまい飯といい女に目がないんだが、よく分かったな」 「へへへ、それは男なら誰でも同じでしょう」 「そう...
  • High Moon:真夜中の親父
     「ただいま」 「お父さん、お帰りなさい」 「……」 「ん?ハルヒ、闘(や)ったのか?」 「中学生3人と。クラスメイトが脅されて、お金取られそうだったんだって」 「バカな連中だ。小学生、おどしても、いくらもならんだろ。襲うなら大人を襲え」 「……」 「それも少し違うと思うけど」 「……負けた顔じゃないな。まあ、負ける訳はないか。だが、こいつ、怒りを押し殺してるって顔してるぞ」 「そうなの。でも、何にも教えてくれなくて」 「母さんにも話さんとは珍しい。……どれ、その怒り、おれが買ってやろう」 「!さわるな!」 「なるほど。……男を殺したくなるようなものを見たか。クラスメイトが取られそうだったのは、どうやら金だけじゃないらしいぞ。母さんに言いたくない訳だ」 「……」 「ハルヒが帰ってきたのはいつだ?」 「午後6時ごろかしら」 「この季節じゃもう暗い時間だ。……こ...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その3
    親父が来る その2から   ……この親父、家族愛に訴えてまで、娘を怖がらせようとしている。しかし怖がらせたところで、この親父に何の見返りがあるというのか。ある意味なけなしの父娘の絆をまた損なうだけじゃないのか。  それにしても、こいつもまたダブル・バインドだ。まともに受け取れば冗談にして茶化すことができるし、相手にしなければ親の死に冷淡な態度を非難できる。いずれを選んでも、向こうに負ける余地はない。  おれはハルヒの反応を見ようと後ろを振り返った。 「ふう。で、その不幸の手紙は何人に出せばいいの?」 おい、ハルヒ。いきなり《肝心なことは聞いてない》攻撃か? 「バカ娘、そうじゃない。死を回避する方法はないんだ」 そうだ、そういう設定だろ。 「人間いつかは死ぬわよ!」 一般論!! 「だからいつ死んでもいいように、今日の今この時を一生懸命生きるの! キョン、あたし何か...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その4
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3から  飛行機は快調に空を飛び、涼宮ハルヒは俺の二の腕に盛大に頭をぶつけて眠っている。 「おい、ハルヒ。起きろ、飯だ、機内食だぞ」 「ん……あ?」 「どっちにしろ寝ちまうんだな」 「"What would you like, beef or fish? 」 「ああ、うん。……キョン、あんた、魚とお肉、どっちがいい?」 「ああ、肉にするか」 「Can I have the fish meal ? He says he d like to have the beef.(わたしは魚料理をちょうだい、彼は肉料理を食べたいそうよ)」 「いまさら驚かんが、英語もできるのか?」 「親父の持論だと、ハロー、プリーズ、サンキュの3つとクレジット・カードがあれば、どこへ行ってもなんとかなるらしいけどね」  ハルヒがト...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その4)?
    ハルヒと親父3 — 家族旅行プラス1の場合  最初に浮かんだのは、 「よお、ベルちゃん久しぶり」 「何度も言うが、おれは鈴宮じゃなくて涼宮だ」 という耳で聞いたら全然分からないやり取りです。これは会うたびに繰り返されている軽口なんでしょう。これだけで「親父と怪しい仲間たち」の短くない、冗談みたいな本気みたいな付き合いが、親父書きの頭に、ぱあと広がりました。  この無意味にハードボイルドっぽい(とそのときは思った)設定を生かすには、逃げる者と追う者の追っかけサスペンスだ、ということで、親父にキョンが拉致られてハルヒに追っかけられる話を思いつきました。「スピンアウトもの」とした話です。  ただこれは挫折しました。はじめとおわりはすぐ決まったのですが、サスペンスは、中盤の持続というか、どう話を進ませず読み手を引っ張るかがキモでそこのところがうまく書けませんでした。...
  • ハルヒと親父1
    「なによ。ずいぶんとご機嫌ね?」  カーペットに寝転んでTVを見てるのは親父。いい大人が日曜の朝からアニメ見ておもしろい? 「そうとも。気分がいい。だが、お前には負けそうだ」 「どういう意味かしら?」 「年頃の娘の幸せそうな姿を見るのは親冥利に尽きるが,男親としては寂しさに悲しさが添加されるようだ」 「な・に・が・言いたいのかしら?」 「ハル、お父さんと遊んでいいの? 思ったより時間過ぎてるわよ」  と助け舟を出したのは母さん。どっちにとっての助け舟かしらね。 「ええ、うそ。やばい。じゃ、行ってくるね」 「まて娘。行きがけの駄賃だ」  そういってバカ親父が何か放ってくる。と、と、と、キャッチ。え、あたしの携帯? 夕べ、居間でテレビみながらメールして、そのままだったんだ。 「心配するな。何も見てない。それから充電なら、しといた」  何も聞いてないでしょ! ……見てたら...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その8
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7から  シャワーの音が止まった。  少し経って浴室のドアがゆっくりと開く。  俺はベッドの端に、そっちには背を向けて座っていた。 「スケベなこと考えてる顔ね」 「そんなことはない」 「だとしたら失礼な話よね」 こっちに近づいてきた奴が、後ろから俺の首に両手を回してくる。 「だいたい、うしろからじゃ見えないはずだろ」 「あんた、背中までポーカーフェイスのつもり?」 「ただの仏頂面だ」 「ホテルの最上階。二人っきり。邪魔が入る恐れなし。タオル一枚の美女が背中に体重をかけてくる。これで何が不足か、聞こうじゃないの?」  俺はゆっくりと口を開いた。 「子供の名前を考えてた」 「うっ。……なかなかやるわね」 「うそだ。最悪のタイミングで、ムードぶち壊しのことを言うことになるかもしれんが、この旅行ももうすぐ終わりだ。だから率...
  • はじめての方へ:ハルヒと親父 @ wikiのご紹介
     このwikiもどきは、ハルヒスレSSまとめwikiに掲載された『涼宮ハルヒ』シリーズの二次創作物(SS)である、「ハルヒと親父」(オリキャラ全開)シリーズとその周辺的二次創作の物置です。  あまりにも二次創作の域を逸脱してしまってスレに投下し損なったもの、言い訳、後悔、ツール、その他企画物を含みます。  このwikiでのSSは、涼宮家を中心とした日常系おはなしです。  超常的な出来事はほとんど起こりません。SOS団の面々も(すみません)あまり活躍も登場もしません。あしからず。  なお、当サイトはリンクフリーです。「リンクしましたよ」と、お知らせいただくと、こちらからもリンクさせていただきたいと思います。 written by 親父書き 主な登場人物 涼宮ハルヒタイトル・ロールです。原作ではほとんど無敵の彼女ですが、彼女を生み育てた父母はそれに輪を...
  • 親父さんと谷口くん
    「すまん、人の名前が覚えられない質でな。誰だっけ?」 「あの、谷口です。涼宮さんと中学から同じクラスの」 「あー、5分で振られた恋愛スプリンターの。娘がとんだ失礼を。あの顔であの性格だし、ろくな死に方しねえな、と常々思ってるんだ」 「いや、でも、いまラブラブで幸せ一杯に見えるんですが」 「キョンって、パッとしないように見えて偉大なんだな」 「いや、それはいいんですが。実はご相談があって参りました」 「なんだ、そうと早く言ってくれれば。俺は、若い奴の相談事が三度の飯より好きなんだ。経験談にはろくなネタがないけどな」 「ほっ。人に頼るなんて、と叱られるかもドキドキしてました」 「実際は自立した人間ほど、たくさんの人間に依存してるんだ。依存っぽい奴は、依存する相手が一人とか、家族だけとか、限られてるから問題を起こす。で、相談ってのは?」 「はい、俺は常々ナンパ道を極めようと日々...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その2から  そんなこんなで、出発当日。  ハルヒから電話をもらった俺は、パッケージング・バイ・ハルヒのトランクを、俺の部屋から玄関へと運び、その到着を待っていた。  ほぼ予定時刻に、すでに涼宮家を満載したライト・バン型タクシー(?)が、うちの家の前に到着した。 「いわゆる空港行きの乗り合いタクシーだ。予約している飛行機の便を連絡しとくと、タクシー会社が調整して、ドア・トゥ・ドアで送迎してくれる。今日は、おれたちだけみたいだが」  とハルヒの親父さんが、運転手に代わってそのシステムを説明してくれる。 「それじゃあ、行ってくるから」  と家族に、特に妹に、言い聞かせるように旅立ちの挨拶をする。 「ご迷惑かけないようにね。涼宮さん、お世話になります」 「こちらこそ。無理を言ってすみません」 「いえいえ、うちの馬鹿息子は、本当にハルヒ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その10)?
    その男、文系につき 口上に、ハルヒスレSSまとめwikiに収録の、 「涼宮ハルヒのリラックス」「涼宮ハルヒの結合」、「涼宮ハルヒの電磁波」みたいに、医学論文を縦横無尽に引用してエッチを語るハルヒに萌えなのだが、これに対して、無駄な文系知識を開陳してドツボにはまって殴られるキョンの姿を受信した。 などと書いてあるのだけれど(笑)、991@Haruphilic SSさんがブログでご指摘のとおり、キョンの雑学/ムダ知識って、本や辞書の中にエロい言葉を見つけると赤鉛筆で線を引く(笑)ことによって培われた感じがしますね。 ちなみに、「四つ目屋のネット・ショップ」は実在します。リンクを貼っても、しょうがない気がするけれど。「落語の舞台を歩く」という内容充実サイトにも「落語四つ目屋の舞台を歩く」に登場(あ、艶笑落語につき18歳未満は閲覧禁止とある)。このサイトは(そういう意味で...
  • オヤジ野球8
    オヤジ野球7から  5回裏、親父チームの攻撃。  1球目、おれはハルヒにナックルのサインを出した。  親父さんはどんなズルを使ったかわからんが、ナックルは本来、ボールの握り方、放し方も特殊なら、投げるフォームも(普通は)異なる。  つまり、投球フォームを見ていれば、打者は投げ込まれる球種がナックルであることを事前に察知できる。  それでも、どう変化するか(投げた者にも)わからず、打ちづらいのが特徴だ。  ハルヒはこの試合、今まで力押しのストレートしか投げてない。  だからこそ、親父チームの面々には、驚いてもらわないとな。  性格からは、実の親父さんにすら予想できないハルヒの変わりっぷりにだ、 「ボール!」  ナックルはボール1個分、ストライク・ゾーンの下を通った。  しかし、ハルヒの投げた球は、揺れに揺れ、打者の手前で驚くほど...
  • 留守番(二人は暮らし始めました)
     「……ハルヒ?」  手が隣が居る誰かを探していた。  気が付いて、目が覚める。 「そうか。あいつ、帰ってたっけ」  あの親父さんがインフルエンザだとかで、「タダでさえ体の弱い母さんにうつしたら大変」だからと、親父さんは一室に隔離され、食事を出したり着替えを出し入れしたりをハルヒがやることになった。 「おまえにうつったら意味ないだろ?」 「あたしはそんなマヌケじゃないわ。親父のタミフルひったくって先に飲んでおくから。親父? タミフルなんかに頼らず気合で治させるわ。この暮れの忙しいときに呼び付けるんだから、それぐらい当然よ。それにタミフルの服用は、症状は劇的に改善するけど、治癒についていえば平均で1日だけ治りが早くなるくらいの効果しかないの」  あわれ、親父さん……。  あいつと暮らし始めて、8ヶ月。  のべつまくなし、ほとんどあらゆる時間を一緒に居...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その1
     夕食後のコーヒーを楽しみながら、いつものように、どうでもいいことを話していると、ハルヒがふと、思い出した、といった顔をしてみせた。 「そういえば、こないだは花火見にでかけちゃて、あんたの怪談を聞かずじまいだったわね」 「別におれの方は、聞かせたくなるような怖い話はないぞ。だいたいおまえを怖がらすメリットがない」  むしろデメリットの方が激しくあるんじゃないだろうか。怖がっておれに抱きついてくるタイプじゃないし(ああ、そんなゆるいツンデレなら、世界は幾度も危機に陥ったりせん)、むしろパニックに陥って手当たり次第(おれを含めた)周囲のものに攻撃をし出すことの方を危惧するぞ。 「このあたしを震えあがらせるようなやつを希望するわ」 「だからおれの話を聞けって!」 「団長に二言なし!どっからでもかかってらっしゃい!」 「聞く耳なしだろ!……やれやれ。その言葉、後悔するなよ」 ...
  • 家族旅行で見る夢は
     充電中の携帯が、けたたましい音を立てた。おいおい、まだ7時半だぞ。待ち合わせは10時のはずだろ。どうしたんだ、ハルヒ? 「キョン? 今そっちに親父が行ったから、早く逃げなさい! いいから、とにかく逃げて! あーもう、今からあたしもそっちに行くから!」  何あせってんだ、ハルヒの奴? そういや今、下で『あらあら、ハルヒちゃんのお父さん』っておふくろの声がしたが。誰か階段を上がってくる。って、ハルヒの親父さん、もとい、お父さん? 「ハロー、キョン君。いい朝だ。俺のことは涼宮親父と呼んでくれ」 それ、ものすごく呼びにくいです。 「パパでもいいぞ」 勘弁してください。 「いま電話があったみたいだが、ハルヒがこっちへ向かってるんだ。急いで出るぞ。逃げるんだよ、地の果てまでも。ちなみに君は人質だ。あ、ご両親には今話をしておいたから」 ほとんど数分もかかってないぞ。それと『話しておいた...
  • 親父さんと谷口くんエピローグ
    親父さんと谷口くん5から オヤジ 母さん、ちょっと頼みがあるんだが。 ハル母 なんですか、お父さん。 オヤジ 今から、谷口ってのが戦勝報告にくるらしい。まえにハルキョンも連れて、初デートを覗きにいった奴がいたろ? もう3ヶ月経つが、うまくいってるんでお礼方々伺いたいんだと。 ハル母 礼儀正しい方ですね。ハルヒと中学から同級の人でしたね。 オヤジ うーん。やっぱりうちのバカ娘は育て方を間違えたか? ハル母 あれでも、外ではちゃんとしてるみたいですよ。 オヤジ 粗暴なのは親父限定か。あ、それでな。男女別々に話を聞こうと思うんだが。 ハル母 そうなの? じゃあ、彼女さんにはお茶の用意を手伝ってもらいます。 オヤジ 頼む。親父の道楽に付き合わせてすまんな。 ハル母 ふふ、何をいまさら。それに楽しいことじゃないと私も付き合わないわ。 谷口 おじゃまします! 彼女 あの、失礼しま...
  • キスキス
    小さいハルヒ ねえ、親父は母さんにキスするの? 親 父  する。だが、見せんぞ。 小ハルヒ なんで? ケチ。ケチ親父。 親 父  人に見せるようなもんじゃないからだ。 小ハルヒ なんで? 親父、ヘタなの? 親 父  おまえはトイレに入ってるところを人に見せるのか? それと同じだ。 小ハルヒ 親父、下品。 親 父  鼻をつまむな。つまむなら自分のにしろ。 小ハルヒ いいじゃない。減るもんじゃないんだから! 親 父  おまえ、それはエロ親父のセリフだぞ。 小ハルヒ えー。あたしエロくないよ。 親 父  いや、エロい。エロエロだ。 小ハルヒ 子供にエロいって言う大人のほうがエロいわよ! 親 父  それはそうだ。 小ハルヒ やーい、エロ親父。 親 父  おまえはそのエロ親父の娘だぞ。 小ハルヒ うっ。 親 父  だいたい、なんで...
  • 親父語録保管庫
     本シリーズの親父さんは、ほっといてもどんどん喋ってくれる、作者にとっては、こんなに楽なキャラクターもないのですが、いかんせんその発言の廃棄率は高いです。  使えないもの、ストーリーには要らないのでカットされるもの、使いたくないもの、と様々ですが、  「もったいないもの」をトップページに表示して、あとはこの「保管庫」に保管していこうかと、思います。 「人生の98%はゴミみたいなもんだ。だが最悪なのはそこじゃない。残りの2%があることに気付かないまま、そして、あきらめたまま死んでいく。これこそ最悪だ。 おい、目を覚ませ。立って支度しろ。人生の2%がはじまるぞ。 」 (2010.04.01) 「もうすぐ時計を飲み込んだワニの野郎がやって来て、聞きたくもないことを告げに来る。お互いネバーランドで暮らすには手足が伸び過ぎた。----大人になる時間だ、ってな」 (2010.03...
  • スポンサーから一言 その2
    スポンサーから一言 その1から  「キョン君、知ってるだろうけど、このオヤジは怪しげな事なら、およそできないことがない。口寄せ、スプーン曲げ、催眠術……」 「バカとモノは使いようだが、人にいうことを聞かせたいなら、おどしの方がよほど効果的で手間いらずだ。だから脅迫は刑法犯だし、催眠の方は法的取締りがない。イギリスとアメリカの一部の州じゃ、催眠術に反感を持ってた医者達の陰謀でできたHypnotism Actっていうステージ催眠の取り締まり法があるがな。酒が飲める店で見せ物催眠術はやるな、ってくだらない法律だ。世の無知・無理解は笑えるがフィクションもひどいもんだ。刑事コロンボで、医者が催眠で患者を自殺させるリモート殺人なんて話があったが、ピーター・フォークのまぬけ面が、単なるアホ面に見えて、いい加減萎えたぞ。エロ漫画でも催眠を認めると、『はじめの一歩』でカメハメ波を認めるみたいなも...
  • 親父の臨終
    母  お父さん、あと何か言いたいことはありますか? 親父 プロポーズのこと覚えてるか? 母  ええ、もちろん。 親父 俺と同じくらい長生きしてくれ、って言ったっけな。 母  こんなおばあちゃんになるまで生きられるなんて誰も思わなかったわ。お父さんのおかげよ。 親父 俺が死んでも、合わせなくていいぞ。2倍ぐらい長生きしてもいい。 母  一人でさびしくないんですか? 親父 娑婆がにぎやか過ぎた。さびしいってやつを思いだすのに時間が必要だ。 ハルヒ にぎやかさの半分は、親父のせいでしょ! 親父 あとの半分はおまえだ。なあ、キョン、おまえもそう思うだろ? キョン はい。 親父 あとは頼むぞ。といっても、こいつら勝手になんとかするからなあ。 キョン ええ。 親父 ああ。最後にかっこいいこと言って死のうと思ってたんだがな。 ハルヒ いいわよ、最...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その25)?
    親父さんと谷口くんシリーズ  光るあるところに影がある。  普段、主としてハルキョンのバカップルものを書いている親父書きですが、多分、「親父さんと谷口くん」は、ハルキョンを光とするところの影、陰画です。  原作では付き合ってるどころか告白さえしていないハルキョンですが、二次創作におけるバカップルものは、当人たちがどれほど否定しようとも、どれほど無自覚であろうとも、デフォルトが「付き合ってる」ことになっています。  一方で、原作の谷口氏は5分とはいえハルヒと「付き合った」こともある訳ですが、本シリーズの谷口くんは《永遠の恋の探求者》です。ぶっちゃけ、永遠にカップルになれないが故に永遠に恋を追い求めると運命づけられている神話的人物です(笑)。カッコイイ、でもなりたくない(笑)。  オリキャラであるところの涼宮夫妻は言うまでもなくバカップルですが、その片割れである親父さんは、図書館で...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その2)?
    ハルヒと親父1  ハルヒと親父シリーズ第一作目です。  ハルヒの親を出すことについては2つありました。  ひとつは、原作では最強のハルヒに、それ以上のカードをぶつけてみると、ハルヒのかわいさに別の角度から光が当たるのではないか、ということ。  これは、原作では唯一ハルヒに意見する、ノーと言えるキョンとハルヒとのやり取りが(キョンの語りという、強力なフィルターを介してさえも)、デレ成分が見え隠れするほどのものになっていることからの類推です。  もうひとつはライトノベルにありがちですが、登場する大人たちが「書き割り」のようで、主人公たち少年少女を遠くから見守りはするものの、暑苦しく絡んできたり、乱入して迷惑をかけたりは、あまりしないが、これはつまらないという考えです。  大人というのは、実はけっこう迷惑なものだ(若い人は誰だってそう思ってるだろ)とい...
  • ふたりがここにいる不思議
    ねえ、キョン。人間ってなんで生きてるのか、って思うことない? あるにはあるな。 あんたはどう思うの? わからん。いままで何度も考えはしたんだけどな。 そう。 なんで生きてるのかは、答えらしい答えが見つからないのが正直なところだ。ひょっとしたら理由らしい理由がない、ってのが答えかもしれんと思うくらいだ。 うん ただ、分からないながらも、生きててよかった、と思うことはあるぞ。 たとえば? たとえば……涼宮ハルヒって奴に会えた。 ……。 あのとき、あきらめたら、二度と会えなかったんだと思うと、何も分からなくても生き続けた過去の自分を誉めたくなる。 ……。 もうハルヒに会えない、っていう、……夢だけどな、見たことがあるんだ。 ……。 自分でも驚くぐらい必死になって探した。世界を変...
  • ハルヒと親父2 ー おとまり
    「あのね、母さん。明日、映画見に行ってくるから」 「そうなの。じゃあ、シャンペン抜きましょう」 「な、なに言ってんの!?」 「あら、和風がよかった?お赤飯にする?」 「そんなんじゃないわよ!」 「そんなのじゃないって何が?」 「あう」 「ただ映画行くだけなら、わざわざ前日に言って行かないでしょ」 「それはその、5本立てオールナイトだから、帰るの次の日の朝になるし……」 「ゆっくりでいいわよ。朝帰りはかえって『お泊りしてきました』って言ってるようなものだし」 「……////」 「合宿のときは、平気で泊まってきたじゃない」 「あの時とは、ちょっと、事情が違うというか……」 「それだけ聞けば十分。あまり聞いても話したくなるだけだから聞かないわ」 「……うん。そ、それとね」 「お父さんでしょ? 明日、明後日と珍しく家にいるから」 「う、うん」 「心配いらないわ。母...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その4
    涼宮ハルヒのリフォーム その3から リフォーム4  涼宮夫妻合作のツナキャベツ・サンドを食べ終えた後も、ハルヒと俺は、ひなたぼっこともおしゃべりともつかぬ何かをしつつ、庭の隅にあったベンチに腰かけていた。  ハルヒが会話を切って横を向き、俺もハルヒの顔から視線を外してそっちを見ると、気配を消してきた親父さんがすぐそこまで来ていた。 「おまえら、ほんとに仲良いな。離れ離れになったら、ダメダメになっちまうんじゃないか?」 「なるわけないでしょ」  いつものオヤジ・トークだ。声にもからかいの色が乗ってるし、口元もニヤリとしてる。ハルヒが適当に受け流して、それでいつものように終わるものだと思っていた。  ところが、今日に限って、親父さんは食い下がった。多分、ハルヒの返事の些細な違い、たとえば「おおきなお世話よ」と無視を決めこむのか、それとも今日のように明確な否定を...
  • オヤジ野球7
    オヤジ野球6から  4回裏の親父チームの攻撃は、 「ふやああ!」 という絹を割くような(?)悲鳴と共にしゃがみこみ頭をかばったはずのグローブに、ショート強襲のライナーが偶然(?)にも自ら飛びこんでくれることで終わりとなった。  よくできた科学は魔術と、できすぎた科学はご都合主義と、それぞれ見分けがつかないと言ったのは誰だったか。  誰も不幸にならないこの程度のご都合主義なら歓迎すべきだろう。  だが、打者一巡して、ハルヒの投球に、親父チームの打線はタイミングが合ってきたのも、逃れようのない事実だ。  そして、5回表のおれたちの攻撃。  「少しお話が。いえ、世界的な危機と言うより、我々の打線、つまり攻撃についてです」 「おきまりだが、顔が近い。あと言うまでもないが、今日はズルはなしだぞ」 「ええ、涼宮さんも入れて相談できる内容です。提案者...
  • 図書館で−オヤジラジオ・プロローグ
    親父 今日は、スピノザに、トゥキディデスに、聖ヒルデガルト、ディラックに、鈴木邦夫かよ。 長門 ……? 親父 俺だ、ハルヒんとこの親父だ。 長門 ……オヤジ。 親父 そう、親父。……借りた本、重そうだな。半分持とうか? 長門 大丈夫。問題ない。 親父 そうか。それじゃあ、何か飲まないか? 長門 飲む? 親父 図書館の下に学食みたいな喫茶室があったろ。おごってやるからつきあえ。 長門 ……わかった。 親父 日曜は大抵来てるのか? 長門 そう。 親父 一言多い司書がいてな、ちょっと顔なじみなんで、教えてくれたんだ。さっき目の端にお前さんが映ってな、そっちを見てたら「毎週日曜日、セーラー服で一日中本を読んでる娘がいるんだが、知り合いか?」ってな。 長門 ……そう。 親父 俺は借りてたDVDを返しにきた。休みがいい加減でな、2週間ばかり延滞だ。俺の見る映画なんて見る奴は少ないけどな。 長...
  • ハルキョン家を探す その2
     涼宮家の魅惑の夕食が終わり(今夜は和食、とっても大変そうな懐石風だった)、ハルヒがガリガリ引いたばかりの豆で入れたコーヒーを飲み、今度は俺たちがなんだか皿の上に乗せられているような心持ちだった。人生で起こることは、すべて皿の上でも起こる、と言ったのはだれだったか。 「うん、おもしろい」  ハルヒの親父さんが発した一声はこれだった。 「ひさびさに早く帰って来たら、夕食は魅惑の懐石料理で、その上願ってもないスペシャル・ゲストがいて、バカ娘までしおらしい、と来る。俺は今日のを最後の晩餐にしてもいいくらいの心持ちだよ、母さん」 「なんですか、お父さん」 「キョン君のふとんを敷いてやってくれ。今日は寝ずに語り明かそうな、なっ、キョン君」 「すみません。その前に、お話が」 「おお、何だろう? 俺の向かいにはキョン君がいて、その左隣にはうちのバカ娘。母さんはどこにすわるんだ?...
  • オヤジ野球6
    オヤジ野球5から  親父さんの予言通り、試合は投手戦となった。  もっとも投球内容はハルヒと親父さんとでは、随分違っていた。  なにしろ初球からナックルなど投げて来るくせ者の親父さんである。  鶴屋さん曰く、「うーん、打ちごろだ、こりゃ真芯でとらえたよと思ったんだけどさっ、手元で微妙な変化させてるみたいだね、いやー敵ながら天晴れ天晴れっ!」  朝比奈さん曰く「怖くて、その、目をつぶってたんですぅ。そしたら『今だ、振れ!』って声がして、え?え?とおもってバットを振りまわしたら、涼宮さんのお父さんがフライを捕ってました」  谷口そして国木田。 「ありゃ、手に追えないぜ。打つってより、打たされてるって感じだ」 「確かにね。そんなに速くもないし、コースも打ちやすそうで、バットに当てるところまではいくんだけど」  それから、妹。 「キ...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その3
    ハルヒと親父2その後 一周年 その2から  朝が来たのは分かった。  おれの精神(こころ)及び肉体(からだ)は、まだ完全には覚醒しておらず、周囲の状況を把握するには至ってなかった。おれの右手は、そこにいるはずの誰かを無意識に探していたが、成果ははかばかしくなかった。それで、人の気配を感じたとき、おれの肺は空気を喉と口蓋に送りこみ、この世のものとは思えぬ音を出すという失態をやらかした。だが音の方がしでかしたことは、よくよく考えればはるかにマシで、更なる大問題は音声信号の内容の方だった。 「ん……ハルヒ?」 「残念。はずれ」  この似ているが確かに違う声について、脳髄が前頭前野と側頭野と海馬に鞭を入れ、最高速度の検索を要求する。結果:この声は確かに・・・ 「って、ハルヒのお母さん!」 「おはよう、キョン君」 「お、おはようございます!」 「誰かお探し?」  ハルヒの...
  • 愛と運命についての対話
    ハルヒ ねえ、親父? オヤジ ああ? ハルヒ 母さんと出会ってなかったら、今頃どうしてる? オヤジ さあな。ロンドンの運河沿いの骨董屋で、外人だまして浮世絵でも高値で売りつけてるんじゃないか? ハルヒ つっこみどころもなく最低ね。 オヤジ 何故そんなことを聞く? ハルヒ ……いつか、自信たっぷりに「母さんと会ったのは運命だ」っていってたじゃない。 オヤジ 母さんにとっては災難だったかもな。だが、そういう「もしも質問」はあんまり意味がない。 ハルヒ 何でよ? オヤジ 母さんに出会う前と後とじゃ、世界が違っているからだ。 ハルヒ ……あんたねえ。 オヤジ ロマンチックな意味じゃない。いや、そういう意味が微塵もないわけじゃないぞ。 ハルヒ じゃあ、どういう意味よ。 オヤジ 今から二千年以上前の話だが、エピクロスという哲学者は、ものを見ることが...
  • 親父抜きの大晦日
     「……ねえ、母さん、親父は?」 「やっぱりダメみたいね。向こうもすごい雪で、とても飛行機飛びそうにないって」 「まったく。年越しを何だと思ってるのかしら」 「お父さんも残念そうだったわ」 「あ、あたしは別に……」 「そうそう。ハルヒには謝っといてくれって、お父さんが」 「たまには殊勝なこと、言うわね」 「それから、『手は打っておいた』って。心当たりある、ハル?」 「……ない。……でも、すごく嫌な予感がする」 「母さんも、嫌な感じはしないけど、そろそろ誰かやって来そうね。お湯を沸かすわ」 「ハルヒっ!!」 「な、なによ、今の? って、キョン!?」 「息切れしてる声、走ってきたみたいね。ハル、早く行ってあげなさい」 「キョン!……あんた、いつから雪だるまと縁続きになったのよ!?」 「は、ハルヒ、無事か?」 「無事も何も……って、親父の奴ね!」 「ああ、親父さん...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その1
    ハルキョン家を探す その5から  「あたしたち、幽霊屋敷に住むわ。SOS団のみんなも一緒よ!」  いやハルヒ、『前回までのあらすじ』を強引に一言で言ってしまえば、確かにそういう風にもまとめられるかもしれないが、それだと誰も安心も納得もできないぞ。  俺は、例の不動産屋の店主との出会いのいきさつから、ついさっき訪れた古い洋館のだいたいの部屋数まで、差し障りのなさそうな部分をかいつまんで話したが、それでも主賓クラスのスピーチの長さになってしまった。ハルヒの親父さんが「ジー・ジェイ」とかなんとか言ってた気がするが。  頃は合格発表の晩、ところは涼宮オヤジの縁が深い、俺とハルヒも再開店1周年の際に訪れたことのある洋館風のレストラン、主催俺の家アンド涼宮家、協賛SOS団と愉快な仲間たちでもって開催された「ハルキョン超合格宿がパーティ」(誰だタイトル考えた奴?)は、ハルヒと俺に...
  • 親父さんと谷口くん5
    親父さんと谷口くん4から 谷口 親父師匠! 親父 誰かと思えば谷口か。今日は何だか悩んでなさそうだな。 谷口 はい。あれからいろいろ紆余曲折ありましたが、なんとかデートの約束までこぎつけるところまで行きました。 親父 そうか、100人斬りナンパ・エクスポージャまでやったのか。 谷口 はい、断られるのが前提で声をかけるのは、なかなかきついものがありましたが、確かにたかだか断られるだけ、誰も声をかけるなりゲロを吐いたり殴ったりする人はなかったです。  自分が内気だとは思ってませんでしたが、それに気付いて克服することができました。今では鼻からスパゲッティ食べて逆立ちでグランド1周くらいできそうです。 親父 そうか。しかし鼻からパスタはやめておけ。で、今日は? 谷口 はい。ご報告と、最後のアドバイスをいただきに参上つかまつりました。 親父 うむ。まあ、ドタキャンされても泣かないようにな。 ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その18)?
    ヰタ・セクスアリス/雨宿り及びつづきについて  ハルヒが言っていた「雨の日にしたくなるのは何故か?」という疑問は、以前にある人から投げかけられて、しばらく持っていたものです。その時、たどり着いた答えは、「背中あわせでいいから、くっついていたい」「誰かに(とくにあなたに)いっしょにいて欲しい」というものでした。男(キョン)の立場だと、これはかなり拷問に近いものがありますが(笑)。まあ、彼なら我慢できてしまうかもしれない。  この線で書けば、もう少しきれいなお話になって、 「ハルヒ、……また『雨宿り』していくか?」 「うん」  こうしてわたしたちは、いつか『大人』になる日が来て、それぞれの『相手』を探しに出かける時が来るまで、大きな木のつくる洞の中で、同じ雨に濡れ、手をつなぎ背中を合わせながら、雨宿りをしている。 ……みたいなラストになっていたかもしれません(ハルヒV...
  • 親父とRPG その3
    親父とRPG その2から ひゅーーどかん! 「誰!? 今、モンスターに、ロケット・ランチャーぶっ放した奴!?」 「おれだ、遅くなったな」 「親父さん!」 「首のつながったキョンと、そこにぶら下がってるバカ娘が見えるぞ。どうやら間に合ったらしいな」 「こっちは、足でリセットボタンを押したい気分よ!」 「ハルヒ、考えても見ろ、この人を敵に回すのと、味方の後ろでヤジらせるのと、どっちが心臓に悪い?」 「地獄の最下層コキュートス(嘆きの川)で氷漬けにするか、アトラスに代わってジブラルタル海峡のところで天空を担がせ支えさせるか、って選択肢はないの?」 「なんだかんだ言って愛されてるな、キョン」 「いや、親父さんが単にものすごく嫌われてるという話じゃないかと」 「敵にこれだけ囲まれても、その余裕、さすがはハルキョンだ」 「え、なんだ!? 中盤の山場とは言え、あのモンスタ...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その6から  真夜中にはまだ間がある時間にコテージを飛び出し、結局、空の一角が明るくなるまで、ハルヒと俺は、東を向いて歩いた。  俺には自分たちがどこに向かっているのか、それにどれだけ進んだのかさえ、見当もつかなかったが、俺の手を引くハルヒの手は、大丈夫こっちで間違いない、とずっと言い張っていた。   あとで知ったことだが、俺たちが歩いていたのは、この島の一番長い道だった。  元はレールが敷いてあったらしい砂利道で、今はなくなった鉄道は、最初の夜に食事をした繁華街の外れにあるセントラル・ステーションを発着駅にしていたそうだ。 「キョン、お腹がすいたわ。しかも小腹ってレベルじゃなくて」 「俺も腹ぺこだ、ハルヒ。ここで『だから、おまえの太ももをよこせ』といえないのが全年齢対応のつらいところだ」 「言えたら、それはそれで、別の意味でつ...
  • 親父とRPG その2
    親父とRPGから  「なんで、今度はあたしが行商人なのよ!」 「おまえみたいな、はっちゃけた奴をな、ピラミッドの上の方に置いとくと下が大変なんだ。昔の殿様なんか、食事に石ころが入ってても、表沙汰にすれば、味見係以下、食事に携わってる連中が処分されるだろ。だから、知らんぷりして、誰も見てないうちに吐き出すくらいでないと、上のものは勤まらなかった」 「うー、聞くだけで、ストレスの溜まりそうな話ね」 「おまえなんか、化け物を殴ってりゃストレス発散できるじゃねえか」 「あたしが言いたいのはね、なんであんたと親子連れかってことよ!」 「事実、親子なんだから仕方がない。恨むなら神を恨め、バカ娘」 「事実と2次元をごっちゃにするな。これはゲームの内でしょ!」 「最初からパーティが揃ってたら、モチベーションが沸かんだろ。そのうち仲間と合うんじゃないか? それまでおれがお前のお守りだ...
  • 親父さんと谷口くん4
    親父さんと谷口くん3から 谷口 親父先生!谷口、一生のお願いがあって参りました。これが誓いの唐笠血判状です。 親父 いや、もともと一揆の首謀者が分からぬよう、どっちが上かわからんようになってるのが、唐笠血判状なんだが。谷口、谷口と、自分の名前で埋められてもなあ。まあいいや。おまえの本気を信じよう。言ってみろ。 谷口 結局、王道しかないと悟りました。俺にモテるための地味な努力を教えてください! 親父 分かってるのか?地味な努力は牛歩の歩みだ。たとえば、1ヶ月でHな女の子の住所氏名が集まる裏技と、地味な努力があったとする。おまえはどっちを選ぶんだ? 谷口 も、もちろん地味な努力であります!!  親父 なるほど。では、おまえの本気に応えるように、おれも本気でかかろう。しかし言うまでもないが、地味な努力はスモール・ステップだ。ひとつひとつの段階は実現可能なほどに小さいが、しかしそれ故にま...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その2
    ハルヒと親父2その後 一周年 その1から ハル母 さて、明日も平日だし、そろそろ今日はお開きにしましょう。 親父 キョン、客間に客用布団と着替え一式、用意しといた。先に風呂を使ってくれ。あー、それからバカ娘。 ハルヒ 何よ? 親父 「湯加減見ようか」とか「背中流そうか」とか、ラブコメな振る舞いは慎むように。親父はもう体力の限界だ。 ハルヒ どんなラブコメよ! 親父 詳しいことは言えないが、男性用だ。少年誌とはいえ、侮れんぞ。 ハルヒ いい加減にしないと、殴るわよ。 親父 もう、いい奴を2、3発もらっちまっているが。それじゃ解散。 キョン 親父さん、風呂あがりました。先にすみません。 親父 今、風呂はバカ娘か? キョン はい。 親父 じゃあ、ちょっと座っていけ。 キョン はい……。 親父 といっても、話すネタは特にないんだけどな。 キョン はあ。 親父 二人に「共通の話題」...
  • ほめられちゃった
    Haruphilic SS で「ハルヒと親父」シリーズがほめられてました 「涼宮ハルヒのSS in VIP雑談所」で 「収束」(『涼宮ハルヒ』シリーズの二次小説ブログ)さんにほめられました 「ほめられちゃった」というより「ばれちゃった」? 龍泉堂奇譚の蔵人さんに褒めてもらっていた ブログ モンゴル猿が皿鍵と日常を語るさんに「ほめられちゃった」というより「脳みそがキャストオフするような衝撃」をあたえた? Haruphilic SS で「ハルヒと親父」シリーズがほめられてました そうなんです、そういうのを狙って書いてます。 それが届いてるみたいなのが、うれしい。 Haruphilic SS というブログさんなのですが、 そのブログは、はすでになく、この度、復活されましたが(当wikiへリンクいただいているばかりか、「定点観測」され、SS毎にコメントをいただいてます。)、...
  • 親父とRPG
     「バカ娘、なんだ、そのアブナイ人のコスプレは?」 「この、バカ親父! コスプレじゃないわよ、勇者よ、勇者!」 「勇者って、尊称だろが。少なくとも自称するもんじゃないだろ?」 「うっさい! そういう設定よ、世界観よ! 受け入れなさい!」 「で、雑用係、おまえは、行商人か?」 「いや、いちおうクラス的には僧侶みたいで」 「生臭坊主か?」 「キョンはそこまでエロくないわよ。……エロいけど」 「どっちなんだ? ついでに教えてやるが、生臭坊主ってのは、戒律で禁じられている魚や鳥獣類の肉といった生臭物を食べる坊主のことだ。別に女を抱くわけじゃない。まあ、江戸時代にはすでに「怠け者」を指すコトバにもなってたんだがな」 「エロい上に、怠け者? ど真ん中ストライクじゃないの!」 「えらい言われようだな、キョン。で、経でも読むのか?」 「さあ。西洋の僧侶なので、回復魔法とか、そういうの...
  • 二人でベンチに
    ハルヒ 今日、とても仲の良さそうなおじいさんとおばあさんを見かけたの。 母 そうなの。 ハルヒ 公園のベンチでね、小一時間ぐらい座っていたわ。あまり話してる様子はないけど、「ねえ?」とか「ああ」とか「そうだね」とか、相槌みたいなことばかりね、それでもちゃんと気持ちが伝わってる感じ。 母 ええ、すてきね。長い時間を共にされたからかしら。 ハルヒ 母さんたちは、よくしゃべってるわね。 母 そうね。 ハルヒ お互いのことを、知れば知るほど、分かりあうほど、話さなくなるものなの? 母 お父さんなんか、わざと分かりにくくするために、しゃべってるところがあるわね。 ハルヒ そうよ!まったく、あの親父ときたら! 母 でも、お父さんが「かくしたいもの」なんて一目瞭然よ。 ハルヒ 何? 母 「照れ」よ。 ハルヒ なーんだ。そのくせ、クサイせりふは平気で吐くわ...
  • 通り魔2
     日曜の駅前通りを満たしていた、冬の合間にふさわしいおだやかな空気は、一台の小型トラックの出現で一変した。  周囲の人たちが、異変を感じたときには、もう数人が次々にはねられた後だった。  その小型トラックは、駅改札前の歩道に乗り上げ、さらにアクセルを吹かして、自動改札脇の通用口めがけて突っ込んで行った。  ステンレス製の扉は、一度では壊れなかったが、繰り返される突撃によってひしゃげ、トラックに道を譲ることにしたらしい。  トラックの荷台には、ポリスチレン製の手で持てる中身の入ったガソリンタンクが20個、そして人の背の高さほどあるプロパンガスのボンベが3本積まれていた。  トラックはギアを入れ替え、人々がごった返すホームへそのまま押し入ろうとした。  「やめとけ。それ以上やったら、もれなくテロだ」  隣にいたはずの親父の声が、向こうから、大惨事が起ころうとしている方向から...
  • 親父の英会話 Lesson 5
    親父の英会話 Lesson 4から 存在の英語から状態の英語へ オヤジ 前回は、存在の英語「〜がある」をやったな。おわりに「I see / find」ってネタをふっといたが、覚えてるか? キョン ええ、さすがに。昨日の今日ですし。 オヤジ とりあえず復習がてら、「道に100円玉が落ちていた」ってのを考えてみな。 キョン うーん。とりあえずthere isとhaveを使った2つを作ります。えーと、 There is a 100-yen coin on the street. ??? …… have a 100-yen coin on the street. キョン 落ちてるってのは、誰のものでもないですよね。ちょっと「誰か」とモノの関係を考えるのが難しい。 オヤジ そうだな。確かにその100円玉は誰のものでもない。だが、「100円玉が落ちていた」と言ってる奴は誰だ? キ...
  • ハルヒと親父3 — 家族旅行プラス1
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その1 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その2 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その4 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その5 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その6 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7 ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その8   家族旅行で見る夢は (スピンオフ)
  • できちゃった その2
    できちゃった その1から ハル母 キョン君、いらっしゃい。ハルは部屋よ。「勝手にあがってきて」って言ってたわ。 キョン いつもすみません。お邪魔します。 キョン ……って、おい、ハルヒ? ハルヒ ん?……あ、キョン、おはよ。 キョン おはよって、もう昼だぞ。それと妊婦が床に寝るな。うつぶせで寝るな。腹出して寝るな。ったく、よいしょっと。 ハルヒ お、お姫様だっこ……って、もう終わり? キョン 終わりって、ベッドに運ぶだけだから、これで終わりだろ。 ハルヒ このまま町内を一周してみない? キョン しない。無駄に体を冷やすな。それより、なに散らかして寝てたんだ? ハルヒ あ、これ? 母さんの家事日記だって。もらったの。新妻と新米ママには参考になるだろうって。読みふけってるうちに寝ちゃったみたいね。 キョン ……おれには「ただの親父」...
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