【名前】アルジュナ
【性別】男
【所属】魔術
【能力】継承の弓(ガーンディーヴァ)
【能力説明】
インド神話において、英雄アルジュナが火神アグニより借り受けた神弓を模した霊装。
身の丈を超える剛弓故に、麻布で包んで携帯する。本人的には何とか小型化出来ないか思案しているが技術的に困難と思われる。
神話を基に千年程前に作成され、現存する霊装の中では聖具に分類される、スペック・稀少性共に最高ランクの逸品である。
一定量の魔力を内部で循環させる事が出来、また「世界の力」を変換した界力(レイ)を互換とする事が可能。
ガーンディーヴァは神々の間で幾度も所有者の変遷した神器とされ、製作者であるブラフマー神を筆頭に、
シヴァ神、プラジャーパティ神、インドラ神、ソーマ神、ヴァルナ神、アグニ神と続く継承の弓として語られる。
アルジュナはこれを神々の武器を射出する装置・その出力を高める一種のブースターであると解釈し、
対応する神名のマントラを唱える事により、神々の振るう武器や司る権能を疑似的に再現する事を可能としている。

アグニ
 火を司る神の名を唱え、炎の矢を放つ。その炎は草原を燎原に変え、大木を一矢で灼き抉る。
ヴァルナ
 水を司る神の名を唱え、水の矢を放つ。古くは司法神としての側面を持っていた事から、
 蛇を象った水の矢が対象に絡み付き、その悪性に応じた戒めを与える。
 拘束力はそれを専門用途とする霊装(グレイプニル、封の足枷等)には及ばないが、重ね掛けする事である程度補強可能。
 しかし水属性に特化した魔術師が相手だと一度に破られる危険性を孕み、全幅の信頼をおく程ではない。
ソーマ
 神々の霊薬を神格化したソーマ神の名を唱え、癒しの矢を放つ。射たものの傷を癒し、呪いを解き、活力を与える。
 自身を射る事は出来ず、対象を癒している間は対象の傍を離れる事が出来ない。
 また連射は不可であり、再度の射出には前の射出から一○秒のインターバルを置く必要がある。
インドラ
 雷を司る神の名を唱え、雷の矢を乱れ撃つ。金剛杵(ヴァジュラ)を象る雷が広範囲の敵を殲滅する。
 インドラ神は英雄アルジュナの父であるため術式との親和性は最も高く、燃費が良いため好んで使用する。
プラジャーパティ
「生類の王」を意味する神の名を唱え、対象を意のままに操る矢を放つ。この矢そのものに攻撃力はなく、
 効果は永続的だが対象に選べるのは一人のみで、別の矢を射る際には洗脳を解かなくてはならない。
 洗脳中は対象の五感情報を取得出来るが本人はその場から動けないという制約があり、 多人数を相手にする場合では使いものにならない。
 専ら敵情視察向けの能力だがアルジュナの趣味には合わないので「儀式」の経由手段とだけ看做している。
シヴァ
 破壊神の名を唱え、その象徴である禁断の殺戮兵器「パーシュパタ」を疑似的に再現し、射出する。
 その破壊力はたった一発で戦争の勝敗を決するとされ、劣化版の再現でさえ潜水艦を丸ごと蒸発させる威力を誇る。
 神話になぞらえ、自身より実力の劣る相手には使用できないという制約があり、
 戦闘中アグニからプラジャーパティまでの全ての弓を攻略された場合に、その相手を対象にパーシュパタの使用が解禁される。
 また発動中は舞踏神としての属性から、術者に踊りを舞うような独特のステップを刻み高速で移動する恩恵を与える。
ブラフマー
 創造神の名を唱え、その象徴である必滅の投擲武器「ブラフマーストラ」を疑似的に再現し、射出する。
 アルジュナは武芸の師であるドローナにブラフマーストラの奥義を伝授されており多少の心得はあるものの、
 やはり神の振るうオリジナルの威力は桁違いであり、再現とは言え前段階のパーシュパタをも凌ぐ。
 この矢に限り、「必滅」の性質によりガーンディーヴァの伝承にある「必中」の属性が解放され、命中率を飛躍的に上昇させる。
 ブラフマーストラの使用には、神話でガーンディーヴァを継いだ順の逆を辿らなければならない。
 即ちアグニ→ヴァルナ→ソーマ→インドラ→プラジャーパティ→シヴァ→ブラフマーの順に矢を放ち、
 途中で順序を入れ替えた場合はまたアグニの矢から発動条件を満たさなければならない。

また、ガーンディーヴァはアルジュナを除く定命の人間には扱えないとされ、レプリカである霊装も一部を不完全ながら再現し、
適合者以外の人間が術式を発動しようと魔力を流し込むと発動する、生命力を無理矢理魔力に変換して吸い尽す自己防衛機能、
吸収した魔力を糧に術者の手元へ戻る遠隔操作機能を有する。
【概要】
インド神話の大英雄アルジュナを名乗る魔術師の青年。本名はヴィジャヤ=サンサーラ。
彼の一族であるサンサーラ家は亡国のマハラジャをその祖とする伝統的な魔術師の家系で、タール砂漠の果てにある秘境の遺跡で
数百年もの間外界との交流を断ち、先祖の教えと一族伝来の霊装を守り、肉体鍛錬・瞑想修行に生涯を捧げる定めとされていた。
一族は「終焉の選定」を存続目的に掲げ、世界の滅亡が訪れるその日――その終焉が正しいのか否かを判定する事を務めとする。
一族きっての弓の名手であり、その腕前はまさしくアルジュナの化身だと褒めそやされた。
サンサーラ家に特有の「アヴァターラ」という特殊な資質を備えており、部族を率いる指導者として祀り上げられる風習から、
アヴァターラの中でも年長という事もあって、生まれながらに次代の族長に選ばれる運命だった。
しかし成長するにつれて宿命に殉じるだけの無為な生涯に疑問を抱き、また外の世界への興味は日増しに膨らんでいった。
そしてある時、いとこで同じアヴァターラでもある親友クリシュナと連れ立って一族を出奔、聖具もこの際に持ち去っている。
それからは一族の追手を振り切りながら、クリシュナと共にフリーの魔術師として世界中を回っている。
当初は純真無垢だった性格も、世界を見て回っている内に大分世俗に染まりつつある。一族の間では身の回りの世話は全て
下々の者がやってくれたお陰で、大変な世間知らず。逸早く世慣れたクリシュナが面白がって誤った知識を吹き込んでたりする。
クリシュナ以外に「対等」だと思える存在を知らないので、空気の読めない発言で意図せず相手を怒らせたり、傷付けたり。
尊大な態度から誤解を受けるのは日常茶飯事となっているが、一度交わした「約束」は何があっても守り通すなど、義理堅く根は素直な奴である。
一応、一族の目的である「終焉の選定」に思う所があるのか、「英雄」の名を冠する者としての自覚からか、
度々遭遇する魔術的なトラブルには積極的に参加し、大抵の場合はその力で以て速やかに「解決」しているものの、
周囲の被害を考慮せず徒に騒乱の規模を膨れ上がらせるケースが多く、感謝されても引き止められる事は滅多にない。
霊装への魔力供給の足しとして、旅の途中世界各地に存在する神殿や寺院に立ち寄って、こっそり界力を失敬している。
世界中に現地妻がいると豪語しているが、クリシュナ曰く「童貞」。英雄アルジュナの特性である「女難」が災いの種になる事もしばしば。
ワガママ王子とその悪友は、今日も風の向くまま気の向くまま、世界の何処かで誰かに迷惑を掛けている事だろう。
【特徴】
身長177cm、体重60kg。生まれ持った強靭な肉体を誇り、長年の鍛錬の甲斐もあって高い身体能力を発揮する。
褐色の肌に無造作な銀髪、若干ツリ目だが全体的な顔立ちは整っている方。眉間にはビンディのような金色の印がある。
日本の原宿を訪れた際にそのファッションセンスに衝撃を受け、古着を組み合わせたアラビアンナイト風の恰好をしている。
体中の至る所にジャラジャラと黄金の装飾品を身に付けている所為で余計なトラブルに巻き込まれやすい。
【台詞】
「おいおいおいクリシュナこれ見てコレ! 『いちごおでん』だってよナニコレ? ジュースなのデザートなのそれともやっぱり
 出汁の利いたおでんなの!? いやー、いろいろ噂にゃ聞いてたケド、さっすが学園都市だな! 世界広しと言えど、 こんな
 可笑しな街は初めてだぜ!! ……おお!? オイクリシュナあっち見てみろよ! ぎゃはははッ、ぶっとび過ぎだろこの街!!」
「えーーー、っと……日本円はこっちのヒラヒラしてるのがユキチで? こっちのジャラジャラしてるのがご縁があります……?
 あーーー、もう。メンド臭せ。なあクリシュナ、ちょっくら腹ごなしの運動に、食い逃げいっとく?」
「荒ぶる雷神、我が父なる神インドラよ。悪竜を退けしその武勇、今ひとたびの閃光となりて闇を撃ち払え。
 ……駄目だ、久々にマジメにやってみたけどやっぱこの弓無駄にデカ過ぎんだよ! テメェ一片バラしたろか!? ……冗談だよ」
「ちょっとー、アンタの噂を聞いて遠路遥々やって来たんだぜー? そんなツレない態度取らないで話聞いてくれよ、ねぇって!
 ……そんなに俺が『アルジュナ』だってのが受け付けないっての? アルジュナショックなんですけど一人称アルジュナに
 なっちゃうくらいショックなんですけど。……あのー、ヒメ? ひょっとして本気で怒ってます? ……ッ!? ちょっ眩しッ!
 マジで目が眩む!! おいクリシュナ笑ってないで助けろよ! 畜生何で俺が出会う女はこうイロモノばっかなんだよ……ッ!?」
「『ここまでやるか』だァ? オイオイなァーに言ってんだよアンタ。っつか、逆にこっちが訊きてェんだがよ。『この程度』の
 攻撃でぶっ壊れちまう様なタマかよ? この『世界』がッッ! だったら所詮それまでだったって事だろ。『世界の終わり』
 ってなァ、いつかは必ずやって来るんだよ。それが次の瞬間だとしても、だ。……そんな嫌そうな顔すんなよ、俺だって嫌さ。
 だからこそ俺は待ち望んでるんだ。……本物のヒーローってヤツを。破滅すらひっくり返すような、真の英雄を」
【SS使用条件】
おすきなように

アヴァターラ

サンサーラ家に伝わる聖具と対になって生まれる、聖具との高い適合率を示す人間。
聖具は全てインド神話の英雄に纏わるものであり、故にアヴァターラは対応する英雄の魔術的記号を備えて生まれる。
同じ英雄のアヴァターラは同時には存在しないが、過去にはアヴァターラが死んだ日に同じ記号の赤子が生まれた記録がある。
アヴァターラの赤子は生まれつき眉間にビンディのような金色の印があり、物心つく頃には自然と対応する英雄を悟るという。
アヴァターラはその身に宿す魔術的記号から、対応する英雄の伝承に沿った「性質」を保持しているが、これは祝福にも呪いにもなる。
(例:アルジュナならば「約束」「女難」他、クリシュナならば「導き手」「魅了」他、カルナならば「忠誠」「悲運」他etc.)

十字教の聖人や北欧のワルキューレとは異なり、単体ではテレズマの供給による肉体強化や幸運といった恩恵はないが、
対応する聖具を振るう事で聖人には及ばないまでも高い戦闘力や特殊な能力を発現する。
聖具は非常に強力な霊装であるが故にアヴァターラと強く結び付き、聖具を手放さない限り他の汎用魔術・霊装の使用は不可能である。
また聖具と適合したアヴァターラは、特に魔術を発動していない間も絶えず聖具により生命力を魔力に変換・供給し続ける事を要求されており、
己の寿命という生命力の総計から代償を支払っている。歴代の中で長く生きたアヴァターラでも、齢五○を超えた者はいないとされる。

一族に伝わる文献によると、かつて遠い祖先であるグルがサンサーラの血筋に施したまじないであり、
強大な力を秘める聖具が悪しき者の手に渡り、無秩序に振るわれ世界に破滅をもたらす事を防ぎ、
また不当な世界の破滅が迫る時に、世界を、一族を、大切な人を守る為に聖具を携え立ち上がる勇者を選定する目的で、
その担い手として相応しい適合者を輩出するシステムであるとされている。

アヴァターラの発生確率は極めて不定であり、百年単位で適合者が現れない期間もあれば、立て続けに生まれる場合もある。
古い記録によると、そういった場合は世界の激動期たる混迷とした時代に符合するようで、言い伝えに信憑性を与えている。
そして今から二○年程前、一族に立て続けに六人のアヴァターラが生まれ、長老達は世界の行く末を憂えたという。
なお一族に伝わる聖具はアルジュナとクリシュナに持ち去られた二つを含む合計五つである筈なのだが、
どういう訳か現在サンサーラ家のアヴァターラは六人。これは過去に失われた聖具が存在したのではないかと推測されているが、
どの文献にもそれらしい記述は皆無であり、憶測の域を出ていない。

アルジュナ達の以前にも一族を出奔した者はごく僅かながらいたらしく、その殆どは連れ戻されるか見つけ次第粛清されたが、
一部行方不明のまま消息を絶った者がいた。仮に生き残りの血が途絶えず今もまだ続いているとすれば、
サンサーラ家以外にもアヴァターラが生まれる確率はゼロではない。が、一族はそのような存在を認めようとはしないだろう。

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最終更新:2018年05月22日 22:51