【名前】バーバラ=グリマルキン
【性別】女
【所属】魔術
【能力】複合式猫魔術『キャットクラフト』
【能力説明】
バーバラが世界各地を放浪し、蒐集した『猫』に纏わる伝承を融合させた創作魔術の総称。


魔術生命体『化け猫シリーズ』
バーバラが神道系遠野派の魔術師と共同で製造した、『猫』の魔術的記号を持つ神、幻獣、妖怪の類を基にした魔術生命体の総称。

『猫又』
日本の民間伝承においては、年月を経て年老いた猫は尾が分かれ、霊力を備えた猫又になり、人を襲い食らうとされる。バーバラは生まれながらに二尾の猫又を製造可能。
猫又の能力は身体能力の上昇。常人を超えた筋力、敏捷性、超感覚を覚醒させる。

『火車』
火葬場や葬列を襲って屍を奪う妖怪は火車と呼ばれるが、その正体は猫である事が多いとされる。また、猫が屍を跨いだり、猫の霊が取り憑く事で死体を動かすという伝承は今日でも日本各地で伝わっている。
火車の能力は死体の操作、及び死体の残留思念の読み取り。ただし死後24時間以内の新鮮な死体でなければいずれの能力も発揮されない。

『金華猫』
中国の伝承。浙江省金華地方の猫は、人家で三年飼われると怪をなすようになるという。日本の猫又伝承に類似する。
金華猫の能力は変化(変身能力)であり、望む姿に変身する事が出来る。

『チェシャ猫』
ルイス=キャロル著『不思議の国のアリス』に登場する猫。作中で猫はアリスと問答をした後、にやにや笑いだけを残して姿を消す。
チェシャ猫の能力は空間移動(テレポート)であり、予め指定した座標へと転移する。ただし用途は緊急時の逃走専用であり、空間移動を攻撃に利用する事は出来ない。

『ケット・シー』
アイルランドの伝承に登場する猫妖精。人語を解するなど高い知能を備え、独自の王国を築いている。人間界で猫のふりをして暮らしている者もいるらしい。
ケット・シーの能力は猫との会話。また、使い魔でない野生の猫(一般的に猫は群れを作らず単独行動する動物)でも『猫の王』として命令を飛ばす事が出来る。

『バステト』
エジプト神話において豊穣と性愛を司るとされる猫頭人身の女神。また殺戮に酔う雌獅子の女神『セクメト』と同一視される事もある。
能力は異性への魅了の他、『バステト』を介して『セクメト』の破壊衝動を解放させる事だが、一応創り出したものの過去の反省を理由に使用を封印しているらしい。その事について訊かれると、「若気の至り」「若さ故の過ち」「正直すまんかった」などと呟きながら遠い目になるのでそっとしておこう。

また『化け猫シリーズ』の他にも、自身の使い魔として多数の黒猫を使役している。黒猫自体は普通の猫だが、バーバラの忠実なしもべとして情報収集や斥候に活躍する。


儀式場『猫屋敷』
バーバラの肉体そのものを儀式場として最適化し、改造している。これにより彼女は『体内に飼う』という形で、魔術生命体の抱える『清潔な儀式場など限られた場所でしか生存出来ない』という問題点を克服している。彼女の体内は霊的に拡張されており、その内部には彼女の使い魔である多数の黒猫と、『化け猫シリーズ』が住み憑いている。
また彼女が扱う魔術生命体は総じて『猫』に類する存在であり、『猫は家に付く』という俗信や『死んだ猫は哀れんだ人に憑く』という迷信を魔術的に解釈する事で、『人が猫を被るのではなく、猫が人を被る』という状態を無理なく維持している。これによりバーバラは『化け猫シリーズ』が備える戦闘力や特殊能力を恩恵として生身の肉体で行使する。
『化け猫シリーズ』は『猫屋敷』から出してもごく短時間であれば生存可能であり、個別の戦力とする事も出来る。しかし所詮数分で息絶える儚い生命であるため、この運用法は滅多な事がない限り使わない。


『猫に九生あり(A_cat_has_nine_lives.)』
『猫』に関する西洋の迷信の一つ。猫には九つの命があるため、そう簡単には死なないという俗信であり、これだけなら単なる諺に過ぎない。
バーバラは猫の瞳の大きさが周囲の明るさによって容易に変化する現象を、『死』と『再生』を繰り返す月の満ち欠けに対応させ象徴化する事で、自身に再生能力を付与する術式に昇華させた。
再生能力は九回という回数制限付きで、自分自身の命を合わせると九回までは肉体的損傷を再生し、瀕死の状態からでも生き返る事が出来る。九回というのは一度の戦闘での上限設定であり、消費した分の命の予備は月の光を浴びる事で補充可能。
またきっちり九“回”生き返る訳ではなく、ゲームで例えるならシューティングゲームの残機数ではなくライフゲージのイメージ。絶大な威力の攻撃を受けた場合には、数回分の命を一度に削り取られる事もある。バーバラは残りの命が三つになった時点で撤退する事にしている。


『九尾の猫鞭(cat_o'_nine_tails)』
こぶの付いた9本の縄を付けた鞭状の霊装。1881年まで英軍公認だった処罰道具で、鞭打ちの跡が猫の引っ掻き傷のように見えた事からこの名が付いた。
霊装としては『猫又』の尾の皮を用いて製造され、魔力を通すと射程が最大20mまで伸張し、威力はぶ厚いコンクリートの壁を粉砕する。9本の縄はそれぞれが意思を持つかの様に動き、多方向から敵を襲う。またこの鞭は霊獣を素材にしているため、実体のない(炎や空気、光などで構成された)存在をも鞭打つ事が可能。


『九尾の猫又』
『化け猫シリーズ』の『猫又』、『猫屋敷』、『九尾の猫鞭』を三位一体とし、自身を『九尾の猫又』へと変化させるバーバラの切り札。
日本の民間伝承において、狐は年月を経て霊力を持った妖狐となるが、この年月の経過に伴い尾が増える過程は猫又のそれと類似している。そして妖狐の場合、『九尾』が最高のランクとされる。
バーバラは猫又も妖狐も尾を裂いて数を増やし妖力を得る霊獣であるという類似性から、「妖狐と同じく猫又は尻尾の数を増やす事で力を増す」と解釈。腰に巻きつけた鞭の九本に枝分かれした縄を媒介として尾に見立て、九本の尾を得た事により『九尾』との偶像の理論が発生し、強大な力を内包する『九尾』の象徴である尻尾と同じ九本の尻尾を持つ『猫又』が扱える魔力を底上げする。また役割や姿などの類似性により、控えめながらも『九尾』が持つ特徴的な力の一部をあくまで補助的に扱う事が出来る。
術式を発動すると、バーバラの姿は九尾を備えた巨大な化け猫となる。その戦闘力は通常時の『猫又』の比ではなく、その巨体からは想像も出来ない程の高速挙動を初め、空を切った鉤爪が衝撃波を生み出したり、その眼光に恐怖した者を畏縮させ金縛りのような状態にする。また『九尾』の持つ力の一部である火炎を九本の尾に纏わせ攻撃する事も可能。
ただし類似性を強調しているとは言えやはり理を外れた存在には違いなく、何もしなくても30分、全力戦闘となると10分が術式を維持出来る限界である。またこの姿の時、『猫又』以外の『化け猫シリーズ』の恩恵を得る事は出来ない。


【概要】
神道系遠野派に身を寄せている流れの魔術師。自己紹介によると元は英国の魔女という出自であり、魔法名は『不吉を運ぶ黒猫(Cattus296)』。
『猫』に魅せられ、『猫』をこよなく愛する愛猫家。ただその愛は年月を経る内にかなり歪みを生じており、生きた猫を素材として魔術生命体を生み出す実験を繰り返す事も厭わない。自分の邪魔になる存在は容赦なく排除する一方で、自分にとって何の利益もない人助けを買って出たりする事もある、非常に気紛れな生き方をしている。
とにかく『猫』に纏わる伝承を掻き集めるために世界各地を放浪し、その過程で様々な魔術師と出会い、また幾つかの魔術結社にも身を寄せた。しかし野良猫の如く、どこの組織にも長く居着く事はなかった。最初に所属した『魔女の夜会(ヴァルプルギス)』、欲望を醸成した『イルミナティ』、構成員の一人『バースト』として殺戮に耽った『微睡み誘う暗闇』が特に印象深いそうだが、最後については封印したい黒歴史の一つらしい。
そして『猫又』伝承を求めて日本を訪れた際、九尾の狐伝説に着想を得た『九尾の猫又』を自身の猫魔術の集大成とし、その完成のために魔術生命体を研究している日系魔術師に接触した事がきっかけで遠野派に加わった。数年の試行錯誤の末、『猫又』を含む『化け猫シリーズ』の製造に成功し、実験に協力してくれた魔術師に義理立てする形で、現在も遠野派に身を寄せている。しかしこれは腰を落ち着けた訳ではなく、何時また野良猫のように姿を消すかは彼女の気分次第。
彼女は自己顕示欲が強く、新たに習得した猫魔術を披露したがる悪癖がある。日本では各地で化け猫騒動を引き起こし、政府直属の魔術機関『陰陽局』から派遣される魔術師たちと度々交戦し、不利と見るや逃走を繰り返している。『九尾の猫又』を見せて以降は、単なる違法魔術師(便宜的に『黒猫』と呼称)から霊災指定の討伐対象として妖怪じみた扱いを受けており、実際に本腰を入れた彼らに討たれる日もそう遠くない……、のかもしれない。
ちなみに最近の日本における猫ブームは歓迎している。純粋な愛猫家としては言うに及ばず、使い魔や『素材』の個体数が増える現状は彼女にとってメリットしかない。同じ猫魔術を使う在騒吏侍と出会えば意気投合するかもしれないし、分かり合えないかもしれない。

【特徴】
齢八十を数える老練の魔術師だが、姿は童女そのもの。所謂ロリBBA。
藤色のロングヘア、金色の瞳、八重歯という蠱惑的な容姿。華奢な幼女体型に漆黒の和ゴス(ミニスカ)を纏い、黒猫の耳と尻尾を生やしている。特に猫舌という訳ではない。
普段は猫耳娘といった人間に近い姿でいるが、状況に合わせてより猫に近い姿(果ては猫そのもの)へ変身する事も可能。
『九尾の猫又』発動時の姿は九本の尾を持つ爛々たる金眼の黒猫。その巨躯は立ち上がった状態でビルの5階ほどにまで達し、九本の尾はその倍近い長さを誇る。
好きな食べ物は猫飯、魚料理全般、マタタビ酒。
好きな山は猫又山、猫魔ヶ岳。
好きな作家は夏目漱石。
嫌いな物理学者はシュレディンガー。

【台詞】
自身の猫口調には一種のプライドを持っており、昨今の特に理由もなく猫口調になるキャラ付けには我慢ならないらしい。
『猫』に関する諺や慣用句を度々引用するが、一部創作も含まれている。

「おやおや、妙齢の女性に年齢を訊くのはタブーだと知らにゃいのか坊や。好奇心は猫が殺す、と云うであろう?にゃに、そんな物騒な諺じゃにゃかった?さあ、どうだったかにゃあ」

「……あ?テメェ、今『にゃ〜ん☆』つったか?言ったよにゃあ、にゃあッッ‼⁉⁇……ったくこれだから、近頃は猫も杓子も。儂はにゃ、お前のようにゃ大した理由も覚悟もにゃく、それまでの会話の脈絡を無視して急に猫口調ににゃる輩には虫唾が走るんだよ。気安くファッション感覚で使ってんじゃねぇよ、糞餓鬼」

「如何かにゃ?これが世にも珍しい、『九尾の狐』にゃらぬ『九尾の猫又』よ。にゃはは。にゃにを隠そう、これが儂の生涯最高傑作……にゃんじゃ、あまりの威容に言葉も出にゃいか?にゃっはははは。にゃにか感想が聞ければと思うたが、まあ無理もにゃい。結構毛だらけ猫灰だらけ。その代わり、この姿を見たからには、あまりあっさりくたばって儂をがっかりさせてくれるにゃよ、小童共?」

「生き恥を晒してまで生きたくにゃい?儂の半分も生きてにゃい青二才が、随分と生意気にゃ台詞を吐いたものじゃにゃいか。完璧な人間にゃんていやしにゃい。生きてりゃ誰だって失敗するし、恥をかく時もある。それでも人は恥を忍んで、失敗を乗り越えて成長する生き物にゃんだ。別に止めやしにゃいがね。このまま自分で自分の命を諦めるにゃら、それはただの逃げ。生き恥が死に恥に変わるだけの、言うにゃれば恥の上塗りにゃ訳だが、それでも構わにゃいにゃらどうぞご自由に」

【SS使用条件】
ネタでもシリアスでもお好みで

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最終更新:2018年03月25日 13:18