自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

179 外伝29

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tapper

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165 :外伝:2008/10/15(水) 19:59:22 ID:sjtC5X1.0
「あ~あ面倒な仕事はいつも俺達第三分隊だよ」
「愚痴を言うな」
オーディ・マーフィー軍曹率いる分隊は第117騎兵偵察中隊から分派されたM24に跨乗して
ラータンの森を進んでいた
彼らの任務はラータンの森に戦車が通行可能な道を見つけることだった
「それにしても薄気味悪い森だな」
「なんかあの母娘思い出さないか?」
「ああ、チェルネントの森で会った…」
そんなことを言っているといきなり周囲の木々が根を持ち上げて動き出し
戦車を取り囲む
『妾の森に無粋な乗物で入り込むとは無礼であろう』
現れたのは緑色の肌に枯葉色のドレスを纏ったグラマラスな美女
「あんたはチェルネントの森の!?!」
「何じゃ、従妹の知り合いか」
「従妹!?!」
言われてみればメリハリの効いたプロポーションと男を誘う妖艶な雰囲気は同じだが
こちらは一段と肉感的で顔の造作も微妙に異なる
「えーと、とりあえずあんたを何と呼べば?」
『妾に名は無いが昔この辺りに住んでおった人間達からは森守(もりもり)と呼ばれておったの』
「えーそれでは森守さん、折り入ってお話が-」

中略

『なるほど従妹が世話になったことでもあるし力になってやってもよいが-』
「ホント?」
『だが断る!』
「何故に!?!」
空を指差す森守
「この爆音は…」
「ハボックだな」
地上部隊への近接航空支援を行う双発爆撃機はその任務の性格上少なからぬ誤爆事件を起こしており
自然と歩兵達も耳聡くなる
『あの無粋な鉄の鳥が撒き散らす音と臭いはすごぶる不快じゃ
あんなものの同類がこの森を通るなど我慢ならん』
「おう姉ちゃん、あんま俺らをナメんじゃねーぞ」
ヤクザみたいな口調で迫るのはヤクザみたいな顔をした戦車長のガフィー軍曹だ
『フン、そのようなガラクタ恐るるに足らぬわ』
森守の身体から生えた触手の一つが緑色の毒霧を吹きかけると戦車の砲身が煙をあげ
砂漠の太陽に当てられたゴムホースのようにへたれてしまう
「あーっ、何しやがる!」
「抑えて抑えて」
怒声をあげる戦車長のガフィーを宥めるオーディ
「なあ、ほんの一日二日戦車を通してくれるだけでいいんだ。もしアメリカ軍と本気で事を
構えることになったらさっきの爆撃機が何百と飛んで来て森ごと焼かれちまうぞ
森の植物の長(おさ)なら仲間の安全に配慮するのも仕事だろ?」
『むう、痛いところを突いてくるの』
考え込む森守
『よかろう、その戦車とやらが通る道、妾が用意してやる。じゃがタダという訳にはいかぬぞ』
「と言うと?」
『たまにはイカもの食いも良いものよ』
ニタリと笑う森守
『お前達の“精”を貰おうか』」

アッ―――――――――――――――!!!

翌日
帰隊した第三分隊の面々は揃って脂が抜けきっていたという

166 :外伝:2008/10/15(水) 20:00:31 ID:sjtC5X1.0
投下終了

何を血迷ったのか今回は挿絵つき
ttp://bbs65.meiwasuisan.com/bbs/bin/img/jisakue/12220976400003.jpg
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