kairakunoza @ ウィキ

ちょこっとした贈り物

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匿名ユーザー

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「おぉーーっと、もうこんな時間か、いい加減寝るか…」
明け方近くになりもぞもぞとベットに入りこむ。
(やっと寝ましたか……夜更かしとかいうレベルじゃないわよね…ここまでくると)
こなたの部屋にこなたにそっくりな人影が現れる。
(かわいい顔で寝ちゃってるわね、クスッ、かわいい。
……見とれてる場合じゃないわね。ちょっと身体借りるね、こなた)
そのまま、スーっとこなたの身体へと人影が吸い込まれて行く。
「んん~~…っと」
先程寝付いたばかりのこなたがむっくりと起き出す。
よく見れば、トレードマークであるアホ毛がちゃんと寝ている。
「娘とはいえ恐ろしい程そっくりね……」
鏡の前に立ち自分を観察してみる。
「さて、時間もないし、さっさとやっちゃいますか」
そのまま台所へと移動していく。
この日の為に買っといてもらった板チョコ達。
買って来たこなたにしてみれば、レジ横に安売りで積んであった板チョコを
レジ待ちしてる時に気になり、ついついカゴに放り込んだだけのつもりだったのだが
これも、数日前から枕元に立ってお願いして来た効果というもの。
(面と向かってお願い出来れば良かったんだけど、私の存在に気がついてももらえませんからねぇ…
いつぞやの写真では心霊写真扱いを受けるしで、まったくもう……
親子そろってニブチンさんなんだから!!とは思うものの、どうしようも無いことなのよね…)
はぁ~とため息一つ。

台所に着き、棚の奥の方にしまわれている生前に使っていた道具を引っぱりだし
早速作業に取りかかる。

そうじろうの分とこなたの分とゆたかの分、3人分を作り終え冷蔵庫へとしまう。

そのまま戻ろうかと思ったが、冷蔵庫に入れたままだしこのままじゃ気がつかないかな?
と思い、メモを残すことに。
『冷蔵庫の中にチョコが入ってるのでどうぞ』
「これでよしっと」

部屋に戻り、ベットに入ろうとして、ちょっとした事を思いつく。
「せっかくだから、こなたになんかメモでも残して行きますか」
さらさらっとメモ書きをして、机の上に伏せて置く。


朝が明けてお昼近く。
こなたが、遅い朝を迎え居間へと向かう。
「お!おはようこなた!チョコサンキューなー。久しぶりだな、こなたが作ってくれるの。
しかし、なんだ……かなたが昔作ってたのにそっくりでお父さん驚いちまったよ。
やっぱ親子なんだなぁ~」
しみじみと語るその目が潤んでいる。
「おはよーお父さんって……へ?」
今イチ言ってることが理解出来ていないこなたに畳み掛けるように
「お姉ちゃんおはよう。チョコごちそうさまでした。おいしかったよ。さすがお姉ちゃん、
やっぱり上手だね。お姉ちゃんの分は冷蔵庫に置いたままにしといてあるよ」
ゆたかからもよくわからない事を言われてしまった。
「あははは…うん?」
(みんなして、なに?)
適当に流しといて、その場を離れる事にした。
「冷蔵庫とな?」
ゆたかのセリフを聞いて、とりあえず冷蔵庫を明けてみる。
「ありゃ?わたしこんなの作った記憶はないんだけど……」
チョコを取り出し、見つめる。
「上手いな……ここまで上手く作れるのは私以外はお父さんしか居ないはずなんだけど…
お父さんのあの様子からして、それはありえないし、ゆーちゃんがこんな手の込んだ悪戯
するとも思えないし…むーーー」
チョコを手に着替えも兼ねて部屋に戻る。
手にしたチョコを机に置こうとして、メモの存在に気がつく。
「おや?」
メモ手に取り、目を通す。
「うぉ!!な、なんと!!……そっか、犯人はお母さんだったのか!!
そりゃ、上手いはずだよ。よ、夜更かしは……ごめんなさい…でも直すのは無理かなぁ~
寂しいだなんてそんな大丈夫だよ私は、お父さんが居るし、今はゆーちゃんも居るし。
…でも、居てくれたんだ~いつもそばに………
!!!!ということは、去年のあの写真は!!!!…ああ~もう~消しちゃったよ~………
お母さん、今年も写真撮るからちゃんと来てね!!今度は取って置くから!!
……そだね、お父さん達には伏せておくよ。
私には見えないけど、じゃあね、お母さん。チョコありがとう!!」
かなた直筆のメモを大事にしまうと、チョコをほおばりながら着替え始める。

そのメモにはこう記されてあった。
『はじめまして、お母さんのかなたです。
ちょっと身体を借りてチョコを作らせてもらいました。
寝付くまでずーっと待ってたのになかなか寝ないからお母さん待ちくたびれちゃったわ。
夜更かしもほどほどにね。そういうところはそう君を見習わないようにね。
寂しい思いもさせてしまったと思うけど、お母さんはいつもそばで見守ってますよ。
それと、今回のことはそう君達には内緒にしといてね。
私が来た、なんて言ったらそう君がどうなってしまうかわからないしね(笑
それじゃ、お母さん帰るけど身体には気をつけてね。
それじゃ、またね、バイバイ。
母かなたから最愛の娘こなたへ』











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  • なんだか、この作品が一番好きです! -- チャムチロ (2012-10-08 18:58:22)

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