「ゆたか……」
「みなみちゃん……」
「みなみちゃん……」
私の腕から伝わってくるのは、ゆたかの体温……
誰もいないこの家で、私達は抱き合っていた。
私の両手はゆたかの背中に回されていて、彼女の身体を引き寄せていた。
ゆたかの腕も私の背中に回されていて、背が低い彼女の身体は私の腕の中に納まっていた。
小さいけど優しい温かさが私の心を満たして、ゆたかを愛しく思う気持ちで心がいっぱいになっていく。
誰もいないこの家で、私達は抱き合っていた。
私の両手はゆたかの背中に回されていて、彼女の身体を引き寄せていた。
ゆたかの腕も私の背中に回されていて、背が低い彼女の身体は私の腕の中に納まっていた。
小さいけど優しい温かさが私の心を満たして、ゆたかを愛しく思う気持ちで心がいっぱいになっていく。
「……みなみ…ちゃん」
主人に甘える猫のようにすりすりと、ゆたかは私に頬を擦り付けていた。
私もゆたかの頭に手を置き、いいこいいこをするように優しくなでてあげた。
私もゆたかの頭に手を置き、いいこいいこをするように優しくなでてあげた。
「きゅふっ」
ゆたかは擽ったそうな声をあげ、ますます強く私の胸に自分の身体を押し付けてきた。
こんなとき、自分の平らな胸が少し恨めしくなる……
みゆきさんだったら、聖母のようなやわらかさと温かさで愛する人を包んであげられるんだろうな……
こんなとき、自分の平らな胸が少し恨めしくなる……
みゆきさんだったら、聖母のようなやわらかさと温かさで愛する人を包んであげられるんだろうな……
「えへへ」
「ゆたか?」
「あったかいよ……みなみちゃん」
「ゆたか?」
「あったかいよ……みなみちゃん」
うっとりとした声で私の名前を呼ぶゆたか。
「みなみちゃんの心臓の音が聴こえる……トクン……トクン……って。なんだかすごく嬉しい。私が世界で一番安心できる音だよ」
「ゆたか……」
「あ……ちょっとはやくなったかな?ふふっ」
「赤ちゃんは生まれる前、お母さんの心臓の音を子守唄にしてるから、抱くときは自分の心臓の位置に赤ちゃんの頭がくるようにすると安心する、って言うね」
「それって、私が赤ちゃんみたいってこと?」
「みなみちゃんの心臓の音が聴こえる……トクン……トクン……って。なんだかすごく嬉しい。私が世界で一番安心できる音だよ」
「ゆたか……」
「あ……ちょっとはやくなったかな?ふふっ」
「赤ちゃんは生まれる前、お母さんの心臓の音を子守唄にしてるから、抱くときは自分の心臓の位置に赤ちゃんの頭がくるようにすると安心する、って言うね」
「それって、私が赤ちゃんみたいってこと?」
上目遣いで私をにらみながら拗ねたような声で抗議の声をあげるゆたかは、どう控えめに言っても可愛かった。
「うん。こうやってゆたかを抱いているとね、いつまでも守ってあげたいって、気持ちになるの。私だけが、ゆたかを守れる人でありたい って、思うの」
「みなみちゃん……」
「好きだよ……ゆたか……私は、ゆたかの王子様になりたい」
「みなみちゃんは……もう、私の王子様だよ」
「じゃあゆたかはお姫様だね」
「みなみちゃん……」
「好きだよ……ゆたか……私は、ゆたかの王子様になりたい」
「みなみちゃんは……もう、私の王子様だよ」
「じゃあゆたかはお姫様だね」
私はゆたかの頭を左腕で抱き寄せた。
するとジャンプーの匂いだろうか。
ゆたかの髪からするいい匂いが私の鼻腔をくすぐった。
するとジャンプーの匂いだろうか。
ゆたかの髪からするいい匂いが私の鼻腔をくすぐった。
「ゆたか……いいにおい……」
「み、みなみ…ちゃん?」
「み、みなみ…ちゃん?」
私はゆたかの髪を手に取り、そっと顔に近づけた。
「ゆたかの髪……はぁ……」
「みなみちゃん……はずかしいよぉ」
「みなみちゃん……はずかしいよぉ」
ゆたかは恥ずかしそうに頬を染めると、胸に顔を埋めてしまう。
その仕草がなんとも可愛らしく、さらにからかいたくなってしまう。だが、
その仕草がなんとも可愛らしく、さらにからかいたくなってしまう。だが、
「みなみちゃんも……いい匂い…」
「え……」
「え……」
気がつくとゆたかは私の胸もとでうっとりとした表情をしていた。
「ミルクみたいな……甘い匂いがするよ……」
「っ/////」
「っ/////」
思わぬ反撃を受けてしまい言葉につまってしまう。
「えへへ、お返しだよ。みなみちゃん」
「もう……」
「えへへ。……でも、本当に……いい匂い……」
「ゆたか」
「みなみちゃん」
「ゆたか……」
「みなみちゃん……」
「…………」
「…………」
「もう……」
「えへへ。……でも、本当に……いい匂い……」
「ゆたか」
「みなみちゃん」
「ゆたか……」
「みなみちゃん……」
「…………」
「…………」
互いを名を呼び合う声が部屋を満たし、やがてそれもすらもなくなり静寂が部屋を支配する。
私とゆたかの間に、もはや言葉は必要なくなっていた。
聴こえるのは互いの鼓動だけのこの世界で、私達はお互いの体温を感じあい、鼓動をBGMにして二人の絆を感じあう。
二人のためだけに存在する二人だけの世界で、私達は幸せな時間をこころゆくまで楽しむのだった。
私とゆたかの間に、もはや言葉は必要なくなっていた。
聴こえるのは互いの鼓動だけのこの世界で、私達はお互いの体温を感じあい、鼓動をBGMにして二人の絆を感じあう。
二人のためだけに存在する二人だけの世界で、私達は幸せな時間をこころゆくまで楽しむのだった。
今日はハグの日。
人と人とのつながりを育むハグ(Hug=抱きしめる)。
大切な人に大切であることを伝えるハグ。
人を信じ、勇気を与えてくれるハグを多くの人に理解してもらおうと、広島県広島市の「89(ハグ)の会」の有志が制定した日。
日付は8と9で「ハグ」と読む語呂合わせから。
私とゆたかは、お互いの愛と、勇気と、希望を与え合い、互いを必要としながら生きていく。
今までも……そしてこれからも……
人と人とのつながりを育むハグ(Hug=抱きしめる)。
大切な人に大切であることを伝えるハグ。
人を信じ、勇気を与えてくれるハグを多くの人に理解してもらおうと、広島県広島市の「89(ハグ)の会」の有志が制定した日。
日付は8と9で「ハグ」と読む語呂合わせから。
私とゆたかは、お互いの愛と、勇気と、希望を与え合い、互いを必要としながら生きていく。
今までも……そしてこれからも……
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- 何度も読み返していますが、この話に出会えて本当によかったと感じます。 -- 名無しさん (2010-08-09 23:11:34)
- 温かい話だった。gj! -- 「ハグの日」が「ハゲの日」に見えた名無しさん (2009-11-15 17:56:25)
- ハグはいいね ハグは
2人ともかわいすぎるGJ! -- 名無しさん (2009-10-08 01:53:03) - ハグに混ぜて欲しいと思いました -- 名無しさん (2009-09-28 13:29:14)