kairakunoza @ ウィキ

素敵なサムシング

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「お~ゆ~を~、か~け~る~少女~♪」
 こなたは歌いながら、急須に電気ポットのお湯を注いだ。緑茶の芳しい香りが、部屋に広がる。
「あ、この間やっていた『時をかける少女』の替え歌っスか?結構面白かったっスね」
 そんなこなたに、ひよりは湯呑みの用意をしながら、感想を語る。
「むー」
 流石に古かっただろうか、こなたは少しだけ後悔する。
 ひよりの言う事は間違ってはいないのだが、こなたの歌っていたのは少し違っていたのだ。

 こなたはひよりの部屋にお邪魔していた。お茶をひよりの持ってきた湯呑みに注ぎながら、みかん箱の上の本を見る。
 ――妄想同人誌が、こなたとひよりに一冊づつ用意されていた。そう、ついに完成してしまったのだ。
 ひよりの『甘苦酸っぱい同人誌』が黒歴史なら、これは間違いなく暗黒銀河級であろう。
 ちなみにクオリティは、コピー本とは思えない程で、本文には普通のコピー紙ではなく上質90kg紙を採用、
カラー口絵部分もあるという凝りようであった。無論、売り物では無く、世界に二冊だけだ。


 二人はみかん箱を挟んで向かい合った。別に普通の机はあるのだが、『雰囲気が欲しい』と、こなたが持ち込んだ物だった。
「えー、それでは同人誌の完成披露会を行いたいと思います」
「わー、ぱちぱち」
 ひよりの開会宣言に、こなたは気のない拍手を声で贈る。
「もうちょっと乗って欲しいっス……」
 そんなつぶやきが聞こえたが、こなたは黙殺する。乗れる気分では無かったし、緊張していたのだ。
 お茶を一口含み、口の乾きを癒す。そして手元に置かれた妄想同人誌に目をやった。
「正直ここまでやれるとは思っていなかったよ」
 こなたは思わず声に出した。
 見た目だけなら、ひよりの手により描かれた、かわいらしい絵の全年齢向けに見えるが、中身は以下略。
 ちなみに隅の方に『これはフィクションであり、実在の人物との関連は一応ありません』との文がある。
 これはこなたとひよりが、自分達に対する言い訳として用意した物である。
「それじゃ早速先輩の小説を」
 ひよりがわくわくしながらページを繰るが、
「いやっ、ちょっ、おまっ、待っ」
 こなたが訳の分からなくなった言葉と態度で遮った。
「えー。何を今更恥ずかしがってるんスか?」
 ひよりの言うとおり今更である。
 こなたの小説は、ひよりとの共同作業の形で進んでおり、レイアウト、編集、挿し絵等々、
全てにひよりの手が入っているのだから。
「いやー、目の前で自分の書いた物を見られるのって、恥ずかしくない?」
「狼狽する先輩は、なかなかの萌えっスね」
 ひよりは余り気にならないようだが、これはこなたが作品を見られるのに慣れていないからである。
 だがこれが普通の同人誌なら、恥ずかしいのは変わりないが、これほどにまでは狼狽しない。
 どちらかと言えば、喜ぶはずだ。
 ――問題は中身だ。
「ひよりん、とりあえず順番に見てこうよ」
「……あー。確かに恥ずかしいですねー」
 思わずひよりはこなたから目を逸らしてしまう。ページトップはひよりの四コマだったのだ。
「いーじゃん。ひよりんのは最初は普通のなんだから」
 最初は軽いギャグで、つかみはOK、というわけである。売らないけど。
「あー、うん。最初は、ね」
 ひよりの目が宙を彷徨う。
「……後ろ向いて読まない?」
「……そっスね」
 向かい合わせで読むには余りに恥ずかしすぎて、二人はお互い背中を向けた。

―――
――

 真夜中/ある少女の部屋。
 ベッドの軋む音と、少女達の吐息が聞こえる。
「おねぇ、ちゃん?」
 少女はベッドに押し倒され、手首を拘束されていた。
 戸惑う声は届かなくて。
 ――ただ、くちびるで塞がれた。
「んっ……うぅっ」
 抵抗出来ない少女の歯列を舌でなぞり、強引に口の中へ進入する。
 無意識か、舌と舌が絡み合い、淫らな音を立てる。
 息が出来ない。全てが目の前の姉で一杯で、消えてしまいそうで。
 消える前に姉のくちびるが離れた。唾液が二人を繋ぐ。それもすぐに切れてしまった。
 とても苦しい。
 苦しいのは息が出来なかったせいだろうか。
 ――否。
「……つかさ」
 姉が……双子の姉であるかがみが、少女の名を呼んだ。
「お姉ちゃん……どうして」
 妹であるつかさが理由を問う。
「それは……」
「んんっ!?」
 再びかがみにくちびるを塞がれる。激しく、そして切ない口づけ。
 たっぷりとつかさを味わい、ゆっくりと離れていった。
「つかさが、欲しいの」
 本気だった。今まで見たことが無いほどに真剣で、だけど悲しくて。
 ――怖かった。
「お姉ちゃん、痛いよ……」
 痛いのは手首か、それとも胸だろうか。それすらわからなくて。
「……痛い……」
 ただ、涙を流していた。
「……っ」
 かがみが息を飲むのが見えた。瞳に戸惑いの色が浮かび、不意に拘束の手がゆるむ。
 その隙につかさはかがみの手を振り払い、部屋から駆けだした。
「待って! つかさ」
 かがみの声が聞こえる。でも振り向くわけにはいかなかった。
 自分の部屋に入り、鍵を掛けて耳を塞いだ。
 何故?
 その言葉がつかさの中で渦巻いていた。
 何故、優しい姉が。
 何故、こんな事を。
 ――何故、私なの?


 早朝/誰もいない教室。
 つかさは一人で登校していた。今はまだ、かがみに会えないとわかっていたから。
 昨晩は眠れなくて、涙が止まらなくて……そして寂しくて。
 今になってようやく眠れる、ホームルームまで休もうか、そんな時だった。
「いぇーい、一番乗りっと」
 ぴょこん、とアホ毛が踊る。両手をあげたポーズで「グリコー」などと言っていた。
 つかさの級友であり親友の泉こなたが現れた。
「おはよう、こなちゃん」
 つかさは思わず吹き出しそうになるのをこらえ、こなたに挨拶をする。とても『らしい』登場に、心が和らいだ。
「お。おはよう、つかさ。今日は早いねー」
「こなちゃんこそ、今日はどうしたの?」
 こなたがこんなに早く現れるのは珍しい。普段ならネットゲームや深夜アニメによる徹夜等で、遅刻寸前まで寝てしまう事が多いからだ。
「んー、ゆーちゃんが日直でいろいろやることがあるから、一緒に来たんだ」
 そう言うと同時に「ふわぁ~眠っ」と盛大にあくびをした。
「つかさも眠いの? 目が赤いけど」
 つかさは思わず目をこする。大丈夫だと思ったのだけど。
「えっ、あ、うん、そうなの。昨日眠れなくて……」
 そこまで言うと、昨日の事が頭をよぎった。
「……あれ?」
「つかさ?」
 涙が、こぼれる。どうしても止まらない。
「ご、ごめんね、こなちゃん。何か、悲しくて……」
 そんなつかさをこなたは優しく抱き寄せた。
「我慢しないで、つかさ」
 ――とても暖かい。全てを話してしまいたい。
「喧嘩、したの?」
 『誰と』とは言わなくても、こなたにはわかっているだろう。
「う、ん。でも、ごめんね。まだ自分でも……わからないの」
 こなたの腕の中でしゃくりあげながら、つかさは告白した。優しく髪を撫でられ、心が落ち着いていくのを感じていた。
「無理はしないで。話したくなったらでいいからさ、楽になるかもよ」
「……ありがとう、こなちゃん」
 こなたの温もりに包まれ、目の前が霞んでいく。そして、
「? つかさ?」
 その腕の中、つかさは安らかな眠りについていた。
「おやすみ、つかさ」
 こなたは優しくつかさを横たえ、膝にのせた。穏やかに眠るつかさをじっと見ていたのだが――
「ぐー」
 いつの間にかこなたも眠ってしまっていた。


 昼休み/3年C組。
 かがみはいつものように、あやの、みさおとともに昼食をとっていた。
「……はぁ」
 ため息一つ。
「おーい、柊」
 みさおはつんつんとかがみをつついた。反応がない、ただのしかばねのようだ。
「かなりの重傷ね」
 あやのの声も沈んでいた。
 ずっと『心ここにあらず』といった感じのかがみを二人は心配していた。
 授業中も上の空。先生の狙い撃ちを受けても気づかない。
 そんな状態だからさらに先生に狙われて。
 その度にみさおが「私がやるよ!」と飛び出し、そのフォローにあやのが行ったり。
 それはそれで、自分達が好きでやっているのだから、かがみが気に病む事などないし、
突っ込みを入れてくれるのを待っていたのもあった。
 それでもかがみは虚ろな目をしていて。
 ――気持ちが届かなくて。
「……寂しいな」
 みさおは思わずつぶやいていた。
 そんな時だった。
「あら、高良ちゃん」
 あやのがみゆきに気づいて、見に行った。
 みさおはそれを見送りながら、かがみの頬を引き延ばす。
「こんだけ心配させたんだから、これぐらいいいよな」
「……ひゃにすんにょよ」
「おお、ようやく返事が聞けた」
 みさおが満面の笑みを浮かべる。かがみも思わずつられて笑った。
「痛いじゃないの」
 でも、とても優しい気持ちが伝わってきて。
「……二人とも、ありがとう」
 素直に言えた。
 そしてあやのが戻ってきてかがみに言う。
「柊ちゃん、高良ちゃんが話があるって」
「え? みゆきが?」
「ほら、行ってきなよ」
 みさおに押されて、席を立った。

 入り口でみゆきと向かい合う。みゆきもとても心配そうな顔をしていて。
「……ごめんね」
 それだけしか言えなかった。
「つかささんと喧嘩でもなさったのですか?」
「私の、せいだから……」
 思わず俯く。
 喧嘩とは呼べない。一方的に傷つけて。
「……もし、よろしければ」
 みゆきがかがみをしっかりと見据えて言う。
「放課後にお話を伺えませんか?」
「みゆき……」
「私も、かがみさんの力になりたいです」
 かがみもしっかりとみゆきの視線を受け止めて。
「ありがとう、みゆき」
 放課後、視聴覚室で待っている。そう約束した。


 放課後/夕日に染まる視聴覚室。
  鍵は掛かっていなかった。
 かがみは一番前の窓際の席に座り、ぼんやりと外を見る。
 どうしようもなく寂しい。いつもそばにいて、とても大切なつかさが、いない。
 どうしてあんな事をしてしまったのだろう。
「かがみさん、遅れて申し訳ありません」
 みゆきが教室に入ってきて、かがみを現実へと引き戻した。
「ううん、そんな事ないよ。私の方こそ、相談に乗ってもらうんだからさ」
 かがみは、そう言ってみゆきに話しかけた。そのままみゆきが隣の席に座る。
「つかさ、どうしてる?」
「泉さんが話を聞いていらっしゃいます」
「……そっか。みゆきは、つかさから何か聞いてる?」
「いいえ」
「聞かないの?」
「つかささんが話したくないのなら、無理には聞きませんし、今は泉さんがいらっしゃいますから」
「みんな……優しいね」
 みゆきの話を聞き、かがみはつぶやく。
「私は傷つけてばかりだ」
 思わず、目を伏せる。
 その時、不意にかがみの視界が暗くなった。
「かがみさん……」
「み、みゆき!?」
 みゆきがかがみを抱き寄せた。やわらかいみゆきの髪がかがみに触れる。
「ご自分を責めないで下さい」
「で、でも、私は」
「私では、力になれませんか?」
 かがみから表情は見えない。見えないけど本気で、だから、よけいに悲しくて。
「うっ……ひっく、うぅっ」
 涙が出た。みゆきにすがりついて、声を殺して泣いた。
「かがみさん……」
 みゆきの抱きしめる力が強くなって。不意に緩んで。
「えっ、んんっ!?」
 かがみはくちびるを塞がれる。優しく触れて、すぐに離れた。
「私はかがみさんが好きです、だから……」
 みゆきがかがみを潤んだ瞳で見つめる。
「かがみさんが、つかささんの事を好きでも」
「!!」
「私はあなたが欲しい」
 今度は深く口づけられて。
 ――昨日とは逆の立場になっていた。


「っ、はぁっ……みゆきお願い」
「逃がしません」
「んんっ」
 みゆきは、無意識に逃げるかがみを追う。壁際に追いつめ、両手を上手に押さえつけ、くちびるを塞ぐ。
 これは、罰なのだろうか。かがみはそんな事を思う。
 夕日が眼鏡に反射して、みゆきの気持ちが見えない。
「かがみさん……」
 切ない声色。見えない気持ち。変わらぬ想い。
 みゆきの手が、かがみのリボンに伸び、するするとほどいていく。
 かがみは右側のリボンが解けるのを、まるで自分の事で無い様に見ていて。
 気づけばそれで両手を縛られていた。
 みゆきの手が、頬を撫でていく。
「私を、見て下さい」
「……みゆき」
 かがみの気持ちが、みゆきを向いていない事などわかっていて、それでも向いて欲しくて。
 ――だけど、応えられなくて。
「ごめん、ね」
 かがみは、また一筋涙を流した。
 その時、不意に拘束の手がゆるみ、リボンが解かれた。
「いいえ。かがみさん、それは私の言葉です」
 みゆきは俯いて目を伏せた。
「こんな事をして、かがみさんが手に入る訳、ありませんのに」
「それは……」
 ――それは、私も同じ。
 かがみは言葉を飲み込んだ。


 同時刻/3年B組。
 つかさとこなた、二人が残った教室。
「かがみの方は、みゆきさんが何とかしてくれるよ」
「うん、ありがとうこなちゃん」
 朝に比べると幾分か落ち着いたつかさと、楽観的なこなたがいた。
「でもさ、つかさとかがみが喧嘩、だなんて信じられないなあ」
 こなたの言葉に、つかさは胸が痛む。
「喧嘩、だったらよかったのに」
 無意識の内に、言葉に出てしまった。
 それは、気持ちのすれ違い。『好き』の方向が違いすぎて。
「好きとか嫌いとか、誰がいいだしたのかな……」
「駆け抜けて行く~わったっしのメモリアール♪」
「へ?」
「いや、気にしないで」
 残念ながら、こなたの歌に突っ込みを入れられる者はいなかった。
「……ってあれ? つかさ、そういう事だったの?」
 ようやく、こなたはつかさの言葉の意味に気づいた様だ。
「あ……うん。お姉ちゃん、私の事が『好き』だって」
 好きと言うには激しくて。受け止めるには重すぎて。
「私は……怖かったの」
 つかさは俯いてつぶやいた。


――
―――


「くっはー!」
「うわぉうっ」
 背中側から聞こえたひよりの叫び声に、こなたもつられて叫んでしまう。
「何でこんな所で切れてるんスか!」
「いや、ひよりんわかってたじゃん」
「いやー、本として読むと、やはり違いますからねー」
 ひより自身の手で編集されているが、改めて読むのとは違うようだ。
「先輩、続「いや無理マジ無理勘弁して」
 ひよりが言葉を言い終える前に、こなたは息もつかせず言う。
 こなたは最初、ギャグ物を書くつもりでいたのだ。それが、ひよりと相談しながら書いていたら、
いつの間にかこういう物になっていたのだ。
「これからが、泉先輩のいいところなのに」
「ひよりんのは、自分が出てきてる訳じゃないから、そんな事が言えるんだよ……」
 こなたは盛大にため息をついた。
 いいだしっぺとは言え、自分が友達にアレコレしたりされたりを、自分で書くのは死ぬほど恥ずかしい。
 いや、この本を誰かに見られたら、もう確実に死ねる。
「これが、黒歴史を目の前にした、絶望の心なのね……」
 すでに元ネタが怪しくなってきたこなたであった。
 ちなみに、この本を作ると決めてからのひよりの行動は素早かった。
 締め切りを決め、途中までであろうと掲載すると決め、こなたの小説の共同製作もするなどと、大活躍であった。
 だからこそ、続きが読みたいのだろうかとこなたは思う。
「よーし、先輩に書いてもらえるように、音読するっスよ」
 そんなこなたの思いもいざ知らず、ひよりは最後の一押しにかかった。
「ちょっ、やめっ……よし、こうなったらこっちも音読してやる」
 こなたは腹をくくった。負けるわけにはいかない。
「うわっ。先輩恥ずかしいっス!」
「負けるもんかっ」
 こなたとひよりは互いの同人誌を奪い合う。そして、互いにもつれ合い、
「うひゃあっ?」
「うぁちゃっ!」
 みかん箱の限界とともに、お茶の洗礼を受ける。
 勝負は終わりを告げたのだ。


「あー、びしょ濡れっスね」
「こっちもだよ。こりゃもうダメかね」
 お茶は二人ではなく、同人誌に直撃した。ふやけた紙を乾かしても、再起不能であろう。
「うう……頑張ったけど、これも『運命』と書いてさだめと読むって奴ですか」
 タオルで本を優しく拭きながら、ひよりは言う。
「そうかもね」
 こなたも本を拭きながら答える。暗黒銀河級とは言え、自分達で作った本を駄目にしてしまったのは心が痛んだ。
「……ごめんね、ひよりん」
「何がっスか?」
「妄想同人誌を作ろう、だなんて言ってさ」
 気軽に言うべきでは無かった。形にするととても重かった。
「黒歴史の気分がよくわかったよ」
「確かに黒歴史ですけど」
 ひよりは拭いていた本から目を離し、こなたを見据える。
「言われなくても、いつかきっと手を出していましたし、作っていて楽しかった気持ちに嘘は無いっス」
「ひよりん……」
「先輩、ありがとうございます」
「ううん、お礼を言うのは私の方だよ。ありがとう」
 こなたは一瞬感動したが、
「まあもう一回作り直してもいいっスけど」
「…………勘弁して下さい」
 感動損であった。


 こなた先生とひより先生の次回作にご期待下さい。





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  • うっわーマジ百合ですやん! どシリアスやん! 
    これは読まれる方は恥ずかしい… -- 名無しさん (2011-04-13 22:10:32)
  • こなた先生の復活まだー? -- 名無しさん (2008-04-02 18:45:05)
  • こなた続き続き! -- 名無しさん (2007-07-31 03:14:13)

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