--- てけてけかなたさん"おかわり" その3・しゃてい ---
「うーん……パス」
「うしっ」
エースでこの場を流してくれたのは、とっても有り難い。
手持ちのカードは、3が2枚に4が3枚、そしてキング……私の計画を発動させるには
ちょうどいい場面じゃないですか!
「それじゃあ……はいっ、"革命"っ!」
そう言いながら、私は4枚のキングを場に出してみせた。
これで強弱の立場は逆転! 私のカードは、今この瞬間から最強カードに生まれ変わったのですよ!
「あらあら」
「へ?」
困ったように言うお母さん。だけど、その顔は全然困って無くて、パスもしなくて……
「じゃあ、私もっ!」
「ちょっ!!」
えっ、えっ?! 5が4枚で革命返しデスカ?!
「これで流して、2と、2と、2と」
さ、最強カードを一枚ずつ出すなんて、なんというトドメ……
「ジョーカーと、あと3であがりっと」
「お、お母さん強すぎだよー……」
大富豪のソフトから「かなた さんの16勝0敗」ってダイアログが出たのを見て、私は思わず突っ伏した。
「ふふふっ、たまたまよ」
「ううっ、勝者の理論だー、余裕すぎだー」
突っ伏した顔を上げて、あごをパソコンデスクに乗っける。ああ、PCの中のお母さんの笑顔も、すっごく眩しいや……
「お母さんさ、まさかズルしてないよね?」
「えっ? ず、ズルなんてしてませんっ!」
ムキになって返すお母さん。うーん、さすがにそう言うんだろうけど、
「だって、都合良く革命とか、2が3枚とか出てきたじゃん。その前はダブル革命とかも
あったし。お母さんだったら、CPUいじってちょちょいのちょいで余裕ッチとかできそうだもん」
「そんなことできませんっ! もうっ、勝負はいつも真剣にやってるのに」
むう、さすがにここまで言うとなると、何もやってない可能性のほうが強いか。
「じゃあさ、お父さんと学生時代で遊んでたときはどうだったの?」
「……よく、そう君におちょくられながらあしらわれてたかも」
ああ、頭に思いに浮かびますよ。セーラー服姿のお母さんがあたふたして、学ラン姿の
お父さんが楽しそうにその姿を見ているっていうビジョンが。
「じゃあ、PCの中でやってたら突然強くなったってこと? だったらやっぱり何かあるよーな」
「だからっ、何でもないんだってば」
私に負けじと、お母さんもほっぺたをぷうっと膨らませる。いや、もしかしたらそう
ムキになるほうが怪しいのかもしれない。
「こうなったら、別のソフトをダウンロードして――」
そう言って、私がブラウザを立ち上げようとした瞬間「ぽぉん♪」って音といっしょに、何かのダイアログが現れた。
「うしっ」
エースでこの場を流してくれたのは、とっても有り難い。
手持ちのカードは、3が2枚に4が3枚、そしてキング……私の計画を発動させるには
ちょうどいい場面じゃないですか!
「それじゃあ……はいっ、"革命"っ!」
そう言いながら、私は4枚のキングを場に出してみせた。
これで強弱の立場は逆転! 私のカードは、今この瞬間から最強カードに生まれ変わったのですよ!
「あらあら」
「へ?」
困ったように言うお母さん。だけど、その顔は全然困って無くて、パスもしなくて……
「じゃあ、私もっ!」
「ちょっ!!」
えっ、えっ?! 5が4枚で革命返しデスカ?!
「これで流して、2と、2と、2と」
さ、最強カードを一枚ずつ出すなんて、なんというトドメ……
「ジョーカーと、あと3であがりっと」
「お、お母さん強すぎだよー……」
大富豪のソフトから「かなた さんの16勝0敗」ってダイアログが出たのを見て、私は思わず突っ伏した。
「ふふふっ、たまたまよ」
「ううっ、勝者の理論だー、余裕すぎだー」
突っ伏した顔を上げて、あごをパソコンデスクに乗っける。ああ、PCの中のお母さんの笑顔も、すっごく眩しいや……
「お母さんさ、まさかズルしてないよね?」
「えっ? ず、ズルなんてしてませんっ!」
ムキになって返すお母さん。うーん、さすがにそう言うんだろうけど、
「だって、都合良く革命とか、2が3枚とか出てきたじゃん。その前はダブル革命とかも
あったし。お母さんだったら、CPUいじってちょちょいのちょいで余裕ッチとかできそうだもん」
「そんなことできませんっ! もうっ、勝負はいつも真剣にやってるのに」
むう、さすがにここまで言うとなると、何もやってない可能性のほうが強いか。
「じゃあさ、お父さんと学生時代で遊んでたときはどうだったの?」
「……よく、そう君におちょくられながらあしらわれてたかも」
ああ、頭に思いに浮かびますよ。セーラー服姿のお母さんがあたふたして、学ラン姿の
お父さんが楽しそうにその姿を見ているっていうビジョンが。
「じゃあ、PCの中でやってたら突然強くなったってこと? だったらやっぱり何かあるよーな」
「だからっ、何でもないんだってば」
私に負けじと、お母さんもほっぺたをぷうっと膨らませる。いや、もしかしたらそう
ムキになるほうが怪しいのかもしれない。
「こうなったら、別のソフトをダウンロードして――」
そう言って、私がブラウザを立ち上げようとした瞬間「ぽぉん♪」って音といっしょに、何かのダイアログが現れた。
『かなた姐さんの言うことにケチをつけるんかい
いちいちゲームのことでつっかかるなんて野暮も野暮。
胸だけやなく、根性までちっちゃいんじゃ救いナシやな。わははははは。
胸だけやなく、根性までちっちゃいんじゃ救いナシやな。わははははは。
[ はい ] [ OK ] [ 了解 ] [ すべて ] 』
ttp://ranobe.com/up/src/up210008.jpg
「ちょっ、お、おかーさん?!」
「しっ、知りませんよ?! 私は知りませんってば!」
いきなり出てきたメッセージだけど、こ、これって、PCからのメッセージ?!
「うっわー……お母さん凄いね、PCの中の人にまで慕われるなんて」
「ううっ……だから、私は姐さんじゃないんですってばぁ……」
『中の人などいない』というダイアログに手をつきながら、がくーんと落ち込むお母さん。
……ん? 待てよ? もしかして、PCがお母さんに手助けしてくれてるってこと?!
「そ、それじゃあずーっと勝てるわけないじゃん!」
とんでもない守護者がついていたっていう事実に、私はただ愕然とした。
「しっ、知りませんよ?! 私は知りませんってば!」
いきなり出てきたメッセージだけど、こ、これって、PCからのメッセージ?!
「うっわー……お母さん凄いね、PCの中の人にまで慕われるなんて」
「ううっ……だから、私は姐さんじゃないんですってばぁ……」
『中の人などいない』というダイアログに手をつきながら、がくーんと落ち込むお母さん。
……ん? 待てよ? もしかして、PCがお母さんに手助けしてくれてるってこと?!
「そ、それじゃあずーっと勝てるわけないじゃん!」
とんでもない守護者がついていたっていう事実に、私はただ愕然とした。