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こなた×つかさ

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匿名ユーザー

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 ある夏の日。柊家のつかさの部屋。
「今日かがみは?」
「お姉ちゃんは用事あるって」
「家の人は?」
「みんないないよ」
「ってことは、久しぶりに二人きりだね」
「そうだねー」
 遊びに来たこなたとつかさが、何でもない会話を交わす。
「はい座布団。何か飲み物持ってくるね」
「あ、お構いなく」
 座布団に腰掛けるや、自分の家であるかのようにくつろぎオーラ全開なこなた。つかさは屈託の無いその様子に苦笑する。
 二人分のオレンジジュースをお盆に乗せて部屋に戻ると、こなたは寝っ転がって漫画本を読んでいた。
「はい、こなちゃん」
「サンキュ」
 こなたは体を起こして、ストローに口を付けた。その間も視線は漫画に落としている。読んでいるのは、最近つかさがお気に入りの少女漫画だ。
「それ面白いよねー」
「ま、ね。最近の少女漫画にしちゃ珍しい王道路線で大人しめなんだけど。だが、それがいい! って人も多いんだろね」
「そうだね。私もそこがいいと思う」
 ジュースを口に運びながら朗らかに同意するつかさと、慶次ネタに反応してもらえなかったことを少し残念がるこなた。つかさは間違っても原哲夫の漫画を自分から読むようなタイプではないから、当然と言えば当然だが。
「オタクとはかくも孤独なものよの……」
「え? 何か言った?」
「ううん、別に」
 ごく一般的な日本人の教養として北斗の拳ぐらいは勧めておくべきかと、こなたは半ば本気で考える。
「ところでさ、つかさってレディコミとかそういうのは読まないの?」
「うん、私そういうのは読んだことないの」
「ふーん……純情だねぇ、つかさは」
 純情というならかがみも相当なものだが、つかさはダイレクトにお子さまというか。
「じゃあ、今度そういうの貸したげよっか? あんまり数は無いけど」
「ええっ……わ、私はいいよ」
「遠慮しなくてもいいのに」
「遠慮とかじゃなくて、その……そういうのは何となく苦手で」
「そなの?」
「うん……」
「ふーん……」
 今時珍しいぐらいなつかさの純情ぶりだった。

 二人きりの部屋に、しばし沈黙が流れる。
(……あ~……だめだ。また悪いのが湧いてきたよ……)
 微妙な静寂の中、自分の心の内に盛り上がるよくない感情を自覚しながら、こなたはあえてそれに流される選択を取った。
 無意味なほど俊敏な体捌きでつかさの背後を取る。
「えっ……」
 ぼんやりしていたつかさの背中に、柔らかい物が触れた。こなたが後ろから体を接触させてきたのだ。
「こなちゃん……?」
 こなたはつかさの腰に手を回し、背中から抱きしめるような形になった。
「つかさ……誰もいないんだから久しぶりに、やらないか」
 最後の一言だけ妙に低音で、つかさの耳元にそんなことを囁く。妙な感覚に、つかさは体を震わせた。体が熱いのは、気温だけのせいではない。
「こ、こなちゃん……ダメだよぅ……こういうことは、その……やっぱりいけないことだし」
 前にもこんなことが何度かあった。実を言うと友達になって割と早い段階で、つかさはこなたとそういう関係になっている。かがみはもちろん、他の誰もそんなことは知らない。
 こなた自身も、自分の性癖をおおっぴらにはしていない。フィクションならいざ知らず、ホモやバイが堂々と生きていくにはまだまだ障害の多い現代日本だ。
 しかし、異性同士だろうが同性同士だろうが、狭い部屋の中でこっそりと猫のように情事を交わす、それは同じこと。
「大丈夫だって。優しくするから」
「そんな問題じゃ……あぅっ」
 つかさの背中をこなたの吐息がくすぐり、間を置かず肩口に唇が触れてきた。
「ん……くすぐったい……」
「良い匂いだよ、つかさ……」
「……ぁ……くぅ」
 抱きしめられていた手に力が籠もる。痛くはない。
 いつもこうだ。つかさが形式的に嫌がって、こなたが手練を尽くしながらそれをやんわりなだめて、そのうち床の上で懇ろになる。
 薄手の夏服は、少し手を潜らせればすぐ敏感な部分に行き着いてしまう。
「こなちゃん、くすぐったい……」
 身をよじって逃れようとしたつかさの唇に、こなたのそれが強引に重ねられた。よける暇は無く、よける気も無かったのかも知れない。
「ん……ん~………………ぷはぁっ」
 こなたはたっぱり時間を掛けてつかさの唇を味わってから、まるで牛乳を一気飲みした後のように息をつく。舌に感じたのはさっき飲んだオレンジジュースの味だったが。

 キス一つでだいぶ効いたのか、つかさは熱っぽく目を潤ませながら胸を押さえていた。
「なんべんやっても初々しいねぇ、つかさは」
「そ、そんなこと言われたって――」
「いや、褒めてるんだよ」
「褒められても嬉しくない……」
「んー……でもウブな反応とは裏腹に、体はすっかりこなれちゃってるね」
 こなたはつかさの下腹部に手を伸ばし、そのままするりと下着の中に指を滑り込ませた。
「ひぁっ!?」
 大仰に身を竦ませるつかさに構わず、こなたは成熟しきっていないそこに指を這わせる。
 指先にしっとりとした熱い感触。紛れもなく快感を得ている証し。
「まだろくにしてないのに、もう濡らしちゃってるよ、つかさ」
 濡れて光る人差し指をつかさによく分かるよう見せてから、ぺろりと舐めてみる。
「レディコミも読んだこと無い純な性格で、体はこんなにいやらしいんだから……まあ、そのギャップがいいんだけどね」
「そ、そんなこと言わないで……」
 羞恥に顔を染めるつかさの体を、こなたが押し倒した。
 これが若い男女なら前戯もそこそこに挿入を急ぐところだろうが、あいにく挿す物も出す物も無い女同士だ。気力と体力が続き、周囲の都合が許す限りはたっぷり楽しめる。
「おっと、まずは服を脱がなきゃね」
 うっかり着衣のまま組み敷いていたことに気付き、こなたが身を起こす。
「自分で脱ぐ? それとも脱がして欲しい?」
「……自分で脱ぐ」
 答えた途端こなたが舌打ちしたのは気のせいと思うことにして、つかさは辿々しい手付きで、もうかなり着崩れた服を脱いでいった。こなたの方も思い切りよく服を脱いでいく。
「わっ! カーテン閉め忘れてる!」
 下着姿になってから今さらな事実に気付き、つかさは大慌てで部屋のカーテンを敷いた。二階なので覗かれるような危険はほとんど無いだろうが、気持ちの問題だ。
「んじゃ、準備も整ったことだしベッドに移ろうか」
 普段と変わらぬのんびりした口調で、こなたが誘ってくる。
 この段階になると、つかさに拒否するという選択岐は生まれない。言われるまま、ベッドの上に腰を下ろす。
 何だかんだ言って、こなたに抱かれるのが嫌いではないのだ。自ら求めはしないが、求められると結局は受け入れてしまう。

 こういう関係になって間もない頃は、普通の友情が壊れてしまう不安があった。しかし、こなたのカラッとした人間性のお陰か、日常的にはごく普通に仲の良い友達同士で、たまにこうして戯れ合う関係が器用にも築けていた。
(こんなことしてるの、誰にも言えないけど……)
 小さくない罪悪感が胸に湧く。だがそれも、繰り返される行為の中で薄れている。むしろ背徳と、それに伴う快感に変じているのが紛れもない事実だった。
(私もこなちゃんも……悪い子だ)
 ぼんやりしているうちに、裸体を正面から抱きしめられた。体を重ね、ベッドに深々と横たわる。火照った肌と肌が吸い付くようだ。
 御世辞にも豊満とは言えないこなたとつかさの乳房は、しかし淡雪のように柔らかく心地よい。互いの柔らかさを同じ部分で感じ合う。
 本日二度目のキスがつかさの唇を塞いだ。舌と唾液が絡み合う。こなたが貪るように唇を合わせるたび、つかさは自分の体温が上がっていく気がした。
 こなたの手がつかさの乳房を覆う。薄桃色の先端を、指先がキュッと摘んだ。
「んぁっ……」
 つかさが声を漏らす。こなたは嬉しそうな笑みを浮かべると、今度はその場所に顔を寄せた。
 ピンと立った乳首を、こなたの舌先が突っつく。つかさの体が小さく震えた。
 こなたは愛撫するばかりで、強いてつかさの愛撫を求めようとはしない。タチの方が好きらしく、つかさにしてもウケの方が性に合っていた。
 汗ばんだつかさの皮膚は、ほのかに甘いミルクのような匂いを放っている。その薄い膜を一息に剥がしてしまいたい。そんな衝動がこなたの胸に疼く。 
 こなたはつかさの乳首を口に含んで歯を立てた。甘噛み程度だが、敏感になっていたつかさはビクリと身を震わせた。
「あっ……こなちゃん、歯を立てないで」
「ん……だってさ、つかさとこうしてると本当に食べたくなるんだもん」
「た、食べるって……」
 こなたの冗談と見えない目付きに、つかさが身を固くする。
「まあ、実際に食べちゃったりはしないから安心してよ」
「ほっ……」

「その代わりたっぷり可愛がらせて貰うけどね♪」
「ひあっ!?」
 こなたは音を立てて乳首を吸い上げる。そのまま左手をつかさの下腹部へ伸ばしていった。まだこなた以外の誰も受け入れたことのないそこに、指を浅く潜らせる。
「ほら……つかさのここ、ますます濡れてきてる」
「っ、ぁ……こなちゃん、ダメぇっ……!」
 こなたの指先がそこを擦り、水っぽい音が部屋に響く。
「は……あっ……やめ、っ……んっ」
「本気でやめて欲しいの? こんなに濡らしてるのに」
「そ、それは……その…………」
「つかさは素直だから好きだよ」
 こなたは指の動きをさらに激しくする。
「あっあっ、いっ……ふぁっ」
 こなたが指を動かすたび、湿った音とつかさの声が上がる。
「いっ、いっちゃ……あ、あ……あぁっ!」
 押し殺した声を上げて、つかさは最初の頂きに達した。
「イっちゃったね、つかさ」
 こなたは余韻を楽しむように指をゆっくり動かしながら、つかさの耳元で囁く。
「でもまだまだ、お楽しみはこれからだよ」
「う……うん」
 真っ赤に上気した表情でつかさは頷いた。その唇にこなたがもう一度口付ける。その次は首筋に強く口づけた。そのまま首筋から肩、胸、お腹と、全身にキスの嵐を降らせていった。

「……そろそろお姉ちゃんが帰ってくるかも」
 汗ばんだ肌を余さず露わにした姿で、つかさとこなたはまったりとベッドの上で寄り添っていた。閉め切った部屋には二人の匂いが満ちている。
 結局、この日は時間ぎりぎりまで存分に楽しんでしまった。この日も、というのが正しいかもしれないが。
「こなちゃん、シャワー使うよね?」
「今日はいいや。つかさの匂いを体に付けたまま帰るよ」
「こ、こなちゃん……!」
「いやいや冗談だって」
「もうっ、そういう冗談やめてよ」
「んー……怒った顔のつかさも可愛いねぇ」
 にやにや笑いながら、こなたは人差し指でつかさの頬をプニプニ突っつく。
「それじゃ一緒にシャワー浴びよ」
「……うん」

 その日の夜。かがみがつかさの部屋にやってきた。
「つかさー。貸してた英和辞書返して」
「あ、うん」
 机に向かって勉強していたつかさは、脇に置いてあった辞書を取ってかがみに渡す。
「ねえ、つかさ」
「なぁに?」
「首のそれって虫さされ?」
「っっ!!?」
 ガタターン! と、賑やかな音を立ててつかさは椅子から転げ落ちた。新喜劇もかくやのリアクションだ。
「……座った状態で転ぶって、また無駄に器用なことを。どうしたの?」
「あ、あはは! 何でもないから! これは、その、虫さされだから! うん! 虫さされ虫さされ」
 やたら虫さされを強調するつかさ。かがみは訝しげだったが、特に言及はせず部屋を出て行った。
「はぁ……」
 かがみが部屋を出てから、つかさは大きなため息をついた。
「もっと気を付けないと……もしお姉ちゃんに知られたら何て言われるか」
 手鏡を取り出して、指摘された首筋を見てみる。小さく赤い跡。指で触れると、微かに熱いような錯覚がした。
「……やっぱり、女の子同士って変なんだよね」
(でも……)
 つい今日したことを思い出してしまい、体の内側が熱くなる。
 こなたの指や唇が体に触れる感触。思い出すとまだ余韻が残っているかのように、肌が火照ってくる。
「……ん」
 いけないと思いながら、つい手が股間に伸びてしまう。下着越しにそこへ触れ、指に力を込める。
「ふ……っ……んぁ……ぁ」
 下着越しでは我慢できず、指先をその中に入れてしまう。
「こな、ちゃん……ぁっ」
 小さく名前を呟きながら、指の動きを早くしていく。
「はぁ……ぁ……こなちゃんっ……!」
「ごめんつかさ、辞書と一緒に単語帳も――」
「!?」
「あ゛……」
 ついノックせずにドアを開けたかがみ。背中を向けていても、つかさが何をしているのかは分かってしまった。
 死ぬほど気まずい空気が一瞬にして場を支配する。
「……」
「……」
固まる二人と止まる時間。

「………………あ、あの、ごめん」
 そして時は動き出す。
「ホントに、ごめん。気にしないから。それぐらいのことは、別に誰でもさ……あはは……」
 乾いた笑みで場を和まそうとするかがみ。
「……」
 つかさは何も言わず、涙目でかがみを睨んでいる。怒っているのかどうなのか、判別の付かない表情。
「えーと……つかさ? 本当に、悪かったから……」
「……聞こえた?」
「え?」
「さっき、私が言ってたの……お姉ちゃん聞こえた?」
「え、別に、何も……」
 言いかけて、かがみはふと口を噤む。
 そういえば、聞き慣れた名前が聞こえた気がする。しかし、まさか、つかさがその名を呟いてあんなことをするはずは無い。気のせいに決まっている。
「……やっぱり聞こえたの?」
 顔を真っ赤にしたつかさは、かがみの沈黙を是と取ったのか、どこか思い詰めたような表情をしている。
「ううん、何も聞こえなかったわよ」
「本当に……?」
「疑い深いわね。本当よ」
「そう……」
 心底ホッとしたように、つかさが深い息をついた。
「……それじゃあその、私は行くわね。えーっと……オナニーぐらい、私もするからさ。たまにだけど」
 これでおあいこ、というつもりかどうかは知らないが、かがみは恥ずかしそうにそんなことを言う。
「それじゃ……」
 部屋を出る。
 廊下を歩きながら、かがみの胸に何となく腑に落ちない気持ちが渦巻く。
「……気のせい……よね……まさか、つかさがこなたに……」
 ぶつぶつ呟きながら、自分の部屋のドアノブに手を掛ける。
「あ、単語帳返して貰うの忘れてた……」
 流石にもうつかさの部屋へ行く気にはなれなかったので、ため息一つついて諦めるかがみだった。

おわり



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  • 自分も続編希望。

    スクールデイズみたいなやつで。 -- 名無しさん (2010-02-06 16:45:11)
  • 続編希望!!!!!! -- 名無しさん (2009-08-15 22:56:11)
  • つかさかわゆす/// -- 名無しさん (2009-08-02 18:06:52)
  • つかささんばれるのは時間の問題ですよ -- 名無しさん (2009-02-11 12:57:51)



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