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ぼけぼけ初夜

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「おはようーっ」
「おーっす」
「お……はようこなちゃん」

 ゆきちゃんに告白された日の、次の日の朝。学校前でこなちゃんと出会った。

「……なんか眠そうだね、つかさ」
「昨日あんまり寝れなくてー」
「あー。そういえばみゆきさんに告白されたって言ってたね。だから?」

 えー! なんでこなちゃん知ってるの!? あうぅ、恥ずかしいよう。
またちょっと心臓が鳴りだしてきた。
 そんな私の心の中を見透かしたようにわくわくって感じでこなちゃんは話を続ける。

「いやー、かがみから聞いたんだけどね。それで? どうするの? 付き合うことにしたの?」
「そういえば結局どうすることにしたのよ?」
「え……うん。……実はね、あのあと電話がかかってきてね、ええと……。それで、
付き合うことになったんだけど……」
「おー。おめでとう」
「おめでと。やっとくっついたって感じね。それにしてもつかさ、真っ赤よ」
「えぇっ! そ、そうかな……」

 そんなこんなでいろいろからかわれながら話していると、教室についた。お姉ちゃんと別れて
教室に入ると、ゆきちゃんの姿が見えた。その瞬間、心臓のドキドキがとても激しくなる。
 机にかばんをおいて、ゆきちゃんの机の前まで行って、深呼吸。

「……ゆきちゃん、おはよう」
「えっ。……つ、つかささん。お、おはようございます」
「……ど、どうしたの? なんかぼーっとしてたけど」
「え、ええ……実は昨日あれから寝ることができなかったもので……」
「……ゆきちゃんもいっしょだったんだ」
「……つかささんもですか?」
「う、うん……」
「……」
「……」

 ゆきちゃんが静かに微笑んだ。顔は真っ赤。その顔を見て、とっさに「かわいいな」って思ってしまった。
それに合わせて心臓も最高潮にドキドキ。うー、たぶん私の顔も最高に真っ赤になってるに違いない。

「いやー、初々しいねぇー二人とも」
「うわぁ!」
「い、泉さん!?」
「い、いつからそこにいたの?」
「いつからって、さっきからいたヨ。それにしても二人とも、幸せですオーラがガンガン出てるねー」
「い、泉さんだってこの前そうだったじゃないですかー」
「うおっ、思いもよらない反撃が。あっ、授業が始まる時間だネ。それじゃーまたー」
「あ、ほんとだ、……じゃあゆきちゃん、またね」
「はい、ではまた」

 あうー、やっぱりドキドキするよー。ただでさえゆきちゃんを見るとドキドキするのにゆきちゃんは
私の恋人なんだなぁって意識すると余計に。幸せですオーラなんて出てるのかな。確かに幸せだけど……。
それにしても、こなちゃんもこの前そうだったってどういう意味だろう。



 お昼。私とゆきちゃんとこなちゃんはお弁当、お姉ちゃんはチョココロネを食べている。

「それにしても本当に初々しいわね」
「ほんと幸せですオーラ出てるよね。つかさなんてそれでぼーっとしてて
先生に怒られてたくらいだもんね」
「うぅー、もうその話題は終わりにしようよー」
「そ、そうですよ。かがみさんと泉さんだってそういう時期あったじゃないですか」
「……この前さ、掲示板見てたんだけど、『まらん』って言葉が出てきたんだよね。
どういう意味なんだろうね」
「あからさまに話題をそらしたな。そもそもインターネット関係であんたがわからないことを
わかるはずないでしょ」

 ほっ、話題がそれた。ありがとう、ゆきちゃん。それにしてもさっきからゆきちゃんが
言っていることの意味がわからない。謎だ。

「でもほんと、『まらん』って何か知ってる? みゆきさん」
「フランスの作曲家、指揮者、バス・ヴィオール奏者のマラン・マレーのことでしょうか」
「いや、スレの流れ的にそれじゃないみたい」
「えーっと。すみません、どういう意味なのかわかりません。今度調べておきますね」
「うん、お願い」
「いや、だからそこはあんたが調べなさいって」
「そういえばゆきちゃんってそういうの調べるときってどうするの?」
「えっと、図書館に行くことが多いですね。今日も行く予定ですから『まらん』についても
調べておきましょう」
「ふーん。ねえゆきちゃん。私も一緒に行っていいかな」

 だって、ゆきちゃんがいっつもどこでどうやって調べものしてるか興味あるし。
 そういうと、ゆきちゃんはなぜか顔を赤らめた。つられて私の顔も赤くなる。
心臓のドキドキも再開。何でゆきちゃんは顔を赤らめたんだろう。心臓に悪いんだけど。




 放課後、バスでゆきちゃんと二人で図書館に向かっている。学校を出てから今まで、
心臓ドキドキしっぱなしでほとんど会話らしい会話ができていない。なんか緊張するよー。
まるで初デートにのぞむあの小説の主人公になった気分。あれ……

「ねえゆきちゃん。これって私たちの初デートってことになるのかな?」
「えっ……ええ、そうですね」

 また無言。あうぅ、状況を把握したらますますドキドキしてきたよー。どうやらゆきちゃんも
同じみたいで、顔が直視できてないからよくわからないけど、どんどん顔が赤くなっていってるみたい。
それがわかって私のドキドキもさらに加速されていく。こういうのって相乗効果っていうんだっけ。

「あ、このバス停です、つかささん」
「あ、うん」

 バス停について、私たちはバスから降りた。ゆきちゃんによると図書館はこの真ん前らしい。

「えっ、あれ、今日は休みですか」
「あ、ほんとだ、本日館内整理のため休館って書いてある」
「すみません、うっかりしてました」
「いいよ、気にしないでよー」

 と、こんな会話をしてると「ちょっと失礼します」と言ってゆきちゃんが携帯を取り出した。
どうやらメールがきたみたい。

「えっと、お母さんからですね。『うっかり言うの忘れてたけど、今日ちょっとミュージカルに
行ってきます。たぶん今日中には帰らないと思うのでよろしく』……」
「そっか、ということは今日はゆきちゃん一人なんだね」
「ええ……。ですがさっき気づいたのですが、うっかり家の鍵を忘れてきてしまいまして……」
「ええっ、それじゃあどうするの?」
「どうしましょう……」

 ど、どうしよう。これじゃあゆきちゃんホームレスだよ。
 あ、そうだ。

「そうだ、ゆきちゃん。うちに泊まりにおいでよ」
「えっ……」

 またまたゆきちゃんが真っ赤に。な、なんで? 本当に心臓に悪い。

「……よろしいんですか?」
「う、うん。大丈夫だと思うよ」
「で、ではお願いします」




「ただいまー」
「お、おじゃまします」
「おかえり、それといらっしゃい、みゆきちゃん」

 途中バスを乗り過ごしたりして遅くなったけど、なんとかうちについた。ちなみにバスに乗っている間に
連絡は済ませておいた。

「今ジュース持っていくから、それまでつかさのへやで待っててね」
「あ、はい。すみません」



「うわっ」
「つかささん!」

 私の部屋に入ったところで、何もないのになぜかつまずいてしまって転びそうになって、ゆきちゃんに
支えてもらった。そうなんだけど、そのせいでなんか私とゆきちゃんが抱き合う形になってしまった。
一気に心臓のドキドキが最高潮に。やっぱりドキドキしているらしいゆきちゃんが、顔を赤らめながら、
口を開いた。

「……つかささん、キスしていいですか」
「ほえぇ! キ、キ、キス?」

 キ、キ、キス? ええと、魚じゃないよね? って、鱚するってどんなんなんだ。心拍数がさらにアップ!
えっと、落ち着け私。
 そんな感じで混乱真っ盛りだった間に、ゆきちゃんは顔を真っ赤にしたまま目をつぶって近づいてきた。
 ど、どうしよう。イエスともノーとも返事できずに、目もつぶることもできずに、
私の唇とゆきちゃんの唇が近づいていくのをただ見てる。
 あと三センチ、あと一センチ……。

 こんこん。

「入るわよー」

 がちゃ。
 がちゃん。

「あ、あらごめんなさい。こぼしちゃった」

 あともう少しで唇がくっつくってところでお母さんが入ってきた。その時ジュースを
ちょっとこぼしちゃったみたい。
 お母さんに今のシーン見られちゃったよね。は、恥ずかしいよう。きっと私の顔は真っ赤に
なってるに違いない。
 ゆきちゃんは対照的に青くなって、「あわわわわ……」とか言ってる。何だろう。
 なんだか、部屋の空気がさっきとガラッと変わったような気がする。気のせいかもしれないけど。

「つかさ、みゆきちゃん。ちょっとお話しましょうか。さ、座って」
「は、はい……」

 にこにこ顔のお母さんと焦った顔のゆきちゃんが二人とも正座したので、私も倣うことにする。
お話って何するの? ええとお母さん、そのジュースはかたずけなくていいの?
何となく真剣な雰囲気だから言い出せないけど。

「さて、単刀直入に聞きますけど、あなたたちはつきあってるのね?」
「……はい、お付き合いさせていただいてます」
「は、はい……」

 お、お話ってこのことか……。なんだか緊張してきたよ。ゆきちゃんもとっても緊張しているみたい。
床に手をおいてたんだけど震えてった。それを見て、私は反射的にその手を握った。
 ゆきちゃんは微笑んで私を見て、でもそのあと一瞬で真剣な顔でお母さんに向き合った。

「あの……。女の子同士ですし、何かと問題も多いとは思いますが、どうか、私たちのことを
認めてはもらえないでしょうか」
「いいわよ。みゆきちゃんなら良い子みたいで安心してつかさを任せられるわ。
これからもつかさをよろしくね」
「あ、ありがとうございます……」

 ゆきちゃんがほっとした感じでお礼を言った。……いや、ほっとしたというよりも
呆けた感じといったほうがしっくりくるかも。

「ただし、同棲とか結婚とかそういうのはまた別の話ね。いろいろ問題あるし、
これからゆっくり考えていきましょう」

 同棲とか結婚……って、

「お母さん! 私たちまだキスさえまだして……」
「つかささん!」

 ゆきちゃんに口を押さえられた。むー、苦しいよう。もがもが苦しんでる私をそのままに、
顔をまた真っ赤にしたゆきちゃんが苦笑しているお母さんに質問した。

「そ、そ、それにしても何でいきなり同棲とか結婚とかの話になるんですか?」
「一昨日ね、かがみとこなたちゃんがうちに泊まりに来て、今のあなたたちみたいな状況になったのよ」
「そうだったんですか……」
「それで、こなたちゃんが同棲とかの話しをしてね、それで今回もその話が浮かんできたってわけ」
「なるほど……だからですか」

 だからお姉ちゃんとこなちゃん、昨日の朝眠そうだったのかな。それにしてもこなちゃん大胆だよね。
……あれ?

「えー! お姉ちゃんとこなちゃんってつきあってたの!?」
「え!?」 
「つ、つかささん、ご存じなかったんですか?」
「ゆ、ゆきちゃんは知ってたの? なんで?」
「なぜと言われましても……」

 遊園地に行く前は二人は付き合ってないってゆきちゃんも言ってたから、二人が付き合いだしたのって
そのあとってことだよね。全然兆候があったようには思えないんだけど。何でわかるのー。
お姉ちゃんといいゆきちゃんといい。

「あっ、申し訳ございません。勝手に盛り上がってしまいまして……」
「ふふふ、良いわよ。夕飯になったら呼ぶからそれまでゆっくりしててね」

 そう言うとお母さんは部屋から出て行った。あの、お母さん、ジュースがこぼれたままなんですが……。


 ゆきちゃんがジャージに着替えたりしてたら、夕食に呼ばれたので、その時にジュースは持って行った。
その途中で、お姉ちゃんと今日も泊まることになっていたらしいこなちゃんが一緒にお風呂から
上がってきて、それで四人で話しながら一緒に食卓へ来て椅子に座った。

「なんだか今日は賑やかね」
「そうね。昨日はいのりとまつり、つかさがいませんでしたもんね」
「それじゃあいただこうか」

 お父さんのその声で、みんなが「いただきます」と言って、思い思いに夕食を食べ始めた。だけどゆきちゃんはなんだか固まったまま。

「……ゆきちゃん、どうしたの?」
「い、いえ、なんでもありません。いただきます」




「おかーさん、おかわりー!」
「ふふふ…はい、こなたちゃん」

 こなちゃんがおかわりしたときに、いのりお姉ちゃんとまつりお姉ちゃんが固まった。なんでだろう。
かがみお姉ちゃんと当のこなちゃん、お父さんにお母さんはにこにこしてて、ゆきちゃんは気にせずに
がつがつと食べてるのに。……ゆきちゃん、そんなに急いで食べるとのどに詰まらすよ。

「お、お、お母さん、私もおかわりお願いします」
「はいはい、ちょっと待ってね……はい、みゆきちゃん」

 そのままご飯を食べきってゆきちゃんはご飯をお代わりしたんだけど……。かがみお姉ちゃんと
こなちゃん、お父さんまでもが固まった。みんなどうしたんだろう。



 そのあと、交替でお風呂に入ったり、ゆきちゃんと私とお父さんとお母さんでお話しして、
交際に関して快くOKをもらったり、そのあとゆきちゃんと私とお姉ちゃんとこなちゃんで今日のことや
一昨日のことを話したりしてたら、あっという間に寝る時間になってしまった。
 私とゆきちゃんは私の部屋にいて、寝る準備をして、ベットに入った。明日ゆきちゃんがつける下着を
どうするかとか話してたら結構遅くなっちゃった。
 やっぱりドキドキして眠れないくて、そのまま起きてたんだけど、しばらくしてこなちゃんが
泊りに来た時にはきまって聞こえてくる、例の甲高い、お化けの声が聞こえてきた。

「ひゃあ!」

 やっぱりゆきちゃんにしがみつく。お化け怖いよう。

「……つかささん」
「え……な、何……」
「……あれはお化けの声じゃないですよ」
「へ」

 え、そうなの? かなり安心。あれ、でも、

「ゆきちゃんがこれお化けだって言ってなかったっけ」
「す、すみません! あのときは混乱していまして……」
「な、何で?」
「……その、あれはかがみさんと泉さんが、え……からですよ」
「え、何? 聞こえなかったんだけど」
「えっとですね……。え、エッチなこ……からですよ」
「え……」

 エッチって……。ええー! お姉ちゃんとこなちゃんが!?

「そしてさらに大好きなつかささんが隣にいたり、抱きついてしたりしてたもので……。
それでますます混乱してしまいまして……」
「ご、ごめん」

 そう聞いて罪悪感がわいてくる。あれ、よく考えれば今も抱きついてるよね。ごめん。そう思って離れた。

「つかささん……。離れないでください」

 そうすると、ゆきちゃんが抱きついてきた。うわぁ、心臓が破裂する!

「つかささん……。大好きです」

 ゆきちゃんは、薄暗くてよくわからないけど、たぶん真っ赤な顔で、でも真剣な目で
私を見ながら言った。私の心臓はすでに限界を迎えていたんだけど、それでもなお速くなった。
口が動かない。何も言えない。
 やがて、ゆきちゃんが目をつぶった。そして近づいてくる。
 あと三センチ、あと一センチ……ゼロ。


 どれくらいたったかわからないけど、ゆきちゃんが唇を離す。

「ゆきちゃん……」

 何でかわからないけど、無意識のうちに口から出ていた。

「……なんですか? つかささん」
「……呼んでみただけ」

 なんだか変だ。さっき……されてから、体が変にほてって、それになんだかふわふわ浮いてるみたい。
私の周りにはいろいろなものがあるはずなのに、ゆきちゃんしか見えない。聞こえない。わからない。

「つかささん……」

 ゆきちゃんが言ったことばに返答する間もなく、また唇に唇を感じる。同時に私を抱きしめる力が
強くなったように感じた。そのとき私は、ゆきちゃんの腕が震えているのを感じた。何でだろう。
 唇が離れる。

「ゆきちゃん……。腕が震えてるけど……。どうしたの?」
「ええっ、す、すみません」
「あ、謝らないでよ」

 震えてるゆきちゃんが無性にいとしくなって、顔を引き寄せて、目をつぶって、そのままキスした。
 唇を開けると、びっくりした顔のゆきちゃんがいた。

「ゆきちゃん、大好きだよ」

 そんな言葉が無意識に出た。それを聞いたゆきちゃんは目を大きく見開いた。どうしたんだろうと
思っていると、そのまま泣き出してしまった。

「ゆ、ゆきちゃん、どうしたの?」
「す、すみません。うれしくて……」

 そしてゆきちゃんはそのままキスしてきた。私もゆきちゃんを抱きしめる力を強める。
 ……! ゆ、ゆきちゃん。舌、舌! 舌が私の口の中に入ってきてるよ! 私は驚いてもがいた。
ゆきちゃんはすぐに離してくれた。
 息を整えながらゆきちゃんを見てみると不安そうな顔だった。

「……いやでしたか?」
「い、いやってわけじゃないんだけど、その、びっくりして」

 不安そうな顔しないで、という思いを込めてゆきちゃんを抱きしめる。

「……スイッチ、入っちゃったみたいです」
「? スイッチって何の?」
「……」

 安心した声色で言ったことに安堵をおぼえつつ、スイッチって何のだろうと考える。ええと、
この部屋には照明と携帯と目覚まし時計ぐらいしか電化製品はなかったと思うけど……。

「エッチなことのですよ」
「ええっ!」

 エッチなことってお姉ちゃんとこなちゃんが隣でやっているようなこと? ……そういえばさっきまで
全然気付かなかったけど、甲高い声はやっぱり聞こえてくる。いったいお姉ちゃんとこなちゃんは
何をやってるんだろう?

「ゆきちゃん、エッチなことって何やるの? やったことないからよくわからないんだけど……」
「ええと、私もやったことないのでよくわからないのですが……」
「じゃあ、お姉ちゃんとこなちゃんに聞いてこようか」
「ええっ!? ちょ、ちょっと待ってください」

 え、何で? わからないことは経験者に聞いたほうがいいと思うのに……。

「経験はありませんけどだいたいなら解りますから……」
「そうなんだ。えっと、じゃあ、まず何をすればいいの?」
「ええとですね……」

 ゆきちゃんはそう言うと私の顔をじっと見つめた。さっきから全然意識してなかったけど、
心臓がもうどうにかなってしまっているのを再確認した。

「さっきのしますけど、良いですか?」
「さっきのって」
「……舌を入れるやつです。でぃ、ディープキスとかフレンチキスとかと呼ばれるものです」

 そう言うと、ゆきちゃんはキスをしてきた。そして予告どおり舌を入れてきた。ゆっくりと、
優しく、優しく……。それに従って、ゆっくりと、どんどん私は幸せが積もっていくのを感じる。
どんどん意識が薄れていく。
 私も舌を入れたほうがいいのかなと思い、ゆきちゃんの口の中に舌を挿入する。
 その時、「うぐっ」という声が聞こえた。苦しいのかな。
 ……それからしばらくして、私たちは唇を離す。

「ゆきちゃん、苦しいの? さっきなんか変な声出してたけど……」
「……いえ、気持ちいいと声が出るものなのですよ」
「……気持ちいいの?」
「はい」

 この上なく幸せそうな顔をしてゆきちゃんは息を整えながら言った。私も自然と笑みがこぼれる。
気持ちいとかはよくわからないけど。口の中がマッサージされるってことなのかな。
 そんなことを考えていると、またキスされる。また舌が入ってきて、また意識が薄れていく。

「……ゆ、ゆきちゃん!」

 キスが終って、意識がはっきりしたとき、何か上半身に違和感を感じた。スースーしてるって感じ。
何かなと見てみると、ゆきちゃんが私のパジャマのボタンを外していた。ええとゆきちゃん、何やってるの?

「どうしました?」
「な、何で服脱がしてるの?」
「いやですか?」
「い、いやって言うか……何で脱がしてるの?」
「……エッチなことをするときは服を脱ぐんですよ」
「そ、そうなの?」
「そうなんです」

 力強くゆきちゃんがうなずく。生き生きと私のパジャマのボタンを外すゆきちゃんを見てると……
なんだかとっても恥ずかしい。

「ゆきちゃん……いいよ、自分で脱ぐよ、恥ずかしい……よ」
「え……」
「ゆきちゃんも、脱いでよ」

 二人とも全裸になり、ベットの上に正座して座っている。これは夢なんじゃないか、という思いが
さっきから頭から離れない。何か私の部屋とは別の空間に迷い込んだみたい。そんな中に私はゆきちゃんと
二人でいる様に感じる。全身を真っ赤にした全裸のゆきちゃんは、言いようのないくらいきれいで、
現実のものとはとても思えない。

「つかささん……」
「ゆきちゃん……」

 ゆきちゃんは唇を私の唇に重ね、私の口に舌を入れて、それと同時に私に体重をかける。私は、
そのままベットに横向きに倒れる。キスが深くなるにつれて、だんだんと意識がもうろうとしてくる。
 やがてゆきちゃんは口をはなし、首筋を吸う。肩をなめる、右胸をなめ、同時に左胸を触る。くすぐったい。
 ふと、ゆきちゃんが体を起こした。

「つかささんも、触ってください……」
「さ、触るって、どこを?」

 息を整えながら、ゆきちゃんは私の手をとり、ゆきちゃんの胸にあてた。やっぱり私の胸より大きくて
柔らかい。そのまま手を動かしてみる。

「はぁっ」
「ご、ごめんゆきちゃん」
「……気持ちいいですよ」

 そういうゆきちゃんの顔は本当に気持良さそうで、どういう感覚かは私には解らないけど、
ゆきちゃんにはずっとそう感じててほしいと思って、もう片方の手もゆきちゃんの胸に当て、両手を動かす。

「はあぁっ……ふああっ」
「はぁ……ふぁぅっ」

 そんなゆきちゃんを見ていると、なぜか変な声が私の口からも出てきた。

「つかささん……気持ちいいですか?」
「わからない……わからないけど、なんだか、とっても胸が熱いよぉ」

 ゆきちゃんに触れられた場所がどんどん熱くなっていく。なめられた場所が、どんどん溶けていく。

「つかささん、愛してますよ」
「ふぁああ!」

 ゆきちゃんにそう言われた瞬間、よくわからないけど、頭がオーバーヒートしたみたいになって、
目の前に何も見えなくなった。

「イッてしまいましたか?」
「行く? ……どこへ?」

 数秒意識がなくなっていたみたいで、ゆきちゃんの言葉で目を覚ました。激しい運動をしたあとみたいに
息が上がっている。ゆきちゃんもそうみたい。顔を真っ赤にしてこの上なく幸せそうなゆきちゃんを
見つつ、息を整えていた。

「ひゃうぁ!」

 その時、私の股間を触れられたのを感じて、思わず声をあげた。

「つかささん、濡れてますよ」
「え……ごめん」

 洩らしちゃった。そう直感的に思って謝った。お洩らししてしまったということと、ゆきちゃんに
おしっこを触らせてしまったという罪悪感、それとゆきちゃんに嫌われちゃうかもしれないという不安で、
泣きそうになった。

「ひゃ、あああ!」

 ゆ、ゆきちゃん! 私はびっくりして、でもほとんど無意識に声を上げた。ゆきちゃんが私の股間を
なめているみたい。

「ゆ、ゆきちゃん、だめっ、なめないで。……汚いよ、おしっこ汚いよ」
「……女の子は気持ち良くなると、ここが濡れるものなんですよ。おしっこじゃないですよ」
「そ、そうなの……?」
「まあ、私はつかささんのならおしっこでもかまいませんけれど……」
「あひゃぁ!」

 ゆきちゃんはそう言うとまた、私の股間をなめ始めた。もう何が何だかわからない。私の体はもう
ほとんど溶けきってしまったみたい。
 ゆきちゃんはしばらくそうしていたみたいだけど、そのうちちょっとなめるのを中断して、ちょうど
私の顔の上にゆきちゃんの股間がくるような格好になった。

「つかささん……私のも……触ってください」

 私は導かれるように、ゆきちゃんの股間に手を伸ばした。

「はうっ!」

 ゆきちゃんが声を出す。でも、ゆきちゃんの股間はちょっとしか濡れてないみたい。
気持ち良くなかったのかな……。

「つかささん! そこ違います、そこはお尻です……。もっと前です」
「えっ、ご、ごめん」

 言われたとおり前を触ってみる。うわっ! ほんとにすごく濡れてる。ちょっと手を動かしてみる。

「はわっ! ふわっ!」
「ひゃ! あああ!」

 ゆきちゃんも手の動きを再開させたみたい。私は、溶けてしまった下半身がさらに熱くなるのを
感じながら、夢中でゆきちゃんの股間を触っていた。

「ゆきちゃん、ゆきちゃん」
「つかささん……」
「ゆきちゃん、大好きだよ」
「わ、ひゃああっ!」
「ひゃああん!」




 次に目を覚ますともう朝だった。どうやらそのまま寝てしまったみたい。二人とも
目が覚めなかったからか、お姉ちゃんとこなちゃんが起こしてくれた。




















  • >じゃあ、お姉ちゃんとこなちゃんに聞いてこようか
    つかさボケすぎw -- 名無しさん (2007-09-02 17:21:44)
  • みwiki『お姉ちゃんとこなちゃんは真っ最中です』 -- 名無しさん (2007-09-07 11:41:37)
  • ちょwwww
    みゆきさんおしっこでもいい(ry
    -- 新藤 (2008-10-15 20:48:28)
  • 「まらん」とは芸術のこと

    (使用例)「まらんの取り合い」

    し J
    つまらん -- 名無しさん (2009-12-15 16:56:45)
  • その夜 柊家には、2組のカップルの嬌声が響き渡った…
    ご家族の心情、お察しします… -- 名無しさん (2011-04-15 11:20:42)
  • つかさは天然&ピュアな子で癒やされますなあ。
    この二人はホントお似合いのカップルだよネ。
    -- アオキ (2012-01-28 02:01:43)
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