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みなみちゃんへ

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匿名ユーザー

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9月某日 夜  泉家。

「お姉ちゃん、ちょっと相談したいことがあるんだけど」
「なに?ゆーちゃん。恋と勉強以外なら何でも相談に乗るよ?」
「あのね、今月の12日、みなみちゃんのお誕生日なんだ。でね、その日の放課後、みんなでみなみちゃん
の家に行ってお誕生会することになったんだけど、プレゼント、何を持っていけばいいかなぁ?ずっと
考えてるんだけど、いいのが思いつかなくって……」
「ふーむ……。まあ、まだ日はあるし、明日までに考えてみるよ」
「ありがとう、お姉ちゃん」


9月12日 朝  泉家。

「ゆーちゃん、おはよー。いよいよ今日だね」
「うん。……でも、緊張するなぁ。」
「大丈夫だって。心配しなくても、みなみちゃんなら絶対喜んでくれるって。ほら、『お金で買えない価値
がある』とか、よく言うじゃん?」
「うーん、そ、そうだけど……」
ここでそうじろう、こなたの耳元で、小声でこなたに尋ねる。
「おい、こなた、本当に『あれ』を……?」
「うん。……なにお父さん、最初あれだけ賛成しておきながら、今さらよせ、とか言うつもり?」
「いや、そうじゃない。―――こなた、お前も行くんだろ?だったら、……是非、なんらかの記録を…!」
「はいはい、わかりましたよ。しょーがないなー、お父さんは」

 夕方  糖武線(都内方面行き)車内。

「疲れたー。やっぱり駅ダッシュなんてするもんじゃないね」
「そうですね。人も多くて危ないですし」
 こなたとみゆきは、二人で岩崎家へと向かっていた(柊姉妹は今回不参加)。受験も近いということ
で、3年生は、1・2年生より1時間多く授業があったため、1年生ズとは、別移動になった。
「ところで、泉さんは、何かプレゼントなど用意されたのですか?」
「いや、私は一応ゆーちゃんの付き添い、って形だし。まあ、長門のコスプレ衣装でも買ってきて、
着させてみるのもいいかも、とは思ったけど、さすがに自重したよ。似合うとは思うんだけど」
「は、はぁ……?」

 こなたとみゆき、岩崎家に到着。

「遅くなってしまってすみません。もう皆さんおそろいですね」
「学校からみんな一緒に来たんですから当たり前デース」
「じゃ早速始めようではないか。我々(埼玉組)にはあんまり時間が残されてはいないのだ」
「昼休み中になんとか終わりにしないといけないんデスネ?」
このパティの発言に、意味を理解できないみなみ、ゆたか、みゆきはきょとんとしていた。

 ローソクの火が消え、部屋が一旦真っ暗になった後、すぐに部屋の電気が点いた。
「みなみちゃん、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう…」
「みなさん、遠慮せずに食べてくださいね」
テーブルの上には、今までローソクが刺さっていたケーキのほか、出前の寿司や、鶏料理などが並ぶ。
「いただきまーす!」
その声とともに、各人思い思いの料理に手を伸ばす。
「このおスシ、とってもおいしいデスネ!」
「ほんと、いいネタ使っているッスね!」
そんな中、なんだか辛そうな顔をする人が約一名。
「みゆきさん、どうしたの…?」
「す、すみません。―――お、思ったより、ワサビが……!」



 そんなこんなでみんなのお腹もふくれたところで、そろそろプレゼント・タイムということに。
そしてこなたにとっては、それはミッション開始を示すものであった。
みゆき、ひより、パティがそれぞれみなみにプレゼントを渡した。が、ここではその部分は省略。
 最後に、ゆたかの番となった。
(お、お姉ちゃん……、やっぱり緊張するよぉ)
(大丈夫だって、ゆーちゃんならできる!)
こなたと目でこんなことを言い合った(?)あと、ゆたかは覚悟を決め、みなみの前に立った。
ここでこなた、自分の携帯のムービーモードを起動し、急いで容量設定などを行い始めた。

 プレゼントを渡すべくみなみの前に来たはずのゆたかだが、その手にはそれらしいものはなかった。
「ゆたかはいったい何をプレゼントするつもりなのでしょうネ?」
「さあー、私にもさっぱり……」
皆が見守る中、ゆたかが口を開いた。それと同時、こなたは立ち位置を変え、撮影スタート。
「あ、あのね、みなみちゃん。わたし……、いろいろ考えたんだけど、いいプレゼントが思いつかなくて、
……その、こんなこと言うと、変に思われるかもしれないけど、でも、あの……、……わ、わたしが、
わたしからのみなみちゃんへのプレゼントっ!わたし、みなみちゃんとこれからもずっといい友達で
いたい、って思ってるから、だから、わたしを、受け取ってください!」


 全世界が、停止したかのように思われた。
……というのはうそぴょーんで、実際には「停まって」などいない。確かに無音状態でこそあったものの、
各人の表情等はしっかりと変化していた。そして、その無音を破ったのはみなみ。
「…うん。…ありがとう、ゆたか」
「う、……受け取ってくれる?みなみちゃん」
「もちろん」

 次の瞬間、岩崎家は急に騒がしくなった。
こなたの、ゆーちゃんGJ!という叫び声。パティの歓声。みゆきの、どう反応していいか分からない、
といった感じのオロオロした声。そして、何かが崩れ落ちるような音。
「た、田村さん、大丈夫!?」


 「わたし、小早川ゆたかは、世界中の誰よりも、岩崎みなみを愛しています」
「ゆたか…」
あー、だめッス……。自重しろ、自重しろ私……
 でも、生であんな光景見て、自重するほうが無理ってものッスよ。泉先輩、あなたは大変な爆撃機に
 給油してしまいました……。 でも、その爆撃の犠牲となれるなら、ほ、本望ッス…

「あー。こりゃ激しいね。まあ、ひよりんのことだし、すぐ復活するでしょ。」
「で、でも……」
「…田村さん、少し、私のベッドで休む?」
その言葉を聞いた瞬間、ひよりはこなたの予想通り、瞬時に復活した。
「いやいやいやお気遣いなく。もう大丈夫ッスからっ!そ、それよりもうこんな時間ッス!私達は
そろそろ帰らないと。帰って今のを原k……いやいや宿題とかしなきゃいけないッスから」
「そうですね、ではそろそろお開きにしましょうか」
「おー、そうだね。明日も学校だし、そろそろ帰りますかね。あ、でも、ゆーちゃんはせっかくだから
泊まっていくといいんじゃないかなー?お父さんには私から言っとくから」
「え、えぇっ!? 私も帰るよーっ!」
 こうして、みなみの誕生会は幕を閉じたのであった。

        【fin】













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  • 笑えたわw

    GjGjw -- 名無し (2010-03-07 21:04:04)

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