8 格詞 pea

格詞は、名詞の動詞との関係を表す。語句も節も取れる。動作主格(ul)と対格(on)の格詞は基本的に省略されるが、倒置や強調があると省略されない
 以下によく使う格詞をあげる。それ以外のものは巻末にのせる

〈よく使う格詞〉


ul:主格
 動作主格を表す。通常は省略されるが、倒置や強調の際には復活する
 [ ova ]on lu ul an san-e (彼のことが私は好きだ)

on:対格
 対象を表す。通常は省略されるが、倒置や強調の際には復活する
 [ ova ]on lu ul la san-e(彼のことがあいつは好きだ)

al:与格、終点格
 物や行為を受け取る者を表す
 [ ova ]an fit-a lei al la(彼に本をあげた)
 移動の着点を表す
 [ ova ]an lof-a al felka(学校まで歩いた)

il:奪格、起点格
 物を得る起点を表す
 [ ova ]taf-a lei il la(彼から本を貰った)
 情報の源泉を示す
 [ ova ]se-a tu il lei(これは本で知った)
 移動の起点を示す
 [ ova ]ke-a il felka(学校から行った)

ol:場合格:~の場合に
 ol以下が真のとき、ol以前が真になることを示す。つまり、主節が真になる条件を表す
 [ ova ]an ke-o ol la ke-i(彼が行くなら私も行こう)
 hot(唯一)を付けることによって「~のときに限り~する」という意味を表す
 [ ova ]an ke-o ol hot la ke-i(彼が行くときだけ私も行こう=彼が行かないなら私も行かない)

ka:場所格
 場所を表す
 [ ova ]la miks-as ka ra(彼は家の中で歌っていた)

im:時格
 時点を表す
 [ ova ]la in-a teik im an ked-i(私が帰ったとき、彼はテレビを見ていた)

kon:具格/ken:不具格
 行為に伴う道具を表す/道具を使わなかったことを表す
 [ ova ]kil-a kon[ ken ] diol(のこぎりで切った/のこぎりを使わないで切った)

ok:随伴格/ek:不随伴格
 行為を行う主体的な仲間を表す/仲間がいないことを表す
 [ ova ]ke-a ok(ek) la(彼と一緒に行った/彼と一緒でなく行った)


格詞の順序


 明確な順序はないが、たとえば下の例文ならこの並びが一番自然である
 尚、格詞が取るのが語でなく節になって長くなるほど、その格詞は後回しにされる傾向にある。下の場合、im格がim foaだったら他の格より前にきていた可能性が十分考えられる

an in-a jan ha waka kon flan ok hacn im xelt it nok
主格 動詞 対格 上格 具格 随伴格 時格
(私は月が出た時、丘の上で、友達と一緒に、望遠鏡で空を見た)


最終更新:2008年02月15日 11:00