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桔子の大冒険

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kikkokkokko

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桔子の大冒険

暇な時にふとツイッターに書いたやつ。ただのお遊びで深い意味は一切ない上に続かない。

旅立ち編

 それなりに平和だった世界にいきなり魔王が甦った!
 人々を恐怖のどん底に叩き落としている昨今、焦った各国の三日間にも及ぶ協議の結果、魔王を退治する者として古の勇者の血を引く桔子に白羽の矢が立った。王より招集を受けた桔子は、そこで初めて自らの使命を知る。
 桔子は考えた。古の勇者の血を引くとはいえ、平和であった現代、立派な装備品は全て質に出されており、家には布の服と木の枝しかない。そして何より、現在桔子のLVは1しかないのだ……!
 しかしここで王の勅命を断わると、村八分にされてしまう恐れがある。自給自足で食い繋いでいる村でハブにされるのは非常に危険極まりない。例え町に引っ越せたとしても、この狭い世界、状況は余り変わらないだろう。
 ……桔子は一つの賭けに出た。
「その勅命、承りました。この桔子、必ずや世界の敵魔王を退治してみせましょうぞ!」
「おお桔子、よく言った、頼りにしておるぞ」
「――しかし国王陛下、見ての通り私は魔法も弓矢も使えません。恥ずかしながら剣の腕も未だ未熟。私に指導者して下さる方が必要です。そこで、この世界で一番腕の立つ魔法使い、猟師、剣士を私の仲間にして頂きたいのです」
「しかし桔子、それは……」
「ああ、失礼致しました。誰よりも深い見識をお持ちの偉大な国王陛下にありますれば、この程度のことはとうにご承知でしょうから、もう既に仲間をお呼びでしょうか」
「し……城の魔道隊長と近衛隊長、討伐隊長を連れて行くが良い」
「ありがとうございます……あっ!」
「今度はどうした」
「私ともあろう者が、肝心な事を忘れておりました。国王陛下、私の家からはもう既に立派な装備品は失われており、このままでは魔王退治どころかスライム退治すら危うい始末。しかし私にはとても、装備を整えられるような余裕はないのです。是非とも、国王陛下のその深いお知恵を拝借いたしたく存じます」
「……城の宝物庫より、一揃え持って行くが良い」
「流石は国王陛下、成る程懐が深くていらっしゃる。ありがとうございます」
「では桔子、魔王たい……」
「あっ!」
「……何だ」
「道々の戦闘により体が傷付いてしまった時には……」
「分かった分かった、金貨100000と、回復アイテムセットもくれてやる! だからさっさと魔王退治に行ってくれ……!」
「御意に」
 こうして桔子は国王より立派な装備と偉大な仲間と大金・貴重なアイテムをせしめ、魔王退治へと旅立ったのであった。

桔子の大冒険:旅立ち編・完
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