なまためたろう
CV:服巻 浩司

公式

稲羽市議会議員秘書。
2010年に演歌歌手の柊みすずと入籍するも、2011年に地元テレビ局のアナウンサー・山野真由美との不倫が発覚して妻と不仲になり、慰謝料を求め提訴されることになっていた。
しかし、山野真由美が殺害され生田目の無実が確定するや、同情の的になり提訴されなかった。
その後、秘書職をクビになり実家のある稲羽市に戻ってからは家業の運送業をほんの少し手伝っていた。

救済と称して、天城雪子に始まり巽完二久慈川りせ白鐘直斗、そして堂島菜々子と計5人もの人間を「テレビの中の世界」の影響によって死の寸前に追い込み、ENDの種類によっては1人を死に至らしめる(時間切れになった場合はその時点でテレビの中に入れられた人間が死亡する)。

が、全ての行動は彼自身の中で本当に救済しようという意志の結果であった。

マヨナカテレビを見て、真由美に救いを求められていると思いその時テレビに手を差し伸べ、手が入る事に気付きそれを真由美に与えられた力と勘違いしてしまう。
そしてまたマヨナカテレビを見て、それに映った小西早紀に注意を促すも全く相手にされず、警察に助力を求めようと電話するがその際に足立透に唆され、テレビの中の世界に入る力でテレビの中に入れれば助かると勘違いし、また警告しても意味がないと悟り5人を「救うため」に誘拐し、次々とテレビの中に入れていった。

その真意・行動理念は「マヨナカテレビに映った人を救いたい」という一心であり、また秘書職を志したのも純粋に社会の役に立ちたかったがためであり、性格的には「善人」そのものと呼べる心優しい人物である。

イザナミに力を与えられた3人のうちの1人。「絶望」担当。
ただし他の2人が担当する概念に基づいて行動する「希望」と「虚無」の体現者であったのに対し、彼は結果はともかく「絶望」に抵抗しており、その点で他2人と少々毛色は異なる。
不倫の発覚、想い人の予期せぬ死、職の解雇といった事態に絶望していたが、稲羽市で起きた連続殺人事件の被害者を救う、という目的を得たことにより行動を開始する。
だが、それも「見たいものを見たいように見せる」というマヨナカテレビと、事件の犯人である足立透に踊らされての行動であった。
自身の絶望から逃れ「救う」という英雄的行為に酔っていた節もあり、主人公らに捕縛されるまでそのような心の暗部と向き合うこともなく、3人の中で彼だけペルソナが発現しなかった。

P4Gでは彼がテレビの中の世界が危険な場所であることを内心理解していたような心理描写が追加された。追加イベントであるジュネスでのライブイベントでは、本番直前の特捜隊メンバーから少し離れた位置におり、これまで救済のためにテレビの中に入れていた4人がなぜ一緒にいるのか疑問に思い、何をどこまで覚えているのか尋ねるつもりだったが、後ろめたい気持ちから、結局話しかけることなく立ち去っている。

以上の様に作中では善良だが殊更に愚かしい人物として扱われているように見えるが、物語において彼が果たした役割は、決して主人公達の英雄性を際立たせるためだけの哀れな引き立て役などではない。
或いは自称特別捜査隊以上に純粋な善意の行動によって八十稲羽に更なる混沌をもたらした彼は、ある意味において「特捜隊そのものの」とも言える存在である。
自分たちから見て上手く行っている「ように見える」手段を繰り返していただけなのは、生田目と特捜隊どちらも同じであり、実のところ事件に対する姿勢が大差なかった両者の明暗を分けた決定的な要素とは、身も蓋もなく言えば単なる運でしかない。
つまり一歩間違えれば立場が逆転し、特捜隊こそが彼の様な存在となっていた可能性も決して否定はできないという事であり、事実この誘拐事件には、自分たちの相手取っている連続殺人犯という敵に対する認識の甘さゆえに、「守るべき大切な人」である菜々子を命の危機に晒したという側面もある。
彼の存在と誘拐事件そのものが、特捜隊が無意識に膨らませていた傲慢へのカウンターであり、戒めであると言っても良い。

他ならぬ生田目自身をテレビに落として私刑を与えるか否かと言う選択を迫られる場面こそが、それらを最も象徴的に示していると言える。
事件の真相を主人公=プレイヤーがどう推理したかという具体的な意見と選択を求められる実質上初めての場面であり、ここで真相を看破したと安易に思い込み、目の前の悲劇に対する激情に身を任せた結果がどうなるかはご承知のとおり
非日常への慣れと共にいつの間にかルーティンワークのヒーローごっことなっていた捜査活動。その羞恥に満ちた影ならぬ影の過ちを自覚し受け容れることで、自分たちは特別な存在などではなく只の未熟な子供であるという残酷な真実を乗り越え、特捜隊ははまた真相に一歩近づいていくことになる。

勘違いされがちだが彼は「絶望」を司る人物ではあるがそれは彼を司る「性質」を表しているだけに過ぎず、決して決められた「配役」という訳ではない。
たまたま今回の一連の事件の結果が「希望」が「虚無」の改革を下して「超越」に認めさせて八十稲羽の霧を晴らしたという事になったが、それは見も蓋もなく言ってしまえば「希望」が人に恵まれる運が良かったからと言っても過言ではない。

それこそ、人選が違えば「ただ妄信的に「希望」に縋る者」に「「絶望」の中から見出だした光を掲げる者」若しくは「「虚無」故にそれを満たす光を尊び始めた者」が打倒する物語といったケースになる可能性すらあり得た話である。

つまり「希望」を司るからと言って決して希望を世界にもたらすとは限らず、「絶望」や「虚無」もしかりであり、今回はたまたま「希望」が「希望」をもたらし、「虚無」が「虚無」をもたらすこととなっただけなのである。

NORMALENDと真ENDの場合は無罪になる。BADENDとBAD2ENDでは有罪になるが、罪は大した物にはならない。
また事件に関わってなかった事を見抜いていたのかは定かでないが、模倣犯である久保美津雄と彼に殺されたモロキンに対しては終始興味を示す描写が無かった。

P4Gの後日談にて自らの行動を省みたらしく、市議になるために八十稲羽駅前で街頭演説をしている。
というのも、生田目自身は自分の罪を主張し犯行手段も供述したものの(どうやらテレビに入る能力を失ったようで)再現できず、証拠となるのが傍から見ると真実なのか妄想なのか判別できないことが書かれた彼の手帳のみであったため嫌疑不十分となったのである。
生田目はそのことが納得できず堂島遼太郎に対して謝罪と相談に訪れたところ自分にできる償いを考えるよう言われ、その際に自分と向き合い振り返ることを教えてくれた特捜隊の面々を思い出し、皆のためとなる行動を起こそうと思い立ったようである。

アニメ版では、菜々子誘拐事件以前から運送業者として劇中に登場している。
時価ネットたなかの商品を主人公(鳴上悠)に届けるため堂島宅にも訪れるなど何度も宅配に来ていたため菜々子が知っている人物であり、そのため彼が来た際警戒せず家の扉を開けてしまったという設定を踏まえた描写が強化されている。
現実の犯罪と照らし合わせても、誘拐の場合は何度か対面して認識のある相手であるからこそ信頼を逆手にとって誘拐する事が多いため尚更に。

考察

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月01日 23:29