京太郎「部長、調理室チェックして来ました。特に問題なさそうです」

久「そう、良かったわ」

優希「京太郎のタコスがあれば、明日の決勝もいけるじぇ!!」

京太郎「おう、期待しとけ!!」

和「いよいよ明日ですね…」

咲「うう、緊張するなぁ…」

京太郎「咲、大丈夫だって。いつも通りの力を出せれば絶対に勝てる」

咲「でも…」

京太郎「まあ、変に緊張しないようにいつもやっていることはきちんとしとけよ」

まこ「ルーティンっちゅうやつじゃな」

京太郎「ええ。たとえば咲なら本を読むとか…って偉そうなこと言ってすいません」

まこ「いや、良い意見だと思うぞ」

京太郎「ありがとうございます。じゃあ、明日の仕込みもあるので部屋に戻ります。がんばって下さい!!」

バタン

咲「いつもやっていること…」

優希「そうだじぇ!!」

和「つまり…」

久「シミュレーションスタート!!」

まこ「…まあ、ええか」


京太郎「よし、仕込みは出来たからあとは…」

トントン

京太郎「ん?誰だろう?…はい」ガチャ

照「久しぶり。京ちゃん」

咲「お姉ちゃん!!」

まこ「インハイチャンプと知り合いなんか…。まあ、咲のこと考えると当然か」


京太郎「どうしたんですか?照さん。というか決勝は」

照「京ちゃんがいつまでも会いに来ないから、心配になった」

京太郎「いや、だって咲が照さんと和解するためにがんばってるのに俺が照さんに会いに行くわけにはいかないでしょう」

照「京ちゃんが調理するのが見えたから、昔みたいにお菓子作ってくれるのかと思って希望を言いにきた。プリンがいい」

京太郎「話を聞いてください。というか俺は優希にタコスを作っているんですが…」

照「でも、私は京ちゃんが作ったプリンが食べたい。京ちゃんのプリンがあれば、決勝の東場で全員飛ばせる」

京太郎「いや、それこそ作るわけないでしょう。俺は清澄の一員なんですから」

照「作って」

京太郎「あの…」

淡「あっ、テルー発見!!」

菫「こら!!照!!決勝当日に急にいなくなって…しかも、なんでこんなところにいるんだ!!」

照「うわっ、菫が来た。京ちゃん、助けて」

久「チャンプってこんなんなのね」

和「さすが咲さんの姉といったところですね」


菫「全く…ん?君が照のよく言っていた「京ちゃん」なのか」

京太郎「あっ、はい。清澄高校1年の須賀京太郎です」

淡「あんたが「京ちゃん」かー。髪が金色でかっこよくてすっごくおいしいお菓子作ってくれるってテルーが言ってた」

照「うん、そう。今からプリンを作るって」

京太郎「いや、だから作ってるのは優希の食べるタコスですって!!というかそもそもプリンの材料ないですし…」

淡「ええー、お菓子食べたいー、食べたいー!!」

菫「こら!!これ以上彼に迷惑をかけるんじゃない!!…本当にすまない。君のことは照からいろいろ聞いている。清澄の部員で先鋒や大将の世話を焼いているとか」

京太郎「(なんでそこまで知ってるんだろう)まあ、そうですけど」

照「そう、咲ばっかりずるい。だから私も京ちゃんのお菓子を食べたい」

菫「彼は清澄の部員なんだから、彼女らのサポートに回るのは何もおかしくないだろう」

照「でも、京ちゃん…」

淡「私も食べたーい!!」

京太郎「…ふぅ、しょうがないですね。少し待っててください」

菫「??」

京太郎「プリンは無理ですけど、こんなのでよければ…」

淡「わあ、クレープだー。おいしー!!」モグモグ

照「淡、これはクレープじゃない。あまり、食べたことのない味…」モグモグ

京太郎「タコスですよ。トルティーヤに市販のアイスと果物を入れただけです」

菫「入れただけって…、見た目は店で売ってるレベルだぞ」

照「ありがとう、京ちゃん」ニコ

京太郎「はい」ニコ

淡「ありがとー!!キョータロー!!」ポヨン

京太郎「お、おう//」デレ

照「…ムウ」

ピッ
宮永照は幼なじみである須賀京太郎のことをすごく気にしており、調理室にいることに気付けばすぐに駆けつけるであろう。行方不明になった照を探し、大星淡を連れた弘世菫がくる。そして、須賀京太郎はポンコツとおもちには優しいので、お菓子を作ってあげるだろう

優希「京太郎のタコスは私のだじぇ!!何で敵に渡してるんだじぇ !!」

和「別に優希だけのものじゃないでしょうに…」

咲「これは絶対に防がないと大変なことに…」

まこ「なんでじゃ?」

咲「昔、家族麻雀で京ちゃんからもらったプリンを食べたお姉ちゃんと打ったんです」

優希「それで、どうなったんだじぇ?」

咲「…二連続天和で終わったの」

和「そんなオカルトありえません!!」

久「とはいえ、どうしたらいいのかしら?須賀くんが調理室にいるのは変えようがないし…」

咲「こうなったら…」


翌朝

照「久しぶり、京ちゃん」

京太郎「どうしたんですか?照さ…」

咲「お姉ちゃん!!」

京太郎「咲!?なんでここに?」

照「…咲」

咲「京ちゃんは今、忙しいんだから邪魔しちゃだめだよ」

照「…咲には関係ない」

咲「関係あるよ。京ちゃんは今、清澄のためにがんばってるんだから」

照「…っ!!」サッ

京太郎「あの、照さん?」

咲「京ちゃん、大丈夫だから」

京太郎「お、おう(いいのかな…)」


照「…」ギュルギュル

菫「おい、照!!いったい何…を?」

淡「おおー、テルーがいつもよりすっごい」

照「絶対に勝つ」

果たして、嵐渦巻く決勝の結果は…


そして、時は流れ…

京太郎「清澄の祝勝会を龍門渕でやるなんて…」

優希「本当にすっごいじぇ」

久「本当にありがたいわね」

透華「驚くのはまだはやいですわよ」

和「まだ、何かあるんですか?」

透華「ええ、特別ゲストとして皆様に縁のある方々を招待しましたの。皆様とてもこころよく来て下さいましたわ」

咲「まさか…」

透華「どうぞですわ!!」

マホ「あっ、清澄の皆さんお疲れ様でしたー。あっ、あなたが須賀先輩ですね」

美穂子「おめでとうございます」

シロ「…ダル」

豊音「わあー、清澄には男の子もいるんだ」

小蒔「彼が須賀京太郎ですね。確かに伝承通りですね…」

霞「姫様、そういうことは言ってはいけないわ。でも、伝承抜きで好みだわ…」

玄「おー、和ちゃん、清澄の皆さん、そして同志スガーリン。永水のみなさんもいて、おもちパラダイスですのだ。さっそくおもち会議を開くですのだ」

穏乃「玄さん、彼が同志スガーリンって分かったときにテンションあがってたもんね」

憧「何言ってんだか」

由暉子「お久しぶりです、須賀さん。…会いたかった」

爽「ふふっ、来てやったぜ」

はやり「来ちゃったぞ☆」

照「京ちゃん、また会ったね」

淡「おおーあれが「京ちゃん」かー」

菫「全く、受験もあるというのに…」

京太郎「おおー、豪華ですね!!そして、おもちもいっぱいだ」

咲、優希、和「「「」」」

まこ「せ、勢揃いじゃな」

久「なんでこんなことに…」

ピッ
運命とは変えようと思っても変えられないものです。変えた反動はいつか帰るものです。

「ククッ、そりゃそうだ」

「おい、こっちで打(ぶ)とうぜ」

「…御無礼」

カン




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最終更新:2020年07月06日 21:04