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■「レヴォーグ」車名の由来

 日本国内では、「レガシィ ツーリングワゴン」の実質的な後継であり
 スバルの歴代看板モデルであるレオーネ(Leone)
 レガシィ(Legacy)に引き続き
 「Le」で始まる車名にも表れている
 「vo」はRevolution(変革)
 「rg」はTouringから取ったとのこと
 スバルとしては1989年に登場して大ヒットし
 「ツーリングワゴン」という名前を定着させた初代レガシィ同様の革新性を
 「レヴォーグ」の名にも込めている



■<スバル ワゴンの系譜>

│  レオーネ
│    ┃
│  レガシィ
│    ┣━━━インプレッサ
│    ┃                    ┃
│    ┃                WRX
│    ┗━━┳━━┛
│    レヴォーグ ←今ここ

■<レヴォーグの型式→「VM」です>
ネタ元1
ネタ元2
ネタ元3



■<スバル車 型式>
 レガシィ………Bx
 インプレッサ …Gx
 フォレスター …Sx
 エクシーガ ……Yx
 BRZ/86 ………Zx
 レヴォーグ ……Vx


















レヴォーグ試乗レポート
BC(Kサワ)
■1.6L車のバランスよし
試乗会場に新しい1.6Lと2Lが単体で展示されていたので、
じっくり見比べてみた。

すぐにわかっことは「こらダウンサジングターボじゃありませんね!」ということ。
なぜならエンジンの大きさがまったく同じだからだ。

最近の「技術の流れ」とされるダウンサイジングターボは、
本来なら5LのV8エンジンを搭載しているクルマに
2L4気筒過給エンジンを搭載するようなケースを示す。
ジャガーXJやベンツSクラス、はたまたエクスプローラーのようなもの。

軽くてコンパクトな4気筒エンジンを積むことにより、
大幅な軽量化やエンジン内部のフリクション軽減を実現し、
クルマ全体の効率まで追求しましょうということ。

レヴォーグの1.6Lは2Lとまったく同じブロックや補機類を使っているため、
サイズだけでなくエンジン単体重量もまったく同じだという。
前置きはこのあたりにして試乗といきましょう。

まず1.6LDITから、Dレンジをセレクトして走り出すと必要十分といった感じ。
なんたって2.5Lターボなしエンジンと同等のトルクを1800回転から出す。
文字どおり「軽々」といったイメージで走り始めます。
加えてエンジンフィールも滑らか&ジェントル。
1気筒あたりの爆発エネルギーが小さいため、2Lより振動そのものが小さいのだと思う。
高回転まで引っ張ってもパワーの盛り上がりはないけれど、
街中で使うならまったく不満なし。
いや、日本の交通の流れならパワフルだと思えるほど。
当然のごとくアイドリングストップが付く。
今やポルシェにだってアイドリングストップが付く時代だ。
信号待ちでエンジンかかっているのは、
私にとっちゃ苦痛。
組み合わされる駆動系はインプレッサなどにも採用されているCVTとVTDと呼ばれる電子制御AWD。
どちらも熟成されているオーソドックスな技術で、
高い実用性を持つ。
一般的に新しい技術のほうがいいというイメージあるものの、
改良を加えてきたVTDの使い勝手ときたら依然として本物のフルタイム4WDだと思う。
1.6L車に対する不満点は皆無だ。

続いて2LDIT。
といっても現行レガシィ2.0GT DITの2L直噴ターボとまったく同じエンジン。
車重もレガシィの1600kg対しレヴォーグ1570kgなのでほとんど同じ。
したがって試乗した感覚もレガシィの直噴ターボと同じくらいの動力性能でした。
ネットなどの速報レポートを読むと「凄く速い!」みたいな表現が目立つが、
おそらくレガシィの直噴ターボに乗ってないんだと思う。
CVTは残念なことにアイドリングストップを組み込めないらしい。
1.6Lと極端な燃費差になった要因のひとつがアイドリングストップの有無であることはいうまでもない。
いまや高性能エンジンだってアイドルストップさせるのが世界の流れ
(新世代エンジンでアイドルストップしないのはアメ車くらい)。
2LDITの弱点だと思う。
4WDもレガシィの直噴ターボと同じアクティブトルクスプリット型。
ただ後で紹介する通りレヴォーグって歴代レガシィと比べ圧倒的にアンダーステアが強い。
サーキット試乗をしてみたけれど、
アクティブトルクスプリットを活かしたハンドリングは追求しなかったようだ。
今回試乗したのはプロトタイプということなので、
曲がらないハンドリングについちゃ変更してくるかもしれません。

ということで結論。
もし300psにモノをいわせブイブイ走りたい人なら、
迷うことなく2Lを選ぶべき。
やっぱしパワフルです。
「ふつうのクルマよりスポーティな程度で充分」という人は、
これまた迷うことなくジェントルで燃費よく(レギュラー仕様)、
アイドリングストップまで付く1.6Lを推奨しておく。
現時点での販売状況を聞いてみたら、
約70%が1.6Lとのことだ。

■レヴォーグと4代目レガシィTWを比較した「○と×」
スバルは25年目のフルモデルチェンジといっている。
となればレオーネの後継モデルということになるけど、
さすがに「違うでしょ」と思う。
関係者に話を聞くと、
やはり「最高のレガシィ」と評される4代目モデル(現行レガシィは5代目)を強く意識しているようだ。
ということで4代目レガシィとジックリ比べ、
○と×を付けてみた。

●アウトライン
○4代目レガシィのサイズは全長4680mm、
全幅1730mm。
レヴォーグは全長4690mm、
全幅1780mmで、
全幅が少しワイドになった程度。
4代目レガシィって全長の割に車幅が狭かったため、
バランス的にはちょうどよくなったんだと思う。
デザインもステーションワゴンとして考えれば、
ややラゲッジスペース部分の主張が弱いものの、
逆にボディ全体の一体感があって好ましいと感じる人も多いんじゃなかろか。
絶対的なラゲッジスペースは4代目レガシィより広くなっている。

×レヴォーグ最大の不満点は1560kgもある車重。
4代目レガシィの最終モデルのGT-Bが1500kgだったことを考えると軽いとはいえない。
1.6Lエンジンのベースグレードも、
4代目レガシィの2.5L車より80kg重い1520kgある。
この点、スバルの開発担当者に聞いたら
「当時よりボディ剛性など大幅に向上させたためです」。
現行のゴルフⅦを見ても、
いまや世界の流れは、ボディの大型化&剛性を高めつつ大幅な軽量化を行うというもの。
軽量化に注力した4代目レガシィに届かず。

●エンジン
○絶対的な性能からすればレヴォーグ優勢。
4代目で最もパワフルだった280ps+5速ATと、
レヴォーグの300ps+CVTを比べれば明らか。
1.6Lエンジンも、
4代目レガシィの2.5Lよりトルクバンドが厚くて扱いやすいうえ、
燃費でも20%くらい勝るとと思う。
アイドリングストップ付きになったことも決定的優位かと。

×かぎられたユーザー向けになるけど、
4代目レガシィには元気いっぱいな6速MT車がラインアップされていた。
そいつと比べればレヴォーグ2Lの300psも厳しい。
これまたかぎられたユーザー向きになるが、
レヴォーグのCVTは伝達トルク容量の余裕なし。
4代目レガシィのようなエンジンチューンをすると壊れちゃいます。
ノーマルで乗らないとアカンです。

●走り
○4代目レガシィ最大の弱点が乗り心地だった。
モデル末期になっても対策をしていたほど。
ビルシュタイン仕様でもダメだったから深刻でした。
レヴォーグの乗り心地は「なかなかですね!」と評価しておく。
そもそも上質でもある。
ビルシュタインだけでなく標準のKYB製だって悪くない。
いや、4代目レガシィのビルシュタインより好ましいと思ったほど。

×なぜかアンダーステアが強くなった。
4代目レガシィの気持ちよさは、意のままに操れるハンドリングにあった。
異なるスペックのレヴォーグに乗ってサーキットを走ったのだけれど、
どちらもコーナーでイン側につけず。
意識的に速度を抑えないとアンダー出たままになってしまう。
4代目レガシィの場合、
アンダーが出たらアクセルを戻せばキッチリとタックインしてくれたのでございます。

●インテリア
○現行レガシィより上質。
なんたって現行レガシィのダッシュパネル、
1.3L級コンパクトクラスのごとく樹脂素材むき出しで叩くとコツコツ響く。
レヴォーグはインプレッサと同じくソフトパッド。
そういった意味からすれば、
4代目レガシィの後継モデルなんだと実感する。

×レヴォーグで最も寂しい点だと思う。
安っぽさこそ感じないが、
華やかさなし。
プロトタイプだからかもしれないけれど、
マッキントッシュオーディーオも付いていなかった。
決して安いクルマじゃないのだからせめてボルボV40やゴルフⅦくらいのクオリティが欲しかった。

このレヴォーグの4月デビューを機に現行レガシィは販売中止となり、
6月のFMCではセダンのB4とSUVのアウトバックのみになる。





最終更新:2014年02月23日 11:13