近代合理主義
イギリス経験主義からの流れを汲み、デカルト・スピノザ・ライプニッツなどによる一連の哲学。大陸合理主義とも呼ばれる。
ルネ・デカルト(1596~1650)は、「我思う故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」で有名なフランスの哲学者・数学者。
当時関心をもたれていた数学を学問の基本の方法にすることを、処女作の「精神指導の規則」で宣言し、主著の「方法序説」を1627年に、次いで「省察」を1641年に執筆する。
方法序説
デカルトの主著。
①明証性
②分析の方法
③綜合の方法
④広い視野
の4つの方法を提起した。
省察
デカルトの第2の主著。「我思う故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」と、物心二元論が展開されている。物心二元論の要素のひとつは「機械論的自然観」であり、後の哲学に大きな影響を及ぼす。
スピノザ
バルーフ・デ・スピノザ(1632~1677)は、オランダ哲学者。両親はユダヤ人の商人で、スペインで迫害を受けて、ポルトガルを経てオランダへ逃げてきた。ユダヤの神学・律法を学ぶが、批判したために破門される。
エチカ
スピノザの主著。1677年著。
「神のみが唯一無限なるもの、万物の第一原因であるところの実体である」といい、そして「人間が知りうるところの神の属性は、思惟と延長だけであって、身体は延長の一様態であり、精神は思惟の一様態である。しかし、延長と思惟、身体と精神は同一物の二つの側面であるが、相互に独立し平行している」という心身並行論を展開した。
認識
スピノザは認識には、
- 感覚による「想像知」
- 概念による「理性知」
- 本質に肉薄する「直観知」
があるとし、直観知によって神を直観することができるとした。
この考えは汎神論的であると批判された。
ライプニッツ
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646~1716)は、ドイツの数学者・哲学者。「単子論」を主張した。
単子論
モナド(単子)は、
①点であり、
②力であり、
③魂であり、
④個性である
という主張。古代ギリシャのデモクリトスのアトム論と似ているが、「モナドが個性である」としたところが異なる。ライプニッツは「同じモナドは2つとして存在しない。最高の神のモナドからもっとも単純なモナドに至るまで、一連の連続的な系列を作っている。しかも、ひとつひとつのモナドが各自の方法で宇宙全体を反映している。このモナドが他との関係を断ち切られると個体となる」と考えた。
最終更新:2011年12月13日 18:35