なのはと戦った翌日俺達はまた会議を開いていた
内容は仮面の男についてだ
「昨日の戦いで私の方にも仮面の男が現れたが孫、おまえの方にも現れたそうだな。」
「はい。」
「…孫、おまえはどう思った?」
「対峙してわかったことは、直感的に信用してはならいってことぐらいですかね…。」
「どういうこと?」
「あの仮面の男が闇の書の完成させようとしているのは間違いありません。
でも、なぜ完成させようとするのかがまったくわからないんです。」
そう、これがまったくわからないんだ
ナメック星の時はベジータさんとフリーザが不老不死に
なるためにドラゴンボールを集めてたからいろいろと対策が取れたけど
今回はそうもいかない
「完成した闇の書を利用しようとしているのかもしれんな…。」
そうザフィーラさんが言った
「ありえねぇ!! だって完成した闇の書を奪ったって、
マスターであるはやて以外には使えないじゃん!!」
「完成した時点で、主はやては絶対的な力を得る。脅迫や洗脳などの効果がある筈も無いしな。」
「…家の周りには厳重なセキュリティを張ってるし、
万が一にも、はやてちゃんに危害が及ぶことは無いと思うけど…。」
「それでも念の為だ。シャマルはなるべく主はやての傍を離れん方がいいな。」
「そうね。」
「なぁ、闇の書を完成させてさ、はやてが本当のマスターになったらさ、
それではやては幸せになれるんだよな?」
「どうしたんだ? いきなり?」
「闇の書の主は大いなる力を得る。守護者である私たちがを誰より知ってる筈でしょ?」
「そうなんだよ。そうなんだけどさ
アタシなんかさ、大事なことを忘れてる気がするんだ…。」
「俺はよくわからないけど、闇の書が完成すればはやての命は助かるんだろ?」
「うん…。」
「それで少なくとも闇の書の侵食は止まる。」
「なら…。」
突然、何かが落ちる音がした
何事かと思い集中して周りを探ってみた
…はやての気がいつもより小さい
はやては気のコントロールができないから
激しい運動などをしなければ気が小さくなるってことはない
まさか
「はやて!!」
俺達はすぐにはやてのいる場所に移動した
すぐに倒れてるはやてを発見した
「はやて!!」
「救急車!!救急車!!」
「ああ!!」
「はやて!!」
「まて、あまり動かすな!!」
「あ、うん。」
はやての顔色が悪い
はやての倒れてる体勢が悪かったので
はやてを仰向けにして少し抱き起こす
…体温が若干高い
息も荒い
少しは楽になるだろうと思いはやてに俺の気を分け与える
「シャマル!!回復!!」
「わかってるわ!!」
隣ではシャマルさんがはやてに回復魔法を掛けている
効果があったのかはわからないがはやての顔色は少しは良くなった

はやてを病院に移動させてだいたい数時間が過ぎた
検査が終わるまで心配だったが
はやての容態は良くなったようなので
今は一般の病室にいる
「うん、大丈夫みたいね。」
「ありがとうございました。」
石田先生という人にはやての容態をみてもらっている
どうやら大丈夫のようだ
よかった
「はぁ、ホっとしました。」
「せやから少し目眩がして、胸と手が吊っただけやって言うたやん。」
「そうは言っても倒れたからなぁ。心配するなってほうが無理だと思うよ。」
「そうですよ。悟飯君の言うとおりです。」
「何かあっては大変ですから。」
「はやてが無事でよかったよ。本当に。」
そう言ったヴィータの頭をはやてが撫でていた
ヴィータが一番心配していたからな
「まあ来てもらったついでに少し検査とかしたいからもう少しゆっくりしていってね。」
「はぁい。」
「シグナムさん、シャマルさん少しいいですか?」
「はい。」
そう言って三人は病室の外に出て行った
そういえば俺もよく入院してたなぁ
人造人間にやられてボロボロになった俺をブルマさんが見つけて
何度も病院に運んでもらってたっけ
そういえば、最初に病院に運んでもらった時『なんで俺のいる場所がわかったんですか?』って聞いたっけか
そしたら『ラジオでね、ペッパータウンで金色の髪をした少年が
人造人間相手に戦ってるっていうニュースが流れているのを聞いてね。』って言われたっけか
それを聞いた時お母さんにも伝わったんじゃないかって心配になったけど
パオズ山まではラジオの電波が届かないはずだっていうのを思い出した
よけいな心配を掛けたくないしね
あと、何度もボロボロになった俺を見てもブルマさんはもう戦うなって言わなかったけか
俺の気持ちを汲んでくれたんだろう
これは嬉しかったけど、ブルマさんは心配でたまらなかったんだろうな
それに関しては本当に申し訳なかった
だから修行の合間や少し時間がある時はブルマさん家に顔を出すようにしたんだっけか
「悟飯?」
「え、あ、何?」
「さっきからボーってしてたもんやから、どないしたん?って思ってな。」
「いや、なんでもないよ。」
「ホンマに?」
「ホントホント。あ、はやてが病室に移る時に林檎買ってきたんだけど食べる?」
「あ、アタシ食べる!!」
「ちゃんとヴィータにもあげるよ。はやても食べるよね?」
「うん。お願いな。」
「まかせといて。」
そう言って俺は果物ナイフを使って林檎を剥いていった

「入院?」
どうやらはやての入院が決まったようだ
さっきシグナムさんとシャマルさんが石田先生と話してたのはそのことかな
「はい、そうなんですよ。」
「そうなんか…。」
「あ、でも念の為にというだけですので心配はありません。」
「それはええんやけど…。」
何か言いづらそうにしてるな…
「どうしたの?何か心配事?」
「いやな、私が入院しとったら料理とか全部悟飯に任せてしまうことになってしまうんやない?」
「あ、たしかに。」
「もう、何言ってるの。はやてちゃん、ヴィータちゃん。そこは私と悟飯君の交代でやります。」
「「シャマルが作るのだけはやめてくれ!!」」
ヴィータとシグナムさんが間髪いれずに突っ込む
「二人とも酷い!!悟飯君、この二人に何か言ってあげて!!」
「えーと………俺は大丈夫だよ。体力には自信があるしね。」
「悟飯く~ん。」
「まぁそれはそれとして、戻って着替えと本などを持って着ます。」
「ほかに持って着てほしいものがあったらなんでも言ってくれよな、はやて。」
「そやな…あ!!すずかちゃんからメールとか来るかもしれん。」
「あ、それは私の方から連絡しておきます。」
「後、何か暇つぶしになりそうな物も持ってくるよ。」
「うん。お願いな。」

はやてが入院してから数日が過ぎた
俺達は毎日蒐集活動を続けている
勿論はやてのお見舞いも毎日行っている
頁もあと少しといった所なので少しは余裕も出来ている
今月の末までには完成するだろう
ただ、一つ厄介な事ができた
はやてがなのはとフェイト達と知り合ってたという事だ
この二人はすずがの友達でその経由で知り合ったということらしい
はやての友達が増えるのはいいことだけど…
俺達の話し合いの結果、バッタリ会わないように時間調整するということになった
ただ
「あの、シャマルさん…。」
「何?悟飯君。」
「なんですか?その格好…。」
「なにって…変かしら?」
今のシャマルさんの格好は
厚手のコートに手袋にサングラスというものだった
「その格好はかっこいいんですか、かなり目立ってますよ…。」
「え、嘘!?」
「本当です。その格好でコソコソしてたら怪しい人に見えますよ…。」
後日、シャマルさんの服装は元に戻った

さらに数日が過ぎた
今ははやてのお見舞いに行くところだ
「今日か明日には雪が降りそうですね。」
「そうだな。冷えてきたし主はやてが風邪など引かねばよいが。」
「病室は暖かいし大丈夫じゃない?」
「そうだって。」
「そうだな。しかし今日は少し遅くなってしまったな。」
「そうね。でもあと少しで闇の書が完成するわ。」
「ああ、あと少しだ。」
「でも、最後まで油断しないでくださいね。」
「ああ、わかってるよ。」
「そろそろ病院に着くぜ。」
「そうね…あ!!」
「どうした!?シャマル!!」
「…はやてちゃんのお見舞いに持って来る物…家に忘れてきちゃった…。」
「はぁ!?何やってんだよ、シャマル。」
「うう、ごめんなさい。」
「…まぁ、ここに来るまで気付かなかった我々も我々だがな…。」
「う…。」
「はぁ、いいですよ。俺が取ってきますよ。」
「え?でも、元々は私のせいだし…。」
「いいですって。気にしないでください。」
「じゃあ…お願いね。悟飯君。」
「まかせてください。はやてには俺は遅れてくるって言っといてくださいね。」
「ああ。そのように伝えておく。」
「気をつけてなー。悟飯。」

少し暗くなってきたな
あ、そろそろ家に着くころだな
そう思いながら足を踏み出したら
「ん?」
おもいっきり足が滑り
「うわ!!」
盛大に転んだ
「いてて…痛いというか冷たいな。」
転んだ時に氷を割ったようでびしょ濡れになった
早く家に戻って着替えよう

はやてのお見舞いに持ってくものはすぐに見つかった
あとは俺の着替えだな
………無いな
あ、そういえば全部洗濯してたっけ
どうしよう…胴着でいいか
ほかに着る物ないし
胴着を着て帯を締める
やっぱ胴着が一番肌に馴染むし落ち着くな
さて、行くか

すっかり暗くなったなぁ
面会時間とか大丈夫かな
まぁ…もしもの時は空飛んで窓から入ろう
はやての部屋は一人部屋だし誰かに気付かれることもないだろう
あ、もう少しで着くな
少し速度を上げるか
そう思った時
「!!」
妙な違和感を感じた
「何だ?」
胸が締め付けられるやな感じ
…やな予感がする
周りに人がいないことを確認して
俺は上空まで一気に上昇した
そして上空から町を見下ろした
………一つの建物…ビルだな
他と少し違う感じがした
俺はそのビルに飛んで行った

そのビルに着いたが…結界が張られている
俺は荷物を近くに置き、結界に向かって突っ込んでいき
「はぁ!!」
結界に穴を開けて結界内に侵入した
辺りを見回していると
「あれは!!」
貼り付けにされたヴィータを見つけた
「ヴィータ!!!!」
俺はヴィータに手を伸ばしながら向かっていく
「……ご……は………ん……?」
ヴィータが俺に気付いたようだ
あと少しでヴィータに手が届く
そう思った時
ヴィータが消えた
「な!!」
「残念…。」
「少し遅かったね…。」
あれは…なのはにフェイト
…いや違う
気が二人のものじゃない
この気は…仮面の男か
「もう、騎士達は存在しない…。」
「つまり、死んだんだよ…。」
死ん…だ
みん…な…が
集中してもみんなの気が感じられな…い
俺は…また失ったのか
また…守れなかったのか…
家族を…
仲間を…
こいつ等が…仮面の男が…殺したのか
シャマルさんを…
シグナムさんを…
ザフィーラさんを…
ヴィータを…
…許せない
…許さない
絶対に…
「…久々に…。」
俺は
「?」
全身から
「久々に…。」
溢れ出て来た
「久々に心の底からブチ切れたぜ!!!!」
怒りに身を任せて
「うおああああああああああああああ!!!!」
超サイヤ人になった
「な!!」
「これは!?」
大気が揺れる
空気が震える
でも俺の知ったことじゃない
「貴様等だけは謝っても許さんぞ!!!!
この、クソ野郎!!!!」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2013年04月13日 05:51