naomyplum: JINROあれこれ

キヲクノカケラ

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
F555の狼リラことヨアのおはなし。
さすがに若干の加筆はしているものの、ほぼ村ログ抜粋状態…それでも長いってどういうことだ。
(さらに長い補完ばーじょんは鋭意制作中)

Day 0

それは、僕がこの村に着いた時のことだった――

毎日毎日パンを焼いて寝るだけの生活…。
僕の人生って一体何なんだろう…?
何かもう全てに疲れちゃったよ。

【旅に出ます。探さないでください。】
       (パン屋 オットー プロローグ 午後 2時 30分)

ちょ、ちょっとオットーさん!?
待ってぇーーーー

僕、この村に凄腕のパン屋さんがいるって聞いて、はるばる遠くからやってきたのに……。
なんでもほんとは………ううん、今はいいや。
来ちゃったからには引き返せないし、オットーさんの帰りをここで待ってるよ。

この村の人のことはよく判らないけど、なんだかあったかそうな気がした。
それに、僕の旅の目的は、オットーさんに会わないと実現しないから。

そんな僕を、羊飼いのお姉さんが、アンケートを手に励ましてくれた。
大丈夫よヨアさん。
だってここは希望の村ですもの。
オットーさんの希望もここにあるわよ。

うん、そうだね…僕も希望を探してここまでやって来たし、きっと、オットーさんの希望もここにあるよネ。そのアンケートみたいなのに答えながら待ってるよ。
そう。僕は、ちょっといろいろ事情があって、この村の薬草とパン屋さんを訪ねてきたんだ……。
僕ね、まわりの人が笑顔で元気に暮らしてる姿が大好きなんだ。だからこの村で希望を見つけて帰るんだ…いや、見つけなきゃ帰れないヨ。

あらためて村の人たちを見ると、みんなオットーさんを気にかけてるみたい。
大きな虎と暮らす女の子いわく
……いや待ってくれオットー、人狼以上に君に何があったんだ。これじゃあまるで希望の村じゃなくて絶望の村みたいじゃないか。
僕はまだ子供だから分からないけれど、村長やモーリッツ御老に相談してみたらどうだろう。
オットーには早く帰ってきてもらって、またあの美味しいパンを焼いてほしいものだ。
教会の神父さんいわく
オットー!貴方こそがこの村の希望だというのに。貴方の作るパン以上に神に愛されているものなど、そうはありますまい。
そしてこの村の村長さんいわく
オットー。君は自らの生業に倦んでいるようだが
あれ程美味なパンを焼ける者は君の他にいない。
そして、君のパンを食すことを日々の喜びとしている人々がいると言うことをどうか忘れないで欲しい。
君の決断について私がどうこう言う資格はない。だが願わくばもう一度君の焼いたパンを食べたいものだ。
うん、どうやらオットーさんは村の人たちから愛されてるみたいだ。
なんかよくわからないけど、とにかく良かった。

神父さんは神に祈ることこそが希望だと言っていた。
この村には「希望草」っていう幻の薬草もあるって聞いたんだけど、それも神様にお祈りしたら見つけられるかな……。
まずはこの村のことを知らないと。

僕は地図を手に、村の散策に出かけた。
もしかしたらオットーさんを見つけられるかもしれない、という期待とともに。

村には畑や大きな森があって、思ったよりも広く感じた。
うっかり迷いそうな不安――でも、不思議と迷わない感覚もあった。

みんなのいる宿に無事戻ってくると、紅い髪のお兄さんが大根の漬け物をぽりぽりと……
あっ……なんか30分ぐらい記憶が飛んでたような……?
まぁ、いっか。いつものことだし。
僕もその大根の漬け物、いただくね……(ぽりぽり)……あれ?なんか羊の乳みたいな味がするんだケド……僕の舌がおかしいのかナ…。
どうやって漬けたのか、僕も気になるよ。

そして、この頃から、おなじみなんだけど嫌な感覚がよぎる。

…………頭が、痛いなぁ。
なんだか、ぼーっとしてきたし…長旅と散策とで、一気に疲れが出ちゃった、みたい……

―――ここで僕の意識が途切れた。

うぅん……あれっ? 氷枕?
気がついたら僕はベッドに寝かされていて、お爺さんが赤い薬のようなものを持ってきてくれていた。
なんだっけ、これ…懐かしい感じがする……

薬を飲む僕を見ながら、お爺さんはゆっくり語りかけた。
煎じた葉は、疲労回復。この赤い花は、解熱作用と鼻詰まりに効果があるんじゃよ。
お前さんが他の村からやってきたのならば、この薬が懐かしい味というのは、気のせいじゃよ。この花はこの村の林にしか生えてないらしいからのう。この村の者なら、風邪を引いたときには、わりとよく飲む薬じゃがの。

うん、僕、赤ちゃんの時、この村にいたらしいヨ…

お爺さんは続けた。
そういえば、十数年前に、一斉に子供がいなくなったことがあったのう…。ヴァルターの息子もその一人ではなかったかの?
そうなの?僕、ちっちゃい時のことだから、憶えてないんだ……
何も憶えてない僕の代わりに、村長さんが答えていた。
モーリッツ翁、古い話です。息子のことは…
どうやらヴァルターというのは村長さんの名前らしい。
そして村の人狼対策会議が始まった。

Day 1

わおーーーーーん…

えっ? なんで僕がこんな声出せるんだろう??
戸惑う僕の耳元でお爺さんがささやいた。
わしの薬が効いてきたようじゃのう…。ほっほっほ。
あの赤い花は人狼薬だったんだ……。
村の人狼対策会議の合間を縫って、僕たちは狼会議を始めた。村の人たちにささやきを聞かれても仲間の正体がバレないよう、僕たち専用の呼び名を作った。僕の名前はリラ、お爺さんの名前はロン、そして…もう1人の仲間、僕がずっと会いたかったオットーさんの名前はペソ。これで少々大きな声でささやいたって大丈夫。
なんだかよくわからない安心感を胸に、僕はつかの間の眠りについた。

……変な夢を見た。人間をむさぼり食う僕がいて、その時はすごくイキイキしている――頭痛のことも忘れて。
最近、気を失ってしまう回数が増えたような気がする。その間に僕が何をしてるのか、わからないのが怖い。とりあえず今のところはまだ人は食べてないみたい。だけど…昨日、鏡を見たら…僕の身体が映ってるはずのそこには、狼さんが映ってたんだ……。いつか、この夢が正夢になってしまう日が来るんだろうか。
僕が動けないぐらいの頭痛に襲われることも、気を失ってしまうことも、希望の村ってところに行くと何らかの手がかりがつかめるって聞いた。同じ名前の村はいくつかあったけど、ここを見つけたとき、絶対ここだと思った。ものすごく懐かしい雰囲気――僕が生まれたのはこの村だった。
その後、村で大きな事件があったみたいで、僕はどこか遠くへ連れていかれた。お父さんとお兄ちゃんと、離ればなれになって……何年も前の話。
そして、この村には、秘密のパンを作れるパン屋さんがいるって聞いた。僕の、失った記憶を取り戻せるパン。オットーさんっていう人がそれを作れるらしい、とも聞いた。昨日ちょっと見た感じでは…あんなお兄ちゃんだったらいいな、って思ったなぁ。

朝、寝ていた間の情報を整理しきれないのか、いつもより少し強い頭痛に見舞われた。
なんだか、神父さんとDさんが僕を心配しているみたい。
うん…神父さん、Dさん、ありがと。お爺さんのお薬、熱にはちゃんと効いたみたいだヨ。頭が痛くなったり、記憶が飛んじゃったりするのは、昔からよくあることだから……最近はちょっとひどいみたいだけど。
あまりに頭痛がひどいので、会議もそこそこに、しばらく休むことにした。

なんだか香ばしい匂いで目を覚ますと、そこにはオットーさんが焼いてくれたパンがあった。
それをゆっくり味わう。うん、美味しいナ…。
ちょっとだけ、昔のことを思い出したような気がして、森に行ってきた。

――森の中に、秘密のブランコがあった。お父さんが、僕とお兄ちゃんのためにこっそり作ってくれたブランコ。今日行ったら、まだ、残ってた。久しぶりに乗ったブランコは、思いの外、小さかった。
それでも、僕の見た景色は、あの頃と変わらなかった……ただ、お父さんとお兄ちゃんがいないことを除いては。
このまま、この村でパンを食べていたら、僕の記憶が戻り、頭を痛めずに済む――そんな日が来るんだろうか?
そして今、この村で、僕は、優しい人たちに囲まれている。お父さんみたいな村長さんは人間みたいだけど、おじいちゃんみたいな村の長老モーリッツさんと、お兄ちゃんみたいなオットーさんは、狼さんとしても家族みたいに接してくれる。とっても、あったかい。
これが、僕の本当の家族、だったらいいな……。

そして、こんな優しい人たちを食べずに済めばいいナ…。家族を失うのは、もう、こりごりだよ……。

僕の目から涙がこぼれた。
それと同時にまたあの頭痛が…どうも今度は熱も出てきたみたい。
とりあえず、宿に戻らなきゃ。あの眠っているゲルトくんをみんなで食べるためにも。

Day 2

(書きかけ♪)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー