Calpre はカルペ (Calpe) の綴りの揺れということで一致している。
アナトール・ル・ペルチエもそう読んでいたし、
ピエール・ブランダムールら、現代の実証的諸論者の間でも異論がない。
カルペとはジブラルタル海峡にそびえるカルペ山のことで、対岸のアフリカ側のアビラ岩とともに、古代ギリシアにおいて 「ヘラクレスの柱」 と呼ばれていた岩山と考えられている。転じて、ノストラダムスはジブラルタル海峡の意味で使っていたのだろう。
なぜ綴りを変えたのかよく分からないが、ブランダムールはノストラダムスが 『
化粧品とジャム論』 において、菓子のタルト (Tarte) を Tartre と綴っている例が複数あることを指摘している。
なお、カルペという名の山は、それよりずっと東方、スペインのコスタ・ブランカ (白い海岸) と呼ばれる地方の沿岸部にも存在している。
登場箇所
最終更新:2013年01月24日 21:25