原文
Sera laissé le feu
1 vif, mort
2 caché,
Dedans les globes
3 horrible
4 espouuentable
5
De nuict
6 à
7 classe8 cité
9 en pouldre
lasché10,
La
11 cité à
12 feu, l’ennemy fauorable.
異文
(1) le feu : feu 1597 1600 1610 1611 1627 1644 1650Ri 1650Le 1653 1981EB 1665 1668 1716 1840
(2) vif, mort : mort vif 1649Ca, vif, & mort 1627 1644 1650Ri 1650Le 1668, vif: & mort 1653 1665 1840
(3) globes : glopes 1588-89, Globes 1672
(4) horrible : horribles 1557B 1649Ca 1653 1665 1840
(5) espouuentable : espouentables 1557B
(6) nuict : nnict 1590Ro 1649Xa
(7) à : a 1588-89 1672
(8) classe : classé 1649Ca
(9) cité : Cité 1672
(10) lasché : lache 1588Rf
(11) La : L# 1628
(12) à : a 1588-89
(注記)1628の4行目の異文は、Lの後にaが逆さまに植字されている。上の欄では#で代用。
校訂
日本語訳
生きて火に委ねられるだろう。死して隠される。
球形の中におぞましく恐るべきもの。
夜間、艦隊により都市は灰燼に帰せられる。
都市には火。敵には好都合。
訳について
既存の訳についてコメントしておく。
大乗訳について。
1行目 「火は燃え残り 死人は隠され」 は、彼女の底本に基づく訳としては誤りとは言い切れない。もっとも、vif と mort の入れ替えは上の異文欄から明らかなように、17世紀半ばに唐突に出現している上に、実証的な論者は誰も採用していないので、現代において支持すべき理由はない。
2行目 「球体はひどくぶるぶるふるえている」 は、Dedans (~の中で / に) が訳に反映されていない。
3行目 「夜に艦隊は町に対して攻撃をし」 は表現が弱すぎる。poudre (灰) が原詩にある以上、それを反映させるべきだろう。ちなみに、
リチャード・シーバースの英訳では、City reduced to ash...となっている。
山根訳について。
1行目 「生きた火 隠れた死が解き放たれ」は、そういう訳も可能。
信奉者側の見解
テオフィル・ド・ガランシエールは、前半は球体に火が隠されることを描写しており、手榴弾か地雷の予言とした。後半はそのまま港かその近くに停泊した艦隊によって都市が炎上する予言として、具体的な事件などには結び付けていなかった。
同時代的な視点
当「大事典」としては、ブランダムールの推測は妥当なものだろうと判断する。2行目は凶兆の描写で、後半にある艦隊による都市の襲撃を暗示しているという構成なのではないかと思われる。
コメントらん
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- ドレスデン爆撃 1945年2月13日~15日と東京大空襲が、1945年3月10日深夜に行われた事を予言か。1行はウィキペディアのドレスデン空爆を参考にした。4行は後に原爆投下を決定したヤルタ会談(1945年2月)の事か? “夜”とは、非合法を意味し、5章81番でヤルタ会談を予言していた事を踏まえると、この推論は正しいように思える。 -- とある信奉者 (2013-08-09 20:50:58)
最終更新:2013年08月09日 20:50