予兆詩第33番

予兆詩第33番(旧30番) 1558年8月について

原文

Bruit sera vain, les defaillans troussez.
Les razes1 pris, esleu le Pempotan.
Faillir deux rouges2, & quatre bien croisez.
Pluye empeschable au Monarque potent.*1

異文

(1) razes 1589Rec : Razes T.A.Eds.
(2) rouges 1589Rec : Rouges T.A.Eds.

(注記)校訂に関する注意事項は予兆詩第26番の異文欄を参照のこと。

日本語訳

騒いでも無駄だろう。衰えている者たちは連れ去られる。
剃髪の者たちは捕われ、パンポタンが選ばれる。
二人の赤き者が失敗し、四人がまさしく交差する。
力ある君主にとって邪魔になる雨。

訳について

 エドガー・レオニは3行目にヴィルギュル(カンマ)がない原文に基づいていることもあり、「二人の赤き者と四人の十字軍参加者が失敗する」と読んでいる。croisezを十字軍参加者と読むのは、可能である。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは2行目前半までを、1560年に教皇ピウス4世が二人の枢機卿を投獄して死なせたことの予言とした。ただし、残りの部分については、理解不能として解釈を放棄した*2

同時代的な視点

 「剃髪」はノストラダムスの詩では聖職者の隠喩としてしばしば用いられている。


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予兆詩
最終更新:2009年12月08日 23:08

*1 原文は Chevignard [1999] p.130による。

*2 Chavigny [1594] p.74