La Grand' pronostication nouvelle pour l'An Mil cinq cens soixante

 『1560年向けの大いなる新占筮』(La Grand' pronostication nouvelle pour l'An Mil cinq cens soixante)は1559年に出版されたノストラダムスの暦書。リヨンジャン・ブロトーアントワーヌ・ヴォランが出版した。

【画像】『1560年向けの大いなる新占筮』の扉*1

正式名

  • LA GRAND' PRONOSTICATION NOVVELLE POVR l'An Mil cinq cens soixante, auecques les figures celestes des quatre temps.
    • Calculee par maistre Michel Nostradamus, Docteur en Medicine, de Salon de Craux, en Prouence.
    • A LYON,
    • Par Iean Brotot, & Antoine Volant.
    • Auec Priuilege.

  • 四季の天の表徴を併記した1560年向けの大いなる新占筮
    • プロヴァンス州サロン・ド・クローの医学博士ミシェル・ノストラダムス師により算定された。
    • リヨンにて、
    • ジャン・ブロトーとアントワーヌ・ヴォランによる。
    • 特認とともに。

内容

 八つ折版で32ページある。
 献辞は「サンタンドレ元帥閣下の代理でリヨネー地方を統括する長官サヴィニ閣下へ。そのいとも賤しく忠実な召使であるノストラダムスが健康と幸福をお祈りいたします。」(A MONSEIGNEVR MONSEI-gneur de Sauigni Lieutenant general pour le Roy au pays de Lyonnois en l'absence de Monseigneur le Mareschal S. André : M. Nostradamus son treshumble & obeissant seruiteur, desire Salut, & Felicité.)と題されている。
 続いて星位の概況、季節ごとの予兆、月ごとの予兆が散文で綴られている。それらは、ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』第5巻後半(第335番~第474番)に対応している。

 そのあとに1559年10月13日付の特認記録の文面が記載されている。なお、ローヌ県立古文書館にも特認記録は現存しているが、そちらの日付は1559年10月17日だという*2

 最後に移動祝日の一覧が載っている。

所蔵先

 かつてはエクトール・リゴーの蔵書に含まれていたが、1931年のオークションを経て、書肆で民俗学者のエミール・ヌリの手に渡った。ヌリは1935年に歿し、後継者に当たる書肆ジュール・チエボーに引き継がれたらしい。そのあと所在不明となっていたが、2010年のオークションに出現した(落札者は未詳)。
 その伝本はノストラダムスの『1558年向けの新たなる占筮』リヨン版エルキュール・ル・フランソワ(未作成)の『モンストラダムスへの最初の反論』リヨン版、ジャン・スコンネル(未作成)の『1558年向けの占筮』、ギヨーム・ドリュー(未作成)の『1560年向けの新たなる占筮』とともに製本されていた非常に貴重な文献であり、2010年に出現した時にも一切の破損なく出品された。

 とはいえ、この占筮については、ダニエル・ルソの手許にあった若干不鮮明な部分を含むフォトコピーが残っており、マリオ・グレゴリオがインターネット上で公開してくれている。そのフォトコピーの扉は、手書きの書き込みから判断する限りでは、エクトール・リゴーの蔵書だったものと同じ伝本である。ルソがどういう経緯でそのコピーを取得できたのかよく分からないが、ジュール・チエボーの未亡人と接点があったのは確かなので、おそらくそれによるものだろう。

復刻


外部リンク



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暦書
最終更新:2021年07月11日 01:39

*1 画像の出典:Michel Scognamillo (avant-propos), Nostradamus en son siècle, Paris : Librairie Thomas-Scheler, 2010, p.26

*2 Guillot