フェンリル(Fenrir)
フェンリル狼、フェンリスウールヴ、フローズルヴィトニルとも言われる。
北欧神話に登場する巨大な狼の魔物で、炎を目や鼻から吹き出しているという。
その大きさは口を開けば上顎が天に、下顎が地に届く程とされる。
ロキと
巨人の女
アングルボザの間の長子であり、彼女と
ロキの子供には他に
世界蛇
ヨルムンガンドと死の女神
ヘルがいる。
あまりに凶暴なため、神々はフェンリルを捕らえておこうと苦労を重ねた。
まず
オーディンはレージング(皮の戒め)という足枷を作り拘束したが、
フェンリルはあっさりこれを破壊してしまう。
次に前より数倍は丈夫なドローミ(筋の戒め)という足枷をつけるも、
やはり粉々に壊され逃げられてしまう。
そこで神々は小人族
ドヴェルグ?に依頼し魔法の紐
グレイプニル(飲み込むもの)を作らせた。
この拘束具の魔法の力を察知したフェンリルは警戒するが、
オーディンから「こんな紐を切れないならば、
我々がお前を恐れる理由はなくなるのだから後で解いてやる」という提案を受けたため、
「誰かが自分の口の中に腕を入れておく」ことを条件に縛られることに同意する。
神々は誓約を裏切るつもりだったので少しごたごたしたが、
結局は誓約の神でもあった
ティールがその役になった。
ティールの腕を口に入れ、
フェンリルは
グレイプニルで縛られた。
結果を言えば、フェンリルは
グレイプニルを引き千切ることができなかった。
そして神々は当然のように誓約を裏切った。
フェンリルは怒り
ティールの右腕を食い千切るもすでに後の祭り。そのまま地中に封印されてしまった。
最終更新:2005年06月13日 05:27