世界から見た猫ひろし問題

世界から見た猫ひろし問題について記載します



 2012年4月3日火曜日
オリンピックのマラソン選抜がジョークな件

 カンボジア オリンピック委員会は、日本生まれのお笑い芸人をロンドン マラソンでのランナーに選抜しました。

 彼らはこの42.2kmイベントに対して、カンボジアで最速のランナーであるハエム=ブンティーンを拒絶し、猫ひろしを指名しました。どちらのランナーも2:18というオリンピックB標準資格を満たしていませんが、オリンピックの規定によって、どのトラックにもどのフィールドにも適格アスリートがいない国については、特例として男子1名と女子1名のアスリートのエントリーが認められています。オリンピック委員会がマラソンを走るアスリートを選抜しようとするとき、何も悩む部分はないと思います。一番速いランナーを選べばいいのですから! しかし、彼らは金持ちの男を選びました。

 この2人のアスリートをざっと比較してみましょう:

1. ハエム=ブンティーンは、カンボジアにおけるマラソンの国内記録保持者です(2:25:20、ビエンチャンにて2009年)。猫ひろしはそうではありません。

2. 猫ひろしは、レースでハエム=ブンティーンに勝ったことは一度もありません。2010年シエムリアプ ハーフ マラソンでは、ハエム=ブンティーンは1:10:11で優勝し、一方猫ひろしはタイム1:16:00で3位ゴールでした。

3. ハエム=ブンティーンは、カンボジアのスタン=トラエンで、9人の兄弟姉妹の2番目の子として生まれました。彼は、住んでいる場所もトレーニングをしている場所もプノンペンです。猫ひろしは、2011年11月にカンボジア国籍を認められました。去年の時点でまだ彼は、東京マラソンでJAAF(日本陸上競技連盟)のゼッケンを付けていたのです。

4. 振り返れば、ハエム=ブンティーンは2008年北京オリンピックのカンボジア代表を務めました。この年、猫ひろしは東京で生まれて初めて42.2kmイベントを走り、ゴールは3:48:57でした!

5. 未来に目を致せば、ブンティーンはすでにカンボジアの次世代のランナーたちをリードし、トレーニングし、彼らに影響を与えています。マー=ヴィローはカンボジアで2番目に速い長距離ランナーです。彼もまたスタン=トラエン出身であるということは驚きでしょうか? ヴィローとブンティーンは、ともにランナーでもあり、かつ友人どうしでもあります。カンボジアは、2012年香港マラソンへの代表選抜については、マー=ヴィローを指名しました。

6. ブンティーンは、私がトラックにいた時に元気づけてくれました! 去年の11月、私は生まれて初めてトライアスロンに出場しました。タイへ飛ぶ前の日、私はプノンペンのオリンピック スタジアムで短いトラックセッションを行いました。ブンティーンがたまたま同じ時にトレーニングをしていて、彼のウォーミングアップの時に、私たちは一緒に何回かのラップを走りました。彼は私の今度のレースについてたずねてくれて、しかも400mループで私を彼に勝たせてくれました。ブンティーンは、プノンペンでトラックでトレーニングしているとき、男性も女性も、老いも若きをも元気づけています。トレーニングセッションのためにオリンピックスタジアムに寄った際に猫を見たことは、私は一度もありません。

 現在、猫ひろしは彼の、カンボジア オリンピック チームへの驚くべき選抜を祝賀しています。彼の慈善団体であるカンボジア ドリームを通じて、彼はカンボジア オリンピック委員会に金銭的贈物を贈りました。一方、ハエム=ブンティーンはケニアのリフト ヴァレーで3ヶ月間のトレーニングを終え、4月15日のパリ マラソンに備えています。彼は費用のすべてを私的なスポンサーたちに依存しています。

 難しいと思われるかもしれませんが、私はブンティーンがパリで過去最高のマラソンを走って2:18を切るタイムを出してほしいと願っています! 必ずやこれは選抜担当者たちに、彼らの米と豚肉の朝食に乗せて噛む何かを与えることでしょう。

 今やカンボジアのアスリートたちは、自国をスポーツの最高レベルにおいて代表する意思を貫徹する意欲を失っています。今メッセージはこうです:「アスレチックプログラムの乏しい、貧しい国に対しては、金持ちの外国人が他民族のオリンピックドリームを盗むことが許される」。哀しいです。


投稿者:pip @ 3:23 PM



日本の長距離走に関するニュースを集めた英文サイトの猫ひろし五輪決定記事

日本陸連のコメントについても疑問が投げかけられています。
2012年3月26日月曜日

報知新聞記事の英訳(略)

翻訳者ノート:日本陸連の職員が11月に、猫のこのたびの国籍変更は規則違反ではない、なぜなら彼は日本陸連の登録選手ではないからだ、と述べたと報じられているが、
しかし、彼が2009年・2010年・2011年の東京マラソンで日本陸連登録選手部門のゼッケンを付けている複数の写真が、猫自身のブログ上で容易に閲覧可能である。
2011年4月に2011~2012年度が始まる際に彼が選手登録を更新しなかったということはありえるわけだが、
しかし、もしそれだけで国籍変更に関する諸規則から彼が適用除外されうるのであれば、この戦術がなぜ他でもっと広く活用されていないのかが理解しがたい。
ある一定の能力水準を超えるアスリートにしかこの諸規則は適用されないとかいうことなのだろうか?

猫がカンボジア チームに選ばれたというこの非公式発表は、カンボジアの国内記録保持者であるハエム=ブンティーンの犠牲の上になされているように思える。
ブンティーンは報道によると、ロンドンへの実力参加資格を得るべくパリ マラソンに向け今月末までケニアでトレーニングを行なっており、
これには日本の農業企業が資金援助を提供しているとのことだ。
ブンティーンの2009年からのPBは猫の現在までのベストより5分速いのだが、どうやら彼はカンボジアの連盟・オリンピック委員会との関係がうまくいっていないようだ。

ブンティーンの状況をどう考えたらよいかはなかなか難しいが、しかしいずれにせよ猫のオリンピックへの選抜は、諸規則の文言にはどうにか違反していないかもしれないとしても、
国際陸上競技連盟オリンピック出場資格規則D.6.aが、小国の自国のアスリートたちの進歩と意欲を促進するために活用されるのではなく、
すでにカンボジア オリンピック委員会と結びついて日本のツーリズムの利益をカンボジアで生み出すために利用されている
外国生まれの有名なセレブリティがオリンピックへ行く手段として利用されることは、公明正大であるとは言いがたい。
もしも世界のメディアがロンドンにおいて、トップから半時間遅れでゴールする猫を、より才能のあるネイティブのアスリートの犠牲の上に
ツーリズムを振興するための政府と外国人セレブリティとの間のビジネス取引として映ずるままに描き出すことなく、
辺鄙な国の孤高のアスリートによる素晴らしき行為としてありきたりに演出するならば、それは非常に、非常に残念なこととなろう。


投稿者:Brett Larner 時刻:3:19 PM

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最終更新:2012年04月11日 02:05
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