金田一少年の事件簿(Caseシリーズ)の第1話

?「すべての‘準備‘は整った・・・あとは許しがたいあいつらをあの暗い森の奥に誘い込み――――この手で・・・」

魔犬の森の殺人 プロローグ



「一目見た時から決めてました!」
上山「七瀬さんっ!!」
中島「ヨロシクお願いしますぅ!!」
美雪「ゴメンナサイ」

2人の男子生徒、上山永生(シュミ・漫才)と中島保(シュミ・漫才)の告白を、美雪は0.1秒で断った。
中島は絶叫し、上山は頭を壁に叩きつける。

冴子「相変わらずツレないわねえ・・・!美雪!」
美雪「―――!冴子!」
冴子「―――ところで例の話考えてくれた?」
美雪「う・・・うん・・でも・・・あたし・・・」
冴子「あんた・・・まさかあのバカに気ィつかってるワケ?いーかげんにしなよ、あいつはただの幼なじみでしょー!?あんな宙ぶらりんのグータラ男に取り憑かれたらあんたも一生宙ぶらりんよ!」
美雪「や~ね~!取り憑くなんてそんな妖怪みたいなコト―――――」
?「お~い」

美雪が窓の外を見ると、冴子の言う「あのバカ」こと金田一が顔面ボロボロの状態で宙ぶらりんになっていた。
金田一「み・・・みゆひぃ~~~~~~~」
美雪「ひいいいい!?ぬらりひょん~~~~~!?」

屋上。
教師「コラ~~~~!お前たち何しとる!」
男子たち「やべっ!」
「バンジーのつもりがカベに顔面クラッシュして・・・」

金田一「ひゃ・・・(た)、ひゃふへへ~~~~!(たすけて~)」

美雪「・・・」
冴子「・・・・悪いコトは言わないわ、そろそろ潮時なんじゃない・・・・?」
美雪「・・・・・」


後日。
金田一「ふああ・・・ねむ・・・ん?」
(美雪・・・・?旅行カバンなんて持ってどこ行く気だ?)

金田一はシャツとパンツ姿のまま、美雪を追った。
通行人の男「・・・・」
金田一(旅行なんて俺に一言も言わなかったのに・・・・いったい誰と一緒に・・・・・?)
(まさか・・・・・)

美雪「おはよー」
?「あ・・・・七瀬さん!」
金田一(なっ・・・何ィィ!?)

千家「早いねー!メシ食った?」
金田一(せっ・・・千家ぇ~~~~~!!)
美雪を待っていたのは、金田一の幼なじみでもある不動高校2年、千家貴史だった。

金田一(どっどっどっどっどーしても美雪と千家が俺にナイショで二人で旅行に二人で旅行に二人で旅行に)

八尾「ありゃ~~~~?金田一じゃねーか!」
金田一「ハッ、八尾!それに冴子も・・・!」
金田一に話しかけたのは、知り合いの男子の八尾撤平だった。
冴子「ちょっとぉ~~~~~~~・・・なんであんたがここにいんのよ!?まさか美雪の後つけてきたんじゃ―――――・・」
金田一(ギクギク)
「フッ、バカこくでねえ。俺は休みの朝にそこのスポーツジムでいい汗かくことにしてんのさ!」
冴子「ふ~~~~~~~ん・・スポーツジムね~~~~~~~~?そのカッコで?」

美雪(はじめちゃん!)
千家「あれ~~~~~~~?金田一――――――!お前・・どーしてここに?」

金田一「え――――っ!?キノコ狩り!?」
八尾「ああ・・!山梨の山奥にオレんちの別荘っつーかボロ家があんだけど、今頃になるとそこでキノコがたくさん採れんだ!そこで千家と一緒にカラオケで仲良くなった女の子を誘ったんだけど」
美雪「その子たちが急に行けなくなっちゃってその代わりにあたしと冴子が行くことになったの!」
千家「いや~~~~!俺も昨日まで知らなかったんだよ!七瀬さんが来るなんて・・・ホントだってば!金田一!!信用してないな?その目は・・・・」
金田一「ふ~~~~~~~~~~~ん」
「そーか!キノコ狩りね~~~~~~~~!俺も行こっかなあ~~~~~~~~!ちょーどハブラシ持ってるし」
冴子「ザーンネンでしたっ!列車のキップは4人分しかないのっ!!あんたを連れて行く余裕なんてぜんぜんっないわっ!」
「さっ!行こ行こ♡あんなアホは放っといて!」
八尾「じゃな!」
金田一(くっそ~~~~冴子のヤツ・・・・・・)


駅で冴子以外の三人が冴子を待っていた。
八尾「冴子のヤツずいぶん長いトイレだな~~~~」
千家「もうすぐ電車出ちまうぜ?」
美雪(はじめちゃん・・・もう帰っちゃったかしら・・・・?悪いことしちゃったな・・やっぱり・・・・・)
?「いや~~~~~^お・ま・た・せ♡」
千家「え・・」

来たのは金田一だった。
金田一「やっほ~い♡」
千家「きっ・・金田一~~~~!?ちょ・・・ちょっとなんでお前がここに・・・・?」
金田一「いやあ・・・冴子のヤツ、急用だとか言って俺にキップ渡して帰っちゃってさー♡」

冴子は実際にはトイレに閉じ込められていた。
冴子「ちょっと何これ!?ドアが壊れてんの?」


金田一達は山梨の山に向かった。
千家「おーい!八尾!このキノコは・・・・?」
八尾「ああ・・・こいつは去年俺も食ったヤツだからへーき、へーき!」
千家「じゃ採っちゃっていいな!」
八尾「全部採るなよ!そーすっと次また生えてくるから!」
美雪「はじめちゃん!これ晩ゴハンにするんだからちゃんと食べられるの採ってね!」
金田一「へーい!」
(それにしても美雪のヤツどーゆーつもりなんだ?冴子のヤツが強引に誘ったんだとしても、俺にナイショで男と旅行なんて・・・・)
(やはりあいつも年頃――――そろそろシオドキを迎えたいってトコか・・・・?
よーし!止むを得ん!!他人にどーにかされるぐらいなら・・・今夜はこいつを使って、バージンゲットだぜ!!」


金田一「お~い!みんな―――――!キノコ汁できたぞ~~~~♡」
金田一が八尾達にキノコ汁を出したが、その中身は・・・

〈八尾の椀〉カキシメジ 食べると下痢、腹痛などの症状が出る
〈千家の椀〉ベニテングダケ 食べるとラリラリのち深い眠りに・・・
〈美雪の椀〉オオシビレダケ 食べると手足や舌のシビレと共に幻覚が現れる

八尾「お~~~~~~~!うまそ~~~~~」
千家「いっただきま~~~~す!
金田一(食え食え!そして邪魔者は消え去るのだっ!!)

八尾「うっ・・・・~~~~~~!ちょっ・・・ちょっとトイレに・・」
千家「あれ?な・・・なんか急に眠く・・・」

金田一(残るは美雪だけ!)
美雪「・・・・」
美雪は椀を置いた。
金田一(あ・・・あり!?なっ・・・なぜ食わない!?ま・・・まさかキノコの正体に気づいて・・・)
美雪「はじめちゃん・・・・ごめんね・・・はじめちゃんに黙って旅行に行こうとしたりして・・・・」
金田一「え?」
美雪「はじめちゃん・・・・・・あたし・・・・・」
「なんか寒いね!はじめちゃん」
金田一「あ・・・・・ああ!窓が開けっ放しなんだ!今閉めて・・・」
「!?」
美雪が金田一に抱きついてきた。
金田一(え?)
「み・・・美雪・・!?」
美雪「寒いね・・・」
美雪はそう言いながら上着を脱ぎだした。
金田一(さ・・・寒いと言いながら脱ぎ始めてますが!?)
(おお~~~~~~♡こ・・・これは~~~~~^!?)
(な-んだ!美雪もその気だったのか~~~~~!こんなことならキノコなんて使わなくたってよかったじゃん!)
「よっしゃ美雪♡俺が暖めて――――――・・・」

金田一が美雪を抱きしめようとしたが、美雪は既に離れていた。
金田一「へ?」

美雪は松明で周りに火を付けていた。
美雪「あ~~~~~~~♡あったまるわ~~~~~~~♡」
金田一「だ~~~~~~~~~っ!?ファイヤ~~~~~~~~!!」
「バ・・・バカ!何してんだよ!?美雪!」
美雪「・・・・・・・・・」
美雪の目は虚ろだった。
金田一「し・・・しっかりキノコが・・・・・効いてらっしゃる・・・・・・」

千家「ん~~~~~ッ何だよ~」
千家が起きた。
金田一「あっ!千家!火を消すの手伝え!」
千家「!!、家事だって!!は・・・早く消さないと!!」
千家は辺りに、灯油をまき始めた。
金田一「ひいいいい!?こっちもしっかりラリってらっしゃる~~~~~~~~~!!」


そして家は完全に炎に包まれた。
八尾「あ~~~~~~~~!!オ・・オレんちの別荘が~~~~~~~!!」
金田一「も・・・・・もえる・・・もえるるる~~~~~~~。しーらねしらね」

美雪「――――ん・・・どうしたの?みんな-――――?」
「きゃ――――っ!!家が燃えてる!いったい誰がこんな・・・!?」
千家「わ・・わかんないんだ!俺が気がついたらすでに――――・・・!!」
金田一「・・・・・・・君たちだよ君たち・・・・」


金田一達は森を歩く。
金田一「おーい!八尾~さっきからだいぶ歩いてるけど、家一軒見当たらないってどーゆーこと!?」
八尾「うーん・・・・ここはもともとダムの下に沈むはずの村だったからな~~~~~~。でもダムの計画が中止になって残った農家の空き家を親父が買い取ったんだ」
美雪「でもどうするの?このままじゃあたしたち野宿しなきゃ・・・」
金田一「――――ん?向こうで何か光ったような・・・・・人が住んでる家があるかもしれない!行ってみよう!」

千家「な・・・何だ?こりゃ!?」
金田一「うっひゃ~~~~~」
金田一達が見付けたのは、巨大な廃屋だった。

金田一「――――こりゃあ人なんてとても住んでそうにないぜ!!まっ・・・とにかく入ってみようぜ!」

金田一達は廃屋の中に入った。
金田一「どうやらここ・・・病院か何かだったみたいだな。それとも研究所・・・・?」
美雪「やだ・・・・・!これじゃ野宿した方がマシじゃない?」

千家「うわっ!?」
金田一「どうした千家!!」
千家が見付けたのは、床に書かれた魔法陣だった。
金田一「な・・!!何だ?こりゃ!!」
千家「魔法陣・・・?誰かのイタズラかな!?」
美雪「でも・・・なんか真新しいわよ・・・・・・コレ・・」
八尾「実はついさっき見た光は、このサバトの儀式だったりして!」
金田一「よせよ~~~八尾!サバトなんて!!」
「そんなホラー映画みたいなこと――――――・・」
そう言う金田一の後ろに、黒マントと白頭巾を被った3人組が立っていて、
その内の一人が、金田一にナイフを振り下ろそうとしていた――――――



(続く)

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最終更新:2019年12月11日 18:54