SS
「く・・・こいつぁ・・・まずいなぁ」
メインパイロットの男が苦笑した。
「敵の攻撃迫っています。予想攻撃着弾、後11秒!」
「マズイですよ! このままじゃ、避けられません!」
悲鳴のようなコパイロット二人の声にメインパイロットの男は逆に冷静になれた。
メインモニターには迫る敵。
アドレナリンの過剰分泌のせいだろうか? やたらゆっくりと動く世界でメインパイロットは高速思考を開始する。
(避けるか、受けるか。まずその二択から。間違えれば死ぬな)
本当に一瞬だけ、目を瞑る。 0.3秒
(なら、受けるか。正直今のこいつ等に補助運動を正確にする余裕は無いだろう)
目を開いて、二人の様子を思い浮かべる。次。 0.7秒
(問題は受け方だ。どう受けるか。当然、装甲が一番厚い所がベスト!)
機体の構造を思い出す。愛機なのですぐに出てくる。 1.1秒
(だが、それを優先させすぎてきたいバランスを崩すのは愚の骨頂。追撃のいい的だ)
敵の攻撃の角度、受け方を数パターン検討。いつもの想定練習の反復作業。 1.8秒
(だから、目指すべきはなるべく厚いところで受け止め、衝撃を受け流しながら体勢の保持)
絞り込まれる戦闘機動。最適なマニューバを瞬時に選んでいく。 2.1秒
(当然、メインは俺。あいつ等に今は期待はできないが、最低限やってもらわないとな)
思考中も止まらない手はコパイロットの二人に訓練でそれこそ何百回とやったある機動をすることを伝える。 2.5秒
(これなら、最小限の被害で切り抜けられる。ていうか、無理なら死ぬ!)
「これは」
「たいちょ」
二人が何かを言い出したが、全てを聞いている余裕なんてない。 2.7秒
(死ぬわけには行かない! もちろん、死なせるわけにも!)
目を見開いた。 3.0秒
「なにを」
「う、これ」
二人の言葉続いている。無視。
「死にたくなければ訓練通りに。以上」
一秒でそれだけ言った。何度もかけた、馴染みの言葉。 4.1秒
『・・・ハイ!』 4.5秒
その言葉を聞いて、二人が大きな声で返事をした。
(上出来、五秒の余裕があるじゃん)
ニヤ、と笑った。
「来るぞ、耐え抜け!」
『ハイ!』
作戦
ダンボール防御用
【地形】
≪砂漠≫
砂漠なので敵は動きが鈍い
【装備】
≪I=D≫
ダンボールのシールドを使って防御
シールドを斜めに傾けることで 受け流す効果も発生させる
スコップの面の部分も楯として使う
4連装7.62mm 対人機関銃で砂漠を撃ち、砂塵を巻き起こし煙幕の代わりにする
【陣形】
ダンボールを前に押し出すことで装甲が弱いケントの盾となる
ケント防御用
【地形】
- 砂漠なので敵は砂漠に足を取られて思うように動けない
【装備】
<<I=D>>
- ケントの4連装7.62mm 対人機関銃で砂漠を撃ち、砂塵を巻き起こし煙幕の代わりにする
- シールドを斜めに傾けることで 受け流す効果も発生させる
最終更新:2007年06月16日 14:45