第十話 最後の任務

 このタイムトラベルは魔法によって成立しているというのが、書物の驚くべき内容だ。この著者はその魔法を完成させた、ゼノン・パパンドレウ Zeno Papandreou と書かれている。

 内容の中に、この時間跳躍魔法は平和の為に完成させた。もし平和を害するものが、現れたときは、ある方法に従って、私に会いに来て欲しい。と書いてある。伊織達は過去を変えても未来は変わらないじゃないかと思うが、そこに書かれている方法によると、直接過去にいけるらしい。ゼノンは魔法でワームホールを設置し、地球上のある場所に隠してあるとのことだ。

 清人が何かを思いついた。今までに作った発明品の中に無限ゴミ箱と言うものがあるのだが、適当に富士山の樹海を歩いてたときに道に落ちていたから持ってきたのだが、まさかこれか!と、たまにはくだらない発明も役に立つ物である。というか樹海で何していたんだが、とも思ったがここはスルー

 だがこのワームホール、相当相性が強いようで、MIRの使用条件をさらに強くした感じらしい。別に性別は女性じゃなくてもいいのだが、ホール通過時の威力に耐えるためには、ブラックホールにも耐えられるように作られたMIRシステムを使わないと無理のようだ。そして更に強い対放射線遺伝子。

 しかもこのワームホール、魔法によって成立しているため、ゼノンが魔法を破壊すると考えると、帰りはない。つまり片道切符の任務なのだ。

 どうやら適するのは伊織しかいない。司令は内心は色々考えたのだろうが、仕方なく任務を伊織に指名することにした。

最終更新:2013年05月14日 00:59