上級クラス
出典 Adventurer's Guide 118ページ、
Paths of Prestige 34ページ
マガンビアン・アーケイニストは老魔術師ジャテンベ自身が初めて発見した魔法体系を研究してそれに従い、この秘術の秘密を利用して、文明に良識と高潔さをもたらすという、ジャテンベの探求を続ける。クラス名とは裏腹に、アーケイニストに限らず全ての秘術の術者は、この上級クラスを介して力を拡張できる。ほとんどのマガンビアン・アーケイニストは自身の研究を神聖な義務であり、時代を超えた伝統であると考えている。マガンビアン・アーケイニストは学園の知恵に閉じ込められた深い意味を学ぶにつれ、マガンビアの真の啓蒙的で博愛的な目的を発見するのである。
おそらく、マガンビアン・アーケイニストの魔法技術の最も珍しい部分は、ドルイドの性質を持つ魔法を、秘術の力として解釈して使用する方法であろう。この珍しい組み合わせにより、マガンビアン・アーケイニストは信じられないほど多様な研究を行うことができる。ドルイド魔法の秘密は通常、秘術の術者の知るところではないからだ。それでも、マガンビアン・アーケイニストは単に自然界の魔法を真似るだけではない――それを発展させるのだ。マガンビアン・アーケイニストは同時に、この魔法が由来する伝統を尊重する一方で、自らの信仰の結果だと魔法を見做すドルイドがまず考えない方法でそれを開拓する。ドルイド呪文を秘術呪文に変換するこの方法は精神に負担がかかり、マガンビアン・アーケイニストのそれぞれが独自の変換法を作成しなければならないため、学校はすべての秘術呪文の術者がドルイド呪文の秘術版を利用できるようにはしていない。実際、マガンビアのほとんどの学生は、このような努力には反対している。彼らはこの魔法に興味をそそられると同時にその伝統を尊重し、尊敬を共有しない者がこの秘密を自由に利用できるようにすることを見たくないからだ。
必要条件
マガンビアン・アーケイニストになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
クラス技能
レベル毎の技能ランク:2+【知力】修正値。
ヒット・ダイス:d6。
クラス特徴
レベル |
基本攻撃 ボーナス |
頑健 セーヴ |
反応 セーヴ |
意志 セーヴ |
特殊 |
1日の呪文数 |
1 |
+0 |
+0 |
+0 |
+1 |
善のオーラ、平穏魔法 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
2 |
+1 |
+1 |
+1 |
+1 |
上級呪文体得、高潔な呪文 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
3 |
+1 |
+1 |
+1 |
+2 |
回想の詠唱(1分)、継続的な善 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
4 |
+2 |
+1 |
+1 |
+2 |
任意呪文体得(1回/日) |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
5 |
+2 |
+2 |
+2 |
+3 |
祝福されし防護 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
6 |
+3 |
+2 |
+2 |
+3 |
割り込み呪文体得 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
7 |
+3 |
+2 |
+2 |
+4 |
正義の反発 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
8 |
+4 |
+3 |
+3 |
+4 |
任意呪文体得(2回/日) |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
9 |
+4 |
+3 |
+3 |
+5 |
聖なる秘術、回想の詠唱(全ラウンド) |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
10 |
+5 |
+3 |
+3 |
+5 |
利他的な守護者、時知らずの肉体 |
秘術呪文発動クラスに+1レベル |
マガンビアン・アーケイニスト上級クラスのクラス特徴は以下の通り。
善のオーラ(変則)/Aura of Good:マガンビアン・アーケニストは、クラス・レベルに等しいレベルのクレリックであるかのように、善のオーラを放出する(
ディテクト・グッド呪文を参照)。
平穏魔法(超常)/Halcyon Magic:それぞれのクラス・レベルで、マガンビアン・アーケイニストはドルイドの呪文リストから呪文を1つ選択し、秘術呪文発動クラスの呪文リスト1つに載っているかのように扱うようになる。マガンビアン・アーケイニストは、現在発動できる最も高いレベルの呪文よりも2レベル以上低いドルイド呪文を選択しなければならない。その呪文の種別は秘術となり、セーヴDCはその呪文を加える秘術呪文発動クラスの一覧の通常の呪文として機能する。マガンビアン・アーケイニストは自動的にこの呪文を修得し、その呪文を追加した呪文リストのクラスに応じて、自分の呪文書あるいは使い魔に追加する。
上級呪文体得(変則)/Superior Spell Mastery:2レベルの時点で、最大3日間、合計24時間を費やすことによって、マガンビアン・アーケイニストは自身が
《呪文体得》特技で修得した呪文を変更できるようになる。マガンビアン・アーケイニストは修得している呪文から【知力】修正値に等しい数まで選択し、予め選択した呪文の代わりに
《呪文体得》した呪文であるかのように扱う。ただし、最大合計呪文レベルが術者レベル以下になるようにすること。
高潔な呪文(超常)/Virtuous Spells:2レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは、[善]の補足説明を持つ呪文を術者レベルに+1して発動できるようになる。マガンビアン・アーケイニストは、[悪]の補足説明を持つ呪文を準備するために、その呪文レベルの呪文スロットを2つ使用しなければならない。
回想の詠唱(変則)/Intoned Recollection:3レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは1分間の連続した特別な儀式を行うことで、空いている秘術呪文スロットに呪文を準備できるようになる。空いている呪文スロットは、マガンビアン・アーケイニストが呪文を準備するその日の開始時に、意図的に空にしていなければならない。この能力で呪文を準備するには、自身の呪文書を読むか
《呪文体得》特技でその呪文を体得していなければならない。事前に8時間の休息を取る必要はないが、準備作業における他のすべての必要条件は依然として適用される。9レベルの時点で、自身の呪文書を手に持っているか、
《呪文体得》特技で呪文を取得しているならば、マガンビアン・アーケイニストはこの処理を全ラウンド・アクションで行うことができるようになる。この能力は1日に【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。
継続的な善(超常)/Lasting Goodness:3レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストが発動する、[善]の補足説明を持つ呪文のすべての持続時間はクラス・レベル毎に1ラウンドだけ伸びる。持続時間が精神集中、瞬間、永続の呪文は、この能力の影響を受けない。
任意呪文体得(変則)/Spontaneous Spell Mastery:4レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは準備済みの呪文を1つ失うことで、その呪文のレベル以下の
《呪文体得》特技で修得した呪文を発動できるようになる。マガンビアン・アーケイニストは1日に1回この能力を使用できる。8レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは追加で1日1回この能力を使用できるようになる。
祝福されし防護(擬呪)/Blessed Warding:5レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは常時
プロテクション・フロム・イーヴルの影響を受ける様になる。術者レベルはクラス・レベルに等しい。この効果が解呪された場合、マガンビアン・アーケイニストは即行アクションとして再び起動させることができる。
割り込み呪文体得(擬呪)/Immediate Spell Mastery:6レベルの時点で、1日1回、マガンビアン・アーケイニストは
《呪文体得》特技で体得した呪文を、たとえその日に準備していなくても発動できるようになる。この呪文はマガンビアン・アーケイニストが発動する他の呪文と同様に扱われるが、呪文修正特技や他の能力で修正することはできない。
正義の反発(超常)/Righteous Contravention:7レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは悪のクリーチャーまたは悪の物体の呪文抵抗を克服するための判定、悪のクリーチャーが発動した呪文や[悪]の補足説明を持つ呪文または悪の魔法のアイテムを解呪するための判定に+2のボーナスを得る。
聖なる秘術(変則)/Holy Arcana:9レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは信仰の魔法を秘術呪文に変換する技を拡張する。クレリックの
善の領域にあるすべてのボーナス呪文を、自身の秘術呪文発動クラス1つの呪文リストに追加する。これらの呪文の種別は秘術となり、セーヴDCは追加した秘術呪文の呪文クラスの一覧にある通常の呪文として機能する。
利他的な守護者(超常)/Altruistic Guardian:10レベルの時点で、1日1回、呪文抵抗を許可する呪文や超常効果がマガンビアン・アーケイニストの味方を目標とするか味方が影響を与える範囲内にいる時、割り込みアクションとして自身に効果を向け直すためにこの能力を使用できる。味方が30フィート以内にいるならば、【知力】修正値に等しい数の味方にこれを行うことができる。マガンビアン・アーケイニストは同じ呪文または効果に対して可能な限り複数のセーヴィング・スローを行い、それぞれの味方のためのすべてのセーヴィング・スローを適切に試みなければならない。マガンビアン・アーケイニストは味方が受けたであろうすべてのダメージを受け、すべての状態やその他の影響を複数回可能な限り受ける。この能力は割り込みアクションを費やす時に受けるダメージと状態異常からのみ保護し、瞬間でない呪文や効果から後で受けるものからは保護しない。
時知らずの肉体(変則)/Timeless Body:10レベルの時点で、マガンビアン・アーケイニストは加齢効果による能力値のペナルティを受けなくなる。これは同名のドルイドの能力のように機能する。
アーキタイプ
出典 Adventurer's Guide 121ページ
平穏なる結社/Halcyon Circleのドルイドは伝統的なドルイドの慣習に魔術師ジャテンベの教えを取り入れ、組み合わせている。平穏なるドルイドは自然界を尊敬しているが、自然界の住民を模倣することにあまり重きを置かない。代わりに、魔術師ジャテンベのように、外方次元界からの存在を扱う。その忠誠の証として、このドルイドはセレスチャル、フィーンド、――そして最も多い――獣のアガシオンの描かれた、幻想的な仮面を身に着けている。
平穏なるドルイドは、人と自然、人と霊の世界、そしてさまざまな集団の間を仲介する平和の守り手である。しかし、必要に応じて、平和の敵、特にデーモンやデーモン教団と戦うために魔法を使う。
ほとんどの平穏なるドルイドはナンタンブとその周辺の村に仕え、村人たちの不文律協定を作り、それを記憶して仲裁する。しかし、一部の平穏なるドルイドはより遠くの地に赴く。それは部族や村の間に新しいつながりを築くためや平和のメッセージを広めるため、あるいはデーモンの大発生に対抗するためなどである。
絆の仮面(超常)/Bonded Mask:平穏なるドルイドは仮面との強力な絆を形成する。これは、ウィザード呪文の代わりにドルイド呪文(クラス特徴から得られるものを含む)を発動するために使用できることを除いて、ウィザードの絆の品と同様に機能する。効果を発揮するには、平穏なるドルイドが絆の仮面を着用する必要がある。絆の仮面は頭部の装備部位を占める。平穏なるドルイドは頭部の装備部位を持つアイテムに適した能力で仮面を強化でき、既存の頭部の装備部位のアイテムを絆の仮面に指定できる(ただし顔を覆っている物に限られる)。
この能力は自然との絆と置き換える。
マガンビア流訓練(変則)/Magaambya-Trained:平穏なるドルイドは、クラス技能の一覧に
〈交渉〉と
〈知識:全て〉技能を追加する。
この能力は自然感覚と置き換え、ドルイドのクラス技能を変更する。
平和の守り手(変則)/Peacekeeper:平穏なるドルイドは
〈交渉〉と
〈知識:地域〉判定にクラス・レベルの半分(最低1)を加える。
任意発動/Spontaneous Casting:平穏なるドルイドはクレリックの
善の領域呪文全てをドルイドの呪文リストに追加する。平穏なるドルイドは蓄積した呪文のエネルギーを、事前に準備していたものと異なる、クレリックの
善の領域呪文に集めることができる。平穏なるドルイドは準備した呪文から好きなものを選んで失い、その呪文レベル以下の
善の領域呪文を発動できる。
この能力は任意発動と置き換える(訳注:「変更する」の間違いと思われる)。
自然の神秘学(超常)/Natural Arcana:4レベルの時点と2レベル毎に、平穏なるドルイドはウィザード/ソーサラー呪文リストから呪文を2つ選択し、それを自身のドルイド呪文リストに追加する。選択した呪文は、現在発動することができる最も高いレベルの呪文よりも1レベル以上低くなければならない。20レベルの時点で、平穏なるドルイドは任意のレベルのウィザード/ソーサラー呪文を選択できるようになる。
この能力は自然の化身と置き換える。
フィーンディッシュの影響に対する抵抗力(変則)/Resist Fiendish Influence:4レベルの時点で、平穏なるドルイドは、悪の副種別を持つ来訪者の擬似呪文能力あるいは超常能力と、(発動したものに拘らず)[悪]の補足説明を持つ呪文に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。
この能力は自然の誘惑への抵抗力と置き換える。
化身の仮面(擬呪)/Embody Mask:13レベルの時点で、
絆の仮面を着用している平穏なるドルイドは、仮面が表す霊を具現化できる。この霊とは、超小型から大型のアガシオン、アザータ、アルコン、エンジェルのいずれかである。この能力は、起動するために標準アクションを必要とし、
ビースト・シェイプIVとして機能する(魔獣用の調整を使用する)。また、想定される姿に以下の能力がある場合、その能力を追加する:
義憤のオーラ、
真言、
動物との会話、
テレパシー、
防御のオーラ。想定する姿が状態異常に対する完全耐性を持つ場合、ドルイドはその状態を引き起こす効果に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。平穏なるドルイドは、1日にこの能力をドルイド・レベル毎に1分だけ使用できる。この持続時間は連続している必要はないが、1分単位で使用しなければならない。
この能力は千の顔と置き換える。
ブラッドレイジャーがマガンビアの教えを心に刻むと、暴力的で激怒に満ちた呪文を発動する独自の方法を解放する。その結果、悟りしブラッドレイジャーの魔法は、他のブラッドレイジャーの魔法とは見た目も感じ方も機能も全く異なるものとなる。多くの場合、悟りしブラッドレイジャーが伝統的なブラッドレイジャーと遭遇すると、その遭遇は緊張と疑念に満ちたものとなる。悟りしブラッドレイジャーは相手のブラッドレイジャーが持つ暴力的な傾向をもちろん知っており、相手のブラッドレイジャーは悟りしブラッドレイジャーの冷静で理性的な物言いにしばしば狼狽する。多くのブラッドレイジャーはこの態度に腹を立て、悟りしブラッドレイジャーを知識人の手先だとか、感情や怒りを捨てて先祖や伝統を汚したとさえ解釈する。当然のことながら、このような対立が永続的な友情につながることはほとんどない!
悟りし者の呪文発動/Enlightened Spellcasting:魔法と感情的な爆発の関係についての悟りしブラッドレイジャーは非常に洗練された見解を持つため、様々な呪文を発動できるようになる。悟りしブラッドレイジャーは他の呪文と同じように発動できる0レベル呪文を修得し、発動能力を得る。この0レベル呪文は、呪文スロットを消費せず、何度も使用できる。4レベルの時点で、悟りしブラッドレイジャーは自身のブラッドレイジャー・レベルより3レベル低いレベルのバードと等しい数の0レベル呪文を修得する。悟りしブラッドレイジャーは、ドルイドの0レベル呪文リストからこの0レベル呪文を選択する。
4レベルの時点で、悟りしブラッドレイジャーは、ボーナス修得済み呪文として、1レベルのドルイド呪文を1つ得る。7レベルの時点で、ボーナス修得済み呪文として2レベルのドルイド呪文を1つ得る。10レベルの時点で、ボーナス修得済み呪文として3レベルのドルイド呪文を1つ得る。13レベルの時点で、ボーナス修得済み呪文として4レベルのドルイド呪文を1つ得る。
悟りしブラッドレイジャーは他の能力において、この能力で得るドルイド呪文をブラッドレイジャー呪文として扱い、ブラッドレイジャー・クラスの呪文リストに加える。8レベル以降3レベル毎に、悟りしブラッドレイジャーは通常の呪文の交換ルールを用いて、これらの呪文を交換することができる。ボーナスとして得たドルイド呪文の1つを交換する場合、同じレベルのドルイド呪文と交換しなければならない。交換した呪文はブラッドレイジャー・クラスの呪文リストから取り除かれる。
この能力は、ブラッドレイジャーの呪文発動を変更し、ブラッドレイジャーが通常1レベルの時点で得る、血脈の力と血脈の一部から得る全てのボーナス呪文と置き換える。
悟りし者の血の激怒(超常)/Enlightened Bloodrage:4レベルの時点で、血の激怒に入っている間であっても、悟りしブラッドレイジャーは【知力】、【敏捷力】、【魅力】に基づく技能を使用でき、忍耐力や精神集中を必要とする能力を使用できる。
これは血の激怒を変更し、4レベルの時点で得られる血脈の力と置き換える。
血脈特技/Bloodline Feat:6レベルの時点で、悟りしブラッドレイジャーは、血脈特技として選択できる特技の一覧に
《呪文リスト拡張》と
《名無し》、および前提条件として
《名無し》を含む全ての特技を加える。
これはブラッドレイジャーが7レベル、13レベル、19レベルで得るダメージ減少と置き換える。ブラッドレイジャーは10レベルの時点でダメージ減少1/―を得、16レベルの時点でダメージ減少はダメージ減少2/―に増加する。
血脈の力/Bloodline Powers:8レベルの時点で、悟りしブラッドレイジャーは、通常1レベルで付与される血脈の力を得る。12レベルの時点で通常4レベルで付与される血脈の力を、16レベルの時点で通常8レベルで付与される血脈の力を、20レベルの時点で通常12レベルで付与される血脈の力を得る。これらの能力に関してレベルに基づく計算を行うときには、依然として通常のブラッドレイジャー・レベルを使用する。
これはブラッドレイジャーの血脈の力を変更する。
しかし、多くの入門者はその膨大な訓練に圧倒され、学業を終える前にマガンビアを離れることとなる。彼らはマガンビアの技術や哲学的な背景の多くを保持しているが、学校の卒業生とは見なされない。とはいえ、彼らは依然として尊敬され評価されている。マガンビアの教職員はその教えや、技術を修得するために必要な学究的で隠遁的な生活様式が、全ての人の好みに合わないことを十分に理解しているからだ。マガンビアの教師にとって、哲学を放棄し、残酷さと悪の誘惑に屈した者を除いて、真に失敗した生徒はいないのだ。
マガンビアの関心を性根に近いところに留めてはいるが、手近に研究があるところに留まったり教師や助手をしたりといった必要性に妨げられないため、マガンビアの入門者は、通常のマガンビアの範囲を超えた強力な支援者としてしばしば活躍する。さらに、マガンビアの入門者は、公的に世に送り出されるのを待つことなく、悪の勢力に対して即座に行動できる。
属性:マガンビアの入門者は善属性でなければならない。
これはアーケイニストの属性を変更する。
善のオーラ(変則)/Aura of Good:マガンビアの入門者は、クラス・レベルに等しいレベルのクレリックであるかのように、善のオーラを放つ(
ディテクト・グッド呪文参照)。
平穏呪文の伝承(超常)/Halcyon Spell Lore:老魔術師ジャテンベの博愛の教えの研究により、マガンビアの入門者は事前に準備する通常の呪文数を超えて、1日に限られた数の呪文を発動できるようになる。クラス・レベル毎に、マガンビアの入門者はドルイドの呪文リストから呪文を1つ選択するか、クレリックの呪文リストから[善]の補足説明を持つ呪文1つを選択するかのいずれかを行う。選択する呪文は、マガンビアの入門者が発動できる呪文レベルでなければならず、アーケイニストの呪文リストに既に記載されているものであってはならない。マガンビアの入門者はこの能力で選択した呪文を自分の呪文リストにあるかのように発動する。ただし、発動する際には呪文レベルの半分に等しいポイント(最低1)を秘術蓄積から消費し、その呪文レベルの呪文スロットを消費すること。これにより、マガンビアの入門者はその呪文をあらかじめ準備していたかのように発動する。4レベル以降2レベル毎に、マガンビアの入門者はこの能力で選択した呪文を1つ失い、代わりに同じ条件を満たす呪文レベルの新しい呪文1つと交換できる。
この能力は1レベル、9レベル、17レベルで得られるアーケイニストの秘技と置き換える。
《呪文体得》/Spell Mastery:5レベルの時点で、マガンビアの入門者はボーナス特技として
《呪文体得》を得る。このボーナス特技を選択するときとキャラクターの成長から得られる特技を選択するときのいずれであっても、特技の前提条件を満たす目的においてマガンビアの入門者のアーケイニスト・レベルはウィザード・レベルして扱われる。
《呪文体得》の前提条件を満たすために自身のアーケイニスト・レベルを使用した場合、この特技で選択した呪文を呪文書を参照せずにアーケイニスト呪文として準備できるが、ウィザード呪文として準備することはできない。マガンビアの入門者はキャラクターの成長で得られる特技として
《呪文体得》を選択することもでき、この特技を複数回選択できる。
加えて、マガンビアの入門者が
マガンビアン・アーケイニスト上級クラス(118ページ参照)のレベルを得ると、秘術蓄積のポイント数を決定する目的において、この上級クラスのレベルはアーケイニスト・レベルと累積する(ただしクラス・レベルに基づくアーケイニストの秘技においては累積しない)。
マガンビアン・アーケイニストのレベルを得、任意呪文体得のクラス特徴を得たマガンビアの入門者は、その能力を使用して準備済みの呪文1つを即座に失い、任意呪文体得の通常の効果ではなく、
《呪文体得》で体得したのと同じレベル以下の別のアーケイニスト呪文を即座に準備できる。とはいえ、マガンビアの入門者は任意呪文体得を使用できる1日の使用回数は通常の制限を受ける。
この能力は5レベルの時点で得られるアーケイニストの秘技と置き換える。
出典 Adventurer's Guide 123ページ、
Inner Sea Intrigue 42ページ
魔戦士は老魔術師ジャテンベの“十の魔戦士/Ten Magic Warriors”の伝統に基づいて訓練されており、魔法の力を修得するために自分の人格を捨て、大ムワンギの文化と学習の英雄としての役割を果たす。本来の十の魔戦士は、それぞれが守護者、護衛、同盟、友人として老魔術師ジャテンベに直接仕えた。彼らの功績は今でもマガンビアで語られており、彼らがいなくなっても、その物語から生まれた伝統は生き続けている。
本来の十の魔戦士は、様々な秘術の呪文クラスに属し、しばしば武術に関わるクラスや上級クラスを組み合わせた特別な技能を持っていた。しかし今日の伝統は数百年の間に標準化され、メイガスだけが従うアーキタイプとなっている。それでも、魔戦士が数レベルだけ武術に関わるクラスをマルチクラスしたり、戦闘力をさらに強化するためにエルドリッチ・ナイトになることは珍しくない。魔戦士のメイガスにとって、一つの道に従うことが正統と見なされているわけではない。その多様性を重んじ、世界が提供する多くの危険からマガンビアと大ムワンギの人々を守るための新しい方法の閃きを、常に兄弟姉妹に求めている。
この能力はメイガスのクラス技能を変更する。
名もなき仮面(変則)/Nameless Mask:魔戦士は動物を表す仮面で自分の人格を隠して力を得るが、そうすることには欠点もある。魔戦士は仮面を着用している間、(念視)の副系統の占術に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。しかしながら、魔戦士の伝統に馴染みがなかったり良い意見を持たないNPCは、魔戦士が仮面を着用している間、魔戦士に対する態度を非友好的で開始する。
感化のルール(
Pathfinder RPG Ultimate Intrigue 102ページ)を使用している場合、そのようなNPCに対する感化レベルを上げるために、さらに追加で1回の成功が必要となる。
魔戦士は、初対面の人の前で自分の名前を明かすことも、仮面を外すこともできない。この重要な禁忌に反した場合、魔戦士は仮面を捨て、新しい仮面を作るか手に入れるかしてそれを装着しなければ、仮面を着用したことで生じる利益を得ることができない。
魔戦士の相(超常)/Magic Warrior's Aspect:3レベルの時点で、標準アクションとして、魔戦士は自身の秘術集積から1ポイントを消費することで、動物の力の相を得ることができる。動物は、魔戦士の仮面が表すものと同じでなければならない(魔戦士が新しい仮面を作成または取得すると、動物を変えることができる)。魔戦士は
ビースト・シェイプIに示された能力の一覧から、動物が持つ能力を1つ得る。魔戦士はこの能力で自身のサイズを変更することはできない。能力はクラス・レベル毎に1分間持続する。この能力は、3レベルの時点で得るメイガスの秘奥と置き換える。
名無しの匿名性(超常)/Nameless Anonymity:8レベルの時点で、魔戦士の仮面で隠した人格は、占術からさらに自身を保護するようになる。1日1回、仮面で隠した人格である限り、
ノンディテクションを自身に発動することができる。このとき、術者レベルとしてmasked warrior(訳注:魔戦士の誤記)レベルを使用する。
8レベルではなく14レベルの時点で、魔戦士は呪文戦闘強化を得る。魔戦士は上級呪文戦闘を獲得しない。
マガンビア流呪文リスト拡張(超常)/Magaambya Spell Access:19レベルの時点で、魔戦士は自然の魔法を使用するための古代の秘密を学ぶ。魔戦士はドルイド呪文リストから呪文を7つ修得し、それらをドルイド呪文リストに示されているレベルと同じレベルを持つメイガス呪文として呪文書に記載する。一覧にある呪文レベル(0レベル、1レベル、2レベル、3レベル、4レベル、5レベル、6レベル)毎に、魔戦士はメイガスの呪文リストにないドルイド呪文を1つ得る。魔戦士はこれらの呪文の信仰焦点具を無視できる。
これは呪文リスト拡張と置き換える。
特技
出典 Adventurer's Guide 124ページ、
Arcane Anthology 15ページ
君は以前の人格を完全に消し去り、居場所はおろか名前さえ分からなくする。
利益:この特技を修得する時、君は以前の自身の人格をすべて捨て、定命の者の手段によって発見しようとしても分からないほどに、君の以前の名前を判別できないようにする。珍しい油、お香、特別な仮面の作成に200GPの費用がかかる、8時間の儀式を行う。この儀式の後、君は以前に自分に関連していた全ての名前と人格(クラス特徴から得た人格を含む)を永続的に失う。君は新しい名前の代わりに、簡単な説明的な称号を採用する。その称号は人物や場所の名前に由来するものであってはならない(例えば、「蒼狐/Blue Fox」や「黄昏の追跡/Twilight Stalker」という称号は採用できるが、「ケレッシュの復讐人/Chelish Avenger」や「ムワンギの大精霊/Spirit of the Mwangi」という称号は採用できない)。
儀式の終わりに、君はこの儀式のために作成された、称号を連想させる仮面を着用しなければならない。この仮面を着用している間、占術やその他の方法で君が捨てた人格を探し出したり、その人格と君を結びつけようとしてもうまく行かず、あたかも君が無効な目標であるか、存在しないかのように闇しか現さない。
〈知識〉判定に成功すると、古い身分ではなく新しい肩書が明らかになるが、長所や短所は通常通り明らかにされる。
儀式用の仮面を着用しており、かつ過去の人格とのつながりを明かさないならば、放棄した人格に関連する君への占術を試みるには、DC10+君のヒット・ダイスに等しい術者レベル判定に成功しなければならない。加えて、君は
ネームド・ブリットUC呪文など、自分の名前を使用する必要のある効果に完全耐性を持つ。この特技の利益を得ている間、事実上、この効果で使用される仮面が頭部の装備部位を占有する。そのため、頭部の装備部位に魔法のアイテムを着用することはできない(ただしこの特技の利益は
ディスペル・マジックや類似の効果の目的において魔法とは見なされない)。更に、魔法によるものかどうかに拘らず、君はいかなる手段でも、特定の個人になりすまそうとすることはできない。捨てた人格との関係性を明らかにしたり確認したりした場合、君は即座にこの特技の利益を失い、捨てた人格が戻ってくると1d4レベルの永続的な負のレベルを得る。それを償う(
アトーンメントによってクラス特徴を取り戻す場合と同様)までの間、君はこの特技の利益を取り戻すことも、この負のレベルを取り除くこともできない。
出典 Adventurer's Guide 125ページ、
Arcane Anthology 15ページ
君は仮面を使って心霊の力を高めることができる。
前提条件:
《名無し》、心霊儀式1つ以上を発動する能力(
Pathfinder RPG Occult Adventures 208ページ)。
利益:
《名無し》特技の利益を受けている時、君が修得済みの心霊儀式の主要術者として行動する時、君の隠した人格は君により大きな霊的なつながりを与える。このような心霊儀式については、その技能を未修得であったとしても、君は必要なすべての技能判定を試みることができる。その技能を修得している場合、代わりに君はその技能判定に+3のボーナスを得る。
加えて、君が霊のクラス特徴(シャーマン
ACGあるいはミーディアム
OAのクラスによる)を有している場合、この特技によって提供される儀式の焦点具を使用して、交信している霊とのつながりを強化できる。1日1回、君が自身の霊から与えられた超常能力を使用する際(シャーマンの霊呪術や霊能力、ミーディアムの霊力など)、その超常能力の効果を決定する目的において有効クラス・レベルを1だけ増加する。
呪文
マスク・フロム・ディヴィネーション
この呪文を発動するアクションの一部として、術者は焦点具要素として使用する仮面を目標の顔に被せる。その後、仮面は呪文の持続時間の間、目標にしっかりと張り付き、物理的な力で取り外せなくなる。目元が欠けているにもかかわらず、この仮面は着用者の視界を一切損なわない。効果を受けている間、この呪文は
ノンディテクションのように機能するが、例え目標を特に指定したものでなくても、クリーチャーに関する情報を収集しようとする占術呪文を阻止する。
シー・インヴィジビリティなど、通常は着用者の存在を明らかにする占術呪文の場合、その呪文は機能するが、その呪文の術者が術者レベル判定に成功した場合にのみ着用者は検知される。同様に、特に着用者を目標とした(念視)の試みは、術者が術者レベル判定に成功しない限り、全く機能しない。加えて、着用者について学んだり着用者とその長所と短所を識別したりするために行う技能判定――情報収集するための
〈交渉〉判定、目標の
〈変装〉判定に対抗する
〈知覚〉判定、
〈知識〉判定など――のDCは4だけ増加する。
呪文の持続時間の間、仮面を取り除くことはできない。また、目標が焦点具の仮面を着用しているという事実を、目標を観察するクリーチャーから隠すことはできない。
プレイナー・インクウィリー
ジャテンベは答えを求めて外方次元界を巡ることはほとんどなかったが、悟りを求めるために彼が来訪者と行った対話は伝説的なものであり、マガンビアはこの老魔術師がこの呪文の創造主であると信じている。
この呪文は他次元界のクリーチャーを正確に術者の位置に招来するものである。特に明記されていない限り、この呪文は
レッサー・プレイナー・アライのように機能する。
プレイナー・インクウィリーを使用してクリーチャーに呼びかけるとき、術者がそのクリーチャーに頼むことができるのは、質問に答えるか、特定の話題(人物、場所、物)に関する情報を収集することだけである。術者の要求を聞いた後、そのクリーチャーが適切な
〈知識〉技能を持っているならば、そのクリーチャーが持つ情報を提供するために技能判定を試みることができる。そのような技能を持たない場合、呼び出されたクリーチャーはこの情報収集を行うために1d4時間の間その場を離れる。戻ってきたとき、術者は1d20+術者レベルを用いてロールを行い、その結果を使用して、そのクリーチャーが話題について収集してきた情報を決定する(
〈交渉〉を使用する場合と同様に)。呼びかけられたクリーチャーは、この情報を術者に伝えてから最大10分間だけ滞在し、その後自分の次元界へと帰っていく。呪文の持続時間の間にクリーチャーが攻撃またはダメージを受けた場合、呪文は終了し、術者が招来した場所からクリーチャーが元いた次元界へと戻っていく。
この呪文を発動するとき、術者は特定の種別の来訪者を選択することもできるし、個々のクリーチャーを固有の名前で呼ぶこともできる。呼び出される来訪者の種類によって呪文の効果は変わらない。プレイナー・インクウィリーを使用して属性または元素の副種別を持つクリーチャーを召喚すると、呪文は対応する補足説明を得る。ヒット・ダイスが自身の術者レベル(最大18HD)を超える来訪者を招来することはできない。また、この呪文を使用して唯一無二の来訪者(神格の御使いなど)や神話階梯を持つ来訪者を招来することはできない。
最終更新:2023年05月02日 16:19