私は一人、休憩所で昼間の戦闘に関して物思いにふけっていた。
「おい!!あの馬鹿が何処に行ったか知らないか!!」
休憩所に飛び込んできたコニールさんが、私の顔を見るなり開口一番そう言った。
「え? 基地に帰ってきてから見ていないですけど」
私の返事を聞くと、少し落胆した顔のコニールさんは「そうか」とだけ言った。
おかしい。あの人の基地に帰還した時の様子といい、コニールさんも何か変だ。
「何かあったんですか? 昼間の戦闘からシンさんも変だし」
まあ、変なのはいつもの事だけど。今日のはいつもとは違う。
あの狂気にかられたような顔はいったい。
「・・・・・・・何でもない」
そんな暗い顔されて言われても。 内心苦笑しつつ再度聞くことにした。
「なんか変ですよ、あの赤いMSと戦ってから」
昼間の戦闘、作戦自体は成功していた。 当初の目的である軍事施設の破壊に成功し後は撤退するだけ。
その時だった。 敵の増援として5機のMSが飛来したのは。
すでに撤退を始めていた味方を無視して、シンさんは一人敵に突っ込んで行った。
コニールさんの怒声も無視し、執拗に敵の隊長機らしい真っ赤なMSと戦うシンさんのジン。
(やめろ市街地に被害をだす気か!!)
そのコニールさんの声を聞き、シンさんはようやく撤退をした。
「俺からは何も言えない・・・・・・ただアイツは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シンの恋人の仇なんだ」
コニールさんが暗い声でそう呟いた。
それを聞いた時、私は聞くべきじゃなかったんじゃないかと少し後悔をした・・・・・・