11がつ10にち
きょう、ぴーすがーでぃあんのひとたちがうちにきました。
「じょうきょうがあっかしたのでてったいします」といっていました。
おとうさんとおかあさんはそういわれるととてもおどろいて、おとうさんはおこりだして、おかうさんはとてもつかれたかおをしていました。
きょう、ぴーすがーでぃあんのひとたちがうちにきました。
「じょうきょうがあっかしたのでてったいします」といっていました。
おとうさんとおかあさんはそういわれるととてもおどろいて、おとうさんはおこりだして、おかうさんはとてもつかれたかおをしていました。
11がつ25にち
きょう、おとうさんが、がるなはんへ、きんじょのおとうさんたちといっしょにでかけました。
なんでも、たべものがそこならてにはいるかもしれないそうです。
いっしょにいきたいといったら、おとうさんはとてもこわいかおでおこりました。
きょう、おとうさんが、がるなはんへ、きんじょのおとうさんたちといっしょにでかけました。
なんでも、たべものがそこならてにはいるかもしれないそうです。
いっしょにいきたいといったら、おとうさんはとてもこわいかおでおこりました。
12がつ6にち
きょう、おとうさんたちがかえってきました。
れじすたんすのひとたちから、たべものをわけてもらったそうです。
おかあさんは、「みんなでひっこしましょう」といいましたが、おとうさんは「ちあんがよくないからもうしばらくまちなさい」といいました。
わたしは、がるなはんへいったことがなかったので、ちょっとがっかりしました。
きょう、おとうさんたちがかえってきました。
れじすたんすのひとたちから、たべものをわけてもらったそうです。
おかあさんは、「みんなでひっこしましょう」といいましたが、おとうさんは「ちあんがよくないからもうしばらくまちなさい」といいました。
わたしは、がるなはんへいったことがなかったので、ちょっとがっかりしました。
12がつ8にち
おとうさんたちが、また、がるなはんへいきました。
おかあさんは「あぶないからよしてください」といいましたが、おとうさんは「おみやげをたくさんもってくるよ」といいました。
わたしは、おとうさんに、よいこにしているからはやくかえってきてね、といいました。
おとうさんたちが、また、がるなはんへいきました。
おかあさんは「あぶないからよしてください」といいましたが、おとうさんは「おみやげをたくさんもってくるよ」といいました。
わたしは、おとうさんに、よいこにしているからはやくかえってきてね、といいました。
12がつ26にち
きょう、おかあさんはいちにちじゅうないていました。
「ぴーすがーでぃあんにがるなはんがせんめつされた」そうです。
「せんめつってなに?」ときくと、おかあさんはないてしまいました。
せんめつってなんだろう?
きょう、おかあさんはいちにちじゅうないていました。
「ぴーすがーでぃあんにがるなはんがせんめつされた」そうです。
「せんめつってなに?」ときくと、おかあさんはないてしまいました。
せんめつってなんだろう?
1がつ2にち
おかあさんがベットからおきてこないので、しんぱいになってようすをみにいくと、とてもぐあいがわるそうでした。
おかあさんは「しんぱいないから」といいました。
はやくげんきになればいいとおもいます。
おかあさんがベットからおきてこないので、しんぱいになってようすをみにいくと、とてもぐあいがわるそうでした。
おかあさんは「しんぱいないから」といいました。
はやくげんきになればいいとおもいます。
1がつ10にち
おかあさんがきのうからめをさましません。
きっとつかれているんだとおもいました。
だからきょうはゆっくりねかせてあげました。
おかあさんがきのうからめをさましません。
きっとつかれているんだとおもいました。
だからきょうはゆっくりねかせてあげました。
1がつ20にち
たべものがなくなってもう2にちになります。
おかあさんはずっとねています。きっとうんとつかれていたんだとおもいます。
はやくおとうさんがたべものをもってきてくれないかなあ。
そうしたらおかあさんもげんきになるのに。
たべものがなくなってもう2にちになります。
おかあさんはずっとねています。きっとうんとつかれていたんだとおもいます。
はやくおとうさんがたべものをもってきてくれないかなあ。
そうしたらおかあさんもげんきになるのに。
2がつ2にち
とてもおなかがへりました。
はやくおとうさ
とてもおなかがへりました。
はやくおとうさ
ジェスの手にした日記は、そこで止まっていた。
カメラを取り出すと、無言で、一枚一枚、一ページごとにフィルムに納めていく。
そして、作業を終えると、ベッドに横たわる持ち主の少年の枕元にそっと置いた。
もはやこの少年が飢える事は無い。この悪夢のような世界から、彼は隔絶された。
「ソラ、そっちはどうだ?」
渇き切ったジェスの声が廃屋に響くと、母親の寝室を覗きに行ったソラが戻ってくる。
「…この子より先に餓死したんですね。自分の食べる分全てをあげてたんだとおもいます」
かつてのソラを知る者が今の彼女を見たら、別人だと思うだろう。
まるで、身体の真ん中に芯が入ったかのような今の彼女を。
「ごめんね、君にはもう何もしてあげられないの。本当に、ごめんね」
命の枯れ果てた少年の頬を、ソラはそっと撫でる。
カメラを取り出すと、無言で、一枚一枚、一ページごとにフィルムに納めていく。
そして、作業を終えると、ベッドに横たわる持ち主の少年の枕元にそっと置いた。
もはやこの少年が飢える事は無い。この悪夢のような世界から、彼は隔絶された。
「ソラ、そっちはどうだ?」
渇き切ったジェスの声が廃屋に響くと、母親の寝室を覗きに行ったソラが戻ってくる。
「…この子より先に餓死したんですね。自分の食べる分全てをあげてたんだとおもいます」
かつてのソラを知る者が今の彼女を見たら、別人だと思うだろう。
まるで、身体の真ん中に芯が入ったかのような今の彼女を。
「ごめんね、君にはもう何もしてあげられないの。本当に、ごめんね」
命の枯れ果てた少年の頬を、ソラはそっと撫でる。
「で、どうだった?」
ジープで待っていたカイトに問われ、ジェスは首を振る。
「駄目だったよ。ここらは全滅かもな」
「インフラが全部死んで、立ち行かなくなったんですね」
そうソラが呟く。
「これが生き延びる為の最後の策だとしたら…私達、生き延びたって胸を張って言えるんでしょうかね?」
ジープで待っていたカイトに問われ、ジェスは首を振る。
「駄目だったよ。ここらは全滅かもな」
「インフラが全部死んで、立ち行かなくなったんですね」
そうソラが呟く。
「これが生き延びる為の最後の策だとしたら…私達、生き延びたって胸を張って言えるんでしょうかね?」