「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

キラとカガリとムゥ

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オーブ首長国官邸。
本日の式典に出席する要人たちの中、
あたかも家族のように和やかな雰囲気で談笑する者達がいた。

「ラクスは、まだ準備が終わらなくって。
 ……ところで、アスランはまだ?」
その男は、柔和な雰囲気を醸し出し、虫も殺せないような笑顔で問う。
キラ・ヤマト。
この世界の誰もが知っている、全能に等しい世界の守護者。

そして、そんな彼の肩を馴れ馴れしく叩くのは、
式典用首長服で着飾った女。
「メイリンを迎えに行くと行ってた。
 ……まあアイツのことだ、間に合うだろ」
彼の義姉でもある、オーブ国首長カガリ・ユラ・アスハである。

「今日の式典で、より世界が平和になるといいな。……どうした?」
陽気なカガリの言葉が、キラの表情に影を落としていた。
「……本当にそうなるだろうか。 本当に争いが無くなるのかな」
「でも、今日の式典については連合政府の内閣で承認されたし、
 ラクスも前向きに……」

「あの提案はライヒ長官がねじ込んだんだ。こんな軍事パレードみたいな式典で、
 争いが無意味であることを教えるなんて、」
「各地のレジスタンスも、これであきらめてくれればな」
「ボクもアスランも、こんな脅しのようなやりかたで
 終わるなんて思ってない。 だって……」

「見せ付けられても、自分にケリをつけられない者達がいる、か」
「ムウさん」
「えと、フラガ司令。 久しぶりだ、今ついたのか」
「ムウでいいよ、首長さん」
宇宙軍司令官を示す礼装を身にまとう優男。 ムウ・ラ・フラガ。
エンデュミオンの鷹、とレジスタンスに恐れられている男だ。

「宇宙にもケリのつけられない奴らはいっぱいいる。
 だけど少しずつだが、数は減っている。 地球でもそうだろう? キラ」
「……はい。各地のレジスタンスの規模は確実に減少しています」
「それは、キラ達が頑張ってるからだ!」
「まあそういうこと。 何があったって俺達が頑張って出来ないことはない。
 俺達は、不可能を可能にする男達なんだからな」
「変わってないな、アンタ。 ハハハハッ」

カガリの無邪気な笑い声も、キラの不安を溶かすことは出来なかった。
どんなに力の差を示そうと、向かって来る者はいなくならない。
――力を示す者は、力に滅ぼされる。
キラ達が打ち破ってきた暴君達。その最後を常に目の当たりにしてきた。
今、自分達が示そうとしているのは、平和を護るための……力。
絶対的な力を持つ超人が、畏れをなしていた。

「ムゥーッ!」
キラには聞きなれた、優しい女性の声。
ムウの妻であるマリュー・フラガが、彼らの子供達を連れて来場したのだ。
ムウとマリュー達は互いに駆け寄り、再会を喜び合う。
「……いいなぁ、ああいうの」
「そうだね、カガリ」
キラは決意する。 あの光景を護れるのなら、何でもできる、と。
誰とでも、戦える――と。

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