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恋愛と幼女の分岐点

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ro_kyu

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だれでも歓迎! 編集
【種別】
短編

【初出】
電撃文庫MAGAZINE Vol.23 2012年1月号特別付録・電撃文庫MAGAZINE文庫『サンタクロースを見た』

【解説】
電撃文庫MAGAZINE文庫『サンタクロースを見た』に掲載された書き下ろし短編。
イラストは『狼と香辛料』の文倉十。

作者曰く、「内容はまあタイトルの印象そのまま」。
『ダメだこいつ』と苦笑いしてあげましょう。

まったく、小学生には敵わないぜ。
――小学生の笑顔って、魔法みたいだ。
聖アンドレだったか、ツンデレだったか。
モノポリーをアレンジしたようなボードゲーム
んん~、たらこフィッシュバーガーも最高っ!

  • クロスオーバー
恋愛と幼女の分岐点
P.23
「っと、すみません!」
そんな油断が招いた事故なのか。後を追いかけようと足を踏み出した矢先、見知らぬ誰かと肩がぶつかってしまい俺は慌ててお辞儀する。
→「勇者の帰還」P.276の猶一。

P.28
例えば、そこのイタリア料理とか……いや待て、なにかおかしい。理由はわからないけど店の中からはクリスマスらしからぬ負のオーラが溢れ出ていて、近付かない方が良いと俺の第六感が警鐘を鳴らしている。ていうか床、水浸しじゃないか?さすがに気のせいだとは思うけど……。
→「クリスマスM&A」P.209の斉藤による、XゲームでXを負かすためのマイナス介入。
防災・防犯システムに強引に介入し、スプリンクラーの誤作動など、トラブルを起こすことでXの資産価値を急落させようとした。
その被害を受け、計画を台無しにされた「とある童貞のクリスマスイブ」P.78の三太。

P.33
うわー、めっちゃかわいいなこいつ。
めっちゃかわいいな。
めっちゃかわいいな。
興奮のあまり三回繰り返してしまうほどめっちゃかわいかった。
→「ワルキューレの奇行」P.121

P.41
……事件。
ずっと昔にこの街で起こったという、不可解な幼女神隠し。
幼女、神隠し。緋乃、幼女。神隠し、幼女。
有名な未解決事件のことを思い出し、爆発的に負のイメージが連鎖していく。
→「勇者の帰還」P.246の杏奈。当時七歳。
二十年前、異世界の賢者が勇者の素養を持ったこちらの世界の子供を召喚するために送り込んだ妖精によって連れて行かれた。
事件の真相は誰も知らず、神隠し事件として話題になった。

P.41
全速力で最寄りの交番まで走り、大学生くらいの男に人が深刻そうな顔でおまわりさんと話しているのもお構いなしで中に駆け込もうとした、その時。
→「とある童貞のクリスマスイブ」P.83の三太。
スリに財布をすられ、交番に来ていた。

P.42
あれも、確か。クリスマスイブの出来事だった。
雪。クリスマスイブに、家族で見た雪。
→「勇者の帰還」P.263より。
十年前、杏奈がこちらの世界に帰ってきた時の雪。
十年前なら現在十歳の緋乃はまだ赤ん坊で、時系列が描写と一致する。

P.48
空にはまだ星が瞬いていて、それなのに雪も確かに舞い降りて。
→「勇者の帰還」P.282より。
異世界の最果ての地に、二つの世界を繋ぐ唯一の門がある。
最果ての地は一年を通して雪に覆われていて、その雪がこちらの世界に吹き込んできた。

とある童貞のクリスマスイブ
P.72
――ただしロリコン、てめーはだめだ!!
かわいい女の子を抱える、高校生くらいの少年をにらみつける俺。
YESロリータNOタッチという格言を素晴らしい格言を知らないのか? ロリは触れずに愛でてこそ価値のある……いや、あれは兄妹か? どことなく、雰囲気が似ているような……うむ、ならば問題なし!!
山戸要北見緋乃のこと。

でも、だからこそショックで……暴れたい。喚きちらして、ホテルのボーイさんに当たりたい。
→その負のオーラを山戸要は感じ取っていた。

「よろしくお願いします」
「……よろ……しくおねがいします」
そう言ってお巡りさんに頭を下げるゆりたんと、どうにかその言葉を絞り出した俺。
山戸要に目撃されている。

ワルキューレの奇行
P.121
「あー、いましたね。白いコートのかわいい子。半ベソのくせに、妙に強気っぽく顔上げてた」
「ロリコンに狙われないといいけど。最近多いらしいよ、小学生見て『めっちゃかわいいな』とかいって興奮しちゃう系のヤツ」
山戸要北見緋乃のこと。
緋乃は白のダッフルコートと赤黒のチェックのスカートという装い。

クリスマスM&A
P.209
『スプリンクラーの誤作動で、資産価値が落ちたのです』

P.213
「ありがとう斉藤君。さっき私が見た聖歌隊を見たがっていた迷子の小学生もきっと喜ぶよ」
北見緋乃のこと。

勇者の帰還
P.246
十年前当時、杏奈の失踪は神隠し事件として話題を呼び、街に暗い影を落とした。
P.261
十年前、杏奈を連れ去った光は、異世界の賢者が勇者の素養を持ったこちらの世界の子供を召喚するために送り込んだ妖精なのだという(妖精はこちらの世界では実体を保てず、光になってしまうらしい)。

「最果ての地にね、門があるの。その門はこっちの世界とあっちの世界を繋ぐ唯一の門で……一年に一度、終の月の新月の夜……でこっちの世界でのクリスマスイブにだけ、開くことができるの」
最果ての地は一年を通して雪に覆われていて、今日降った雪も十年前に降った雪も、あちらの世界から吹き込んできたものであると杏奈は教えてくれたが、猶一が知りたいのはそんなことではなかった。

P.272
そんな中、猶一の目に、小さな女の子を肩車している若い男の姿が留まった。
女の子は小学生、男の方は高校生だろうか。
P.273
が、まじまじと見てみると、ふたりの横顔はどことなく似ていた。
(兄妹……か)
山戸要北見緋乃のこと。

だから、少し離れようとしたのだが、歩き出したところで誰かと肩がぶつかってしまった。
「ごめんなさい!」
相手はすぐに頭を下げてきた。
「いや、こちらこそすみません」
猶一も謝ると、相手は顔を上げた。
見覚えのある顔だった。先程、目に留まった兄妹(?)の兄の方だった。
山戸要のこと。

雪が降っていた。
雲は出ていない。
晴れた空から降る雪。常識ではありえないその光景を、猶一は過去にも見たことがあった。
――十年前と二十年前に。


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