443 :名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 01:20:53 ID:oAtX6Tg9
携帯からかじゅ桃投下。
>>421の妄想借りました



満月の真夜中、先輩の部屋でステルス能力を全開にしながら、私は規則正しく上下に動くベッドを見つめていた。
用心深く1歩を踏み出してみる。

この部屋に侵入してから小1時間程は経過していた。
最初は寝顔が見れるだけで満足できると思っていた。
だけど大好きな先輩の寝顔を見ていたらいてもたってもいられなくなり、抱き締めたい、と思った。

同時に先輩に気付かれた時の事を思うと恐怖で足が竦んだ。
こんなストーカー当然の行為、許されるはずがない。
軽蔑されるだろうな…と頭では冷たく考えていたが心は熱く滾っていた。

抱き締めるだけ…起きない程度に……

「狼さんじゃないっすけど、もう我慢できないっす。」
小声で呟いてから私は欲望で恐怖を打ち消し、ベッドに後一歩のところまで近づいた瞬間、眠りについたと思っていた先輩が私の手を引いた。

引かれた勢いのまま私は回ってベッドに押し付けられた。
私の頭は信じられないくらい真っ白になった後、先程懸念していた恐怖が蘇った。
「あっ…ぅ……」
「私の寝込みを襲うにはまだ10年早いな。」
先輩は私を押し倒した姿勢のまま耳元で囁いた。

嫌われたっ…
そう思った瞬間に涙が溢れだし何も言葉が出なかった。
「…っ……」
「…モモ?」
先輩は怪訝そうに私の顔を覗き込んでから、フッと優しく笑った。
「そんな顔をするな、モモ。」
「……??」
混乱した私の頭では先輩が何を言っているのかわからなかった。


「そんなこの世の終わりを迎えたような顔をするなと言ったんだ。」
「……え?…先輩…?」
先輩はまるで私の心を見透かすかのように瞳を見つめていた。

「なにも怖がる必要はないよ、モモ。」
泣きじゃくる子供をあやすように優しく甘い声で囁く。
「この程度の事で私がモモを嫌う訳が無いだろう。むしろ…嬉しかった。」
「っ先輩……いつから気付いてたんすか?」
「最初からだ。」
「そんなっ…私はっ」
「モモが影の薄さ金メダル級だとしても、私がモモを見つけるのも金メダル級だと自負しているが。」
私の顔に血が急速に集まるのを感じた。先輩もいつものポーカーフェイスが赤く染まっているのが月明かりで微かにわかった。


「…嬉しかったっていうのは何なんすか?」
「言葉通りの意味だ。こんな夜中に能力を使ってまで私に会いたいのか…と思ったら、な。」
さっきから私の鼓動がドクンドクンと強く打ち続けているのは驚きからだけではなかった。


「先輩…この体勢……」
ひっくり返されてからずっと先輩との距離はほぼゼロだった。
つい一瞬前まで涙でくしゃくしゃになっていた顔が今は嬉しいやら恥ずかしいやらで真っ赤になっていた。
「モモ。」
先輩は更に距離を縮めて完璧に重なり合った。
「嫌、か?」
「そんなこと!!あるはずないっすよぅっ…」
耳をはむられ語尾が弱くなり羞恥が私を襲う。




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最終更新:2009年08月03日 19:16