471 :名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 07:58:17 ID:6SdSdAAy
前スレ280のネタから電波を拝借して照×咲を書いてみたけど、予想以上に酷い事になった。照が。
それでも折角書いたんで投下します。人を選ぶかもしれないので注意事項を読んで下さい。

(注意事項)
・このSSは咲の事が好きすぎてうっかり病んでしまった照さんが妹を性的な意味で襲うSSです。
・R-18です。性的・暴力的な表現が含まれます。
・読みたくない方はタイトルかIDをNGにして下さい。

タイトル:残酷な想いの果てに

よろしければ、どうぞ

    ↓







 ある所に、仲の良い姉妹が居た。妹は姉を慕い、姉はそんな妹が大好きだった。
 そんな、微笑ましい姉妹の仲。唯一つ違ったのは、その姉が妹に持つ感情が、単なる姉妹愛を超えた愛情だったという事――

  *  *  *

 音も無く開けられる部屋のドア。微かに息を立てて眠る咲の顔を覗き込んだ照は、妹が熟睡しているのを確認すると、静かにドアを閉じた。
再び暗闇が部屋を包み、音が消える。しかし照は、五月蝿いくらいの自分の心臓の鼓動を聞いていた。
(咲――)
 自分の妹に対する特別な感情に気付いたのは何時の頃だったか、はっきりと覚えてはいない。
 しかし、一度それを自覚した時から、照の心は穏やかでいられなくなった。
 妹の――咲の全てが欲しい。
 その想いは日増しに強くなり、抑えきれなくなっていた。
 自分でも異常だとわかっていても、咲がふざけて抱きついてくる度、湧き上がる感情を堪えるのが精一杯だった。
 そしてその想いは照の心をすり減らし――遂に、壊した。

「すぅ……すぅ……」
 咲の小さな寝息が聞こえる。頬に手を当てて撫でても、起きる気配は無い。
「可愛いわよ、咲……」
 照はそう呟くと、何の躊躇いも無く、咲の唇に自分の唇を重ねた。
「……んぅ」
 その所為か、咲の眉が僅かに動く。だが、それも束の間。またすぐに寝息を立て始めた。
「咲……っあ」
 姉妹で唇を重ねる背徳感に、照は頭が痺れるような感覚を得る。その手は自然と自身の下着に伸び、敏感な部分をまさぐっていた。
「咲……咲ぃ……」
 うわ言の様に妹の名を呼ぶ照の指が、くちゅくちゅと音を立てる秘唇に呑み込まれる。妹のすぐ傍で耽る自慰行為に、照の興奮は更に高まる。
「――っ、ぁっ!」
 びくん、と体を反らし、照は軽く達した。暫しの脱力感の後、指を濡らす淫液を舐め取り、照は再び咲へと近付く。
「大丈夫よ、咲。お姉ちゃんがちゃんとキモチヨクしてあげるからね――」
 くすくすと笑う照。その手が咲の服に伸び、パジャマのボタンを一つずつ外し始めた。
「……んー……」
 もぞもぞと咲の体が動いたが、照は気にも留めずにボタンを外し終えると、咲の控えめな胸を外気に晒した。
「綺麗よ、咲……」
 仄明るい月の光に照らされた咲の白い肌を、照はうっとりと眺めた。このままずっと見ていたくもあったが、やはりそれでは物足りない。
 照は静かにベッドに上がると、咲に覆いかぶさるように四つん這いになる。そしてそのまま、ぴちゃり、と赤い舌を咲の胸に這わせた。
「はっ……んっ……」
 咲の体の上を、水を飲む猫の様に照の舌が這う。なだらかな丘陵の裾から桃色の登頂まで、ゆっくりと味わう様に舌を動かす。
 お風呂で使ったであろう、ボディソープの香りが照の鼻腔を刺激した。
「ちゅる、んんっ……っはぁ……美味しいよ、咲ぃ……」
 夢中で妹の体を貪る照の心が幸福で満たされていく。こんな事なら、もっと早くシておけば良かったと、後悔すら浮かぶ。


「………………んぁ………………」
 ――ゆっくりと、咲の目が開かれた。何者かに体を触れられている感覚に、目を覚ましていた。
「……――あれ……? お姉、ちゃん……?」
 目覚めたばかりのはっきりとしない意識で咲がおぼろげに見たものは、姉の姿だった。
「お早う、咲。よく眠れたかしら?」
 覚醒しきっていない頭で、姉の存在を確認する。――何故か、咲にはその時の姉がひどく恐ろしいものに見えた。
「こんな時間に、どうしたの……? 私、まだ眠――」
 咲の言葉を止める様に、照はその小さな唇を自分の唇で塞いだ。そのまま舌を捻じ込み、咲の口内を舐り回す。
「ふぐっ、ん、ちゅる、んんっ……」
「っ――……!? ん、むぅ、んんぅ……!」
 予想だにしなかった姉の行為。その衝撃に頭が回らないまま、咲は口内を弄ばれる。
「んぐ……んっ、ちゅぷ……ふぅ……あは、咲とキス――しちゃったぁ……」
 照は恍惚とした表情で、妹と触れた唇を舌で舐める。一方の咲は、その行為に理解が追い付かず、呆然と天井を仰いでいた。
「ねえ、咲……もう一度……」
「お……姉……ちゃ、んっ……」
 再び、照はゆっくりと唇を重ねる。ちゅる、くちゅ、と唾液の音が部屋の暗闇に滲んでいった。
「んふぅ……ふあ……咲……咲ぃ……」
「ぁ……ぅ……お、ねぇ……」
 しっかりと両肩を掴まれ、ベッドに抑えつけられたまま、口内を蹂躙される咲。それは光景は、まるで肉食獣が草食獣を喰らうかの様だった。
「ン――じゅる、っ…………っふぁ、あふぅ……んくっ……」
 長い口付けを終えた照は、喉を鳴らして妹から掬い取った唾液を飲み込む。ぶるり、と歓喜が体を震わせ、再び股間を熱くさせていた。
「ふふふ……咲ぃ……美味しかったぁ……」
「はぁ……ぁ……ぅぅ……」
 そんな姉の姿を、咲は混乱する頭で見上げる。すると――何故か、自然と涙が溢れていた。

 ――怖い。

 咲の心に、その感情が拡がっていく。大好きな姉。優しい姉。
 その筈なのに、自分は何故こんなにも怯えているのだろうか。歪んだ口端から漏れる嗤い声。薄く濁った赤い瞳。
 そのどれもが、咲の知っている姉の姿とはかけ離れている。


「――――咲」
 呼び声に、肩が竦む。
「私、咲の好きだから。大好きだから。愛してるから。ねえ。私、あなたとひとつになりたいのよ」
 綴られる言葉が、咲の胸を締め付ける。

 誰? 私の目の前に居るのは誰? お姉ちゃん? 嘘――

 ぐるぐると巡る咲の思考を余所に、照は着ている服を脱ぎ捨てる。
 何の恥ずかしげも無く妹に裸体を晒し、いよいよ体を重ねんと、手を伸ばし――
「――――――いやあっ……!」
 咄嗟の行動だった。ぱしんっ、と音が鳴る程に強く、咲は伸ばされた照の手を叩き払った。
「嫌だよお姉ちゃん……! 急にどうしちゃったの……!? 分からない、私、分からないよっ……!」
 ぽろぽろと涙を流しながら、咲は叫んだ。
「――――さ」
 払われた右手がじんじんと痛みだすまで、照は何が起きたのか一瞬分からなくなっていた。
「もう止めてよっ……! こんな事するお姉ちゃんなんて、私、キライっ……!!」
「  え  」
 ぎし、と照は自分の中で、何かが拉げる音が聞こえた。それから暫く、時を止めたような静寂に包まれる。
 ベッドを見れば、震えながら涙を流す最愛の人。頭にこだまするのは、拒絶の言葉。痛む右手。
「あ――」
 そして、止まらない涙。視界が滲んで、咲の姿がよく見えない。
「ち、が――」

 違う。違う。違う。――違う。咲。咲。咲じゃ、ない――

 壊れた心が、照にそう告げた。妹はこんな事しない。自分の愛する咲は、自分を拒絶したりしない。
「あ――ああ、あ、あぁぁああぁぁ…………!!」
 絶望、怒り――悲しみ。全てが綯い交ぜとなり、叫びに変わる。悲しみは涙。絶望は声。怒りは――両手。
「あぅ、うぐぅっ――!?」
 勢い良く伸びた照の両手が、咲の首を鷲掴みにする。突然の衝撃に、咲の顔が引き攣った。
「うう……ううっ……うぅぅっ……!」
 泣きながら、両手に力を込める。妹の首を絞めながら、照は慟哭する。

 目の前の、イモウトはニセモノだ。
 咲? サキはドコ?
 ワタシのアイした咲は何処に居るの?
 イモウトなんてイラナイ。咲がホシイ。
 咲。さき。咲。サキ。咲――――――――――――――――――――――――――――――――――

「あう……うぅう……!」
 ぎりぎりと絞め付けられる首。それから逃れようと、咲はもがく。その足が、照の腹を蹴り上げた。
「あ、ぐっ……!」
 その衝撃に、手に込められていた力が緩む。その一瞬、咲はありったけの力で照を突き飛ばした。
「あっ……!」
 自由になった咲の体は、無意識の内に駆け出す。一刻も早くこの場所から抜け出したいという思いが体を突き動かし、咲を走らせる。
 どこでもいいから逃げたい。咲の足は、1階へと向かう。
「う、げほっ、ごほっ――」
 ――絞め付けられた喉の痛みに咳き込んだ瞬間。階段を踏み外した咲の体は、宙を舞っていた。
 全身を打ち付ける衝撃。1階へと転落した咲の体は、仰向けに倒れる。
「お……ね、ぇ……」
 全身を痛みが支配する。徐々に失われていく意識の中、咲が見たものは、こちらを見下ろして、泣いている姉の姿だった。
「ご……め……ん……な、さ、ぃ……」
 それを見て、無性に悲しくなってきた。
 自分が姉を悲しませたのだと、そう思った。

 泣かないで、お姉ちゃん。私、ちゃんと謝るから。だって私、お姉ちゃんの事が、大好きだから――
 声にならない想いは消えて、咲の意識は夜より深い闇の中へと落ちていった。

 ある所に、仲の良い姉妹が居た。妹は姉を慕い、姉はそんな妹が大好きだった。
 しかしその日、その関係は終わりを告げた。


  *  *  *

 目が覚めると、白い天井。ゆっくりと体を起こすと、隣には父が居た。
「……お父さん?」
 咲の呼びかけに、父がハッとしたように顔を上げる。
「……ここ、どこ……? 私、一体……」
 咲の言葉に、父は黙って咲を抱きしめた。困惑する咲だったが、頭痛がしたので深く考えることを止めた。

 あの夜の事を、咲は憶えていなかった。頭を打った時の衝撃か、姉に襲われた事への精神的ショックを無意識の内に心の奥底に封じた為か、それは定かでは無い。
 ――そして、咲が退院した時には、母と姉は家から姿を消していた。父に理由を聞いても、喧嘩をしてしまった、としか答えてくれない。
 親としては、本当の理由を言える訳も無かった。

 1階で倒れている服のはだけた妹と、幽鬼の様な表情で2階に立つ全裸の姉。事故と言うには余りに異常な光景。

 照を問いただしてみても、まともな答えは返ってこない。分かったのは、この姉妹はもう一緒には暮らせないだろうという事。
 話し合いの末、照は母が引き取り、東京で暮らす事に決めた。その時、照は意外にも咲の事については何も言わなかった。

 その頃から、照は麻雀に没頭するようになった。
 その姿は、何かを吹っ切るように――否、何かに取り憑かれたようだった。母は、照が一人で牌を並べながら妹の名前を呼ぶ姿を何度も見た。
 照にとって、麻雀が愛する者との想い出だった。それを失くす事は、出来ない事だった。
 ――或いはそれは、心がこれ以上壊れないようにする為の行為だったのかもしれない。

「咲……ねえ、咲……見てる……? 咲が帰ってきたら、また一緒に、二人で――二人だけで、麻雀、しようね――」

  *  *  *

「お前、妹居たんじゃなかったっけ?」
 菫は照に新聞を投げ渡すと、そう聞いた。
 以前、教師に少しだけ聞いた照の家族の話の中で出てきた妹の存在。新聞に載っていた『宮永咲』という少女の名は、菫にその事を思い出させた。
 滅多に家族や自分の事を話さない照だったが、何かしら聞けるのではと思った。
「――いや、居ない」
 返ってきた答えは、ひどく素っ気無いものだった。
 菫はその返事に違和感を覚えたものの、何かしらの事情があるのだろう――無理に聞くものでもないと考え、それ以上の追求を止めた。

(咲――)
 夢にまで焦がれた名前が、そこには在った。しかし、照の心に広がる鉛色の空が晴れる事は無かった。
(どうして。どうしてアナタはそんな所で麻雀をしているの)
 照の想い。愛する者と二人だけで打つ麻雀。
(私以外の誰かと麻雀を打つなんて――許せない。許せないよ)
 軋む心が耳障りな音を立てる。
(それなら私が咲と打つ。打って、打って、打ちのめして、嫌だと言っても、打ち負かす)
 愛する者の全てを奪い、愛する者の全てを手に入れる。
(そう、全て。心も、身体も、『妹』なんていう、下らない関係も、全部――)
 妹は、要らない。居ない。咲が、欲しい。そして二人で、二人だけで――
(愛してるわ、咲――)

 深すぎる故に、黒く澱んだ照の想い。そんな姉の心の裡を知る由も無く、咲は姉と再び会える時を待ちわびていた。

 この姉妹が再び出会う時、何が起こるのか。それはまだ、誰にも分からない。


  了


以上です。ジャンピング焼き土下座の用意は出来ております。
しかしこれはヤンデレというよりメンヘラじゃないかと思ってしまったのですがどうなんでしょう。
早く原作でも照の活躍が見たいです。

読んで頂いた皆様、ありがとうございました。

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最終更新:2009年08月31日 17:47