18-777「佐々木さんの四字熟語講座、田夫野人の巻」

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佐々木さんの四字熟語講座、田夫野人の巻 佐々木「ふむ、天佑神助……、田夫、ぷっ」 キョン「どうした佐々木、参考書ってそんなに面白いのか? 突然噴き出したりして」 佐々木「いやなに、中学時代の君の行動を思い出してね。ほら、この項目だよ。      ”田夫野人”」 キョン「……ああ、コレか。ハイハイ。お前の出した四字熟語の問題で、     俺がコレを田野夫人(たのふじん)って読んだことだろ。お前が突然腹抱えて     倒れたもんだから、しばらくの間「俺が佐々木にイタズラをした(主に性的な意味で)」     なんて噂が流れて、すげー辛かったんだぞ」 佐々木「いや、だって、他の四字熟語に混じって、突然     『たのふじん? 佐々木、なんで熟語以外のが混じってんだ? 田野って誰だよ』     などと言われては、平静を保つのは至難の業だと言わざるを得ないだろう」 キョン「お前の笑いのツボって案外読めないよな。意外な所で大笑いするし。     そもそも、この田夫野人って何だよ。あんまり使わない言葉だぜ」 佐々木「そうだね。確かにこの田夫野人という言葉は、教養を持った人間が周囲を見下す言葉で、     あまり僕も好きではないな。語源はしらないが、都市の教養層が、田舎の人々を     無教養だ、とさした言葉なのは間違いないと思うよ。この別の言い方で、野人田夫を     短くして野夫、これが転音して「やぼ」になったと九鬼周造あたりはみなしているしね」 キョン「ほうほう」 佐々木「でも面白いねキョン、こうした人々に対して、知識人というのは、     猛烈に見下す一方で、滑稽なほど彼らにコンプレックスを感じてもいるようだ。     自ら「風流を知らない野人」としておきながら、彼らを「原初の穢れない人間性を持った人々」     だとみなし、理想とすることもまた数多い。     実際には田舎に住もうが都会に住もうが、肉体的にたくましい人はたくましいし、     精神的にも、優れた人もいればそうでない人もいる。     イギリス人は皆精神的に大人だ、とか、○○の国の人はみなバカだ、とかいう言説と同じで、     ひとくくりにして類型化する時点で、もう思考停止してるし、実際の対象がどうであるのかは、     問題ではなくなってしまっているんだ。     まったく、人というものは、皆多かれ少なかれ、「隣の芝生は青い」と思い込む性癖を有しているんだろうね」 キョン「まあ、気持ちはわからんでもないがな。自分の人生に満足しきってる奴なんざそうそういないし、     誰でも他人の苦労はわからんから、外から他人を見たら、自分よりはお気楽に見えて、     うらやましく思ったりしちまうんだろうぜ」 佐々木「まあ、僕も同様の側面は大いに持ち合わせているから、人を笑うことはできないしね。     誰しも、自分に持ってないものを持ち合わせている人には、多かれ少なかれ惹かれる者なのだろう。     君についてもそうだよ、キョン。君の自由な発想や、飾らない見識は、僕をとても心地よくさせるし、     とてもひきつけられるものだと明言しておくよ」 キョン「それでしょっちゅう笑いのツボ押されて、腹抱えて倒れるのか。     まあ勉強教えてもらってるお礼とすれば軽いもんだが」 佐々木「……言外の含みを豊かに実らせるのが文化だとすれば、君のコミュニケーション能力は時々     恐ろしく非文化的になるね、キョン。     今の君に謹んで田夫野人の称号を進呈するよ」 キョン「なんだよ。その言葉嫌いじゃなかったのかよ?」 佐々木「全く君という奴は」 ぜ、ぜんぜん実話に基づいてないんだから

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