11-609「佐々木(大)?」

校庭に面した窓にもたれるようにして、一人の女性が立っていた。白いブラウスと黒のミニタイトスカートをはいている髪は肩口までのシルエット。足元は来客用のスリッパ。
その人は俺を見ると、顔中に喜色を浮かべて駆け寄り、俺の手を握りしめた。
「やあ、キョン……久しぶりだね」
佐々木じゃなかった。佐々木にとてもよく似ている。本人じゃないかと錯覚するほど似ている。実際、本人としか思えない。
でもそれは佐々木ではなかった。俺の佐々木はこんなに背が高くない。こんなに大人っぽい顔をしていない。ブラウスの布地を突き上げ……ることのない胸はまさしく佐々木のものだったがな。

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最終更新:2007年07月21日 20:29
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